西村幸三の発言 (法務委員会)

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○参考人(西村幸三君) 私が弁護士になった頃はちょうど暴力団対策法が施行された頃でした。暴力団対策法が施行されてから、暴力団というのはなかなか表立って看板を上げにくくなりました。でも、相変わらず看板を上げていた事務所もあり、あるいは部屋の中ではもう当然やくざグッズが山のようにあふれ返っているわけですね。あるいは名刺を渡されたことも私は実際ありますし、依頼者が恐喝のときに名刺を渡されたこともございます。
 一般人は、やくざというだけでもう完全に恐怖で震え上がります。もう言うことを聞かなければ人生が終わってしまう、殺されてしまう、家族がどうなってしまうか分からない、夜も寝られない、もう妻と離婚して別に住んでもらうしかないと、そういう相談がもう本当にしょっちゅうです。それぐらい組織犯罪の恐怖というものは一般人にとったら悲惨なものです。そういう案件をもう日常的に弁護士になって以来扱ってきたものですから、被害者の側の恐怖というものを物すごく私は痛感しております。
 山口組のトップを訴えた最高裁判決の事件ですけれども、これも抗争で撃たれているんですよね。ただし、末端の実行犯は上部を巻き込まないように自分で終わらせようとするので、なかなかその上まで責任がたどり着かないと。被害回復が受けられない、物すごく不条理な中で闘って、地裁では負けたけれども最終的には勝訴して被害回復ができました。
 闇金の被害、本当にこれはもういまだに怒りを、思い出すたびに怒りを忘れられないです。丸三日電話掛け続けて、七十件ぐらいの闇金に、ようやく追い払った翌日に被害者が亡くなりました。泣き叫んで息子さんが電話されてきたのはもういまだに忘れません。
 この二つの体験は同時並行でやっております。どうしても許せなくて、携帯電話本人確認法で闇金を封じられないかということを提言して、今携帯電話闇金はみんな忘れたようにもう落ち着いていますけれども、火を付けるだとか、子供の学校に電話するだとか、親兄弟、それこそおじ、おばまで連絡先を聞き出して職場に追い込みを掛けるだとか、電話で。あんなひどい、まさにあれが組織犯罪なんですね、私の実感では。
 それでようやく逮捕された五菱会闇金の犯罪被害収益が何と返ってこないと、スイスから。しかも、シンガポールは捜査もできないと。どうなっているんですかというのが私の怒りでしたね。
 ただ、外交ルートでしか捜査協力を求められなければ異常に時間も掛かるし、難しいことはそれはもうよく分かっています。離婚訴訟を韓国に帰っちゃった夫に起こしたときには、領事館送達で、訴状一通、一年半届くのに掛かりました。そんなテンポで犯罪捜査に対応できるわけがないわけです。
 今回のTOC条約は、外交ルートでなくてもそういう捜査協力ができるようになる。ある意味画期的なんですけれども、その画期的なことを十数年されていないということについては一体どうなっているんですかということを、私は常に市井の弁護士として、被害回復という被害者の目で見ています。ただ、残念ながらそういう目で見てくれている弁護士がどこまでいるのかというのは、まあ余り言いたくはないですけれども、そういう気持ちになることもあります。
 もちろん、国民のプライバシー大事です。刑事被告人の権利大事です。被疑者の権利も大事です。ただ、バランスというものがあって、そのバランスが今国際的にTOC条約の中身になっている、人権バランスの感覚がですね。私の感覚はそこにあるので、もちろんお立場が違う方が多いのはよく分かっておりますが。
 ちょっと質問の答えになっているかどうか分かりませんけれども、私の実体験として感じたことを申し上げました。

発言情報

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発言者: 西村幸三

speaker_id: 15446

日付: 2017-06-01

院: 参議院

会議名: 法務委員会