輪島忍の発言 (厚生労働委員会)
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○輪島参考人 ただいま御紹介をいただきました、経団連の輪島でございます。
本日は、このような機会を頂戴をいたしまして、感謝をしたいというふうに思っております。
また、お手元には、私どもが毎年発行しております経営労働政策特別委員会報告をお配りをさせていただいております。この中には、働き方改革に関係します記述がたくさん盛り込んでおりますので、御参照いただければ大変ありがたいというふうに思っているところでございます。
それでは、私からは、働き方改革関連法案に賛成する立場から意見を述べたいというふうに考えております。
今、AIやビッグデータなどICTを活用した新たなビジネスの展開や業務プロセスの変革が急速に進み、企業や業界の垣根を越え、大きな変化が起きております。こうした中、今後、働き手の働きがいと企業の競争力の向上をさせていく大変重要な鍵は創造性の発揮にあるというふうに考えているところでございます。
テクノロジーを活用して従来の働き方を大胆に見直し、高い創造性と専門性を発揮しながら、イノベーションを追求していく働き方へとシフトしていかなければならないというふうに考えています。こうした働き方は、必ずしも時間に応じて成果が得られるものではなく、生み出した成果に応じて評価、処遇することで、働き手の満足度を一層高めることができるというふうに考えております。
また、時間外労働の上限規制の創設でございますけれども、労使が三六協定を結びさえすればこれまでは青天井に時間外労働が可能であるという現状を見直して、罰則つきで時間外労働を規制する大改正というふうに考えております。中小企業の実態も勘案しながら、労使の合意のもと、まとめた経緯というのがございます。過労死は絶対にあってはならない。過労死を防止し、労働者の命を守るために重要な見直しだというふうに考えているところでございます。
今回の働き方改革関連法案には、多様な働き手への対応、長時間労働の是正、働く人の能力の発揮に向けた環境整備など、さまざまなものが盛り込まれており、時代に即した改正であるというふうに認識をしております。働き方改革の実現は社会の要請であり、働く人にとってもプラスになるものというふうに考えているところでございます。
以下では、各法案の内容について具体的に述べてまいりたいと思います。
まず、雇用対策法の見直しでございます。これにつきましては、国全体として働き方改革を総合的かつ継続的に推進していくという方針が明らかにされているという点において大変重要な改正だというふうに考えているところでございます。
二番目に、労働基準法の改正でございます。二〇一七年三月十三日、本日お越しの連合の神津会長と経団連の榊原会長の両者で、時間外労働の上限規制等に関する労使合意というのが結ばれております。この労働基準法の改正案につきましては、この労使合意の内容に沿った形であるということで、上限規制を設けた点というのが大変重要だというふうに考えているところでございます。
具体的には、原則的な上限規制を月四十五時間、年三百六十時間に設定し、企業として原則的に上限におさまるように努力をすること、特別の事情がある場合であっても、休日労働を含め単月百時間未満、二カ月から六カ月の平均八十時間以内、年間七百二十時間以内、月四十五時間を超える月は年六回までという四つの上限規制を罰則つきで設けている。これは労働基準法施行七十年以来の大改正でございまして、効果の高い過重労働防止対策というふうに考えているところでございます。
また、年五日の年休の時季指定の事業主への義務化、月六十時間を超える法定労働時間外に係る五割以上の割増し賃金率の中小事業主への猶予措置の廃止、これにつきましても盛り込まれておりまして、いずれも、働く人の長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する改正というふうに考えております。
あわせて、業務の性質上、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くない高度の専門職に対して、職務を限定し、本人同意をとった上、通常の労働時間規制ではなく、労使同数の委員で構成する委員会で決めた独自の健康確保措置を適用する高度プロフェッショナル労働制の創設につきましては、創造性を十分発揮できる柔軟な働き方の選択肢をふやすものというふうに考えておりまして、時代の変化に対応した改正というふうに考えております。
三番目に、労働時間等設定改善法についてでございますが、勤務間インターバル制度の努力義務を創設するということで、政府の各支援と相まって、まずは導入企業がふえるということを目指す、そういうことが期待されるというふうに考えているところでございます。
安全衛生法とじん肺法の改正でございますけれども、産業医、産業保健機能の強化が盛り込まれております。加えて、医師の面接指導の徹底を図るために、こちらは、管理監督者も含めて、全ての労働者に対して健康確保のための労働時間の把握義務が明記されるということは非常に大きいことだというふうに考えております。
上限規制の導入に伴いまして、医師の面接指導の対象となり得る時間が省令において百時間から八十時間に引き下げられるということも予定をされておりまして、いずれも働く方の健康確保にプラスになる改正だというふうに考えているところでございます。
最後に、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正についてでございます。
同一労働同一賃金の目的は、いわゆる非正規の待遇を改善して働き方の選択肢を広げ、誰もが活躍できる社会をつくることにあります。労働力人口が減少する中、企業としても、若年者や女性、高齢者など多様な人材の活躍を促すために、雇用形態の違いによらない均等・均衡待遇を確保していく上で有効というふうに考えているところでございます。
我が国企業においては、一時点の仕事の内容だけでなく、職務内容、配置変更の範囲などさまざまな要素を総合的に勘案して賃金を決定しております。加えて、我が国の基本給が、職能給、年齢給など複数の賃金項目で構成されている企業も少なくないという現状がございます。ゆえに、正規と非正規との間の待遇差が不合理かどうか判断しにくいという課題がございました。
今回、不合理性の判断基準を明確にしたこと、また、法律に基づくガイドラインを策定することは、個別企業労使が不合理かどうかの判断をしやすくするものでありまして、均衡規定の実効性が高まるものというふうに評価ができるというふうに考えております。
あわせて、通常の労働者との間の待遇の相違の内容や理由などを説明するということで、事業主の説明義務が強化をされております。事業主しか持っていない情報のために、労働者が訴えを起こすことができないというようなことを避ける、そういうことを解消することにつながるというふうに期待をされるほか、会社側が説明できない、あるいは説明しにくいということであれば、むしろ社員に納得してもらいやすい賃金制度へ見直しをしていく、そういうきっかけになるのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、正規、非正規間の不合理な待遇差を解消する上で大変重要な改正であり、働く方のプラスになる改正だというふうに考えております。
最後に、先生方におかれましては、現在企業が大きな変革のときを迎えているということを改めて御理解をいただきまして、今国会におきまして、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル労働制を盛り込んだ働き方改革関連法案の成立をお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)