福田充の発言 (法務委員会)

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○参考人(福田充君) 私自身は、日本のテロ対策以外はイギリス、アメリカのテロ対策が専門でありますので、やはりアメリカやイギリスの事例になってくるかと思いますけれども、やはりそれぞれの国によって歴史的事情が余りにも大きく異なりますので、例えばイギリスは、もう一九七〇年代、八〇年代からアイルランド共和国軍との爆弾テロに対するテロ対策を非常に強化してきた歴史があり、そして、だからこそ、イギリス国民もそのテロ対策によって得られる安全、安心の方を享受する、そういったテロ対策を受け入れるという歴史が長くイギリスにはあります。しかしながら、だからといって、イギリスが超監視社会になって自由や人権が非常に損なわれているということに対するイギリス国民の反感とか不安というものは増大していない傾向があります。
 それは、やはりテロ対策というもの自体が非常に多様的なアプローチがあり得るということでもあり、先ほどから村井参考人、山下参考人からの御指摘もありましたけれども、おっしゃるとおり、テロは監視し続けて未然に防止するということも非常に重要なんですけれども、それ以外にも、マイノリティーのコミュニティーを見守りながら、何というんでしょう、貧困問題、教育問題、就労問題、そういったことをフォローアップすることによってマイノリティーの少数者の方たちが過激化しないようにする、コンテストプログラムと言ったりしますけれども、イギリスの中では、そういうアプローチも存在します。又は、インテリジェンス活動を民主的に実行していくための議会による委員会活動のようなものもきちんと定着しております。
 様々な多様なテロ対策のアプローチの中の一つとしてこういったテロを未然に防ぐための法制度の構築というものが、イギリスの中では歴史を掛けて時間を掛けて構築されてきましたので、社会の反動とかそういったものはなかったという状況があります。
 一方で、アメリカはやはり九・一一以前と以後ではかなり違った様相を呈していると思います。
 やはりアメリカは自由と人権の国でありますから、安全、安心よりもやはり自由、人権というものが尊重されてきた時代が長く続いておりましたけれども、やはり二〇〇一年の九・一一アメリカ同時多発テロ事件以降、ブッシュ大統領によって行われてきたパトリオット法の整備もそうでありますし、国土安全保障省、DHSによるテロ対策の強化もそうであります、先ほどから出ておりますスノーデン事件で問題になりましたNSAによる通信監視等の監視、そういったものが更に強化されていくという過程の中でブッシュ大統領の支持率がどんどん低下していったと。その結果オバマ大統領が誕生したという経緯もありますので、やはりアメリカは、二〇〇〇年以降は、こういったテロ対策の在り方と自由、人権の在り方について国民が非常に、何というんでしょう、慎重に考え、かつ、社会に不安を感じた場合にはその政権に対してノーを突き付けるということを政権交代ということを通じてやってきたという経緯はアメリカにはあると思います。
 それぞれの国にそれぞれの事情がありますので、日本は、やはり先ほど申し上げたとおり、現在この平和な状況の中で合理的に理性的にテロ対策のことを考えるということが極めて重要だと認識しております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 福田充

speaker_id: 5857

日付: 2017-06-13

院: 参議院

会議名: 法務委員会