長谷川雅巳の発言 (消費者問題に関する特別委員会)

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○長谷川参考人 経団連の経済基盤本部の長谷川と申します。
 本日は、消費者契約法の一部を改正する法律案について意見を申し述べる機会を頂戴し、まことにありがとうございます。
 お手元にパワーポイントの資料を御用意させていただいております。これに基づきまして、経団連の考え方を申し上げたいというふうに思います。
 一枚目の下のスライドにあるとおり、本日は、五点について御説明申し上げたいと考えております。
 まず、消費者保護に関する経団連の取組です。おめくりいただいて、スライドの三をごらんください。
 経団連では、消費者保護への取組として、主として三つの取組を行っております。第一が、企業行動憲章の策定及びその実行の手引きの策定です。第二は、消費者庁と協力した消費者志向経営の推進です。第三が、消費者への啓発活動です。
 まず、企業行動憲章について御説明申し上げます。スライド四をごらんください。
 企業行動憲章は、対消費者についてのみならず、地域社会や投資家などとの関係についても規定する十の原則から構成されております。その中の原則五で、消費者、顧客の満足と信頼を獲得することを掲げております。また、原則の一では、社会に有用で安全な商品、サービスの開発、提供を会員企業に求めております。
 企業行動憲章につきましては、会員企業が具体的にどのような取組を行えばよいのかがわかるよう、実行の手引きも策定しております。この中で、原則遵守のための基本的心構えや姿勢、あるいは具体的アクションプランの例を示しております。
 また、企業行動憲章は昨年十一月に改定しておりますが、おめくりいただきまして、スライドの五にありますように、経団連として推進しておりますソサエティー五・〇の実現を通じたSDGsの達成を強く意識した改定を昨年行っております。
 スライド六からスライド十までは企業行動憲章の具体的な内容となっておりますが、やや細かい中身でございますので、後ほどごらんいただくとして、次にスライドの十をごらんいただければと思います。
 経団連では、消費者庁が進める消費者志向経営の推進活動にも取り組んでおります。消費者庁と協力しながら、会員企業に対し、消費者志向自主宣言の呼びかけを行っております。また、スライドの十二にありますとおり、消費者教育の重要性を踏まえ、業界団体の協力を得て、消費者教育を推進しております。
 続きまして、スライド十三をごらんください。ここでは、適切な消費者保護を推進するために、あり得る政策メニューをまとめております。
 釈迦に説法ではございますが、消費者被害を防止するための政策メニューといたしましては、本日審議の対象となっております消費者契約法のような民事法に加え、行政規制や刑事規制もございます。また、消費者教育の充実や、国民生活センター等の消費者行政の体制整備も有益ではないかと考えております。対応すべき課題に応じて、こうした政策メニューの中で効果的なものを動員していくといった対応が必要であると考えております。
 さまざまな政策メニューがある中で、今回、消費者契約法改正が提案されています。消費者契約法のあり方を考える上で、我々経済界が必要と考える視点をスライド十四に挙げさせていただきました。
 まず第一は、言うまでもありませんが、消費者保護が適切に図られることです。救済されるべき消費者に取消権がしっかり与えられること、情報提供も含め消費者取引に必要な環境が整備されることは、健全な経済社会にとって極めて重要であるというふうに考えております。
 第二点目は、規制の範囲が適切に設定され、健全な事業活動が阻害されないことです。規制が過度であれば事業者の活動が阻害され、結局、消費者にとっての選択肢が狭まったり、あるいは不要なコストが生じる懸念があります。
 第三点目は、内容が明確で、予見可能性が確保されていることです。予見可能性が確保されていなければ、事業者が規制内容を保守的に解釈してしまい、経済活動の萎縮を招くことが強く懸念されます。
 以上のような視点を踏まえた上で、今回の消費者契約法改正法案について申し上げます。スライドの十五をごらんください。
 総論的に申し上げますと、私も参加させていただいた専門調査会の報告書をベースに、本日御出席されている河上先生が委員長として取りまとめられた答申に沿って、極めて適切な内容としていただいているものと考えております。
 まず、消費者保護の観点からは、いわゆるデート商法や不安をあおる告知、あるいは契約締結前の債務の実施といった、従来から問題とされてきた取引に対し的確に対応した内容となっていると考えております。
 また、消費者が成年被後見人となった場合の契約解除を無効とし、社会の高齢化やノーマライゼーションの要請に応えたものとなっております。
 他方で、要件の設定につきましても、問題となる取引態様に対応しつつ、健全な事業活動は阻害しない形に設定されていると評価しております。また、明確性、予見可能性も確保されており、後ほど申し上げます逐条解説とあわせ、事業活動の萎縮を招いたりすることは回避されているものと考えております。
 最後に、今後の課題について三点申し上げます。スライド十六をごらんください。
 第一点目は、逐条解説におけるさらなる明確化でございます。御案内のとおり、消費者契約法については、消費者庁の御尽力により詳細な逐条解説がまとめられており、これにより予見可能性の確保が図られております。今回改正がなされた場合には、改正箇所について、解釈に疑義が生じる可能性がある部分については、国会での審議や専門調査会での議論を踏まえ、適切に解説を作成していただきたいと考えております。
 例えば、今回、三条一項二号で新たに設けられる情報提供に関する努力義務に関し、消費者の知識や経験について事業者の側で積極的に確認することまでは求められていないといったこと、あるいは、新たに不当条項として加えられる八条の二の内容について、既に取引社会に定着している反社会的勢力排除条項が無効となされないといった点については、ぜひ逐条解説で明記していただきたいと考えております。
 今後の課題の二点目は、政策効果の検証でございます。今回の改正によって、デート商法などの不適切な取引に対してどのような効果があったのか、しっかり検証していただきたいと考えております。第三点目とあわせて申し上げますが、消費者委員会消費者契約法専門調査会の検討過程では、問題となっている取引がどの程度起こっているのか必ずしも十分に示されていたとは言えません。今回の改正の効果を定量的にしっかり検証していただくとともに、今後の消費者契約法のあり方を検討する際には、定量的な分析をきちんと行う必要があると考えております。
 私からの説明は以上です。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 長谷川雅巳

speaker_id: 17855

日付: 2018-05-15

院: 衆議院

会議名: 消費者問題に関する特別委員会