末松義規の発言 (外務委員会)
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○末松委員 おはようございます。立憲民主党の末松義規でございます。
きょうは、北朝鮮問題が非常に今さまざまに動いているところでございますけれども、それは後でやるとして、最初に、私のずっと政治家として心の中に持っていた、疑問を含めて日米の地位協定について、ずっと私、考え続けているところがございますので、そこの質疑から始めさせていただきたいと思います。
私も、外務省に入る、あるいは外務省時代を通じて、国際法ということを若干かじって、また勉強もしてきたことなんですね。
そこで、第一の資料、今お手元にあります一枚目、外務省のホームページで「日米地位協定Q&A」というのがございまして、「米軍には日本の法律が適用されないのですか。」というところで、「一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、日本に駐留する米軍についても同様です。このため、米軍の行為や、米軍という組織を構成する個々の米軍人や軍属の公務執行中の行為には日本の法律は原則として適用されませんが、これは日米地位協定がそのように規定しているからではなく、国際法の原則によるものです。」と、こう書かれているんですね。ここに、ちょっと私は非常にひっかかってきたわけでございます。
そもそも外国軍隊と受入れ国との関係というのは、まず受入れ国の国家管轄権が最初にあって、そのもとに駐留軍地位協定という、例外的な範囲内で受入れ国の管轄権の放棄がなされているというのが一般的な私は認識であったわけでございます。それが、しかるに、日本ではあたかも在日米軍の管轄権がまず第一にあって、その上で日本の国家管轄権があるような書き方がなされているし、そのような印象を持ったわけですね。
今読んだように、この外務省のQアンドAに書かれているように、「これは日米地位協定がそのように規定しているからではなく、国際法の原則によるものです。」こういうふうに書かれてあるわけでございます。これはちょっとおかしいなというのが私の印象でございまして、ちょっとその前に、これの背景を私の方で説明させていただきます。
この資料の三枚目、追加資料というところで、これは衆議院の調査局の外務調査室がつくったものでございますけれども、まず、上に書いてあるように、日本の敗戦というのを通じて米軍による日本の占領が行われてきた。これは一九四五年ですね。それから、日本国憲法の施行が一九四七年でございますから、米軍の占領下において憲法が公布されたということ。その後、一九五二年に日本の主権が回復をした。それと同時に、サンフランシスコ平和条約、そして旧日米安保条約、さらには行政協定が発効した。そして、その改定のような形で、そのまま継続的に一九六〇年に現在の日米安保条約と日米地位協定が発効をしたということで、それ以来、この日米安保条約及び地位協定は一度も改正がなされていないということでございます。
余り、異常な状況下、占領軍の中で憲法が公布したからということを強調すると、いかにも、末松、おまえは憲法九条改正派かと言われそうなので、誤解されたら困るので、憲法九条に対する私の立場を先にちょっとだけ申し上げますけれども、私自身は憲法九条を守るという立場を堅持してきているわけでございます。
そして、もっと正直に言うと、外務省勤務の前半の時代には憲法九条改正派に私も属していました。その後、在イラクの日本大使館勤務時代にイラン・イラク戦争というものに巻き込まれまして、その戦時下で、イランから大量のスカッドBというミサイルの攻撃にさらされて、隣でミサイルが爆発して、本当に生々しい、想像を絶するような戦争体験をやって、そして一年間戦時下の中で逃げ惑ったような体験を持っているわけですね。それから私は憲法九条改正派から憲法九条護持派に考え方が百八十度変わったという、私自身の経験があるわけでございます。
話がちょっとそれましたけれども、要は、この外務省の書き方を見ると、何か、米軍の占領下での憲法の発効という特殊事情を踏まえて、安全保障については日本の国家管轄権がまず米軍にあって、そのもとで、何か奴隷意識のようなもの、これを非常に私は感じるわけですね。
そこで、ちょっと外務省の方にお伺いしたいんですけれども、これは追加資料の三、今のQアンドAをここで二番目に書いているのと、三番目に、米国務省の要請に基づいて国家安全保障諮問委員会という報告書が二〇一五年に出ていますけれども、この諮問委員会の報告書では米軍と受入れ国との関係について書いてあるわけです。ちょっとこれを読みますと、「ある国に所在する者には、当該国がその国家管轄権について一部の制限に同意している場合を除いて、当該国の法令が適用されるのが、一般的に受け入れられている国際法の原則である。」と。駐留軍地位協定は、この原則に関する合意された例外を規定するものであり、協定によって、受入れ国は、派遣国の利益のために、本来有する一定の管轄権及びその他の権利を放棄することに合意していると。
つまり、この国家安全保障諮問委員会の報告書では、国際法の原則というのが、当該国の法令が適用されるのが一般的、つまり、受入れ国の法令が適用されるのが一般的に受け入れられているんだ、これが国際法の原則だと言っている。
ただ、外務省のこのQアンドA、今上にあるものを見ると、地位協定がそのように規定しているからではなくて、国際法の原則によると。これが、米軍及び軍属の行為に対しては、日本の法律は原則として適用されないと書いてある。これはちょっとおかしいのではないかと思うんですが、その点はいかがですか。