佐藤ゆかりの発言 (経済産業委員会)
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○佐藤(ゆ)委員 今、アメリカとは安全保障上のさまざまな関係が展開しているわけでございまして、北朝鮮の問題もあります、日本は実質的にはアメリカの核の傘下の中で守られているというような状況もあります中で、日本としての発言権の問題、これは歴史的にそういうものがあるんだろうと思いますし、さまざまな安保上の問題が経済関係においても影響がないと言えば、それは正しくないというふうに思うわけでございます。
ただ、こういった問題は、やはりそれは若干切り離して、今の局面ではきちっと、外交安保は外交安保、そして経済は経済ということで切り離して、あるときには毅然とした態度というものが、世界貿易を守る日本だという意味でも、非常に望ましいことではないかなということは私の考えとして申し述べておきたいというふうに思います。
さて、それで、今回の鉄鋼の話に戻りますけれども、各国で少し差別的扱いがあるということで、韓国の扱いでございます。
先ほど申しましたように、韓国は関税措置から除外をされております。ただ一方で、数量制限は課されたということで、いわゆるクオータは課されたということでございます。クオータは、近年の韓国の鉄鋼製品の対米の平均輸入量の七〇%を輸入上限に定めたということであります。
WTOのセーフガード協定では、そもそも関税措置による緊急輸入制限はセーフガードとして認めておりますけれども、しかしながら、数量制限などの関税措置以外の手法というのは原則認めていないわけでありまして、ここで韓国だけクオータをアメリカが差別的措置として導入するというのは、私どもの、いわゆるほかの諸外国の間での公正な貿易環境の確保にとってみれば、いささか有害な手段ではないかなというふうに思われるわけでございます。
どういうふうに有害かということをちょっと申し述べたいと思いますけれども、韓国で対象となる鉄鋼企業、七〇%までの上限だと言われれば、当然これは数量が減るわけでありますから、韓国企業だって黙って見ているわけではないですね、死活問題になります。ということは、収益の保全措置として、数量は減るけれども、しかしながら、では何をしてくるだろうかというと、アメリカの国内市場において、他国の、日本の製品も含めて、鉄鋼が関税二五%かけられて、国内流通価格は二五%上がるということになれば、その上がった二五%の上積みの範囲内でちょこっとそれよりも価格を、値段を下げれば、韓国製品は外国製品と比べて価格交渉力は持ってくるわけであります。
ですから、関税はかけられない韓国製品でありますけれども、ほかの関税をかけられた二五%の単価より若干下げるまで便乗値上げをして、そして数量は減るけれども、便乗値上げによる単価引上げによって収益を保全する、若しくは収益増大を図る、こういった行為は、恐らく必ずや韓国企業のリアクションとして出てくるであろうというふうに想定されるわけでございます。
そうしますと、これは金額ベースで韓国の鉄鋼の対米輸入量というのは壮大なものがありますので、七割上限でもかなりの輸入量になるわけでございますが、そうすると、各国との相対比較において、価格を若干二五%アップより下に下げて価格交渉力を維持しながら、金額シェア、マーケットシェアを拡大させるということは相対的には可能になりまして、これは極めて、諸外国の、戦っている外国の製品からすれば非常に不公正な競争環境を導入するようなアメリカの措置ではないかなというふうに思われるわけであります。
ですから、こういうところからして、仮にこれが自動車にも、関税引上げの対象となる対象国と関税引上げの除外国と、アメリカがこのように差別的な待遇を導入してくるということに万が一なれば、これは世界の自動車市場で、この国の部品は関税の対象になる、そうしたら、違う関税の対象除外国の製品にサプライチェーンとして回した方が有利ではないかとか、さまざま、海外の部品メーカーにおいても、サプライチェーンの仕入れ供給関係を、構造的に構成が変わってくるような、非常にいびつな競争関係を導入しかねない、このクオータと関税の入りまじった差別待遇になるというふうに私は非常に危惧をするわけであります。
ですので、外務副大臣にお伺いしたいと思いますが、本来、WTOの協定というのは、全者条件を、一括して同じ条件でみんなでやっていきましょうというのがWTOのすばらしい理念であるわけであります。このアメリカの、あくまでも各国によって個別ディールに持ち込んで、アメリカの思惑を、意思疎通を通したいというような手法、こうしたことによる差別待遇というのは、明らかにこれはWTO違反であるということを、日本としても、世界貿易を、自由で公正な競争環境を維持するという観点に日本が立つならば、厳重にこれはWTOにクレームを出すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。