消費者問題に関する特別委員会

2018-05-15 衆議院 全97発言

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会議録情報#0
平成三十年五月十五日(火曜日)
    午前九時四十五分開議
 出席委員
   委員長 櫻田 義孝君
   理事 穴見 陽一君 理事 伊藤信太郎君
   理事 勝俣 孝明君 理事 永岡 桂子君
   理事 堀内 詔子君 理事 大河原雅子君
   理事 柚木 道義君 理事 濱村  進君
      池田 佳隆君    石崎  徹君
      岩田 和親君    木村 弥生君
      小泉 龍司君    小島 敏文君
      佐藤 明男君    杉田 水脈君
      鈴木 貴子君    鈴木 隼人君
      武村 展英君    中山 展宏君
      原田 憲治君    百武 公親君
      藤井比早之君    船田  元君
      穂坂  泰君    松本 洋平君
      宮路 拓馬君    宗清 皇一君
      八木 哲也君    篠原  豪君
      森山 浩行君    山本和嘉子君
      大西 健介君    関 健一郎君
      森田 俊和君    鰐淵 洋子君
      黒岩 宇洋君    畑野 君枝君
      森  夏枝君
    …………………………………
   参考人
   (一般社団法人日本経済団体連合会経済基盤本部副本部長)          長谷川雅巳君
   参考人
   (青山学院大学法務研究科教授)
   (前内閣府消費者委員会委員長)          河上 正二君
   参考人
   (適格消費者団体京都消費者契約ネットワーク理事長)
   (弁護士)        野々山 宏君
   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君
    —————————————
委員の異動
五月十五日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     池田 佳隆君
  鴨下 一郎君     石崎  徹君
  小島 敏文君     八木 哲也君
  原田 憲治君     宗清 皇一君
  百武 公親君     穂坂  泰君
  尾辻かな子君     山本和嘉子君
  西岡 秀子君     森田 俊和君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     岩田 和親君
  石崎  徹君     鴨下 一郎君
  穂坂  泰君     杉田 水脈君
  宗清 皇一君     原田 憲治君
  八木 哲也君     小島 敏文君
  山本和嘉子君     尾辻かな子君
  森田 俊和君     西岡 秀子君
同日
 辞任         補欠選任
  杉田 水脈君     百武 公親君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
     ————◇—————
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櫻田義孝#1
○櫻田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、消費者契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案審査のため、参考人として、一般社団法人日本経済団体連合会経済基盤本部副本部長長谷川雅巳君、青山学院大学法務研究科教授・前内閣府消費者委員会委員長河上正二君及び適格消費者団体京都消費者契約ネットワーク理事長・弁護士野々山宏君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず長谷川参考人にお願いいたします。
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長谷川雅巳#2
○長谷川参考人 経団連の経済基盤本部の長谷川と申します。
 本日は、消費者契約法の一部を改正する法律案について意見を申し述べる機会を頂戴し、まことにありがとうございます。
 お手元にパワーポイントの資料を御用意させていただいております。これに基づきまして、経団連の考え方を申し上げたいというふうに思います。
 一枚目の下のスライドにあるとおり、本日は、五点について御説明申し上げたいと考えております。
 まず、消費者保護に関する経団連の取組です。おめくりいただいて、スライドの三をごらんください。
 経団連では、消費者保護への取組として、主として三つの取組を行っております。第一が、企業行動憲章の策定及びその実行の手引きの策定です。第二は、消費者庁と協力した消費者志向経営の推進です。第三が、消費者への啓発活動です。
 まず、企業行動憲章について御説明申し上げます。スライド四をごらんください。
 企業行動憲章は、対消費者についてのみならず、地域社会や投資家などとの関係についても規定する十の原則から構成されております。その中の原則五で、消費者、顧客の満足と信頼を獲得することを掲げております。また、原則の一では、社会に有用で安全な商品、サービスの開発、提供を会員企業に求めております。
 企業行動憲章につきましては、会員企業が具体的にどのような取組を行えばよいのかがわかるよう、実行の手引きも策定しております。この中で、原則遵守のための基本的心構えや姿勢、あるいは具体的アクションプランの例を示しております。
 また、企業行動憲章は昨年十一月に改定しておりますが、おめくりいただきまして、スライドの五にありますように、経団連として推進しておりますソサエティー五・〇の実現を通じたSDGsの達成を強く意識した改定を昨年行っております。
 スライド六からスライド十までは企業行動憲章の具体的な内容となっておりますが、やや細かい中身でございますので、後ほどごらんいただくとして、次にスライドの十をごらんいただければと思います。
 経団連では、消費者庁が進める消費者志向経営の推進活動にも取り組んでおります。消費者庁と協力しながら、会員企業に対し、消費者志向自主宣言の呼びかけを行っております。また、スライドの十二にありますとおり、消費者教育の重要性を踏まえ、業界団体の協力を得て、消費者教育を推進しております。
 続きまして、スライド十三をごらんください。ここでは、適切な消費者保護を推進するために、あり得る政策メニューをまとめております。
 釈迦に説法ではございますが、消費者被害を防止するための政策メニューといたしましては、本日審議の対象となっております消費者契約法のような民事法に加え、行政規制や刑事規制もございます。また、消費者教育の充実や、国民生活センター等の消費者行政の体制整備も有益ではないかと考えております。対応すべき課題に応じて、こうした政策メニューの中で効果的なものを動員していくといった対応が必要であると考えております。
 さまざまな政策メニューがある中で、今回、消費者契約法改正が提案されています。消費者契約法のあり方を考える上で、我々経済界が必要と考える視点をスライド十四に挙げさせていただきました。
 まず第一は、言うまでもありませんが、消費者保護が適切に図られることです。救済されるべき消費者に取消権がしっかり与えられること、情報提供も含め消費者取引に必要な環境が整備されることは、健全な経済社会にとって極めて重要であるというふうに考えております。
 第二点目は、規制の範囲が適切に設定され、健全な事業活動が阻害されないことです。規制が過度であれば事業者の活動が阻害され、結局、消費者にとっての選択肢が狭まったり、あるいは不要なコストが生じる懸念があります。
 第三点目は、内容が明確で、予見可能性が確保されていることです。予見可能性が確保されていなければ、事業者が規制内容を保守的に解釈してしまい、経済活動の萎縮を招くことが強く懸念されます。
 以上のような視点を踏まえた上で、今回の消費者契約法改正法案について申し上げます。スライドの十五をごらんください。
 総論的に申し上げますと、私も参加させていただいた専門調査会の報告書をベースに、本日御出席されている河上先生が委員長として取りまとめられた答申に沿って、極めて適切な内容としていただいているものと考えております。
 まず、消費者保護の観点からは、いわゆるデート商法や不安をあおる告知、あるいは契約締結前の債務の実施といった、従来から問題とされてきた取引に対し的確に対応した内容となっていると考えております。
 また、消費者が成年被後見人となった場合の契約解除を無効とし、社会の高齢化やノーマライゼーションの要請に応えたものとなっております。
 他方で、要件の設定につきましても、問題となる取引態様に対応しつつ、健全な事業活動は阻害しない形に設定されていると評価しております。また、明確性、予見可能性も確保されており、後ほど申し上げます逐条解説とあわせ、事業活動の萎縮を招いたりすることは回避されているものと考えております。
 最後に、今後の課題について三点申し上げます。スライド十六をごらんください。
 第一点目は、逐条解説におけるさらなる明確化でございます。御案内のとおり、消費者契約法については、消費者庁の御尽力により詳細な逐条解説がまとめられており、これにより予見可能性の確保が図られております。今回改正がなされた場合には、改正箇所について、解釈に疑義が生じる可能性がある部分については、国会での審議や専門調査会での議論を踏まえ、適切に解説を作成していただきたいと考えております。
 例えば、今回、三条一項二号で新たに設けられる情報提供に関する努力義務に関し、消費者の知識や経験について事業者の側で積極的に確認することまでは求められていないといったこと、あるいは、新たに不当条項として加えられる八条の二の内容について、既に取引社会に定着している反社会的勢力排除条項が無効となされないといった点については、ぜひ逐条解説で明記していただきたいと考えております。
 今後の課題の二点目は、政策効果の検証でございます。今回の改正によって、デート商法などの不適切な取引に対してどのような効果があったのか、しっかり検証していただきたいと考えております。第三点目とあわせて申し上げますが、消費者委員会消費者契約法専門調査会の検討過程では、問題となっている取引がどの程度起こっているのか必ずしも十分に示されていたとは言えません。今回の改正の効果を定量的にしっかり検証していただくとともに、今後の消費者契約法のあり方を検討する際には、定量的な分析をきちんと行う必要があると考えております。
 私からの説明は以上です。
 どうもありがとうございました。拍手
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櫻田義孝#3
○櫻田委員長 ありがとうございました。
 次に、河上参考人にお願いいたします。
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河上正二#4
○河上参考人 青山学院大学の河上と申します。
 最初に、こういう機会を与えていただいたということを心からお礼申し上げます。
 私自身、先ほどもお話がありましたけれども、今回の法案提出のもとになりました消費者委員会からの答申とも深くかかわっておりまして、前委員長として、消費者庁を始めとする関係者の方々の御尽力には敬意を表しますとともに、速やかな法律の成立、施行を望んでいるということを最初に申し上げたいと思います。
 ただ、率直に言って、消費者契約法にはかなりの数の改正を必要とする問題点、論点が含まれておりまして、今回提案された法案の論点に絞っても、消費者被害を予防して、被害救済のために、もっと使い勝手のよい消費者契約法とするには、なお改良の余地があるというふうに考えております。
 特に、消費者委員会が答申の中で、異例のと言われているほど、答申とは別の付言というのをつけたということについて必ずしも十分に理解されていないのではないかという気持ちが強くしております。その結果として、多くの論点について若干後退し、さらには検討が先送りになっているということについては、これまで先送りを随分経験してきた私としては大変残念に思っているところでございます。
 最初に、これはもう言わずもがなのことかもしれないのですけれども、消費者契約法という法律の性格について少し述べさせていただきたいというふうに思います。
 実は、消費者契約法というのは、民法などに次いでその適用範囲の広い、非常に包括的な性質を持った民事立法であるという事実であります。よく、特商法、特定商取引法とかいう個別の法律との関係で並べて議論されることがございますけれども、特定商取引法とかあるいは電子消費者契約法といったような、特定の業態あるいは特定の商品に限ってワンポイントで規制をかけているような法律とはやや性質が異なります。つまり、目的物に特化した特別法との関係では、むしろその上にある、一般的な包括民事法であるという事実であります。
 それだけに、その要件を余り個別に明確化して厳密化していくという作業にこだわってしまいますと、消費者契約法そのものの性質というか機能を失ってしまう可能性があるということであります。
 また、宅建業法であるとかあるいは保険業法のような業法というのは、これは一定の行政措置を可能にするための行政規制的法律であるのに対して、消費者契約法は民事法であるということであります。
 法における行政という原則から考えると、そうした行政規制的な法律については、かなり細かく要件を詰めて、場合によっては、行政が何ができるかできないかということをはっきり定めるということが求められます。授業で冗談のように言うんですけれども、例えば、健康診断をするときに、胸囲ははかってもいいんだけれども、バストをはかると違法なのです。これは、そういう形で、行政が国民に対して何ができるかできないかということをはっきりするためにも、そこは要件をきっちりと固めるということが求められるわけであります。
 ところが、民事法の場合は、当事者間で何かトラブルが起きたというときに、そのトラブルを解決するための公正な基準を提供するというところにあります。その意味では、紛争解決基準として、むしろ、市場においてそうした機能を果たすのにふさわしい公正な内容の基準かどうかということが肝になるということでございます。
 この点は、立法事実の扱いを含めまして、一般の方々だけでなく、法案を策定されていた方々にも、場合によっては十分理解されていなかったのではないかという気がするわけであります。
 先ほど経団連の委員の方から、予見可能性というようなことをしきりに主張されましたけれども、予見可能性を前提とした規制のあり方というのは、必ずしも行政規制的なほどのものは要求されていないということをあらかじめ申し上げたいと思います。
 以下、改正法案に限って、その具体的な問題点について意見を申し上げます。
 第一は、消費者の知識、経験、理解力、判断力なんかの不足を不当に利用して過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合、いわゆるつけ込み型勧誘に消費者取消権を認めるということを求めた、受皿としての包括的な救済を求めるバスケットクローズ、つまり受皿的な規定、それが欠けているという難点がございます。
 法案では、若干の具体的な取消権のための類型について規定をするということが用意されておりまして、これはこれで一歩前進なのですけれども、逆に、このまま放置すると、ここまでは取り消されない、ここまでやったら取り消される、そういうメッセージを与えることになります。ここで挙げたような具体的なものだけは取り消せるんだというメッセージになってしまうと、これはまずい。
 これまでも、いろいろ問題が起きてくるたびに、その問題に対して、いわゆるモグラたたきであるとか、あるいはイタチごっこというようなことがあった。それをやめて、包括的な消費者契約法にふさわしい対応をすべきであるとすれば、やはり、包括民事法としての消費者契約法の基本的な性格というものをきちんと思い起こして、そこに一般的な条項を入れることを考えていただければありがたいということでございます。
 さらに、その追加される予定になっている具体的な困惑類型についても、追加されることは一歩前進と申しましたけれども、そこに、「社会生活上の経験が乏しいことから」という、社会生活上の経験の乏しさと因果関係のある、そういったつけ込み行為というものを示す新しい要件が加えられているということであります。この要件上の絞り込みが行われているために、逆に保護の対象というものが狭まる可能性があり、特に高齢者あるいは障害者などの被害救済の妨げになるという危惧が拭えません。
 文理解釈からすれば、やはりこれは、若年成人を中心に意識してつくり上げられた規定であって、そうした者へと適用対象を限定する方向に作用するというふうに思われます。一部で説明されておりますように、解釈による拡張ということは可能かもしれません。可能かもしれませんけれども、そのような拡張解釈や類推の解釈を当初から予定するということが本当によいことかということでございます。そうした拡張解釈の結果は、決して保証されているわけではなく、時にハードルを高くする可能性が高いということでございます。最初から柔軟な拡張解釈に期待して不必要な要件を加えるということは、立法論としては不適切であるというふうに考えております。
 個人的には、この「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件は削除した上で、消費者の知識、経験、理解力、判断力等の不足を不当に利用して過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合には、消費者の取消権を認めるということを正面からきちんと規定するということが適当であって、それこそが今回の改正の最重要の課題であるというふうに認識しているところでございまして、消費者委員会からの付言の中でもこの点は強調させていただいたところでございます。
 それが難しい、現時点でどうしても無理だということであったとしても、せめて、社会生活上の経験の乏しさ又は判断力の不足若しくは低下によりというような言葉を補完することによって、少しでもこぼれていくものをすくっておくということが望ましいと考えているところでございます。
 消費者の不安な心理、あるいは依存心、興奮状態、急迫とか、無知、無経験など、いわゆる理性的判断ができないような状況につけ込んで不当な利益を追求する悪質な事業者の行為は、これは実質的に民法の暴利行為と評されてもおかしくないものでございます。
 したがって、民法でもカバーできるということなのかもしれませんが、この暴利行為の主張、立証というのはかなり難しいものでありまして、大変な苦労をするわけでありまして、それを考えると、せめて消費者契約法で当事者に取消権を付与して、契約的な拘束から離脱する可能性を認めておくということがぜひとも必要でございます。
 これはもうヨーロッパでは、一九八〇年代にこうした状況の濫用に対する規定は入っているというものでございまして、日本の消費者保護がここまでおくれてきたというのは、やはり、ワンポイントのモグラたたきのようなことをして、なかなか一般的な理念がそこに書き込まれなかったからだというふうに思います。
 第二ですけれども、第三条の努力義務の中で、高齢者、若年者、障害者などのいわゆる脆弱な消費者に配慮すべき、年齢等配慮義務というものを入れてくださいと申し上げたわけでございますけれども、これも、年齢等配慮義務は明言されなかったということでございます。
 消費者委員会に対する諮問の趣旨は、制定後二十年近く経過した社会経済的な変化、あるいは実務に生起している新たな問題に対処できるルールを策定することでありました。超高齢社会の中において高齢消費者の被害が増大しているということ、そして成年年齢の引下げという立法的な動きがあるというときに、こうした高齢者あるいは若年成人に一定のセーフティーネットを張っておくということは、当然、対応すべき喫緊の課題であって、私どもの責務であると感じているところでございます。
 高齢者、若年成人などに対する年齢等配慮義務を、せめて努力義務として宣言するということが必要で、これは消費者教育などだけで対処するには明らかに限界があると考えておるところでございます。
 第三番目でございますが、これは消費者契約法の九条一号の規定における平均的損害の立証責任に関する当初の原案の推定規定が、法案では完全に後退してしまいました。
 医療訴訟なんかでもそうですけれども、事業者側の責任領域あるいは被告になっているところの責任領域の中で起きた事柄について、原告が医療訴訟で立証するのはほとんど不可能であります。それで、裁判所でも事実上の立証責任の転換を行う解釈論が行われているところであります。その意味では、今回の、平均的損害に関するデータは全て事業者がお持ちなわけでありますから、立証責任の所在そのものを考え直すというところが必要であります。
 九条という条文は、実は、民法の四百二十条を例外的な規定として定めたという構造を持っているところにある種の限界があるんじゃないかというふうに感じているところでございますけれども、せめて専門調査会で合意できたところまでは確保していただきたい、推定規定を確保していただきたいというのが実際でございます。
 実のところ、民法の四百二十条は、当事者が損害賠償額の予定を合意したときには裁判所はそれに介入してはいけないという極めて当事者自治を尊重したルールでございますけれども、消費者契約において当事者が損害賠償額の予定をするということはまず実質的な合意の中ではあり得ないことでありますから、四百二十条そのものが動かないということを前提にした方がいいんじゃないかという気がいたします。
 そうすると、むしろ原則に戻って、損害が発生した事業者は、損害額、つまり、四百十六条に基づく通常損害あるいは特別損害の範囲でのみ賠償請求ができるんだという形に置きかえる必要があります。
 でも、それでは一々大変だからということであれば、合理的な根拠を持った形での損害賠償額というものを示すべきであるというふうに、立証責任を法律でもって転換してしまうというのが本当は一番いい方法ではないかというふうに考えているところであります。
 最後に、第四番目に、約款の事前開示について申し上げたいと思います。
 消費者契約法は、情報、交渉力の構造的な格差を前提として、契約締結過程の環境整備のために、第三条でわかりやすく明確な情報開示の徹底を要請しているところでございます。これは、消費者の選択権を保障するというために極めて重要な規定であります。
 他方、既に成立した改正民法の五百四十八条の二第一項第二号には、表示型約款というのがあらわれまして、相手方から事前事後の開示請求がない限り、自分のところの約款によるぞということを一言言っておけば、それで約款は契約内容とみなされるというふうに読めなくもない規定が入ってしまったわけでございます。
 これは、契約の基本原理ともぶつかるんじゃないかということで、国会でも随分議論されたというふうに記憶しておりますけれども、せめて消費者契約法三条三項には、消費者契約において、事業者は合理的な方法で、消費者が契約締結前に契約条項、つまり、民法五百四十八条の二以下の定型約款を含む、そのような契約条項をあらかじめ認識できるよう努めなければならないという形で、努力義務を条文として、遅くとも改正民法施行までに設けておくということをぜひ望みたいところでございます。
 どんなふうな開示の仕方をしたらいいかわからないなどと事業者の人が言うときがありますけれども、自分が提示しようとしている契約内容を相手に知らしめるという努力をすること自体を拒絶するというのは、私には信じがたいことであります。
 貴委員会におきまして、我が国の消費者契約法に明確な理念と、そしてその命を吹き込んでいただくということを心から期待したいと思います。二〇〇〇年にできて、今もう十八年になります。この間、小さく産んで大きく育てるというふうに言われながら、小さいまま捨て子になっていた、その実体法規定としては、何とか今回の改正でもって命を吹き込んでいただきたいというふうに考えるところでございます。
 本日述べたところは、実はさほどハードルの高い要請ではないというふうに思われます。したがって、最悪の場合、期限を切ってでも、改正に向けた迅速な作業をお願いしたいと考えている次第でございます。
 どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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櫻田義孝#5
○櫻田委員長 ありがとうございました。
 次に、野々山参考人にお願いいたします。
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野々山宏#6
○野々山参考人 野々山でございます。
 本日は、意見を申し上げる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、適格消費者団体京都消費者契約ネットワーク、略称KCCNと言いますが、その適格消費者団体の理事長であります。
 一九九八年に消費者契約法の制定を求める団体としまして設立し、二〇〇二年にNPO法人化をいたしまして、二〇〇七年に内閣総理大臣から認定を受けて適格消費者団体となっております。以後、京都地域で、適格消費者団体に与えられました消費者団体訴訟制度に基づく請求権、差止め請求権を行使しまして、公正な消費者契約の実現と悪質な事業活動の是正に取り組んできております。
 これまで、差止め訴訟は累計で十七件を超しております。これは、適格消費者団体、全国で今十七ありますが、その中で最も多い数であります。
 その中で、消費者契約法に基づく訴訟も幾つかやっておるわけでありますけれども、使い勝手が不十分なところを実感しておりますので、その立場からまずお話をさせていただきます。
 それからもう一つ、私は弁護士でありまして、弁護士として消費者契約法などの消費者法を行使しまして、被害の救済活動をしております。
 また、消費者契約法につきましては、二〇〇〇年に制定された当時に、国民生活審議会の特別委員としてこの制定にも関与しておりまして、これまで、この消費者契約法の改正につきましては、継続的に、関心を持って取り組んで、意見も述べさせてもらっているところであります。
 そういう立場から、今回の消費者契約法の改正案について意見を述べさせてもらいます。
 まず、その評価でありますけれども、第一に申し上げたいのは、この消費者契約法の改正はぜひこの国会で実現をしていただきたいということであります。
 消費者契約法は、御承知のとおり、事業者と消費者の取引を公正にする重要な法律であります。事業者はこの法律によって販売方法などを正していくという、そういう一つの基準となっております。また、被害が起こったときに、消費者にとっては救済のよりどころとなる法律となっているわけであります。
 最近、二〇〇〇年のころと比べますと、高齢化、情報化、国際化という新しい環境が消費者契約の中にはあります。それに伴う消費者被害の増加があります。そしてさらに、成人年齢の引下げという課題がありまして、今、この国会でも議論をされているわけでありますけれども、もしそれが実現すれば、若者の被害の増加が懸念されるところであります。そういうものに対応するために、消費者契約法の改正というのは、この国会でぜひ改正する必要があるというふうに考えております。
 ただ、後に述べますように、不十分点はあります。不十分点はありますけれども、不安をあおったり、感情、人間関係を悪用したり、負い目を感じさせて勧誘する場合などの取消しの範囲が広がっております。そのような改正が提案されておりまして、これは高齢化社会、若年者被害にとって重要な改正でありますので、ぜひとも改正の実現を強く求めるところであります。
 ただ、しかしながら、問題点があります。私は、幾つか問題点があるわけでありますけれども、重要な問題点が三つあるというふうに考えております。
 一つは、余計なものが一つあります。それから、不足しているものが二つあるということであります。
 まず第一に、改正法案の四条三項三号、四号に、不安をあおったり、人間関係を濫用する勧誘に対する取消しが規定されているわけでありますが、その中に、社会生活上の経験の乏しいことからと要件が付加されております。これは、不要となるとともに、中高年の被害救済を狭める弊害のある要件であるというふうに考えておりますので、ぜひとも削除すべきだというふうに私は考えております。
 二つ目には、改正法案には、九条一号の解約金条項の無効を主張する際の平均的損害という一つの基準があるわけですが、その基準について、消費者が、事業者の平均的損害が何なのかについての立証責任があるわけでありますけれども、それを軽くする条項が、消費者委員会の報告書では改正すべきだとされていたのが、落ちてしまっていること。これが二つ目に問題であります。足りないところの問題点であります。
 それから、第三には、今、最も重要な課題となっております高齢者などが判断能力不足につけ込まれて被害を受けるということがあるわけでありますが、そのような勧誘に対する取消権が認められなかったことであります。
 さらに、幾つかの問題点として残っているというふうには考えております。
 まず最初の、社会生活上の経験の乏しいことからの要件について述べさせていただきます。
 この要件は、二つの新たな困惑類型に付加されているものでありますが、この二つの新たな困惑類型の特徴は何なのかといいますと、これは、判断力が十分でない状況を事業者がつくり出して、これを利用する勧誘の問題性に着目して取消しを認めたものであります。
 このような二つの類型の、事業者がつくり出した判断力が十分でない状況についての要件というものがあるわけでありますが、その勧誘行為そのものについては、十分高いハードルで、しかも明確に要件化されているというふうに考えております。そのため、消費者側がどうかということにつきましては、これは、この問題のある勧誘行為によって困惑したかどうか、消費者が困惑したかどうかで判断すれば足りるというふうに考えております。
 具体的にお話をさせていただきます。
 改正法四条三項三号の過大な不安をあおる勧誘の要件につきましては、その要件はどうなっているかといいますと、まず、ある方が、消費者が願望があるわけですね。願望といっても、健康になりたいとか、あるいは子供の進学に悩んでいるとか、そういうようなことでありますが、そういう願望の実現に過大な不安を抱いていることというふうに言われております、要件が。
 過大とは何か。これは、その年代の一般的、平均的消費者に比べてより強く深刻に不安を抱いているということであります。一般的な不安ではありません。より深刻に感じている、こういうことが一つの要件であります。そういう方が対象であります。
 それから、さらに、それを知った勧誘者は、その強く深刻な不安を抱いている消費者の不安を更にあおることであります。したがって、深刻に健康のこと、深刻に子供の進学のことで悩んでいる人に対して、それを更にあおる、強調していくわけですね。そういう勧誘をするということであります。
 さらに、実績や科学的根拠などの裏づけなどのない、正当な理由がないことを、深刻な不安を抱いている消費者にその願望の実現に必要であると告げる勧誘をする。すなわち、根拠のないことを言って、その願望の実現に必要だということを言うことであります。深刻な悩みを持っている、深刻な不安を抱いている人に、それをあおり、かつ、根拠のないことを告げて勧誘をしていく、こういうものであります。
 そういうものは、それ自体極めて十分悪質であります。これを更に、消費者が社会生活上の経験が乏しいということで、このような勧誘をする事業者を救済する必要がどこにあるのかと私は思う次第であります。
 次に、改正法案の四条三項四号でありますが、これは人間関係を濫用した勧誘の要件であります。
 要件は、まず、消費者が勧誘者に恋愛感情などの好意を抱いていること。すなわち、消費者側から勧誘者に対して好意を抱いていることでありますが、更に要件が必要です。
 勧誘者が自分に対して同様の好意を抱いていると誤信すること。両思い誤信要件と言われておりますが、相手も自分に同じような好意を持っていると誤信する。したがって、そこには誤った判断があるわけですね。
 それで、それを知った勧誘者が、その感情や誤信に乗じること。この人は、自分は好きではないけれども好きだと思っているんだということを思って、それに乗じて、その上で、契約をしなかったら関係が破綻すると告げるんですね。
 そういうことが要件になっております。
 このような、両思いと誤信している消費者の感情に乗じて、買わなかったらこの関係が破綻するぞというようなことを言っている、そういう恋人商法は、それ自体十分に悪質であります。これを更に、社会生活上の経験が乏しいか否かでこのような勧誘をする事業者を救済する必要がどこにあるのかということを私は思っております。
 仮に消費者がしっかりしていれば、それは困惑をしなかった消費者が取消しをできないという、困惑類型でありますから、困惑はしなくちゃいけません。その困惑をしなかった消費者が取消しをできないとすることで、悪質な勧誘をした事業者を救済することで十分足りるというふうに私は考えております。
 さきの本会議の福井大臣の答弁では、本要件を置かなければ、本来法が規定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがあるということでありますが、このような悪質性の高い、しかもかなり明確な、ハードルの高い要件を満たした、どのような事業者を、どのような事業態様を救済するのか、必要があるのかということは極めて疑問だと私は考えております。
 それから、社会生活上の経験の乏しいことからの要件によって切り捨てられるのは、結局誰なのかという問題であります。これは中高年であります。
 この要件によって、社会生活上の経験がある消費者は救済されないということになるわけでありますが、社会生活上の経験がある消費者は、一般に中高年がその対象になることは、もう文理上明らかであります。
 しかし、上記の事業者の積極的な問題のある勧誘におきまして、中高年を排除する理由はないと私は思うところであります。むしろ、今回の改正は、高齢化社会ということへの対応が重要な柱でありました。それが一つのミッションであります。それに、高齢者の救済を狭める改正であっては絶対ならないと私は思っております。
 この点、さきの本会議で福井大臣から、総じて経験の少ない若年者は本要件に該当する場合が多くなりますけれども、高齢者であっても該当し得る、し得るですね。それから、霊感商法のように、勧誘の態様に特殊性があり、積み重ねてきた社会生活上の経験による対応が困難な事案では、高齢者でも本要件に該当し、救済され得るという答弁でありましたが、これは、答弁全体を見れば、高齢者の保護が若年者よりも薄くなるということを示しているわけであります。これを解釈で対応するということでありますけれども、それでも高齢者の救済が薄くなっていくということになるわけであります。
 「社会生活上の経験が乏しいことから」の要件は、消費者委員会の報告書にはなかったものであります。そういう意味では、不意打ち的に導入された要件であります。不要であります。今のように十分明確でハードルの高い要件の中で、これを、弊害のある要件を不意打ち的に導入することは問題があると私は考えております。
 しかも、解釈でいろいろ対応するという御説明がありましたけれども、消費者契約法の最終的な解釈権者が裁判所であることから、解釈で対応するのは限界があると思います。
 私どもが起こした裁判でクロレラチラシ配布事件というものがありまして、これは、消費者契約法の勧誘というものが、消費者庁の解釈の本では、逐条解説では、チラシとか、それからインターネットの広告とか、そういうものは勧誘ではない、こう書いてあったわけです。ところが、それを私どもが争いまして、最終的に最高裁は、そういうものも勧誘に当たり得るという判断をしております。すなわち、解釈されて、そういう逐条解説とは異なる判断を裁判所はし得るわけであります。
 そういうことからしても、最終的な担保にはならないというふうに考えております。
 今回の消費者契約法の改正が、何のために改正されるのかをよく思い出していただきたいと思います。これは、増加している高齢者被害の予防と救済の改正が重要な目的なはずであります。高齢者の救済の範囲を狭める要件をわざわざ設ける必要はない。しかも、その要件は、解釈でいろいろ考えなくちゃならないような不明確な要件であります。このような、不明確かつ不要な、弊害のある「社会生活上の経験が乏しいことから」の要件は、削除すべきであるというふうに考えております。
 続きまして、九条一号の平均的損害の立証責任の緩和の問題について述べさせていただきます。
 私ども京都消費者契約ネットワークは、消費者契約法九条一号に基づく差止め請求をしております。これは、苦情の多い、結婚式場の非常に高い解約金条項があるわけですが、それの差止めをしております。
 ところが、この訴訟をしますと、損害を主張するだけで裏づけ資料を出さず、苦情が多いにもかかわらず、そのために敗訴してしまう、その立証ができないということで敗訴してしまうケースがあります。
 本来、当該事業者に生ずべき平均的損害を消費者に立証させるのは、不可能を強いるものであります。その事業者、結婚式場がどんな損害を受けるかは、私どもは外から見たらわからないわけであります。でも、それを立証しろと。立証しなかったら負けるわけであります。だから、立証責任を転換するのが正しいやり方だと私は思っておりますけれども、少なくとも推定規定を置くべきだというふうに思います。
 今回の改正の議論の中では、消費者委員会の報告書では推定規定を置くことが提案されていましたが、これが落ちていることは非常に問題であります。
 この点、福井大臣の答弁では、消費者契約一般に通ずる事業の内容の類似性判断の基礎となる要因を見出すことは困難だということで、類似性判断という一つの概念、それを法文化することは難しかったということで見送られて、今後の検討になっておりますが、実は、九条一号を見ますと、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い」と書いておりまして、立証しなくちゃいけないのは当該消費者契約と同種の消費者契約であります。例えば結婚式場のものとか、あと冠婚葬祭で一つくくることがあるかもしれませんが、解約料、あるいは結婚式の解約料とか、そういうことになるわけでありますが、そういうものであります。
 比較するために消費者が立証するのは、他の事業者の同種の契約条項で足りるというふうに私は考えるところであります。同種であるが規模など類似性が異なるということは、これは事業者が、一定の、ほかはこんなふうになっているよということを証明したときに、いや、うちは規模が違う、業態が違うということを、事業者の方で類似性がないことを立証する、こういう形でやっていけばいいことでありまして、そういう形で十分法文化は可能だというふうに考えております。
 さらに、足りないものの二つ目は、判断能力不足そのものを悪用した勧誘に関する取消権が認められないことであります。
 今回は、事業者がつくり出すのではなくて、認知症になっているなど判断能力に、陥っている状態をそのまま利用する、そういうものにつけ込んで販売をしていく、そういう勧誘方法についてはこの取消権が認められなかったわけでありますが、これは、高齢化社会の中ではこれこそ一番重要な課題でありまして、こういう状況濫用型の取消権が認められなかったことは極めて問題があるというふうに思っております。
 判断力不足に乗じて当該消費者の生活に不必要な商品、役務を目的とする契約や過大な不利益をもたらす勧誘については、取消しを認めるべきだと思います。
 その他にも幾つか問題があります。約款の事前開示の問題、努力義務の考慮要素へ年齢が付加されなかった問題、それから、サルベージ条項や消費者の生命身体に生じた損害の一部免除条項の無効などが規定されなかった問題があります。
 それから、最後に、これらの法律の改正は、もちろんぜひ今国会で改正していただきたいんですが、その後の執行、その実効化が重要であります。
 これは、消費者契約法を実効化するには、一つは、この消費者契約法に基づき公正な消費者契約の実現や被害救済のために活動している適格消費者団体や特定適格消費者団体に対する支援の拡充をぜひお願いしたいということであります。
 それから、もう一つは、これらの法律の実効化のために、この内容を広め、さらに、これを相談現場で使っていくのは自治体であります。そういう地方自治体の消費者行政の支援、財政的な支援の拡充ということもぜひお願いをしたいと思っております。
 以上、私の意見を述べさせていただきました。
 どうもありがとうございました。拍手
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櫻田義孝#7
○櫻田委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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櫻田義孝#8
○櫻田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。
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勝俣孝明#9
○勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。
 本日は、参考人の皆様方におかれましては、それぞれのお立場お立場の中で貴重な御意見を聞くことができました。本当に改めて御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 これからの御質問は、本当に先生方のお立場お立場でお答えをいただければというふうに考えております。
 まず、今回の消費者契約法の改正案につきましては、まさに消費者のための、消費者の立場に立った法律にしていかなければなりませんし、本当に真面目に頑張っている事業者の皆さんに対して経済成長の足かせになってもいけないということでございます。まさに悪徳業者に市場から退場していただくということが重要なことだというふうに認識をしているところでございます。
 まず初めに、トップバッターでございますので、専門調査会にて合意された困惑類型の取消権追加に係る要件について、これは長谷川参考人と河上参考人のお二人に御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 長谷川参考人は消費者委員会消費者契約法専門調査会委員を務められておりました。河上参考人は前内閣府消費者委員会委員長をお務めになられましたので、そういった立場でお答えをいただければというふうに考えております。
 専門調査会において二つの困惑類型の取消権が合意をされました。合意されたこの二類型において、報告書によれば、先ほど来からありますように、不安を抱いていることを知りながら、正当な理由がないのに願望実現のために必要であると強調して告げることや、緊密な関係を新たに築き、好意の感情を築き、契約を締結しなければ当該関係を維持することができない、破綻することを告げるなどが取消し要件となっております。
 これらの要件について、要件の明確化、それから、悪質性の高い被害事例を捉える等、要件の規定に係る合理性の観点からどのように判断され、合意されたのか、長谷川参考人と河上参考人に御見解をお伺いをいたします。
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長谷川雅巳#10
○長谷川参考人 御質問ありがとうございます。
 専門調査会では、さまざまな立場の方々が委員を務められておられました。その中で、私どもの立場として申し上げさせていただいたのは、まさに、先ほど総論的に意見陳述の際に申し上げましたけれども、予見可能性を確保して、事業活動が萎縮しないようにというような形でお願いしてきたところでございます。
 そうした中で、今回、法律の文言と報告書の文言は必ずしも一致はしていないわけでございますけれども、私どもで合意させていただいた報告書の中身の文言につきましては、こういった文言であれば、事案に適切に対応しながら、かつ、事業活動の萎縮を生じさせないものであるというふうに評価していたところでございます。
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河上正二#11
○河上参考人 委員会の中では、具体的な要件となる立法事実があるのかということがしきりに問われました。消費者庁の担当の方も、問題になるようなトラブル事例というものを一生懸命相談案件の中から探してくださいまして、例えばこういうものがありますというようなことで出してこられたものが、デート商法であったり、いろいろな、これまで特に若者の被害ということを意識されて抽出された案件が多かったんだろうと思います。
 そうなると、その立法事実に即して規制をするにはどうすればいいかというふうな話になっていってしまいまして、本来であれば、基本的に、もう少し、例えば相手に対する依存心であるとか不安心理であるとか、そういう実質的に合理的な判断ができないというような状況があったときに、そこにつけ込んでいくというような行為については許さないという形のルールを立てていただくのがベストだったわけでございます。
 ただ、立法事実との関係で対応するような要件かということを追求していくと、こういう奇妙な問い、奇妙なと言っては申しわけないんですが、状況が出てしまう。恋愛感情を抱き、相手も自分が好きだと思うということを誤信しというような、本当に恋愛をしたことがある人だろうかと思うような、それは、つまり、相手に対する恋愛感情というものを持って依存心を持ってしまったら、相手の言いなりになってしまうわけです。ですから、そういうことを考えていくと、妙に要件を固めることによって、本来救わなくちゃいけないような人を外してしまう可能性がある。
 先ほど私、立法事実のことでお話ししましたように、もちろん、私は委員長の立場でございましたので、余りしゃしゃり出て発言はしませんでしたけれども、それを根拠にしてもう少し実質的なところを要件を立ててくださいということは何度もお話ししていたところでございます。
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勝俣孝明#12
○勝俣委員 ありがとうございます。
 次の質問は三名の参考人の皆さんにお答えをしていただきたいというふうに思っております。
 先ほど来から参考人の皆さんからるるそれぞれお立場でお話がありました、いわゆる第四条三項に三号、四号を加えるに当たり、社会生活上の経験が乏しいという要件、これについて御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 本改正案においては、困惑類型の取消しの要件に対し、社会生活上の経験が乏しいという、この要件が追加をされたわけでございます。私自身も、一番最初にこの文面を見たときに、社会生活上の経験が乏しい、率直に、若年層に焦点を当てているのかなというふうに感じたところでございます。
 しかしながら、我々、消費者問題に関する特別委員会で仕事をさせていただいていると、昨今の消費者問題を全般的に見てみますと、例えば、二十年前と比較しても消費者問題というのは大変変化しているのは参考人の皆さんも御承知だと思いますが、インターネットの普及、それからスマートフォンの普及、SNSに関するこうした消費者問題というのは高齢者の皆さんにも大変多くの相談をいただいているところでもございます。
 そういう中で、実は、スマートフォンやインターネットの経験の有無とか、こういったものを考えたときに、実は若い人の方が経験値としては非常に高いわけですね。高齢者の皆さんの方が低い。そういうことを考えると、いろいろな切り口で考えられるのかなというふうに私自身は思いました。先ほど河上参考人の方から、当初から拡張解釈は余りよくないというお話もありましたけれども、そういったことを考えていくと、非常に切りがないのかなというふうにも考えております。
 ここで、この要件が追加されたことによりまして、相談現場による交渉など、あるいは、先ほどありましたけれども、事業活動におけるリスクに対する予見可能性などの観点から、どのような弊害があるのかということでお伺いをしたいと思います。
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櫻田義孝#13
○櫻田委員長 では、野々山宏参考人からお願いします。時間がせっぱ詰まっておりますので、簡潔によろしくお願いいたします。
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野々山宏#14
○野々山参考人 先ほど申し上げたことにつけ加えますと、相談現場で一番問題になるのは、恐らく、新たな論点になるということであります。
 社会生活上の経験の乏しいことがあるかないかが、相談現場で解決するときに、事業者の方から、そういう反論というんですかね、そういうのが出てきて、それが、今おっしゃるように、文理上だけじゃなくて非常に曖昧な広い概念になってきて解釈が非常に広がっているもの、これが相談現場で議論になってしまう。そこがやはり一番重要な問題だというふうに考えております。
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長谷川雅巳#15
○長谷川参考人 御質問ありがとうございます。
 今回、二類型を困惑類型として新たに追加するに当たりまして、この「社会生活上の経験が乏しい」というのが追加されているわけでございますけれども、釈迦に説法でございますけれども、法制度の並びを考えますと、民法で詐欺、強迫というのがございまして、現行の消費者契約法である類型といたしまして、不退去、退去妨害というのがございます。これらの類型については、もう困惑していることが明らかでありまして、自由な意思表示がまさに阻害されているということが明らかな類型だというふうに理解しております。
 他方で、今回、デート商法でありますとか不安をあおる告知ということで記載されている勧誘方法につきましては、本当にそれだけで自由な意思形成が阻害されている、本当に困惑しているかどうかというのは必ずしも明らかでないというふうに思っておりまして、そういった観点から、この社会生活上の経験が乏しいという要件が追加されたものというふうに理解しております。
 あと、先生御指摘の、スマホ、インターネットで若者の方がリテラシーがあるのではないかというところは、専門調査会でも、成年年齢の引下げの観点からいろいろ若者というのが議論されまして、消費者庁にお願いしてデータを出していただいたところ、一人当たりの相談件数で見ると若者の方が少ないというデータが出ているというふうに理解しております。
 以上でございます。
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河上正二#16
○河上参考人 社会生活上の経験が乏しいという表現は、卒然と読めば、リタイア後の高齢者か若者というものを想定するというのが通常だろうと思います。
 確かに、経験ということだけを言うと、当該契約になじみが薄いというのは、全部、みんな入ってしまうということになります。悪質な事業者からのアプローチになじみが薄い人は、皆さんそうでありますから、その意味では、皆さんこの経験が乏しい人になります。
 つまり、要件があってもなくてもいいようなものになってしまいかねないわけでして、あれも入る、これも入るというぐらいの要件であれば、もう外した方がよいというふうに思います。
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勝俣孝明#17
○勝俣委員 参考人の皆様、本当にお立場お立場の中で貴重な御意見をいただきましたことを改めて御礼を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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櫻田義孝#18
○櫻田委員長 次に、森山浩行君。
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森山浩行#19
○森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行でございます。
 本日は、参考人の皆様、お忙しいところをお時間をつくっていただきまして、また御説明においでいただきまして、ありがとうございます。
 私の方からは、まず、この消費者契約法の性格についてのお話をお聞きをしたいというふうに思います。
 河上参考人の方から、これは包括的な救済を認めるバスケットクローズであるべきだ、包括的な規定なんだからというようなところで法律の性格について触れておられます。この河上参考人の御意見、バスケットクローズが大事だという部分に関しまして、長谷川参考人あるいは野々山参考人、この法律の性格をどのようにお考えでしょうか。
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長谷川雅巳#20
○長谷川参考人 河上先生にこの法律の性格はそういったものだと言われると、まあ、おっしゃるとおりという、ちょっと私の立場から申し上げるようなことはないんですけれども、繰り返しになるところがございますけれども、事業者の立場からいたしますと、要するに、性格づけというよりも、どういった効果をもたらすかということでございまして、一旦なされた意思表示に瑕疵があるかどうかというのがまさに問題になるわけでございますが、一旦なされた意思表示がその後取り消せるという効果をもたらす民事法だというふうに理解しております。
 その上で、そのような効果をもたらす法律がどのようなものであるべきかというところでございますけれども、これについては、繰り返しになりますけれども、しっかりと要件が明確で予見可能性があるものでなければ事業活動を萎縮させるのではないかというのが我々の考えでございます。
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野々山宏#21
○野々山参考人 私は河上参考人と同じ意見であります。
 行政規制法とそれから民事法というものが二つありまして、行政規制法というのは、行政処分とか、あるいは場合によっては刑事処分というのが行われますので、その要件、外延ははっきりしていなくちゃいけない。これ以上のことをやったら罰則がある、あるいは営業停止等の処分を受けるというものであります。
 そういう意味では明確性が必要でありますが、民事規定というのは、さまざまな取引や交渉の中でそれを調整をしていく、調整の一つの基準となる法律であります。民法が代表的なものでありますけれども。ですので、そういう意味では、さまざまな取引や交渉がその法律によって解決できなくちゃいけない。そういう意味では、一定の抽象性が必要だ、救うべきものを救うというそういう法律であるべきだというふうに考えておりまして、余り要件の明確化を言ってしまいますと、そういう調整機能を果たせなくなる、行政規制法と同じようになってしまうということが懸念されるわけであります。
 したがいまして、つけ込み型につきましては、今回の不安をあおる行為、あるいは人間関係を濫用する場合以外に、さまざまなつけ込み型というものについてのバスケット条項といいますか、そういうものを入れることについては私は賛成であります。
 以上です。
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森山浩行#22
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
 そういった形で、消費者契約法の改正案という中で、今回、我々の中でも一番議論になっておりますのが、先ほどもちょっと出ましたけれども、「社会生活上の経験が乏しいことから」という部分、この表現であります。
 これは削除すべきだというようなお話があったり、あるいは、事業の萎縮性について、これは問題があるんじゃないかというようなことで、行ったり来たりしているわけなんですけれども、この条文があることによってこのような事業が萎縮するというような御事例、皆様の中に、いろいろな御相談を受けたり、あるいはいろいろな業態を見たりしている中であるかと思いますけれども、こういう事業が萎縮するんじゃないかというような部分がございましたら、各先生の方からお答えをいただければと思います。
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長谷川雅巳#23
○長谷川参考人 森山先生、御質問いただきましてありがとうございます。
 この要件がないと困る事業者がいるかというのは、必ずしもよくわからないところがございます。
 ただ、他方で、先ほど申し上げたところと同じかもしれませんけれども、従来の詐欺、強迫、あるいは退去、不退去に比べると、明らかに、今回提案されている不安をあおる告知でありますとか恋愛感情に乗じた人間関係の濫用というのは、何といいますか、自由な意思表示を阻害の度合いがちょっと程度が違うのではないかというのが一点。
 あと、退去妨害あるいは不退去という、相当、通常の取引では行われないものだという一方、今回のも相当要件を絞っていただいているのかもしれませんけれども、退去、不退去と比べますと、ちょっと取引態様として差があるのではないかというふうに思っておりまして、そこの外延のところのラインをどの部分で引いていただくかということだと思っております。
 その意味で、繰り返しになりますけれども、今まで取消権の対象となっている取引態様といいますか行為と比べて相当下がるのではないかというふうに考えているところでございます。
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河上正二#24
○河上参考人 そういう例があるかということですけれども、私は存じません。
 逆に、高齢者であっても恋愛感情を持つことがありますし、いろいろなところで次々販売の被害に遭っている人は、次々販売の勧誘行為には経験があるじゃないのと言われる可能性もございますけれども、それはむしろマイナスの方向で作用することであって、これがないと何か事業が萎縮するというようなものが想定できるかというと、ちょっと想像がつきません。
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野々山宏#25
○野々山参考人 先ほど私の方で述べさせていただきました非常に厳しい、高いハードルの勧誘要件があります。その勧誘要件を満たして、かつ、これを社会生活上の経験が乏しいか否かで救済するような事業は、ちょっと私は考えられません。
 むしろ、霊感商法であるとか恋人商法であるとか、あるいは根拠のないことを言って販売する健康食品とか、こういう業界の人たちに言いわけを与える、社会生活上の経験があるでしょうということで、そういう販売方法をむしろ容認する、そういう要件になり得るということであります。
 一般的な形でこれを入れなかったからといって萎縮する、そういう業態はないというふうに、業態というか、今言ったような業態はあるかもしれません、こういう活動をしているところは。だけれども、そうでなければ、考えられない。これで救わなくちゃいけない業態があるかというと、そうではないというふうに考えております。
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森山浩行#26
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
 我々の中の議論でも、例えば霊感商法だ、あるいは恋愛感情につけ込むんだというような話の中で、いろいろな事例を検討していったわけなんですけれども、若年者では判断できるけれども、高齢者になったら判断力が落ちるんじゃないかとかいうような部分も含めて考えると、必ずしも社会生活上の経験が乏しいか否かというようなところでの判断というのはなかなか難しいよねというようなことでもございました。
 委員会の場ではございませんでしたけれども、役所とやりとりをしている中で、疑似恋愛を売る商売、いわゆるキャバクラでありますとかホストクラブというようなところで、このようなこと、法外なものを売りつける、あるいは関連の店で売りつけるというようなことがあったりした場合には、これは、疑似恋愛をわかって行っているんだから、そんなものにひっかかる方が悪いんだという話になるのか、それとも、この法律で救済をされる可能性があるのかというお話をしたときに、キャバクラはありませんけれども、ホストクラブはありますよなんということを言われたこともありました。それは、一方的に関係を切るというようなことを強く言うのはホストクラブだというような、これは思い込みの部分もあるかもしれませんが、議論の中ではそのような話も出てまいりました。
 だから、疑似恋愛をわかっていて行ったけれども恋愛感情を抱いてしまうなんというようなことも、これも社会生活上の経験があるかないかというようなことには関係ないのではないかなと思うんですけれども、そのあたりのところは、役所はそんな形で説明をされていましたけれども、どのようにお考えでしょうか。
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野々山宏#27
○野々山参考人 ホストクラブのそういうものが本当にいいのかどうか、そういう高額なものが許されるかどうかという問題もありますけれども、今言った社会生活上の経験とは関係ないですよね、今の問題は。全く関係ない。それで救われるかどうかという問題ではなくて、まさに、最初の方の勧誘行為のことで当たるかどうか、そして、あとは困惑というところで切るかどうかという問題でありまして、社会生活上の経験に乏しい要件とは無関係なことだというふうに思っております。
 困惑で切るとか、あるいは、そういう商法が問題であれば、それはそれで取消しの対象にしてもいいのではないかというふうに思っています。疑似であれば、わかっているということになりますので、そういうようなところで検討されていくというふうになるかと思います。
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長谷川雅巳#28
○長谷川参考人 御質問ありがとうございます。
 実は、専門調査会で、私、委員を務めさせていただいておりましたけれども、その過程で、まさに、ちょっと文言は違うわけでございますけれども、緊密な関係を新たに築き云々というのが議論になった際に、私も、先生御指摘のように、そういった疑似恋愛というか、キャバクラとか、そういったところの取引というのはひっかかってしまうのではないかというような問題提起はさせていただいたところでございます。
 といいますのは、私どもの会員とは関係ないんですけれども、日本社会全体を見たときに、そういったところで生活されている方もおられるわけでございますので、あるいはそういうところで息抜きをされている方もおられるわけでございますので、そういった観点も重要ではないかと思ったものですから発言をさせていただいたんですけれども、この文言になっているということでございます。
 ただ、考えてみるに、先生がおっしゃられたこととほとんど同じなんですけれども、そういうことをわかって既に一定の危険を引き受けているといいますか、そういった観点で理解するのかなというふうに思っていたところでございます。
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河上正二#29
○河上参考人 疑似恋愛の話は全く例外的な話なので、その部分こそ、QアンドAでこういうものについては入りませんと書いておけば済むことだろうと思います。
 それ以上に、恋愛感情という言葉で場面を区切るという方が私は気になっていまして、例えば、職場の中の上下関係とか友人関係とか、男同士でも恋愛はあるかもしれませんけれども、男同士の間で断り切れないような人間関係があって、それがつくられて契約に応じてしまうというふうなものまで考えていくとすれば、これはちょっと切っているところもかなり特殊な場面だけを切ってしまったという感じがします。しかも、それは社会生活上の経験とは関係がないところででき上がるものです。
 ただ、今回の提案で私が評価しているのは、みずから事業者がそのような関係を形成してそれにつけ込んだという、形成した上でのつけ込み型だけではなくて、既にある関係を利用したという場合も含めるような書き方になっているというのは、これは評価してよいと思うのです。
 ですから、もう少し、この部分も含めて受皿になるようなものさえあれば、そんなに気にしなくてよいんですけれども、これだけだったらまだ改良の余地はあったかなと思います。
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