門田守人の発言 (厚生労働委員会)

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○門田参考人 ただいま御紹介いただきました、日本医学会連合、医学会の会長をしております門田でございます。
 私は、今のお二方の参考人の方と少し見方を変えて、医学会ということを、ある学術団体として、どこかの職能団体というよりも、学術団体としての御意見としてお話しさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、少しだけ時間をいただいて、医学会連合と医学会という話をしたけれども、何なんだそれはと多分多くの方が思っていらっしゃると思いますので、お話だけ簡単にさせていただきますと、医学会というのは一九〇二年にスタート、日本医師会が日本全体の組織になったのが一九一六年、戦争に負けますまではこのままの状態で並立してきた。
 そして、一九四七年、敗戦後、医師会の方が解散させられ、我々はそのまま、医学会の方は残っておったということですが、一九四八年、昭和二十三年に、GHQによりまして、医師会に学術的な機能を持たすためということで、医学会が一方的にこの中に統合されたということでございます。
 こういう状態で六十五年続いておったんですが、二枚目を見ていただきますと、六十五年、真ん中のこの関係でございましたけれども、しかし、ここで私たちが考えたのは、医学会というものは学術団体であって、必ずしも医師会の中に入り切るというものではないほかの仕事があるんだというふうなことから、一般社団法人化しようというふうなことでございます。
 そして、本来であれば独立するような格好の、上の方に行こうか、こういうふうなことを考え、しかし、結果的には下のような状態で、一部は医学会として医師会と一緒に動く、そして一部は医学会連合としての動きをするというふうな形で、何とか学術的なことをもっとメーンに発信し、行動するということになったということを、前もってお話しさせていただきたいというふうに思います。
 本日は、専門医制度をどう考えるかというふうなことを中心にお話しするよう伺いましたので準備しましたが、簡単にだけ述べさせていただきますと、その次に、我が国の専門医制度の歩みということで、歴史的なことを書いております。これはまたゆっくり見ていただくことにして、問題は、歴史的には、とにかく専門医制度、認定医制度がスタートする。しかし、それがばらばらであったのでそれを何とか統合しよう、こういう流れがあった。そして、途中で厚生省の方の、専門医制度というものを認め、そしてそれを広告できるようにするというふうな感じになったときから一気に話がおかしくなってきた、こういうことでございます。
 その次の三者懇談会は、これはパスします。見ていただきたいと思います。
 その後、平成十一年に学術会議が、本来の専門医制度とはということを、非常に的を得たまとめを出されたということがございます。これは見ていただくことにしたいと思います。
 しかし、その次、専門医資格を認定する団体の基準ということで、厚労省が平成十四年に出した。ここで学会の基準を決定したというふうなことで、専門医の資格ということよりも、認定する団体のことが中心に、外形基準と言われますけれども、こういうものがスタートしたというふうなことから、その次の図を見ていただきたいんですが、これは十年ほど前に自分が関係していた学会の専門医制度です。ですから、どこまでが、学会さんはわかるけれども、私たちにかかってくる患者さんたちにとって、何の専門がどういうことになっているのか、それ同士がどうなっているかということがなかなかわからないというふうな状態が続いておったということであります。それには問題がある、これは医師会の意見ですが、そういうものを出されました。
 そこで、当時の、前の機構の方で、専門医制評価・認定機構というふうな機構の名前でございましたけれども、前の機構では、あり方委員会という、もう少し真剣にこれを取り組むというふうなことから委員会が立ち上がった。そして、そこで方針としたのは、結局は、質の高い医療を受けられる、患者さんにとって質が高い医療が受けられるんだ、こういうふうなことが何よりもまさる大切なことなんだということであります。そういうふうなこと、先ほどの三宅参考人のお話もございましたけれども、何はともかく、それがメーンの目的であるということであります。
 それで、その図を見ていただきますと、医師の育成の過程ではいろいろな段階がある。だから、どこでどう線を引くかというのは簡単にできることではないということ。そして、その次の棒グラフを見ていただきますと、また病院の状態によっては、こういうふうに外科医の数がとんでもなく違う。そして、それを一つの専門医という名前でどうするのかというふうなこと。そうすると、数の多いところの発想よりも、本当に現場、医療の現場で働いている人たちがどうあるべきかということを考える必要があるというふうな意見に集約されつつあるということでございました。
 そこで、その次にありますけれども、プロフェッショナルとスペシャリストというのが皆さん混同してしまっている。学会が育成しているものはスペシャリストである。それから、制度全体で、医療制度の中で基盤をなすのがプロフェッショナルであって、スペシャリストとプロフェッショナルというのは一緒にはできないんだという認識をしっかりすべきだということを打ち出した。
 そういうふうなことがございまして、専門医制度の基本設計に関する提言という提言をまとめたのでありますが、そこで一から七まで挙げておりますけれども、一番重要なことは、学会単位の制度から診療領域単位で学会を越えたものであるという形にするならば、それを認定するのは学会ではない、第三者機関だというふうに、それを中心に考えていくべきであるというふうなことをやりました。当然ながら、学会ではないので、日本国全体の中で適正数ということを検討していかざるを得ないじゃないかというふうなことになったということであります。
 そして、医師のインセンティブは何かというふうなディスカッションもございました。今は自由標榜科となっておりますけれども、やはり標榜科と専門医領域というのが一致するというのは当然の方向ではないかというようなディスカッション等もありました。そういうふうなことから、旧機構の中ではこの方針が認められたということでございます。
 そして、その次の、小さな字、右に組織図を描いているのがありますが、これだけではだめだというふうなことから、日本医師会にも加わっていただいて、もう一回、第三者機関検討委員会というのを立ち上げたということであります。その委員長を拝命したわけですが、そういうディスカッションをしながら今回の新しい機構のあり方を検討したということであります。
 そういうふうなことで、その次にありますけれども、厚生労働省の中での専門医の在り方に関する検討会の中間まとめ、結果的には、先ほど申しましたように、第三者機関というものの設立ということでスタートしたということであります。
 そういうふうなことで来て、いろいろな紆余曲折がございまして、今回新たにスタートしたとはいえ、初期のこういう大きな本当に理念的な考え方が少し薄れてきている嫌いがあるのではないのかということを、少し心配しているということであります。
 そして最後に、先生方皆さん御存じのことを申し上げて大変失礼ですけれども、福沢諭吉の「文明論之概略」の第一章のところ、「議論の本位を定る事」ということは非常に私は大切なことだというふうに思いますので、これを添えておきます。
 議論の本位を定めざれば、その利害得失を談ずべからず。城郭は、守る者のために利なれども、攻むる者のためには害なり。ゆえにこれらの利害得失を談ずるには、まずそのためにするところを定め、守る者のためか、攻める者のためか、その主とするところの本位を定めざるべからず。利害得失を論ずるは易しといえども、軽重是非を明らかにするは甚だかたし。一身の利害をもって天下のことを是非すべからず、一年の便不便を論じて百歳のはかりごとを誤るべからずということを百五十年ほど前に書かれているということから考えて、私は、専門医の育成というのは、先ほどの方と一緒です、育成は育成がメーンなんです。それをほかのことで、育成のことを忘れたディスカッションをするということは、私は許されないのではないかというふうに思っております。
 そういった意味で、全体を通して私の考え方を申し上げさせていただきますと、今、世の中、分化と統合という言葉がよく使われますけれども、分化の方向ではだめだ、常に、統合して全体でどう見るか、統合の方向を目指すということが必要になります。
 そしてもう一つ。氷山の一角ということがよくありますけれども、氷山の見えるところ、表面と、それから深部の見えないところで非常に重要なことをやっているということ、その構成をしっかり見て、我々が何に向かって何をするのかということが必要ではないかというふうに常に思っております。
 例えば、偏在の問題でもそうです。地域が崩壊してきている、そしてそれから医師の偏在も生じているというバックがあるということを忘れてはならないというふうに思います。ですから、これは社会全体の大きな構成でございます。
 また、診療科の偏在を考えますと、例えば診療報酬だって、高いものをみんな狙いたがります。そうすると、専門性の高いところとか高い手術というふうなことです。でも、一番必要なことは何でしょうか。病気の治療も大切ですけれども、予防の方がもっと大切なんです。社会全体を見る、地域全体を見るというふうなことに配慮した診療報酬体制になっているでしょうか。
 私は、人間がどういう行動を起こすかということ、確かに個々の問題もありますけれども、その点についての、そういう方向に対して大きな意味での政策を打つということをぜひやっていただきたいというふうに思います。
 過去に総合診療部という新設部がありましたけれども、残念ながらこれは失敗に終わったということだと思います。ぜひ、全体としてどうあるべきか、考えていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119604260X03620180713_006

発言者: 門田守人

speaker_id: 16255

日付: 2018-07-13

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会