初鹿明博の発言 (厚生労働委員会)
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○初鹿委員 立憲民主党・市民クラブを代表いたしまして、政府提出の水道法の一部を改正する法律案について、反対の立場で討論いたします。
今回の法改正は十七年ぶりに行われるもので、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るためのものであり、この点において必要性があることは我々も理解をしており、賛成できるものであります。
しかしながら、審議の中で多くの問題点を指摘させていただいた、官民連携の推進という聞こえのよい言葉で問題点を覆い隠している、民間事業者に水道事業の運営権を譲り渡す、いわゆるコンセッション方式の導入については、全ての国民に安全で安価な水を安定的に提供することができなくなる可能性があり、強く反対するものであります。
本日の質疑で尾辻かな子議員が紹介しましたが、世界の民営化水道の実態を調査している公共サービスリサーチ連合によると、世界三十七カ国、二百三十五水道事業が再公営化されていると報告しているとおり、世界の潮流は再公営化に向かっています。
公共サービスの民営化を積極的に進めてきた英国でも、水道事業者が巨額の利益を役員報酬や株主配当に回しているとの指摘がされ、再公営化の議論が起こっています。
また、ことし二月に来日したパリ市のアン元副市長は、民営化後の二十五年間で水道料金は一・七倍まで引き上げられたと紹介しているとおり、水道事業の民営化は必ずしも住民の利益にならないことは明らかであります。
本日の武内則男議員の質疑では、二〇一六年、二〇一七年に内閣府が水道事業の民営化の状況についてフランス等に視察に行きながら、再公営化したパリ市には、先方との日程調整ができなかったという理由でヒアリングすら行っていなかったことが明らかになりました。
世界の潮流に逆行してコンセッション方式を導入する以上、民営化に失敗し、再公営化した世界の事例に学ぶ必要があることは言うまでもありません。しかしながら、再公営化した自治体に学ぶことなく、民営化ありきで法案化を進めてきたことは非常に無責任であると言わざるを得ません。
一度民間に運営権を渡してしまうと、再公営化することは非常に難しくなります。現状でも水道事業に携わる人員が減少している中で民営化され、数年たってしまえば、いざ再公営化しようとしても、担うべき人材がいないという事態になりかねません。本日の吉田統彦議員の質問でも、民間事業者が水道事業から撤退する事態になった場合の対策が全く考えられていないということも明らかになりました。
また、災害時に民間事業者がしっかり対応できるのか、他の自治体との連携が可能なのかという不安の声も上がっております。
以上の懸念に応えるために、我々立憲民主党・市民クラブは、国民民主党と共同で、水道施設運営権の設定の許可に関する規定である第二十四条の四から十三までを削除する修正案を提出いたしました。
与党の皆様も、ぜひ、いま一度、コンセッション方式の問題点に目を向けていただき、安易に国民の財産である水道事業を海外の民間企業に譲り渡す結果にならないよう、我々の修正案に賛同いただきますことをお願いいたしまして、政府提出法案に対して断固反対の討論といたします。(拍手)