後藤祐一の発言 (本会議)
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○後藤祐一君 希望の党の後藤祐一でございます。
私は、希望の党・無所属クラブを代表して、河村建夫予算委員長に対する解任決議案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
河村予算委員長は、この予算案審議の最大の争点である裁量労働制のデータに関し、野党から求められた資料がまだ提出されていないにもかかわらず、また、当然必要な再調査を決めることもなく、本日の予算委員会の開催と予算案の採決を職権で決定いたしました。言語道断であります。予算委員長として河村委員長は不適格であると言わざるを得ません。
以下、その理由を申し上げます。
世論調査によれば、国民の約六割が裁量労働制の拡大に反対しております。裁量労働制の適用拡大を法案として提出するのであれば、説得力のあるデータを示す説明責任が政府にはあるのではないでしょうか。そして、委員長には、政府に説明責任を果たさせる責任があるのではないでしょうか。
しかしながら、委員会の質疑においては、裁量労働制に関し、少なくとも延べ九人の委員から十四の資料提出要求を理事会で協議しますと引き取ったにもかかわらず、河村委員長が政府側から提出させたのはわずか二つだけであります。
本日の予算委員会でも、安倍総理は、実態把握をしない限り政府全体として前に進めないと答弁されました。精査、自主点検、実態把握、取り繕う言葉が乱発され、混乱のきわみではないでしょうか。
本日午後の野党合同ヒアリングの場においても、厚生労働省の現場の責任者に、きょう総理が答弁で言った実態把握とは一体何をすることですか、自主点検との関係はどうなっているんですかと我々が伺っても、何ともお答えできないという状態であります。
きょうは予算案の採決を強行した日ですよ。そんな日に、現場の厚労省の課長が答えられない。こんな大混乱の状況で、人の命にかかわる制度改正を強引に進めていくのが厚生労働省なんでしょうか。そして、それをやすやすと容認するのが国会なんでしょうか。
少なくとも、裁量労働制で働く方々に直接聞く形での徹底した再調査を行うことでしか、国民は納得しないのではないでしょうか。にもかかわらず、河村委員長におかれては、この再調査を求めることなく、採決を強行したわけであります。国民の命を守る政治としての責任放棄ではないでしょうか。
政府・与党と野党が裁量労働制に関し立場が異なるのは当然でありますが、委員長は、中立の立場に立ち、必要な資料を委員会に提出させ、議論を深めていく、すなわち熟議の場とすることが最大の責任であります。しかしながら、河村委員長には、そのような積極的な姿勢はついぞ本日まで見られませんでした。
過去の名委員長と言われるような委員長は、政府側に厳しい対応を迫り、結果として与党の懐の広さを見せることで、国会の権威と与党としての責務を両立させてきたのではないでしょうか。河村委員長は、長い政治経験がおありで、良識ある政治家だと思っていますが、今回の予算委員長としての仕事ぶりは、残念ながら、そのような懐の広さが全く見られませんでした。至極残念であります。
また、森友問題についても、佐川国税庁長官、安倍昭恵夫人らに対するたび重なる証人喚問や参考人としての招致要求に応じなかった委員長の責任も重大であります。
中でも、佐川国税庁長官は、今も行われている確定申告の現場に現に混乱をもたらしており、世論調査においても、佐川氏を証人喚問する必要があると八割近くの国民が回答しております。その国民の思いを代表し、今国会だけで少なくとも延べ十四回の招致要求がなされたにもかかわらず、河村委員長は真剣に取り合うことはありませんでした。結果として、安倍総理に忠誠を誓い、そんたくする官僚は昇進するというあしき人事慣例が昨年できてしまいました。
これに対し、国会は本来、佐川長官を証人喚問することでこういった慣例に厳しく監視すべきところを、逆に、総理にそんたくする官僚は国会すらも守ってくれるんだ、こういうあしき慣例をまさに今回つくってしまったのではないでしょうか、皆さん。
河村委員長の責任は極めて重く、政府を監視する国会の責任を放棄するものであります。
予算委員会質疑中の現場における河村委員長の議事運営のあり方にも、不公平さが目に余ります。
まず、安倍総理や加藤大臣らが質問に対して答えていないと思われるような場面で、野党の理事が委員長席に歩み寄って抗議しているにもかかわらず、なかなか速記をとめない。結果的に質疑時間の浪費につながるということが、例年に比べても、ひどいものがありました。答弁が難しい質問こそ、核心をついた質問であり、その後ろには国民がいるのであります。
さらに、不規則発言に対する注意についても気になります。
議場が騒然となったときはともかく、安倍総理からやじを注意するよう促されて、その都度委員長が注意するのは、安倍総理に委員長が味方しているように感じられてしまいます。委員長は、総理のすれ違いの長答弁に対し簡潔な答弁を求めるべきなのに、河村委員長からそのような緊張感を求める裁きは全くと言っていいほど見られませんでした。予算委員長が総理の不誠実な答弁を容認するような、そんな不公平な運営のもとで、国会はどうやって政府を監視するんでしょうか。
また、先ほど阿部さんからもありましたけれども、二月十九日月曜の高井崇志委員の質疑の際、菅原与党筆頭理事が自席に座ったまま大声で実質的な与野党協議を長々と行っていたにもかかわらず、与党理事を委員長席に呼び寄せることをせず、つまり、時計がとまらない状態で約十五分過ぎたところで速記をとめたということがありました。前代未聞の失態であります。結果として休憩になったのですから、早い段階で河村委員長は休憩を宣言すべきだったのではないでしょうか。
今回の予算委員会では与党側の質問時間配分がふえましたが、総理へのよいしょ質問や時間を余らせる自民党議員までおり、それなら野党に時間を返すべきではないでしょうか。また、裁量労働制のデータをめぐる答弁を撤回した以上、撤回前の答弁を前提に行っていた質疑時間は野党側に返すべきではないでしょうか。
ようやく与党でも、きのうになってから、裁量労働制のデータの問題点が議論になってきていると聞きます。今回、この部分は法案から切り離すべきではないか、そんな御意見を述べられた方もいらっしゃると報道では聞いておりますが、遅きに失した感があります。
この際、与党の皆さんも徹底的にこの問題、御議論いただきまして、裁量労働制の再調査、これを行う間、予算委員会は採決を待たせていただいて、失った野党の質問時間を取り戻して、審議を続けるべきだったのではないでしょうか。
最後に、委員長による委員会運営について、三つ、建設的な提案をしたいと思います。
第一に、政府に対する調査の要求、資料提出要求は毅然として行うこと。
第二に、答弁に疑義がある場合は、時計をちゃんととめて、質問に答えるよう求めること。
第三に、長過ぎる答弁に対しては、簡潔な答弁を求めること。
いずれも、熟議の国会として必要最小限のルールではないでしょうか。
国会の監視機能を果たしていない河村委員長は、その議事運営の不公平さもあわせ、解任に相当することを改めて申し上げるとともに、裁量労働制に関する再調査を早急に行うこと、裁量労働制の適用拡大と高度プロフェッショナル制度は法案から除外すること、佐川長官を証人喚問することを強く求め、私の賛成討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)