石川耕治の発言 (内閣委員会)

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○石川参考人 弁護士の石川でございます。
 まず、本来であれば私の意見要旨、資料をお配りするべきところでしたが、なかなか時間的な余裕がなく、今、大体月の半分ぐらいは海外出張、外へ出ておりますので、資料を準備できなかったこと、お許しいただきたいと思います。
 簡単に経歴を紹介させていただきまして、その後、本法案に賛成の立場から若干の意見を申し上げたいと存じます。
 弁護士登録は一九九七年でありまして、第一東京弁護士会に所属しております。司法修習は四十九期となります。
 早稲田大学法学部卒業。それから、ニューヨーク大学のロースクールに留学しまして、米国の会社法の修士を取りました。その後、北京大学の法学院、北京大学のロースクールですけれども、そこで客員研究員をしまして、中国の会社法と証券法を勉強しておりました。
 また、昨年の秋からは、ネバダ州立大学ラスベガス校のロースクール、英語の頭文字を集めてUNLVなんというふうに言っておりますけれども、UNLVのロースクールで客員研究員として、米国のゲーミング法、それから最近ですとeスポーツ、ビデオゲームなんかに関する法律ですが、eスポーツの研究をしておりました。
 また、そういった経験をもとに、今現在所属するGT東京法律事務所、これは米国のニューヨークを本部とするグリーンバーグ・トラウリグという法律事務所の東京オフィスという位置づけになりますが、そこに所属するパートナーとして、国内外のゲーミングクライアント様、それから日本の自治体様に対して、ゲーミング法に関する各種の助言を行っております。
 きょうは、そういった法律実務家、ゲーミング法制のアドバイスにかかわる法律実務家の立場から、二、三、意見を申し上げたいと存じます。
 まず、具体的な制度の細かい点はこの後の質疑で議論がなされると思いますので、少し総論的なところ、大きいマクロの視点からの私の、本法案、推進法案と整備法案、総称してIR法案と呼ばせていただきますが、IR法に関する意見を申し上げたいと思います。
 まず第一点目は、垂直的な観点と申しますか、消費社会の変化ということがやはり言えるのではないか。日本のような成熟した消費社会では、消費者は、いわゆる物の消費ではなく、事の消費を求めている。いろいろなメディアなんかでも言われておりますが、従来のような大量生産、大量消費の物が売れなくなっている。これはいろいろなデフレの一つの要因かもしれませんが、そうではなくて、日本のような成熟した消費社会では、消費者は事を、特別な体験、非日常的な体験をやはり求めているんだろうというふうに言えると思います。
 こういった公の場で余り個人的なことを話すのは適切じゃないかもしれませんが、私が今住んでいるところは鎌倉でありまして、いろいろなお寺で、お抹茶、干菓子なんかをつけて、せいぜい数百円から千円ぐらいでしょうか、そういったサービスをするお寺があります。
 そのお抹茶と干菓子で、非常においしい、千円でありますけれども、それが、例えばふだんは公開していない特別なお茶室を公開します、そこでお茶の先生がお手前をする、干菓子がつく、それからお茶の作法とか、日本の例えばいろいろな美術品、華道、そういったものの解説がつく。そういうふうになると、観光客の人、これは国内、国外、両方の観光客がありますが、一万円ぐらい払うわけですね。だけれども、飲むお抹茶は千円のものと同じでありまして、日本の伝統文化を紹介する、そういった付加価値をつける、事を商品にすることによって観光客の方は喜んでその十倍の値段を払う、そういうふうな社会に日本はなってきているのではないかというふうに思います。
 難しい言葉で言うと産業資本主義社会からポスト産業資本主義社会という変化なのかもしれませんが、IRというのは、まさに事の消費、非日常的な体験、ふだん、今まで身近にはなかった、あるいは日本にはもしかしたらなかった特別な空間、非日常的な体験、そういったところに例えば誕生日に行く、あるいは親の結婚記念日に行くとか、そういった場が日本にはもっとあってもいい、日本のような成熟した市民社会、消費社会にはそういった場がもっと必要ではないかというふうに思っております。
 これは何も日本の伝統文化だけではなくて、もっと新しい分野、クールジャパンという言葉が適切かどうかわかりませんが、そういった分野でも十分魅力ある事消費を喚起できるのではないかというふうに思っております。
 また地元のことで恐縮ですが、鎌倉高校の前、日本のアニメとか漫画でアジアの各国でファンができて、そこが、聖地巡礼というんでしょうか、非常に多くの台湾とかアジアの観光客の方がいらっしゃって、江ノ電の鎌倉高校の前の踏切で記念写真を撮って、週末なんかはそれで車の渋滞が起きるぐらい人が集まっているわけですけれども、そういった新しい日本のコンテンツ、クールジャパンと言われるような、そういったものでもアジア、国内外の観光客を大いに集められる、非常にポテンシャルがある、そういったものを実現する一つの有力なツール、器としてIRというものは非常に意義があるのではないかというふうに考えております。
 二つ目の視点は、水平方向の視点と申しますか、官から民へ、中央から地方へと、こういった流れをIRは促進する一つの有力な装置になるのではないかというふうに考えております。
 IR法では、IR区域整備計画、地方自治体と民間事業者の共同で申請する、共同で運営するということが想定されていますが、これは、地方に、すなわち、過去、戦後七十年、どちらかといえば中央であるとかあるいは官に偏りがちであった、例えば人材であるとか財源であるとか、あるいは権限であるとか、そういった資源を地方あるいは民間にバランスよく再配置する、バランスをとる、そういった起爆剤にIRはなるのではないかというふうに考えております。
 IR法の中でも地方自治体それから民間事業者の創意工夫ということが強調されていますが、そういった流れをIRは加速する。そういった観点からは、IRというのは、地方IRというのが非常に重要であろう、IR法を実施する意味の恐らく半分ぐらい、もしかしたら半分以上は地方IRによって実現されるのではないかというふうに考えております。
 今のような情報化社会、インターネット社会になりますと、別に大都会に出てこなくても世界の最新の状況、知識、ノウハウがわかる、地方にいても情報格差というものがどんどん都市との間で少なくなってきている。また、人材の面についても、例えば海外の人が東京とか大都会ではなく地方に住む、日本のこの地方が好きだと住む、そこで仕事をする、家庭をつくる、子供をつくる、そういったことが実際ふえてきているわけであります。
 そういった地方をもう一回元気にする、民間の創意工夫を生かすという観点から、このIR法というのは非常にやはり意義があるんだろうというふうに思うわけであります。
 少し大げさな話になりますが、日本国民である以上、日本のどこに住んでも十分な就業の機会があり、高校や大学を卒業して大都会に行かなくても地元で十分家を買える、家族を養える、そういった就職の機会がある、そして、交通であるとか病院であるとか、インフラが日本の津々浦々どこにでも最低限のものは保障されている、そういったことを達成するのが国の重要な責務であろうというふうに考えております。
 もちろん、IRのみによってそれが実現するわけではありませんが、IRという器、仕組みを通じて国内外の投資を呼び込み、国内外のお客様に来ていただく、需要を喚起する、それによって地方の財政も改善し、インフラが整う、結果的に国民生活の向上に資する、そういった意義があるんだろうというふうに思っております。
 これが、官から民へ、中央から地方へという流れの視点であります。
 最後に、そういった施策には弊害、副作用というのが当然ある。それは、何をつくっても、例えば道路であれ、トンネルであれ、工場であれ、必ずそういったプラスの面もあればマイナス面もあるわけですが、IR法について言えばカジノ部分、依存症対策ということになりますが、それについては、現行の整備法の中で十分な手当て、世界最高水準の手当てができているんではないかというふうに思われます。
 私が留学しておりましたUNLVの教授たち、彼らは世界各国の政府に対してゲーミング法のアドバイスをしているわけですが、そういったUNLVの教授たちと議論をしていて、日本のIR法はこういう仕組みになっている、こういう制度になっているということを私の方から御説明しましたけれども、それは非常に厳しいと。もちろん世界全部の規制を調べたわけではありませんが、恐らく世界一厳しいと言ってもいいんだろうというふうにUNLVの教授たちもびっくりしていて、本当にこんなに厳しくしていいんだろうかというぐらいのものができ上がっていると思います。
 ですので、そういった依存症対策、副作用については、現行の法案で十分手当てがなされているのではないかというふうに考えております。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 石川耕治

speaker_id: 10931

日付: 2018-05-31

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会