農林水産委員会

2018-04-12 衆議院 全108発言

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会議録情報#0
平成三十年四月十二日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊東 良孝君
   理事 伊藤信太郎君 理事 小島 敏文君
   理事 坂本 哲志君 理事 鈴木 憲和君
   理事 福山  守君 理事 佐々木隆博君
   理事 大串 博志君 理事 佐藤 英道君
      池田 道孝君    泉田 裕彦君
      稲田 朋美君    上杉謙太郎君
      大隈 和英君    加藤 寛治君
      金子 俊平君    神田 憲次君
      神田  裕君    木村 次郎君
      岸  信夫君    小寺 裕雄君
      斎藤 洋明君    西田 昭二君
      野中  厚君    藤井比早之君
      藤原  崇君    古川  康君
      細田 健一君    本田 太郎君
      宮路 拓馬君    山本  拓君
      大河原雅子君    岡本あき子君
      神谷  裕君    亀井亜紀子君
      中谷 一馬君    堀越 啓仁君
      山川百合子君    後藤 祐一君
      佐藤 公治君    関 健一郎君
      緑川 貴士君    江田 康幸君
      金子 恵美君    田村 貴昭君
      森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣政務官    野中  厚君
   参考人
   (八頭中央森林組合代表理事組合長)        前田 幸己君
   参考人
   (高知県知事)      尾崎 正直君
   参考人
   (岡山県西粟倉村長)   青木 秀樹君
   参考人
   (愛媛大学名誉教授)   泉  英二君
   農林水産委員会専門員   室井 純子君
    —————————————
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  木村 次郎君     神田  裕君
  古川  康君     大隈 和英君
  石川 香織君     岡本あき子君
  大河原雅子君     山川百合子君
同日
 辞任         補欠選任
  大隈 和英君     古川  康君
  神田  裕君     本田 太郎君
  岡本あき子君     堀越 啓仁君
  山川百合子君     大河原雅子君
同日
 辞任         補欠選任
  本田 太郎君     木村 次郎君
  堀越 啓仁君     中谷 一馬君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 一馬君     石川 香織君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 森林経営管理法案(内閣提出第三八号)
 独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案(内閣提出第三九号)
     ————◇—————
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伊東良孝#1
○伊東委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、森林経営管理法案及び独立行政法人農林漁業信用基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、八頭中央森林組合代表理事組合長前田幸己君、高知県知事尾崎正直君、岡山県西粟倉村長青木秀樹君及び愛媛大学名誉教授泉英二君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
 それでは、初めに、前田参考人、お願いいたします。
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前田幸己#2
○前田参考人 皆さん、おはようございます。鳥取県の八頭町から参りました八頭中央森林組合の前田と申します。
 本日は、このような場を与えていただきまして、まことにありがとうございます。また、平素より林業、木材産業の振興には本当に先生各位には御尽力いただいておりますこと、この場をかりて厚く御礼申し上げます。
 では、まず最初に、自己紹介をさせていただきます。
 私は、五十歳までは農協関係、経済連、JA鳥取いなばとか、農協関係に奉職をしておりまして、実は、農産物の販売であるとか店舗事業、また、新たな農協の事業としての生産資材の店舗販売、そういう取組をさせていただいております。また、いなば農協というのは三万人ぐらいの組合員の農協でございますけれども、その合併事務局にも勤務した経験を持っております。体調を壊したことが縁で、森林組合関係に五十にして入ったわけでございますけれども、本当に農協関係の経験が役立っておるなという感じがしておるところでございます。
 林業関係に入りましたのは、県森連に五年間、それから、縁あり、今の八頭中央森林組合の参事を三年、専務を三年、組合長を、実は長くなりまして、ことしで九年目という経験をしております。また、現在は県の連合会の会長も拝命しておりますし、全森連の理事も拝命をしておるところでございます。
 八頭中央森林組合の取組について報告をいたしますと、八頭中央森林組合は、平成十五年に合併をして、これは一市二町を管内とする、組合員が四千人ほどの組合でございますけれども、小さい鳥取県にしては、民有林の人工林が二万六千ヘクタールございます。組合員さんの山が一万八千ヘクタール、町有林とか分収林が八千ヘクタールということで、二万六千ヘクタールの人工林を有しております。現在、従業員数が七十三名ほどおりますけれども、年間扱い高が十五億円ぐらいの森林組合でございます。
 平成二十八年度農林水産祭において、栄誉ある天皇杯を受賞させていただきました。受賞の理由としては、実は、平成二十二年度の搬出量が間伐材で五千立米でございましたけれども、二十七年、五年間経過したわけですけれども、六万立米の搬出、約十二倍、これが達成できた。作業道については、年間二十キロを、七十キロぐらいの開設をやったということで、非常におくれておりました森林整備を加速化してきたわけでございます。
 取組の主な内容につきましては、今回の法律改正の参考になればということでまとめておりますけれども、私どもの森林組合は、林野庁が発表された森林・林業再生プラン、これに積極的に取り組みました。
 その中で、長期管理委託あるいは林班経営計画、これらを策定して整備に当たったわけでございますけれども、やはり一番有効な手だてだったと思いますのが集落説明会でございまして、私どもは、山の整備につきましては、所有者の意向も当然大事でございますけれども、集落単位で実は整備を進めていきました。平成二十四年度には百十四回の説明会を開催して、以後、ことしもそうなんですけれども、年間百回ぐらいは説明会をするんだという意気込みで取り組んでおります。
 説明会の内容につきましては、まずは組合員さんに山の手入れの必要性あるいは山の役割、木材の流通の現状等を十分御理解いただくということで、集落単位でこの貴重な資源を次の世代に、その村で暮らされる方のために残そうではないかというのが一番の決め手でございまして、参加者の九九%ぐらいは同意をいただいております。
 あとは、その集落のコンセンサスのもとに森林整備を進めるという手法をとっております。
 また、山の手入れをするためには、担い手の役割というのが非常に大きいわけでございますから、八頭森林では、ただ直営班だけじゃなしに、地域に活躍しておられます建設業者の方、林業事業体、それらの人とタッグ、一緒になって山の手入れをしておりまして、現在、事業扱い高の五〇%ぐらいが直営で、五〇%は請負でございます。
 当時、そういう手法をとりましたのが、今は林業機械、グラップルだろうがハーベスターだろうが、リースでも何でもあるんですけれども、十年ほど前はほとんどそういう機械の確保すら難しかったわけでございますから、機械を持っておられる業者の方と連携をしてやってきたというようなことでございます。また、高性能機械を使っての生産性の向上対策ということで、かなりの機械を今は配置しております。あわせて、GPSであるとかGISであるとか、施業を進めるために不可欠な機器の整備にも取り組んでまいりました。
 あわせて、重点的に取り組みましたのは、森林組合の経営改革に取り組みまして、経営、事業管理のリアルタイムでの数値管理、あるいは成果主義、あるいは施業計画等の前年の策定であるとか補助金の早期申請であるとか、いろいろな対策を実はとらせていただきました。
 その結果、扱い高が、平成十六年、三億円でございましたものが、十五億円ということで五倍になりました。また、財務的には、平成十六年、借入金が一億、預金が三千万、こういう組合であったわけですけれども、今日では、借入れはゼロ、預金残高が一億五千万ということで、若干財務が安定をしてきたというようなことでございます。
 お手元にパンフレットで、平成三十二年十万立方のパンフレットをつくっておりますけれども、平成二十七年の時点で八頭中央森林組合管内の森林整備は非常におくれておったということで、二十七年、六万立米までいったんだから、それを三十二年に十万立方までいこうじゃないかということで、組合員あるいは役員等で十分協議をした中で目標を設定しておるところでございます。
 折しも、平成二十七年、私のところの先生であります石破先生が地方創生を進めておられた関係で、私どもが、森林整備で地方創生の実現ということで向かってまいっております。
 特に、山から一万立米の搬出をすれば、十五人ないし二十人ぐらいの通年雇用の職場ができるということで、ですから、十万立米の搬出が実現すれば、百五十人ないし二百人の通年雇用ができるんだということで取り組んでおります。
 ただ、大きな課題は、二十七年、二十八年から十万立米に向かってのスタートをしたわけですけれども、二十八年の実績は、三割ぐらい、いろいろな背景があってダウンしました。昨年、二十九年度は、V字回復をするんだということで向かいまして、若干盛り返しておりますけれども、残念ながら、二十七年の六万までは達成をしませんでした。ただ、この三十年は、それらの反省を踏まえて、七万立方の搬出に向かっておるところでございます。
 それについては、我々の組合では、ことしは、オーストリア林業、これをずっと、四年間連続で職員をオーストリアに派遣するとか、オーストリアから技術者を招いて、オーストリアの林業をぼっかけているといいますか、向かっております。
 成長林に対する伐採率が、日本は二四パーでございますけれども、オーストリアは八五%。木材の輸出額が、日本は二百億ちょっとでございますけれども、オーストリアは二千三百億ございます。路網についても、日本はヘクタール当たり十四メーター、オーストリアは四十五メーターということでございますし、工場までの搬出費が、鳥取では三千円、四千円かかりますけれども、オーストリアは千円ぐらいでございます。何とかその手法を学びたいということで取り組んでおるところでございます。
 今回検討されます新たな森林管理法案の内容につきましては、私どもが現在経営計画に基づいて事業は進めておりますけれども、境界が不明な、あるいは確定に時間がかかる、反対者があって作業が着手できない、筆が細かくてまとめ切れないとか、いろいろな問題を抱えておるわけでございますけれども、何とかこのたびの法案の中でそれらを是正していただきたいという思いがございます。
 また、大きな問題は、木材価格がずっと安いということで、どちらかといえば、補助金がなければ山の手入れができないというのが現状でございますので、何とか補助金なしでもやれるような林業を我々は目指しておるところでございます。
 本当に各地域とも、林業については、木材生産の役割も大きいわけですけれども、日本の国土保全の役割が大きいというふうに思っております。そのためには、地域の歴史、風土とのかかわりが大きくて、地域ごとの山のかかわり方がかなり違います。生活者、所有者の意識も違い、八頭中央森林組合のやり方が全地区に通用するかどうかはわかりませんけれども、しかし、出口は一緒でございますので、出口対策によれば、私は日本林業は変わると確信をしておるところでございます。
 よろしくお願いします。拍手
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伊東良孝#3
○伊東委員長 ありがとうございました。
 次に、尾崎参考人、お願いいたします。
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尾崎正直#4
○尾崎参考人 皆様、おはようございます。御紹介をいただきました高知県知事の尾崎正直でございます。
 高知県の森林面積割合は八四%でございまして、全国ナンバーワンであります。高知県の県勢を浮揚するためには、林業の再生が不可欠、林業の再生なくして中山間の再生なし、中山間の再生なくして県勢の浮揚なしということで、林業再生に大変力を入れてこようと努力をさせていただいております。
 そういう中、この森林経営管理法案には大変期待をいたしているところでございまして、きょう、こういう形で御意見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたい、そのように思います。
 お手元に「森林経営管理法案への期待」ということで、私の文書を提出させていただいておりますので、こちらに基づいてお話をさせていただきたい、そのように思います。
 まず、一ページをごらんいただきたいと思います。
 林業政策、我々としてまずどういう仕事をしようとしているかということを御説明させていただきたいと思いますが、その前にまず全体として、産業政策全般の考え方についてこちらは述べさせていただいております。
 私ども、高知県産業振興計画というものに基づきまして、産業政策、この十年ぐらい取組を進めてまいりました。人口が自然減状態になったのが平成二年からという高知県でございまして、平成九年、十年ぐらいからは、連年、経済の規模がだんだん縮んでいく、そういう経験もしてまいりました。
 そういう中において、経済の再生を図っていくために、キーワードとして、私どもは地産外商という取組を進めてきたところであります。地に産するものを生かして、付加価値をつけて、外で商って、外から高知県にとっての外貨を稼いでくるんだ、そういうことで仕事をしてまいりました。正直、足元の人口減少が進んで経済規模が縮小する県にとって、内にこもってしまってはじり貧でありますから、外に打って出ていかなければならぬのだ、そういう取組を進めてきたところです。
 ポイントとして、地産の強化を図るために、いかに生産性、付加価値を向上させるか、そのために産学官民連携でさまざまな新技術そして商品開発などを進めてまいりました。また、外商の強化という観点からは、外に売り込むために官民共同のプラットホームをつくって売り込みのお手伝いをさせていただき、そして、人材の確保をしっかりすることが全ての基盤という考え方のもとで取組を進めております。
 重点対象となる産業分野、比較優位にあります一次産業とその関連産業群、さらには、近年でありますと防災関連産業、コンテンツ関連などの新しい産業分野の創出、こちらにも力を入れようとしております。
 二枚目をごらんいただきたいと思いますが、そういう中で、私どもといたしまして、林業分野についても地産外商の考えに従って取組を進めております。
 一、二、三、四、五とそれぞれボックスがありますが、まず一番、原木生産のさらなる拡大を図るために、いかに生産性を上げるかということが大きな課題でございます。
 そして二番目、加工体制の強化と書いてありますが、一言で言えば、A材、B材、C、D材、全てこれを余すことなく加工して活用できる体制をいかにつくれるか、ここが大きな課題であります。
 そして三番目、流通、販売体制の確立ということでありますが、下にTOSAZAIセンターと書いてありますが、官民共同で部材を売り込むための体制を整えています。真ん中にトレーラーの絵もありますけれども、共同で配送していく仕組み、さらに、首都圏などにも流通の拠点となるところを設けさせていただいて、配送体制を整えようとしたりしています。
 そして、あわせて四番目、木材需要の拡大と書いてありますが、CLTの普及を図って何とかB材の活用を拡大できないか、あわせてA材についても需要拡大を図れないか、官民共同で模索をしております。あわせて、木質バイオマス発電所、こちらの誘致を図ることでC、D材の活用も図りたい。
 そして、近年非常に課題となっておりますのが、担い手の育成、確保でありまして、林業を生涯の業として志そうとする若者を育成したいということで、間もなくでありますが、林業大学校が開校をいたします。既に林業学校という形では開校して育成をしておりますけれども、あわせまして、小規模林業、こういう事業家の皆さんの育成にも力を入れてきたところであります。
 三ページをごらんいただきたいわけでありますが、先ほどの川上、川中、川下までの一連の流れの好循環をいかにつくり出していくことができるかということが、私どもにとっての大きな課題であります。
 そういう中で、左側にあります取組の成果というところに書かせていただいておりますが、だんだん、それぞれの分野におきまして、この循環の流れが太くなるような傾向も見られるようにはなってまいりました。
 まず、川上でありますが、原木生産のさらなる拡大を図るために、高性能林業機械の導入、路網整備などを推進し、素材生産量は、平成二十二年ぐらいまでは年間四十万立米ぐらいにとどまっておりましたけれども、現在これが六十二万を超える、間もなく六十五、六万ぐらいにはいくのではないか、そういう状況であります。
 一番ボトルネックでありましたのが、川中の加工体制でありました。特に、A材、B材の加工体制が著しく脆弱というところがありました。こちらにつきまして、県外からの企業誘致も含め、さらには県内事業者の皆様方の体質強化ということも含め、大変力を入れてまいりました結果、大型製材工場の整備が進み、さらにはラミナ工場の整備なども行われということでございまして、それぞれ、そちらにありますような形で原木消費量も拡大し、県産材品の出荷量なども拡大傾向にあります。
 そして、流通体制につきましても、トレーラー等による流通効率化、これを図るべく、共同配送などの取組も行ってきています。
 やはり大事なことは川下の需要をつくり出すことだということでございまして、木材需要の拡大のために、特にCLTによる木材需要の拡大ということに大変期待をさせていただいておりまして、県内でも、今、これまでに十棟のCLT建築物をつくって、技術の蓄積に努めているところでありますし、そして、あわせまして、全国的にもこれを普及拡大させたいということで、CLT首長連合というのもつくりまして、都道府県、市町村、全部で百十の自治体の首長さんから成る首長連合をつくったり、さらには、経済同友会の皆さんとも連携をさせていただくなどして、このCLTの普及促進のための取組などに努力をさせていただいてまいりました。
 右側をごらんいただきたいと思いますが、さらなる飛躍に向けて、それぞれの過程でのボトルネックの解消と、あわせて、全体最適化を図っていくということが非常に大きな課題であります。
 川上分野でいえば、いかにして更に林地集約化をして効率的な生産体制を整えるか、生産性を向上する、さらにはコストの低減を図っていくための前提としての林地集約化をどう進めるか、これは大変大きな課題でございます。そして、担い手育成、確保、人手不足の中で林業を志す若者たちをいかに確保し、育てるか、これも大変大きな課題であります。
 製材という観点からも、特に中小零細企業の製材事業者さんの方々が大変多うございます。そういう方々にとって、規模での勝負ではなくて付加価値の勝負という形、例えば、高付加価値なA材品をつくれるような体制をいかにつくっていけるか、そういうことでいかに先々の展望を開けるようにするか。こちらについて、官民共同で事業戦略づくりのお手伝い、設備投資のお手伝いなども通じてバックアップさせていただこうとし、さらにもう一点、需要に応じた製品の供給力の向上が非常に課題だと考えています。A材の需要の拡大を図る、さらにはB材の需要の拡大を図る、それぞれの用途に応じた材を提供できる体制をいかにつくれるか、ここも大きな課題であります。
 さらに、一番下にあります川下でございますが、CLT等を核とした非住宅建築物の木造化、木質化の推進を図っていくために、いかにこれを全国的な課題として、しかも民間の、民需に火をつける形で取組を進められるかどうかということについて、繰り返しになりますが、経済同友会、さらにはCLT首長連合、こういう取組などを通じて働きかけをさせていただこうとしています。そして、もう一つ、このCLTなどを核として、いわゆる躯体、構造体において木材が使われるようになっていくこととあわせて、ぜひ、内装材、こちらなどでももう一段木が使われるように持っていけないか。そういうことを通じて、極めて高付加価値なA材需要の拡大ということを実現していくことができないものか、そのように考えているところであります。
 こういうことを通じて、A材、B材、あわせて、残余のC、D材については、いわゆるエネルギー燃料として使う、NASという取組などを通じて木の需要が抜本的に拡大することができれば、川下が牽引する形で、川上、川中、全体としての林業のパイプが太くなるということとなっていけるのではないか、そのように考えています。
 四ページをごらんいただきたいと思います。
 そういうことで、この上段にございますように、川上から川中、川下に至るまでのサプライチェーン、これをいかに最適化していくかということに知恵を絞ってきたわけでありますけれども、理想となる姿、目指すべき姿と左上に書かせていただいていますが、理想となる姿というのは、正直なところ、この川下と川中がジャスト・イン・タイムで結ばれて、川上と川中もジャスト・イン・タイムで結ばれて、川下の需要に応じて川上の方で施業できる、ゆえに、もってして無駄な在庫を持たなくて済む、商機を無駄にすることもないようにする、こういう姿を実現するということかと思います。
 これは、普通、多くの製造業では、こういうことを目指して、供給のサプライチェーンの最適化を図るべく努力をされているわけでありますが、林業の場合、これを実現しようとするときに、幾つかのボトルネックがあると考えております。
 左下にございますように、一つは、原木供給の不確実性であります。これがあるがゆえに、例えば、コストが定まらない、納期が定まらない、結果としてやはり川下で他の建材に負けるということもあり、結果として割高になったりするということもあり、なかなか木が使われないという経験があります。そういう中で、森林経営管理法案によって集約化がされて原木供給の不確実性を減ずることができれば、さらにコストの削減を図ることができれば、これは大いにボトルネック解消につながっていくだろうと思います。
 そして、川下分野では、先ほど来申し上げておりますが、川上とあわせ、さらなる木材需要の拡大ということが大変重要なわけでありますが、この森林経営管理法案によって集約化が進むことで納期の確実性が高まり、コストが低減されるということとなれば、他の建材に比べても競争力が高まって、結果として川下の需要拡大ということにもつながっていくのではないかと期待をいたしております。
 そして、五ページをごらんいただきたいと思いますが、現在、日本は人工林が非常に多うございます。高知県も七割ぐらいが人工林という状況であります。
 もう言うまでもないことでありますが、人工林は人が手を加えることでもってその生態系を守ることができる、そういう側面があります。ただ、上に矢印で書いてありますように、木材価格の下落によって森林所有者の経営意欲の減退があり、手入れ不足の森林が増加した結果、森林の荒廃、そういうことも進んでまいっておりました。集約化によって施業の効率化がされ、木材需要が拡大することで林業を業として再生することができれば、植栽、間伐、皆伐、この一連の流れができて、全体として生態系は守り続けられる、環境にとってよい姿が実現できるということではないかと考えております。
 この森林経営管理法案、こういう形で大変期待をいたしておるところでございますが、六ページをごらんいただきたいと思いますけれども、こちら、実際の運用に当たっての要望が私どもとしてございます。
 まず一番目でありますが、ぜひ市町村が円滑に運用できる制度設計をお願い申し上げたい、そのように考えております。
 高知県内では林業専任の職員がゼロの市町村が半分以上という状況でございます。さらに、右側の表を見ていただければ、市町村で専任職員は三十一人しかおりません。これに対し、県の職員は百九十五名おるということでありまして、やはり県がしっかりと市町村をバックアップすることが大事だと思っています。
 ただ、あわせまして、左側にございますように、今後市町村の業務を定めるに当たられましては、例えば、他の市町村に住所がある所有者の照会事務など市町村相互の情報共有を可能とするなどといった形で、効率的に人員が少ないことに合わせた協業共同体制をとれるような仕組みをぜひ御検討いただきたいと思いますし、人手が少ないからこそ、スマート林業の推進が非常に重要であります。こういうことのバックアップもぜひお願いを申し上げたい、そのように思っております。
 そして、あわせまして、新たな森林管理システムとあわせまして、木材需要拡大策をぜひ強力に展開していただきたい、そのように考えております。木を建材として使うに当たっての規制緩和の推進でありますとか、工事において積極的に木を使う取組を推進していただくことでありますとか、さまざまな取組を既に進めてきていただいておりますが、ぜひとも、今後ともその取組を大いに進めていただきたい、そのように考えるところです。
 もとより、私ども県といたしましても、この新たな仕組み、森林経営管理法案に基づく新たなシステムの展開に当たって、一生懸命努力をさせていただきたいと思っています。
 七ページにございますように、私ども県といたしましても、既に、林地台帳システムを県が整備して市町村へ提供するでありますとか、さらには人材育成に大いにかかわるでありますとか、努力をいたしております。今後、代替執行につきましても積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えておるところでございます。
 森林経営管理法案に大変期待をさせていただくという立場から御意見を述べさせていただきました。
 貴重な機会をいただきまして、まことにどうもありがとうございます。拍手
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伊東良孝#5
○伊東委員長 ありがとうございました。
 次に、青木参考人、お願いいたします。
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青木秀樹#6
○青木参考人 失礼をいたします。
 私は、岡山県の県北の小さな村であります西粟倉村という村の村長をさせていただいております。
 西粟倉村は今非常に、ある意味地方創生の流れの中で、少し都市の方から若い人の移住がふえたりというような現状があります。
 そういった流れがいかにできたかといいますのも、実は平成の大合併の折に、我々の南には美作市という六カ町村が合併した市がございます、そういった中で、合併の枠組みに入っておりましたけれども、途中で合併をいわゆる避けた、合併協議会から離脱をいたしまして、住民の意思を問うたわけですけれども、合併しないという決断をしました。そういう中で、では、今後この村が、財政も非常に貧弱な中でどうやって生き延びていくのかということになりました。
 そこで、我々の村の約九五%が山であります。そのうちの八五%が人工林、つまり村の八〇%が人工林なわけです。
 当時、今もそうでありますけれども、人工林、非常に市況が低迷をしておりまして、そういったものに、林業に頼って生きていけるという状況では非常になかったわけでありますけれども、我々は、考えてみると、この村が今後、この九五%森林の村が、この森林が全く役に立たないで、動かないで我々の将来が描けるはずはないというふうに思いましたし、そして、考えてみれば、約五十年たっているその森林をこのまま諦めてしまって我々の村の未来があるのかということを考えますと、やはり我々のやるべきことは、この森林を、先人がつくったこの森林をしっかりしっかり、あと五十年かけて仕上げて、しっかりとした美しい価値のある山林に仕上げることによって我々の村はきっと生き延びていけるんだろうというようなことで、百年の森林構想というふうに銘を打ちまして森の整備に取りかかったわけであります。
 この百年の森林構想、事業といいますものが皆さんのお手元に配付されているというふうに思います。
 この百年の森林事業の特徴といいますのは、これは西粟倉村に存在しますいわゆる人工林に手を入れる、つまり整備をするということでありますけれども、この財源としましては、村の財源を使うしかなかったわけです。村の財源がなぜ使われたかといいますと、多かれ少なかれ住民のほとんどの皆さんが山を所有されていた。小さい山もあります、本当に小さい山もある。そういう多かれ少なかれ住民のほとんどの皆さんが山を所有されていた、そこに村の財政を投入したということであります。民有林に村の税金を投入した、ここが非常に特徴的だというふうに思います。
 森林整備は、零細の所有者がたくさん集まっておりますので、基本的には、同じ財政を投入するにしてもやはり考えなければいけません。それは、やはり集約化をすることによってその施業コストを、最低、要するに低減をするということを心がけなければいけませんし、また、通常の流通における伐採、搬出、あるいは市場への運送、あるいははい積み料、手数料、こういった大きなコストを削減しなければ、やはり税金を使う手前、許されないというようなことだろうということで、施業コストの削減と流通コストの削減、こういうことに取り組んできました。
 この西粟倉村百年の森林事業の図をごらんいただきたいと思いますけれども、森林所有者から、役場が事業主体となりまして、皆さんに、山を預かる。ここ十年ほどの長期契約ということで預かるわけですけれども、やはり皆さん、御年配の方が多いですから、本来はもっと短い方がいいというふうにおっしゃられる方もあるんですけれども。
 村としましては、まず作業道をつけて、そして劣勢木の間伐から入ります。いわゆる邪魔になるものを間引くという作業から入っていかなければ将来に美しい山が残りませんので、そういったことを主体に施業を進めてまいります。その施業の方は森林組合がすることになります。
 そして、森林組合から、販売、ここを、株式会社森の学校、これは実は、都市の住民でありました若者が、ここの部分を受け持とうということで、市場にそれまで持っていっていたものを、この株式会社森の学校が全部買い取ります。そして自社の工場で製品をつくる。特に、ここも非常に特徴があります。従来のハウスメーカーさんとかへの材料の提供も一部ありますけれども、ほとんどが間伐材を自社工場で、都会の、しかも若い人向けの商品につくり変えて販売をする。そういった、今までなかなか考えつかなかったような流通というものを彼らは考えて、それを成功させています。当初五人ぐらいで始めた会社でありますけれども、現在は三十名というようなことであります。
 村としましては、当然、材木を使ってくれる、そして流通をさせてくれる、そして全くそこには流通コストがかかっていないというようなことで、結果、村がその売上げを所有者さんにお返しができる。
 所有者さんは、まず劣勢木間伐ですからそんなに大きな収入はありませんけれども、一定の収入が確保できたというようなことで非常に喜んでいただける、そして百年の森林事業にも大変に御理解を示していただけるというようなことで、うまく回っているというふうに思っておりまして、この西粟倉村百年の森林事業が今般の森林経営管理の法案のベースにしていただいているというところは非常にありがたかったかなというふうに思いますし、我々が取り組んできたことがこういった形で一つのモデルになっているということが、私にとっても非常にありがたいことだというふうに考えているところです。
 そこで、我々がここ十年来やってきたわけでありますけれども、この森林管理法案に対して若干気になるポイントがありますので、それを手短に述べたいというふうに思います。
 まず、経営管理実施権というものがありますが、現在、西粟倉では、村役場が事業主体となって森林整備を進めております。経済林も循環林も村がまとめて管理をしている状況であります。
 経営管理実施権につきましては、民間事業者だけではなく、西粟倉村のように、行政もその実施権が持てるようにした方がよりいいのではないかというふうに考えております。西粟倉村に限らず、これまで市町村や林業事業体が独自に行ってきた既存の集約化の仕組みが、法案適用後も適用できるようにするべきであるというふうに考えるからであります。
 次に、経営管理実施権の設定についてでございます。
 西粟倉村では、各森林所有者の所有面積が極めて小さく、複数人の私有林を同一の管理者がまとめて経営しなければ、施業が困難であります。その中で、別の事業体が管理する場所が歯抜けに生じるというようなことで、集約化に支障が出るのではないかと懸念をしております。そうした歯抜けが生じないように、経営管理実施権を設定する必要があるというふうに考えております。
 さらに、先ほども少し述べましたけれども、経営管理権につきましては上限五十年となっております。また、公告から五年以降に、所有者からの申出により取消しが可能となっております。この五年で取消しが可能というふうにしますと、長期の森林整備計画が立てにくうございます。
 西粟倉村では齢級の平準化等に取り組むことが必要でありますけれども、長期を見据えた森林計画を行うため、森林管理委託契約は十年ということにしております。それでも、契約をもらった森林をまだ全ては施業できていない、これが現状でありますので、ここのところは、やはりどうしても申し添えておく必要があろうというふうに思っております。
 木材の地域外流出ということで、我々のところは、自分のところの木材を全部地域内で回しているわけであります。そして、林業の六次化が図られているという状況であります。
 そういうところにおいて一つ気になっていますのは、木材の販売については、森林施業を行った林業事業体に全てお任せをされております。多くの場合、木材市場へ販売されると思います。西粟倉村では木材の六次産業化に取り組んでおり、搬出された材を、市場を通さずに、独自のルートで村内の業者を中心に販売をしております。
 例えば、新たに経営管理実施権を得た事業者が地域外で販売することで、場合によっては、これまで地域で木材が回っていたところが、地域から流出をしてしまうというようなことが起こる、こういったことが懸念をされるところでございます。
 最後になりますが、費用、これは、西粟倉村の年間百ヘクタールの施業をするのに、大体三千万から四千万の費用をかけております。一般会計から繰り入れている状況であります。ここで、今度の森林環境税ですか、そういった財源ができることは非常にありがたいというふうに思うわけでありますけれども、しかし、この森林環境税の配分状況と、それから今我々が実際に使っている財源、これを比べますと、圧倒的に、実質使っている財源の方が大きいわけです。
 つまり、どういうことかといいますと、山側にはこの森林環境税が果たしてしっかり手当てされるのかといいますと、人口要件、そういったものがたくさんありますので、山側には人口はありません。したがって、非常にその配分が少なくなるのではないか、では余り意味がないのではないかというふうに懸念をするところでございます。
 以上、ばらばらに、取りとめもなく申し上げました西粟倉村の取組が、少しでも皆さんのお役に立って、そして、私の経験が、よりお役に立てる法案により確実になっていくために役に立てばというふうに思い、この時間、皆さんに御報告を申し上げました。
 大変ありがとうございました。拍手
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伊東良孝#7
○伊東委員長 ありがとうございました。
 次に、泉参考人、お願いいたします。
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泉英二#8
○泉参考人 泉でございます。おはようございます。よろしくお願いいたします。
 日本は、江戸時代で既に三つの世界に誇れる森林管理方式というものを持っていたんですけれども、その中で、人工林を組み立てるということにおいても世界一ということを奈良県の吉野林業ということで実現しておりました。私は、学生時代から、卒論から約二十年間ずっと、江戸時代の古文書、吉野に入り込んで、そういうことをやってきた者ですけれども、その後は少し現代の林政についても勉強させていただいてきました。
 そういったことで、きょうは三人の参考人の大変重要な御発言というふうなことの筋とやや異なって、私は、今回の法案については極めて強い危惧の念を持っております。
 ただ、今回の法案は、具体的なことは全て農林水産省令で定めるということになっておりまして、実はこれ、今、全貌は明らかになっておりません。ただ法案だけが、ある種骨子だけが明らかになっているという段階でございますので、私は、そういう意味では、そういう段階において、今後皆様方が御審議いただくに当たって、あえて危惧の念を多く申し上げることによって、そういうことも踏まえて御議論いただければということで、申し上げさせていただきます。
 法案の内容というものは極めて非科学的である、科学的根拠が非常に欠如している、こういう議論を組み立てる。
 そうしますと、そういうような中で、この法案が成立しますと、実は、法律自身が基準を示すという、法律がひとり歩きしてしまうというような形のところで、そういったことで、そういう意味でも大変危惧しているわけですけれども、特に森林所有者に対して極めて強権的であって、運用の仕方次第では、極論を言えば短伐期皆伐施業の蔓延で、日本の山林が、やや極端に言えば丸裸になる可能性がゼロではない。
 この法案については、その作成プロセスが余りに密室的であった。林政審議会にも、たしか、新たな森林管理システムという、法案のちょっと上にある大きな考え方ですけれども、それについて一時間半審議しただけというふうなことでございます。パブリックコメントなども一切実施されなかった。国の森林環境税創設にも密接に絡んでいるだけに、国民の理解を得るとの姿勢が皆無だったことは極めて遺憾なことと考えております。
 私は、結論的に言いますと、この法案は一旦廃案とするのが望ましい。その上で、制度疲労を起こしている現行の森林・林業基本法、森林法を始めとする森林法制全体をこの機会にゼロベースで見直し、新たな世界標準として誇れるような森林法制を日本は構築すべきであるということが結論でございます。
 まず、問題は一体どこにあるのか。これは、今回の法案では日本の森林所有者というものをどう今後位置づけるのかという、ここが大変問われております。
 皆様方、ちょっと後ろの方に資料を出しておりますけれども、林野庁が去年九月に出しておるこの資料です。これは、集成材について内外の比較をしたものでございます。この比較で極めて明らかなのは、日本は加工等のコスト、伐採、搬出コストが高い。立木というところ、三%となっておりますけれども、ここが森林所有者の取り分ということでございます。
 こういうふうな形のところは、その二枚目の資料を見ていただきますと、これは森林・林業白書ですけれども、もう素材生産価格はどんどん落ちてくる。それに対して、実は加工コスト、伐採、搬出コストは変わらない。ですから、製材業者及び素材生産業者の取り分は変わらないけれども、木材価格が下がれば、全て山主に返るお金が少なくなっている。
 こういう現状をどうするのかということで、山元への利益還元という言葉が出ております。それとも、森林所有者はもうこの際、日本は今後切り捨ててしまうのか。このところが今回の法案で非常に問われているところでございます。
 林野庁、沖修司次長、現長官ですけれども、発言をちょっと掲げております。二〇一五年十月の林政審議会、ちょっと長いので読み上げは省きますけれども、沖次長は結局、林業の成長産業化のためには、山元への利益還元の重要性をしっかり述べております。
 また、それに対して、今回の森林経営管理法案まで至る、現在の林政の大転換と言っていいわけですけれども、これが最初に姿をあらわしたのは、昨年の三月から五月まで、自民党林政小委員会、ここが五回開かれまして、そこにおいて、実は、今回の新しいスキームということが登場してきます。
 そこで強調された目的というのは、その段階では、山元への利益還元と公益的機能発揮というものが目的として掲げられておりました。また、「林業者(林家、事業体従事者)の所得向上」「川上から川下までの総合的な支援により、山元への収益性向上の対策を強化する。」「川上の手取りが確保し得る原木価格の実現に向けた木材需要の拡大を図る。」といった文言が各所に、この自民党の林政小委員会の報告では書かれております。
 そういうふうな形のところであるわけですけれども、この林政小委員会で述べられた、提言されているところが、その後、昨年九月に林野庁は新たな森林管理システムということで提起しますけれども、そこでは、まず、山元への利益還元ということが抜け落ちます。さらに、公益的機能の発揮ということについても、恐らく、林業の成長産業化という側面が非常に強く出ていますので、公益的機能の重視論が非常に弱くなりました。さらに、担い手としては、「新規参入や自伐林家を含めた多様な担い手とともに、森林組合や民間事業体など意欲と能力のある林業経営の主体の育成・確保」といったような中で、こう書かれているのも、やがて、自伐林家ということも抜け落ちます。さらに、森林組合というのも抜け落ちます。
 こういう形で、新たな森林管理システムということが組み立てられてくる。
 三のところに行きます。法案の構造ということで、森林所有者に対して、では、この法案はどういう姿勢で臨むのかということです。
 森林所有者については、意欲がないものと規定しています。このことについては、根拠となる統計データの解釈に誤りがあるということはまた後で申し上げたいと思いますけれども、そのような森林所有者に、適時に伐採、造林及び保育を実施することを義務づける。要するに、やる気のない森林所有者、そこに非常に過大なものを押しつける。できない場合に市町村に委託させる。委託することに同意しない所有者に対しては、確知所有者不同意森林特例制度を創設し、勧告、意見書、裁定といったプロセスを通じて、不同意のまま、同意したものとみなす道を今回確保している。
 さらに、災害等防止措置命令ということに一章を割いております。森林所有者によって伐採又は保育が実施されず、その結果、周辺や下流域に土砂その他災害、環境悪化、水害、水確保支障などの発生を防止するために、市町村長は、森林所有者に対して、伐採又は保育を命令することができ、その命令に従わない場合には、代執行をし、その費用を所有者に請求できるものとするという。実は、これはいろんな面で問題がある。保安林制度との関係はどうなのだというようなことであったり、森林所有者が伐採、保育することと、そういう災害等を防止する関係性ということは本当に立証されているのか等々ですね。
 それで、結局、この法案は、山元への利益還元とは正反対に、森林所有者にできない責務をあえて課し、責務を果たせない場合は、管理経営権を委託せざるを得ないようしむけており、それに同意しない者に対して、確知所有者不同意森林制度及び災害等防止措置命令制度をつくって、強制的に同意を迫るものになっていると言わざるを得ない。まさに、森林所有者を切り捨てていく政策とも言えるものであるということです。
 それから、素材生産業者。
 森林所有者から、次の段階で伐採、搬出を担当する素材生産業者については、今回初めて、林業経営者という形で位置づけた。これは、我々研究面からしても、また実態的にも非常に無理があって強引過ぎる。そこの意欲と能力のある素材生産業者等を選別し、それらにあらゆる施策を集中して、林業の担い手として育成する。そのような素材生産業者等には、市町村は経営管理実施権を配分する。
 ただし、主伐後の再造林から保育まで十五年以上の管理が、どうも今の段階では素材生産業者等に課せられるようです。それで、この素材生産業者等にとっても、十五年間の管理義務ということは決して甘いものではない。ただ、更に言いますと、素材生産業者等は、育林管理ということに対しては一般的には非常に苦手である。
 そこで、素材生産業者等がこの施策に魅力を感じないと困るだろうということで、さまざまな優遇策がとられておるということです。
 さらに、この素材生産業者等は、比較的資金力等が弱いです。それで、資金力の豊富な会社等が素材生産業者等に対して資金援助をして実施権を確保するだけでなく、素材生産業者等を直接的に下請化することによって、みずから林業経営者となる道も開かれております。このことによって、大面積の経営管理実施権が大手の会社等に集積される可能性も強まっている。
 市町村については、ちょっとここは時間の関係で省かせていただきます。国の森林環境税についても省かせていただきます。
 暫定的総括。
 この法案は、究極的には、川下の大型化した木材産業及びバイオマス発電施設への原木の安価な大量安定供給が目的であるとしか思いようがないというところです。
 そのために、森林所有者は極めて安価、場合によってはただで立木の伐採、販売を委託させられ、十五年後以降に手入れ不足の人工林あるいは天然更新林で戻されるといった事態も、その可能性も否定できない。
 新たな林業の担い手と目される素材生産業者等が順調に成長しない場合には、大きな資本が容易に参入できる仕組みが準備されていることも極めて危険である。
 今回の森林経営管理法案は民有林を対象にしております、民有林を。このような仕組みが、一年後には民間開放として国有林にも適用されることが検討中とのことである。民間事業者に長期、大ロットで伐採、販売を行える権利とエリアというものを設定しようということである。このようなことになると、民有林だけでなく、国有林までもが大型の民間事業者に席巻されることになる可能性が強まっています。国有林は、言うまでもなく国民有林であります。したがって、国民的合意がしっかり図られるプロセスが必須と思われます。
 林業の成長産業化というかけ声のもとで推進されるこのような流れは、持続可能な森林管理、あるいは持続可能な森林経営という世界的に普遍的な指導原理に根本的に相反していると私は考えます。
 なお、今回の法案については、林業のプロの人たちからは、物すごく乱暴な法案だな、でも、こんなものって動きっこないよとの声をよく聞きます。しかし、森林所有者に対する恫喝に近い二つの制度だけでなく、動けないと見られている市町村に対して、都道府県による代替執行制度も準備されています。林野庁とすれば、都道府県を締め上げることは比較的容易なことです。ということで、もしこの法案を本気で運用するようなことがあれば、明治初年の土地官民有区別における入会林野の官林化、戦時中の強制伐採に匹敵する強権的な措置ということになるのではないでしょうか。
 それでは、批判しているだけでいいのかということになりますけれども、どうすればいいのか。
 今回の新たな森林管理システム及び森林経営管理法案について、当初は、現行の森林・林業基本法及び森林法の路線上に乗っかる鬼っ子ではないかと私は思いました。しかし、現在では、この法案は森林・林業基本法や森林法をも踏みにじる独自路線を持つものだと評価しています。それゆえ、当初述べたように、今回は廃案にすべしと思っているわけです。
 そこで、資料の三をごらんいただきたいと思います。
 これは、二〇〇一年、林野庁が林業基本法の改正を考えていたときに素案を出しました。それに対して、内閣法制局から、どうしてもだめだということになって、やむを得ず考え出したのが持続的森林経営基本法です。
 ここでは、基本理念を、持続可能な森林経営の確立を図るものだとし、基本施策は、経済的手法による森林管理、地域社会による森林管理、国民全体による森林管理といった区分に基づくとしています。
 この区分は、現行の森林・林業基本法における森林政策、林業政策、木材産業施策といった区分とは根本的に異なっており、今後の森林管理を考えるに当たっては極めて、現在でも大変生命力を持っている一つの考え方が既に二十年前に提示されているということでございます。
 今後しっかりとここで議論されていくと思いますけれども、そういった意味では、私が申し上げました、あえて危惧をするというようなところもぜひ御認識いただきまして、積極的な審議がなされることを期待しております。
 どうもありがとうございました。拍手
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伊東良孝#9
○伊東委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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伊東良孝#10
○伊東委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。
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藤井比早之#11
○藤井委員 自民党の藤井比早之です。
 前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人におかれましては、森林経営管理法案、新しい森林管理経営システムの創設に向けた、まさに歴史的な質疑で意見陳述をいただきまして、心から感謝申し上げます。
 まず、青木参考人、西粟倉村の青木村長にお伺いさせていただきます。
 西粟倉村では、森林経営管理法案のモデルとも言える百年の森林事業に取り組んでこられました。先ほど、森の学校、都会の若い人向けに流通、成功して、五人から三十人といった話もございました。
 この森林経営管理法案と森林環境税等による新たな森林管理システムにより期待される地域経済の活性化、特に雇用創出効果についてお伺いしたいと思います。
 また、これを実現するために必要なことは何なのか、特に市町村における実行体制の整備、職員体制の強化も含めてお伺いいたします。
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青木秀樹#12
○青木参考人 お答えをいたします。
 大変ありがとうございます。
 今、私は、先ほど言いましたように、人口がふえていく、あるいは雇用がつくれるという林業を主軸にした雇用の問題に関しては、やはり流通の部分というのが結構大きいと思うんです。
 流通といいましても、木材を今まで果たしてどのように我々は消費してきたのか。基本的には家の部材ということで、高く木材を売るために、いいおうちの、高価なおうちの部材に使われるということが一番、そういう価値観として山をつくってきたわけでありますけれども、考えてみれば、それをずっと踏襲していきますと、この大都会にはまずほとんど木材というものは存在しないというようなことになっております。
 我々は、民間の、普通の庶民の方が木材をなぜ家に使えないのか、そばに、自分の身の周りに使えないのか、そういったところが非常に疑問でありまして、圧倒的な量が賦存をしておりますので、その量を、やはりもう少し木材の使い方ということを考えていくべきだろうというふうに考えています。
 そういった面では、都市で生活をしています彼らが山の現状を知ることによって、木材の使い道というのはたくさんあるんだというふうな出口を彼らがつくったというところが木材産業においては非常に重要なところだ、今日的に重要なところだと私は考えておりまして、そういったことに取り組むということが非常に有効であるというふうに思います。
 それと、役場の中での体制ですね。
 これは、やはり村長としましては、基本的にこういった、積極的に山を循環させるという意味で、百年の森林構想につきましては当然チームをつくっておりますし、特別に課を設けております。
 それで取り組んでまいりましたけれども、これも約十年が経過しようとしておりますので、この事業そのものも、百年の森林構想を実現する事業として、実はベンチャー化をしまして、役場の中から事業として独立することを目指して、この四月に、役場からその機能を百森という株式会社にやや移している最中でございます。
 そういった体制で臨んでおります。
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藤井比早之#13
○藤井委員 青木村長、ありがとうございます。
 私も兵庫県の同じ中国山地の山の中を地元とする者でございますので、やはり都会の方に森の大切さ、木材産業の大切さを知っていただくというお話でございました。ありがとうございます。
 森林の経営管理の担い手、まさにこの法案におきましては、森林経営実施権の設定を受ける林業経営者、民間事業者が重要となってくるわけでございますけれども、そこで、前田参考人、八頭中央森林組合組合長にお伺いさせていただきます。
 先ほど、森林整備で地方創生、通年雇用だ、職場ができる、十万立米という話がございましたけれども、今回の森林経営管理法案、森林環境税等によりまして、特に生産量の拡大、そしてまた地元の雇用確保、拡大、どのような期待ができるのか、そのためにはどうすべきか、お伺いいたします。
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前田幸己#14
○前田参考人 考えをお答えいたします。
 新たな森林管理法案の中では、管理運営権を委託する者は林業事業体、こういうふうになっておりますけれども、私どもの考えが全国地域に通用するかどうかわかりませんけれども、私どもの森林組合では、森林組合は森林組合法のもとに運営をしておりますし、八頭森林のミッションとしては、我々は、地域の森林管理の担い手としての役割、組合員に対しての貢献、あるいは従業員の待遇改善、これをミッションにしておるところでございます。
 林業事業体については、我々の仲間として、めいめいの役割分担の中で一緒に地域の山を守っていく、こういう考えでございますから、管理法案では、町から管理運営権を各事業体が受けられ、森林経営者になり得る、こういう格好については、若干私は異論を持っております。
 以上でございます。
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藤井比早之#15
○藤井委員 先ほど、委託をどうするかということだったんですけれども、青木参考人、大体委託する相手として考えられるのはどちらだと思っておられるか、お伺いします。
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青木秀樹#16
○青木参考人 お答えいたします。
 基本的に、西粟倉村は、百年の森林構想の中で、森林施業の委託先は森林組合であります。それと、基本的には森林施業をどんどん出しておりますので、実際には事業体、要するに、今まで逆に森林組合からの委託を受けて道の整備をしたりあるいは伐採をしたりというような事業体が成長してきますので、そういった人が新たな林業事業体として独立をしているというのが西粟倉村の実態でございます。
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藤井比早之#17
○藤井委員 ありがとうございます。
 森林組合の重要性、そして事業体の重要性ということをお伺いいたしました。
 全国的にどのような形になるのかというのはそれぞれの地域によって違うと思いますので、それぞれの地域において有効な活用をされますことを心から祈念申し上げるところでございます。
 そこで、今回の森林経営管理法案では市町村の果たす役割というのが大きくなっておるんですけれども、先ほど、尾崎参考人、高知県知事から、円滑に運用できる制度設計のためには、林業専任職員の配置がゼロという市町村も多い、そういうような話がございました。
 高知県では、林地台帳システムや人材育成、代替執行の可能性等も含めてお話ございましたけれども、こうした市町村における実行体制が整わない場合の都道府県の役割と支援のあり方についてお伺いします。
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尾崎正直#18
○尾崎参考人 市町村は、三位一体の改革以来、非常に職員数を絞っていっておりまして、それぞれの分野においてやはり専任職員をなかなか採りにくい体制にある、これは高知だけのことではないのではないかというふうに予想しております。
 そういう意味において、今回、新たにアドバイザーを雇う制度が持たれたり、さらには都道府県の代執行という制度を設けていただいたりという形で市町村をバックアップする制度をつくっていただいたこと自体は、非常にある意味実態に即した対応をいただいているということではないか、そのように思っているところです。
 ひとつ都道府県側としてもしっかり対応していかなければなりませんが、森林環境税の中で都道府県の取組をバックアップしていただくような取組をしていただく、これは非常に心強いことだというふうに思っていますし、また、あわせまして、具体の執行に当たって、市町村も効率的にできる、都道府県も効率的に対応できる、そういう仕組みというのを、一定、広域的な取組なんかも取り入れることなどによってぜひ実現していただきたい、そういう制度に対する御配慮も今後詳細を詰める中でお願いを申し上げたい、そう思います。
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藤井比早之#19
○藤井委員 先ほど前田参考人から、所有者不明森林といった課題も指摘されたところなんですけれども、所有者不明森林の現状、そして境界不明森林への対応、こういったところが大切になってくると思いますけれども、こちらへの対応について、今回の法案へ期待する点につきまして、これにつきましては西粟倉村の青木村長と高知県知事の尾崎参考人にお伺いいたします。それぞれお願いします。
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青木秀樹#20
○青木参考人 不明山林所有者がいらっしゃるということは、集団施業、集約化をしていくときに非常に問題になります。
 これがある一定の期間を得て、一定の所作の中で解消され、施行が可能になっていくという仕組みは、ある一面、ちょっと乱暴かというふうにも思われるかもわかりませんが、実はそのために多くの山林の施業ができなくなるというような位置づけでありますので、やはり今回の法案でそこのところは非常に解消されるのではないかな、運用は気をつけて運用しないといけませんが、そこら辺は一定の進歩があったなというふうに考えております。
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尾崎正直#21
○尾崎参考人 今回、所有者不明の森林について探索し、そして公告する、こういう一連の流れができてきているわけであります。
 この探索をする中で、法案でも書かれていますが、相当な努力がなされること、そういうこととなるような定めをするのだ、方法を定めるのだということでありますが、これは後々のさまざまな法的安定性といいますか、権利の安定性を担保して、もってして結果として順調に取組が進んでいくということとなりますように、その相当な努力というところの定め方、ここはやはり、一定、しっかりと相当な努力となるように定めていただくということが大事ではないかと思います。
 そして、その中で、多分、市町村だけではなかなか大変ということもあると思うんですね。都道府県なんかでも、一定、関与のできるような仕組みということも大事ではないか、そういうふうに思います。
 逆に言いますと、非常に丁寧かつ安定的な制度が担保されることで、もってして集約化が具体的に進んでいく、そういう形が実現できれば、そのように考えております。
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藤井比早之#22
○藤井委員 宝の山を取り戻す、美しい森を取り戻すためには、やはり木材の需要拡大、林業の成長産業化が何よりも大切だと思っております。
 先ほど、尾崎参考人からは、川上、川中、川下、ボトルネックの解消が必要だ、原木供給の不確実性、これを何とか改善しないといけないというような話がございました。
 こうした林業の成長産業化に向けて、今回の法案がどのような意味を持つのか、そしてまた、産業化を進めるためには、特に川下という話ございましたけれども、それに対する取組として何が必要なのか、これを尾崎参考人にお伺いいたします。
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尾崎正直#23
○尾崎参考人 究極的に、川上側、山元に利益を還元していくためにも、やはり最終的な需要者の皆様方に支持されるということにならなければだめなのだろう、そういうふうに思います。
 都会の皆様が木をたくさん使う、木の関係の製品をたくさん使ってくれるので、川下から川中へ、そしてその利益は川中から川上へ、そして山元へと還元されていく、そういう体制ができ上がっていくということなんだろう、そういうふうに思っておりまして、やはり全体として川上から川下までしっかりと付加価値をつけ、そして合理的なコストでもって運営され、結果として十分な利益が残る、そういう一連のサプライチェーンをつくっていくということが非常に大事だと思っています。
 ボトルネックは二つだと思っていまして、川下の需要をもっと喚起しなければならない、これが第一。ですが、もう一つ、そのためにも川上側で、普通の多くの工業製品なんかでは当たり前となっておりますところの納期の確実性とかコストの確実性だとか、そして付加価値を確実につけていく仕組みだとか、こういうものをしっかりと担保していくことが大事であろう、そういうふうに思っています。
 その実現のためには集約化、これが一つのポイントだ、そういうふうに考えています。
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藤井比早之#24
○藤井委員 ありがとうございます。
 時間となりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
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伊東良孝#25
○伊東委員長 次に、佐藤英道君。
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佐藤英道#26
○佐藤(英)委員 おはようございます。公明党の佐藤英道でございます。
 本日は、前田参考人、尾崎参考人、青木参考人、泉参考人、貴重な御意見また御提言、ありがとうございました。
 それでは、早速質問に移らせていただきたいと思います。
 まず、尾崎参考人、尾崎高知県知事にお伺いをさせていただきたいと思います。
 農水の政務官をやらせていただいた二〇一六年の二月の十一日、貴県をお伺いさせていただきました。おおとよ製材さん、また、雲の上のホテル、雲の上のギャラリー、また、檮原町の森林組合、檮原町の総合庁舎なども見せていただきまして、特に森林組合につきましては知事も一緒に視察にも同行していただきまして、貴重なお話を伺いました。まさに森林をもとにしながらまちづくりに先駆的に取り組まれている姿に感動をしたところでございます。
 特に、こうした地域の経済の活性化というものは、山村において、また全国の森林地域においてもそうでありますけれども、森林資源をいかに有効に活用することができるかということがやはり鍵になってくることと思います。
 また、所有者が不明で手がつけられなかった森林も、市町村による経営管理ができるようになるわけでありますけれども、県の立場から見て、このたびの法案による地域経済の活性化と森林資源の有効活用に向けて、どのような期待をされていらっしゃるのか、今回の森林経営管理法案に対する認識も踏まえて、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
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尾崎正直#27
○尾崎参考人 佐藤先生には、高知へおいでいただきまして、まことにありがとうございました。
 高知は、田舎であります。高知が都会と対抗しようとしたとき、何が大事か。それは、いわゆる都市対都市で戦おうとしてもなかなか大変なのでありまして、私たちは都会にない強みを生かすということかと思います。それは、中山間に存する。
 この中山間とは、もともと林業とともに栄えてきた地域だったわけでありますが、林業の衰退とともに中山間は衰退をしていき、私ども、ある意味根源的な強みというのを失ってきた、そういうところがあるのだというふうに思っています。
 林業の再生を果たして、我らの本当の強みの存する、この相対的に強みの存する中山間をいかに活性化するかということが大きな課題なのでありますが、ただ、そのためにも、やはり先ほど来申し上げております、川下におきます需要の喚起と、そして川上側におきますさまざまなボトルネックの解消ということが非常にポイントになるんだと考えております。
 集約化ができない、結果として例えば十分な作業道が引けない、集約化ができない、せっかく規模拡大の意欲があるのにそれが実現できない、そういう例があって、残念ながら大きく成長できない、そういう状況が続いています。やはりさまざまなボトルネックの解消という観点から、今回の法案は非常に有効ではないか。ただ、実際の運用に当たり、さまざまに懸念される点などについて、ぜひぜひしっかりと御検討いただきたい、そのように思っております。
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佐藤英道#28
○佐藤(英)委員 ありがとうございました。
 今回の森林経営管理法案におきましては、やはり市町村の果たす役割が非常に重要になってきているわけであります。県から見て、市町村の実行体制についてどのように捉えているのか、また、県として市町村の実行体制を支援するためにどのような対応ができると考えられているのか。
 先ほど、知事の方から、高知県内では林業専任の職員がゼロの市町村が半分以上というお話がございましたけれども、県として市町村を支援するということになった場合、どのようなことが具体的に考えられるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
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尾崎正直#29
○尾崎参考人 やはりこれは、新たな計画づくりをしていく非常に初期の段階からしっかりとコミュニケーションをとっていくということは非常に大事なポイントだろう、そういうふうに考えております。
 実際のところ、私どもも、林業の振興を行っていく、さまざまな産業振興策を行うに当たって、市町村の皆様とある意味二人三脚でもって取組を進めていくように努力をさせていただいているところでありますが、そういう体制を今回の代執行を行っていくに当たってもぜひとることができればなと思っています。ある意味、都道府県側がむしろ積極的にかかわっていく、そういう取組が大事だと思います。
 逆に言いますと、今回の法案による一連の制度によって、都道府県が前向きに取り組んでいけるようにするためにいろいろな後押しをぜひお願い申し上げたいと思っておりまして、森林環境税による後押しということもありますでしょう、また、さらには、さまざまな手続を定めるに当たっても、代執行のあり方について、ぜひ都道府県側からいろいろと発議ができるような仕組みというのを設けていただくと非常に有効か、そのように考えているところであります。
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