井手英策の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(井手英策君) もう数年前になるんですけれども、突然電話が掛かってきましてスウェーデン大使館に呼ばれたことがありまして、元大蔵大臣の方と急遽面会することになったことがありました。その方が悲しそうな目をして私におっしゃったのが、日本の皆さん、大変ですねと。つまり、アジアの国々の人たちが作れるような、つまり経済的に言うと若干遅れた国の人たちが作れるようなものを自分たちも作って競争をなさるんですねと。私たちスウェーデン国民は、スウェーデン人にしか作れないものを作りますというふうに言われました。物すごく切ない思いをしたことがありました。
今申し上げたいのは、AIや人工知能のお話がありましたけれども、これ分からないんですよね。つまり、労働生産性を高めるという議論と同時に、一方でむしろ人々の雇用を奪っていくという問題があり、いや、かつ少子化なので奪っても大丈夫だという議論もまたあり、どういうふうに経済が回るかというのはよく分かりません。ただ、重要なことは、人々の、労働者の質を高めていくための教育という視点だけは絶対に欠かしてはならないということです。その結果、私たち日本人にしか作れないような質の高い製品を作っていくことができるんであろう。
同時に、もし、やや百歩譲って、AIなりなんなりというお話をもしするのであれば、決定的に重要なのは基礎研究投資だと思います。日本、これ、基礎研究投資は普通は大学であったり公的機関であったりで行うものですけれども、OECDの中でも恐らく一番低いか二番目に低いぐらいのレベルだと思います。もしそういったイノベーションを求めていくのであれば、こういった基礎的な研究投資を徹底的に増やしていく必要があると思います。
ただ、日本経済の隘路は、今日も申し上げましたが、幾つかある潜在成長率を高めるファクターのうちイノベーションしかもう期待できることがなくなっているというこの現状にあるように私は思っております。