小川秀樹の発言 (法務委員会)
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○政府参考人(小川秀樹君) 改正法案の検討の過程では、個人事業主の配偶者を公証人による意思確認の手続の例外とするのが適切かにつきまして様々な意見がございました。その中でも、中小企業団体や金融機関からは、主債務者が法人である場合の主債務者の代表者などの配偶者については、経営者との経済的一体性や経営の規律付けの観点からは保証人となることに合理性があり、現にこの配偶者が保証人となる事例は少なくないことを踏まえ、公証人による意思確認の手続の例外とすべきであるとの強い意見がございました。
しかし、改正法案におきましては、公証人による意思確認の例外とすべき配偶者の範囲としては、法人である事業者の代表者等の配偶者を含めないこととし、あくまでも個人事業者の配偶者であって、かつ共同して事業を行う者又は事業に現に従事している者に限定して例外扱いをすることとしております。
その理由でございますが、個人が事業を営んでいる場合には、その個人の財産がその事業に供され、かつその利益はその個人に帰属することとなりますが、その個人事業主が婚姻しているときには、事業に供した個人の財産及び個人が得た利益はその配偶者とともに形成した夫婦の共同財産であると評価され得るものであります。
そして、夫婦の共同財産が事業に供されるだけでなく、その配偶者がその事業に現に従事しているのであれば、事業を共同で行う契約などが夫婦間に存在せず、共同事業者の関係にあるとまでは言い難い事例でありましても、財産や労務を事業に投下し、他方で利益の分配を受けているという点で、実質的には個人事業主と共同して事業を行っているのと類似する状態にあると評価することができるわけでございます。
そういたしますと、個人事業主の事業に現に従事している配偶者は、その個人事業主の事業の成否に強い利害関係を有し、その状況を把握することができる立場にあると言えます。
他方で、法人が事業を行っている場合における法人の代表者などの配偶者については、今申し上げましたような意思確認の手続の例外とすべき実質的な事情は存在いたしません。
このように、改正法案におきましては、中小企業などの実情も踏まえた上で、保証のリスクを認識せずに保証人となるといった被害を防止するという公証人による意思確認手続創設の趣旨に鑑みまして、個人事業主の配偶者についてのみ、かつ、あくまでも共同して事業を行う配偶者又は事業に現に従事している配偶者に限定して意思確認の手続の例外としたものでありまして、合理性があるというふうに考えております。