山内康一の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山内康一君 立憲民主党の山内康一です。
 討論に先立ち、西日本を中心に大きな被害を及ぼした集中豪雨でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また、炎天下で懸命に救助活動に当たっている関係者の皆さん、被災者の支援や復旧に当たっている関係者、ボランティアの皆さん、心から敬意を表します。
 それでは、立憲民主党・市民クラブを代表し、ただいま議題となりました安倍内閣不信任案に対し、賛成の立場で討論いたします。(拍手)
 安倍内閣を信任しない理由については、既に、我が党枝野代表から丁寧に御説明申し上げました。皆様もよく御理解いただいたと思います。
 そこで、私は、特に強調したい五点に絞って、理由を述べさせていただきます。
 安倍内閣を信任しない第一の理由、それは、やるべきことをやらず、やるべきでないことをやっている点です。
 先日の豪雨災害の犠牲者は二百人を超えました。気象庁が異例の記者会見を開いて記録的な大雨への警戒を呼びかけ、十一万人に避難指示が出される中、内閣の危機管理の最高責任者である安倍総理、危機管理のかなめの防衛大臣、内閣官房副長官がそろって仲よく宴会とは、あきれるほかありません。平成に入って最大の豪雨災害への対応として、お粗末そのものだったと思います。大きな被害が予測され、だからこそ、気象庁が緊急記者会見を開いたわけです。あの晩の安倍総理に、自民党議員で、身内で楽しく宴会を開いている余裕があったとは思えません。
 さらに、衆議院議員宿舎という国有資産の中で、赤坂自民亭などと称して、自民党議員だけで集まって定期的に酒盛りを行うそのセンスにもあきれます。どこかその辺の居酒屋ででも飲めばいいものを、わざわざ衆議院の施設内で我が物顔で飲んで、騒いで、楽しんで、これには国民もあきれています。言いわけはいいので、素直に謝られた方がよろしいかと思います。
 さらに、恥の上塗りは、災害対応の真っ最中に国土交通大臣がカジノ法案の審議に当たっていたことです。
 河川や道路の復旧に当たる国交大臣は、災害対応で最も重要な大臣です。その国交大臣が、災害に対応するのではなく、国会でカジノ法案の対応に当たるのは、全く理解できません。豪雨災害対応よりもカジノ法案対応を優先する。みずからの良心に照らして、恥ずかしくないのでしょうか。多くの犠牲者が出て、多くの被災者が苦しんでいる中、野党が政治休戦を申し入れたにもかかわらず、あくまでカジノ法案や参議院の定数増法案を優先する姿勢は、とても国民の理解を得られるものではありません。
 また、これだけの豪雨災害です。補正予算の編成なども検討してしかるべきだと思います。熊本地震の折には、震災から四日目には補正予算について言及がありました。今のところ、補正予算について何か検討が行われている、そういった報道も見かけません。やるべきこと、やるべきでないこと、これを間違っているのではないでしょうか。
 大災害に際して、やるべきことを後回しにして、やるべきでないことを優先する。危機感が全く欠如していると言わざるを得ません。このような事態は、危機管理がなっていないというよりも、むしろ安倍内閣の管理危機ではないかと思います。管理危機が危機を更に増幅し、危機管理能力に欠ける安倍内閣には、これ以上政権を担っていただく必要はないと思います。危機管理に欠ける、それだけでも内閣総辞職に値します。
 次に、安倍内閣を信任しない第二の理由、それは、議会制民主主義の危機を招いていることです。
 森友学園、加計学園と続いた二つの学園疑惑は、国有地の売却にかかわる疑惑、あるいは補助金の選定の適切さにかかわる疑惑、どちらも深刻です。
 しかし、それにとどまらず、安倍政権にそんたくして公文書が改ざんされ、官僚が国会でうその答弁をし、国会の国政調査権を無視する異常事態です。国会に出される資料が改ざんされ、政府参考人がうそをつく、そんな状況でまともな国会審議が成り立つはずがありません。
 野党の審議拒否と批判する方もいますが、国会でうその答弁が許され、そして国会に出てくる資料が改ざんされていれば、まともな国会審議をしろという方がおかしいんです。審議の前提が壊れ、文書の改ざんが行われているときに、何事もなかったかのように審議を進められるはずがありません。政府・与党の側に責任があります。
 また、この政府の対応を見ていると、官僚のモラルも地に落ちたと言わざるを得ません。国会で平気でうそをつくそんたく官僚を生んだのは、まさに安倍政治です。いびつなそんたく政治の元凶をつくり、行政をゆがめ、議会制民主主義の土台を壊したのは、安倍内閣総理大臣であります。
 安倍内閣総理大臣を信任しない第三の理由、それは、民主主義の根幹にかかわる選挙制度改革を党利党略で自民党に有利な形につくりかえたことです。
 合区対象県の現職議員の救済のために選挙制度改革をしたにすぎません。合理的な理由などそもそもありません。人口減少が進む中、ろくな説明もなく参議院の定数をふやす、そんなことに国民の理解が得られるわけはありません。自民党総裁選を前にして参議院議員の歓心を買いたいのかもしれませんが、このような自民党の党利党略のための選挙制度改革は許されません。
 数の力を背景に、ここまで露骨な党利党略の選挙制度改革はかつてありませんでした。選挙制度をもてあそぶ政党の党首が内閣総理大臣の地位にある、これこそ民主主義の危機ではないでしょうか。
 国会の議席数が多ければ何をしても許されるというのでは、民主主義ではありません。それでは多数者による専制にしかなりません。
 選挙制度は国民の意思を政治に反映する上で最も重要な手続だと思います。そして、選挙制度は公平公正でなければなりません。多くの国民が納得するものでなくてはなりません。選挙制度改革に当たっては、少数意見に謙虚に耳を傾け、丁寧に議論し、広範な合意を形成する必要があります。拙速な議論で参議院の選挙制度を改悪してしまったことは、日本の政治史に残る汚点となるでしょう。
 安倍内閣を信任しない第四の理由は、過労死をふやしかねない裁量労働制や高度プロフェッショナル制度の導入を図ったことです。
 裁量労働制に関しては、予算委員会の審議を通じて、根拠となるデータが捏造されていたことがわかりました。働き方改革関連法案から裁量労働制が外されたのは当然のことです。しかし、スーパー裁量労働制とも言える高度プロフェッショナル制度は残りました。
 全国過労死を考える家族の会や労働団体は、高プロ制度に強く反対しています。衆議院厚生労働委員会の参考人質疑において、過労死家族の会の寺西笑子さんは、高プロ制度は、長時間労働に陥り、過労死の発生を促進する危険性が非常に高い、過労死をしても自己責任になる仕組みになっていると指摘しました。
 高度プロフェッショナル制度は、いわば定額働かせ放題と言える制度です。働かせる側に有利な労働法改悪であり、過労死を促進する結果になるでしょう。
 全国過労死家族の会の御遺族の皆さんが、安倍総理に面会を申し入れました。しかし、安倍総理はそれを断りました。働かせる側の企業経営者の声ばかりに耳を傾け、過労死の御遺族の声には全く耳をかさない。そんなことで本当にいいんでしょうか。安倍総理には、愛する人を過労死で失った人たちの真摯な訴えに耳を傾ける良心はないんでしょうか。
 過労死、外国語に訳しようがないため、そのままカローシという国際語になってしまいました。日本以外の国ではほとんど見られない過労死、それを促進する高度プロフェッショナル制度を導入した日本。どこが美しい国なんでしょうか。安倍総理が目指す国は、過労死を許容し、金もうけのためなら労働者を定額働かせ放題で働かせる醜い国ではないでしょうか。
 安倍総理を信任しない第五の理由。それは、金もうけのためなら何でもあり、人を不幸にしてでも経済を成長させようという卑しい経済政策を続けてきたことです。
 カジノ法案はその最たる例です。安倍総理がカジノ議連の最高顧問だったと承知しておりますが、カジノ解禁は、美しい国にふさわしい政策と言えるんでしょうか。
 カジノがもうかると、経済は成長するかもしれません。しかし、それで多くの人が不幸になるなら、何のための経済成長でしょうか。経済を成長させるのは、人々が安心して幸せに暮らすようにするためではないでしょうか。株価が上がってGDPが大きくなれば、多くの人が苦しんでも構わないということにはなりません。カジノのもうけは誰かの損失です。ゼロサムゲームのギャンブルで売上げが上がっても、それで幸福になる人より不幸になる人が多いのであれば、社会的には全く価値がありません。
 また、カジノ解禁で、ギャンブル依存症の人がふえるのは目に見えています。ギャンブル依存症、ギャンブルによる借金、それによる家庭崩壊など、さまざまな不幸を新たに生み出すことは明らかです。
 国民はカジノ解禁を支持していません。朝日新聞社の世論調査によれば、カジノ法案を今国会で成立させるべきかという質問に対し、その必要はないと答えた人が七六%でした。国民の四人に三人が必要ないと言っています。カジノ法案を今国会で強引に成立させるのは誤りです。
 カジノのほかにも、アベノミクスの経済政策には人を不幸にするものが幾つもあります。
 例えば、一つは原発輸出です。
 世界では自然エネルギーが劇的に増加しています。そんな中で、非常に危険でコスト高な原発を輸出することは、倫理的にも許されません。経済的に割に合うのかも怪しいものです。ハイリスクの割に感謝もされない原発を輸出し、そして、もし原発輸出で損失が出たら政府保証で救済するというのは、非合理的かつ非倫理的です。
 もう一つの人を不幸にするアベノミクスの例は、武器輸出です。
 自民党の歴代の総理大臣は武器輸出三原則を守ってきました。しかし、安倍政権になって、海外に積極的に武器を輸出する、そういった方向へかじを切りました。海外に武器を売り込む、まさに平和主義への冒涜です。積極的平和主義などというにせものの平和主義の象徴が、武器輸出の解禁ではないかと思います。
 原発輸出、武器輸出、カジノ解禁、こういった三つの経済政策は、アベノミクスの悪の三本の矢とでも言えるのではないかと思います。国民を不幸にするカジノの解禁、不幸を海外に輸出する原発輸出、武器輸出、そんな非倫理的な経済政策は全く必要ありません。日本の恥だと思います。善悪の基準が麻痺したような邪悪な経済政策は、直ちにやめるべきです。
 以上、安倍内閣を信任しない、特に重要な五つの理由を挙げます。
 ほかにもまだまだ理由はありますが、時間の関係で以上とし、安倍内閣には即刻退陣いただきたいということを申し上げまして、私の安倍内閣不信任決議案への賛成討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 119605254X04520180720_032

発言者: 山内康一

speaker_id: 21377

日付: 2018-07-20

院: 衆議院

会議名: 本会議