前田幸己の発言 (農林水産委員会)

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○前田参考人 皆さん、おはようございます。鳥取県の八頭町から参りました八頭中央森林組合の前田と申します。
 本日は、このような場を与えていただきまして、まことにありがとうございます。また、平素より林業、木材産業の振興には本当に先生各位には御尽力いただいておりますこと、この場をかりて厚く御礼申し上げます。
 では、まず最初に、自己紹介をさせていただきます。
 私は、五十歳までは農協関係、経済連、JA鳥取いなばとか、農協関係に奉職をしておりまして、実は、農産物の販売であるとか店舗事業、また、新たな農協の事業としての生産資材の店舗販売、そういう取組をさせていただいております。また、いなば農協というのは三万人ぐらいの組合員の農協でございますけれども、その合併事務局にも勤務した経験を持っております。体調を壊したことが縁で、森林組合関係に五十にして入ったわけでございますけれども、本当に農協関係の経験が役立っておるなという感じがしておるところでございます。
 林業関係に入りましたのは、県森連に五年間、それから、縁あり、今の八頭中央森林組合の参事を三年、専務を三年、組合長を、実は長くなりまして、ことしで九年目という経験をしております。また、現在は県の連合会の会長も拝命しておりますし、全森連の理事も拝命をしておるところでございます。
 八頭中央森林組合の取組について報告をいたしますと、八頭中央森林組合は、平成十五年に合併をして、これは一市二町を管内とする、組合員が四千人ほどの組合でございますけれども、小さい鳥取県にしては、民有林の人工林が二万六千ヘクタールございます。組合員さんの山が一万八千ヘクタール、町有林とか分収林が八千ヘクタールということで、二万六千ヘクタールの人工林を有しております。現在、従業員数が七十三名ほどおりますけれども、年間扱い高が十五億円ぐらいの森林組合でございます。
 平成二十八年度農林水産祭において、栄誉ある天皇杯を受賞させていただきました。受賞の理由としては、実は、平成二十二年度の搬出量が間伐材で五千立米でございましたけれども、二十七年、五年間経過したわけですけれども、六万立米の搬出、約十二倍、これが達成できた。作業道については、年間二十キロを、七十キロぐらいの開設をやったということで、非常におくれておりました森林整備を加速化してきたわけでございます。
 取組の主な内容につきましては、今回の法律改正の参考になればということでまとめておりますけれども、私どもの森林組合は、林野庁が発表された森林・林業再生プラン、これに積極的に取り組みました。
 その中で、長期管理委託あるいは林班経営計画、これらを策定して整備に当たったわけでございますけれども、やはり一番有効な手だてだったと思いますのが集落説明会でございまして、私どもは、山の整備につきましては、所有者の意向も当然大事でございますけれども、集落単位で実は整備を進めていきました。平成二十四年度には百十四回の説明会を開催して、以後、ことしもそうなんですけれども、年間百回ぐらいは説明会をするんだという意気込みで取り組んでおります。
 説明会の内容につきましては、まずは組合員さんに山の手入れの必要性あるいは山の役割、木材の流通の現状等を十分御理解いただくということで、集落単位でこの貴重な資源を次の世代に、その村で暮らされる方のために残そうではないかというのが一番の決め手でございまして、参加者の九九%ぐらいは同意をいただいております。
 あとは、その集落のコンセンサスのもとに森林整備を進めるという手法をとっております。
 また、山の手入れをするためには、担い手の役割というのが非常に大きいわけでございますから、八頭森林では、ただ直営班だけじゃなしに、地域に活躍しておられます建設業者の方、林業事業体、それらの人とタッグ、一緒になって山の手入れをしておりまして、現在、事業扱い高の五〇%ぐらいが直営で、五〇%は請負でございます。
 当時、そういう手法をとりましたのが、今は林業機械、グラップルだろうがハーベスターだろうが、リースでも何でもあるんですけれども、十年ほど前はほとんどそういう機械の確保すら難しかったわけでございますから、機械を持っておられる業者の方と連携をしてやってきたというようなことでございます。また、高性能機械を使っての生産性の向上対策ということで、かなりの機械を今は配置しております。あわせて、GPSであるとかGISであるとか、施業を進めるために不可欠な機器の整備にも取り組んでまいりました。
 あわせて、重点的に取り組みましたのは、森林組合の経営改革に取り組みまして、経営、事業管理のリアルタイムでの数値管理、あるいは成果主義、あるいは施業計画等の前年の策定であるとか補助金の早期申請であるとか、いろいろな対策を実はとらせていただきました。
 その結果、扱い高が、平成十六年、三億円でございましたものが、十五億円ということで五倍になりました。また、財務的には、平成十六年、借入金が一億、預金が三千万、こういう組合であったわけですけれども、今日では、借入れはゼロ、預金残高が一億五千万ということで、若干財務が安定をしてきたというようなことでございます。
 お手元にパンフレットで、平成三十二年十万立方のパンフレットをつくっておりますけれども、平成二十七年の時点で八頭中央森林組合管内の森林整備は非常におくれておったということで、二十七年、六万立米までいったんだから、それを三十二年に十万立方までいこうじゃないかということで、組合員あるいは役員等で十分協議をした中で目標を設定しておるところでございます。
 折しも、平成二十七年、私のところの先生であります石破先生が地方創生を進めておられた関係で、私どもが、森林整備で地方創生の実現ということで向かってまいっております。
 特に、山から一万立米の搬出をすれば、十五人ないし二十人ぐらいの通年雇用の職場ができるということで、ですから、十万立米の搬出が実現すれば、百五十人ないし二百人の通年雇用ができるんだということで取り組んでおります。
 ただ、大きな課題は、二十七年、二十八年から十万立米に向かってのスタートをしたわけですけれども、二十八年の実績は、三割ぐらい、いろいろな背景があってダウンしました。昨年、二十九年度は、V字回復をするんだということで向かいまして、若干盛り返しておりますけれども、残念ながら、二十七年の六万までは達成をしませんでした。ただ、この三十年は、それらの反省を踏まえて、七万立方の搬出に向かっておるところでございます。
 それについては、我々の組合では、ことしは、オーストリア林業、これをずっと、四年間連続で職員をオーストリアに派遣するとか、オーストリアから技術者を招いて、オーストリアの林業をぼっかけているといいますか、向かっております。
 成長林に対する伐採率が、日本は二四パーでございますけれども、オーストリアは八五%。木材の輸出額が、日本は二百億ちょっとでございますけれども、オーストリアは二千三百億ございます。路網についても、日本はヘクタール当たり十四メーター、オーストリアは四十五メーターということでございますし、工場までの搬出費が、鳥取では三千円、四千円かかりますけれども、オーストリアは千円ぐらいでございます。何とかその手法を学びたいということで取り組んでおるところでございます。
 今回検討されます新たな森林管理法案の内容につきましては、私どもが現在経営計画に基づいて事業は進めておりますけれども、境界が不明な、あるいは確定に時間がかかる、反対者があって作業が着手できない、筆が細かくてまとめ切れないとか、いろいろな問題を抱えておるわけでございますけれども、何とかこのたびの法案の中でそれらを是正していただきたいという思いがございます。
 また、大きな問題は、木材価格がずっと安いということで、どちらかといえば、補助金がなければ山の手入れができないというのが現状でございますので、何とか補助金なしでもやれるような林業を我々は目指しておるところでございます。
 本当に各地域とも、林業については、木材生産の役割も大きいわけですけれども、日本の国土保全の役割が大きいというふうに思っております。そのためには、地域の歴史、風土とのかかわりが大きくて、地域ごとの山のかかわり方がかなり違います。生活者、所有者の意識も違い、八頭中央森林組合のやり方が全地区に通用するかどうかはわかりませんけれども、しかし、出口は一緒でございますので、出口対策によれば、私は日本林業は変わると確信をしておるところでございます。
 よろしくお願いします。(拍手)

発言情報

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発言者: 前田幸己

speaker_id: 15220

日付: 2018-04-12

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会