桑原哲也の発言 (予算委員会公聴会)

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○桑原公述人 社会福祉法人桑の実会の理事長をしております桑原と申します。
 本日は、公聴会というこの場をおかりしまして、私、公述人という初めての大役を務めさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に皆様に、社会福祉法人の代表でもあるわけですけれども、ブルーのパンフレットをごらんいただきたいと思います。
 私ども、所沢で、介護、保育、医療という法人で、保育園でいいますと、本当に駅型保育から、また通常の認可保育園、そしてまた、最近では企業主導型又は地域開放型小規模保育園を、自衛隊の中目黒とか入間航空自衛隊とか、そういうところでも小規模保育をやらせていただいております。
 そういう中で、桑の実会、四十年の歴史がある中でありますが、もともと社会福祉法人というのは、基本財産をもとにしてつくられた法人でございます。私の父が先代でありますが、自分の家屋敷を売り払って土地を購入して、そこから四十人という小さな保育園を埼玉県所沢でつくったのが最初でございました。どうぞ、後でまたごらんいただきたいと思います。
 本日は、このような場をおかりしまして、福祉人材の処遇改善の見直し、二つ目に福祉人材の確保の抜本的な強化、三番目に地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援、そして社会保障、社会福祉制度の拡大のための恒久的な財源の確保、皆様の資料がお手元にあると思いますが、この四点にわたって述べさせていただきたい、このように思っております。
 先ほども申し上げましたが、社会福祉法人は、二万数千の法人が、介護、保育そして障害等々の事業をやっております。私が属している全国経営者協議会というのがありますが、そこでも七千法人の人たちが加盟して、いろいろな施策を国と連動しながらやっております。
 そういう意味で、今回の三十年度予算においては、介護それから障害の同時改定、医療も含めた同時改定がございました。微増という形で終わりましたことについては、財政が大変な中、皆様のお力で、微増という形ですけれども、していただいたことには胸をなでおろしているというのが率直な感想でございます。
 しかしながら、これからの時代を考えていきますと、財政の問題それから子供たちの問題、教育の無償化の問題等々を考えていきますと、若干ではありますが、私見の意見も述べさせていただきたい、このように思います。
 皆様の、まず一枚目の、福祉人材処遇改善の見直しであります。
 子育て、介護、障害、各分野における職員の処遇改善、これは加算と言われております。それぞれに一定の処遇改善は図られております。保育においても介護においても、貴重な財源が直接働く人への給付として、改善として配られております。加算されております。
 しかしながら、各分野においての仕組みが異なり、かつ、職種が限定されております。そのことから、そこに書いてありますのは一番ですけれども、法人内の事業所内格差、法人内ですから、私どもでいいますと、保育園の先生、介護でやる介護士さん、又は看護師さん、事務クラーク、それから理学療法士、作業療法士、コメディカルの方々がそれぞれ、障害分野も含めてですけれども、事業所内である。しかしながら、あそこではこれだけもらってこっちではもらえないのかとか、この職種には出るけれどもこの職種には出ないのかとか、こういう問題がこの事業所内格差ということで生じているのも現実、事実でございます。
 その意味で、次の職種間の格差というのは、今申し上げた職種という部分においてであります。
 これが、法人全体で経営をしていくという、今、社会福祉法の改正に伴いまして、社会福祉法人が自立した経営をしていくためにはどうしたらいいかということを私どもも考えております。そういう意味で、私も経営者の一人でありますが、現場の経営者として、ちょっと赤字で書いてありますが、職員の処遇改善費用については、その配分に関する法人の裁量を認めていただきたい、その必要性があるということを述べさせていただいております。
 よく、言葉で言いますと、経営品質という言葉があります。経営とは、経営者だけが経営しているわけではない、現場の保育園の先生、介護の人、それぞれの人がチームとして、介護報酬、保育報酬、それから障害者の支援費その他の報酬を、トータルとして、それを経営資源として配分していく、この裁量というものを認めていただかないと、経営していくということにはならないなというのは私の痛感しているところでございます。
 それから、もう一つここにつけ加えさせていただきますと、最近では、都道府県、特に首都圏でありますが、東京を中心とする、埼玉、神奈川、又は横浜、政令都市のさいたま市、それぞれの地域間格差、又は市町村格差、これが生じております。要するに、特に保育園の先生が多いですけれども、あそこでは家賃補助制度は出るけれども、こっちでは家賃補助制度は出ない。あっちでは処遇改善交付金、いわゆるキャリアパスをすることによっての費用が積み増し、国以上に、市町村又は政令都市が積み増しをしております。それによって、もう完全なコントロール不能状態に今入っているんじゃないかなと思うぐらいであります。
 そういう意味で、経営というのは、私どもが主体的に、PDCAサイクルですね、従業員満足度、まずは従業員満足度だと思っています、そして利用者満足度、そして経営満足度をこのPDCAサイクルで回していくというのが次だと思っております。
 済みません、二ページ目に行きます。
 福祉人材の確保の政策の抜本的な強化であります。
 福祉人材の確保に向けては、福祉の仕事、現場のイメージアップ、これはぜひお願いしたいことが一つあります。国策にできないでしょうか。要するに、イメージアップなんです。
 以前は、きつい、汚い、臭いとか、三Kと言われる仕事だ、そういう現場で働くところに、保護者として、親として、学校として行かせない、稼いでも稼げない、そういう問題が、昔の報道によって浸透しちゃっています。これを何とか払拭したい。そういう意味で、次の希望があり、感謝があり、感謝される、輝く三Kにしたい。やはり、福祉の仕事をして、本当に喜ばれるし、自分もやっていてよかった、そして、それが輝く社会へ、自分も一員として頑張っていけるんだというのを、新しい国策として、イメージアップ戦略をお願いできないかな、こんなふうに思います。
 私どもも所属している全国社会福祉法人経営者協議会の福祉イメージの向上のために、皆さんのお手元にこういうものをちょっと用意しましたが、これは、学生を対象にして、次の時代を担う、介護だとか保育とか障害者施設で働く人たちを、「社会福祉HERO’S TOKYO二〇一八」という形で、三月十四日水曜日、表参道ヒルズ、スペースオー、おかずクラブを呼んで、華々しく、マスコミも含めてイメージアップしようというのを、協議会を挙げてやろうとしております。ぜひ、国会議員の皆様には、どんなことをやるのか見に来ていただければありがたいな、こんなふうに思っております。
 いずれにしても、働き方改革が今言われておる中で、このイメージアップも国策として、介護とか福祉という、私は、どちらかというと、福祉という人材として考えてほしいんですけれども、国の宝なんだと思っていただけるような国策の位置づけをできないでしょうかと思っております。
 そういう意味で、この次のダブルワークとか、こういう話が今国会でも出ておると思いますが、私ども福祉の現場からしますと、特に働き方改革は、企業で働いている方々が、自分のあいている時間、自分が勤務していない時間、週に一日でも、地域のために、又は人のために尽くせるダブルワークをできないかな、そういう観点で考えております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 三番目に、次のページでありますが、地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援でございます。
 前回の国会の法制において社会福祉法人改革が行われ、私たち社会福祉法人も、自分たちみずからが、ここにあります地域公益的な取組をやっていかなきゃいけないというふうに自負をし、今現在それを進めております。
 地域公益的事業というのは、それぞれの保育園だったり障害者施設が主たる介護とか保育とか障害はやっているにしても、地域に対して自分たちで考え、主導していく、そういう公益的な取組を法律でやりなさいというふうになっております。これを今、経営者協議会としても進めていこう、これを一〇〇%どこの法人もやれるようにしていこうということでやっております。
 そしてまた、次に、三十三都道府県においてと書いてありますが、複数法人連携して地域の多様なニーズに応えていく、これももう一つのことであります。
 例えば、私ども埼玉でありますが、埼玉では、安心セーフティーネット、CSW、コミュニティーソーシャルワーカーの人たちが配置されておりますが、社協、市社協、社会福祉法人が拠出金を出して、その拠出金から生活困窮者に対するいわゆる現物給付としてそれを使っております。年間約三百件ぐらいの、困ったときの現物給付として、年額七百万円ぐらいの現物給付が行われております。
 例えば、電気がとめられる。生活保護にはまだ陥っていないけれども、次の収入が入ってくるまでの間のこの一カ月間のお金がないんだ。これを現物給付として、では、電気代の一カ月分を払いましょう。これが現物給付であります。そういう公益的な複数連携していくこともやっております。
 また、もっと小さい単位で、市町村とか我が地域、自治会の中で複数の保育園等があった場合に、そこで例えば和の食育を遂行しよう、こういうことも、所沢で幾つかの保育園が集まって、民生委員、児童委員さんを呼んだり、地域の子育てしているお母さん方を呼んで、食というのは大事なんですよということをやっております。これも複数法人の地域公益事業であります。
 その意味で、これらを実施するに当たって、皆さんのお手元の赤字にも書いてありますが、社会福祉事業の主たる担い手としての良質なサービスを安定的に提供していることを評価してほしいんです。評価するシステムをつくっていただけないかということであります。
 また、社会福祉法人の根幹をなす、先ほど言ったように、これは税制上の優遇措置というのが私どもにあります。その一方で、税制上の優遇措置を受けているからこそ社会に対しての責任を果たしなさいというのも、今言ったようなことをやっていくことで果たそうとしております。それを堅持していかないといけないなというのは私は感じております。
 これは、全ての人々に、地域の人も含めてですけれども、福祉文化の創造という形で、税制上の優遇があるからいいだとか悪いとかというのではなくて、どれだけ地域に貢献しているかということを評価する、だからこの優遇措置というのも堅持できるんだよということを国会の皆さんにも御理解いただきたいな、このように思っております。
 四ページ目の、最後でありますが、安定的な財源といいますか、社会保障、福祉制度の拡充のための恒久的な財源確保というのは、やはり私たちも思っております。
 皆さん御承知のとおり、介護報酬とか報酬改定で微増であったとしても、では、次はどうなんだとか、それから、今加算という問題でやっておりますが、加算がとれるとれない、そういう細かいことでありますが、このぐらいの厚さのあるものを、みんな目を皿のように見ながら加算をとるための要件というのをやっております。今、これから、そういう要件というのが厚生労働省から示されているところでございます。
 そういう意味で、ここで待機児童解消のための保育政策、緊急整備、これはぜひ進めていかなきゃいけない。これは国策だと思います。女性が輝く、働ける社会、人口減少に歯どめをかける意味でも、保育園というのは一つのあり方だろうなと思います。
 しかしながら、社会的な養護体制の再構築、これは教育の無償化の問題とリンクしますが、目に見えない貧困の問題が子供たちの中ではあります。相対的貧困、絶対的貧困とか言われますけれども、この目に見えない貧困。
 それから、最近、保育園では、気になる子供たちが大勢存在しております。いわゆる加配を受けないと、多動でじっとしていられない。その子供たちが、養護、養育、養護というのは守っていく、養育というのは、その子を育てていきながら小学校に接続していく。こういうことをやっていかないと、教育無償化もいいと思います、これは、そのサービスを受ける利用者であるお母さん方の世帯的な費用負担を軽減しますので、当然推進すべきだと思います。その反対で、社会的養護、養育というのを、やはり、保育の質的なものを上げるためには、ぜひその視点も入れていただきたいなと思います。
 そういうことで、教育の無償化とか社会的養護体制の強化、これは車の両輪だと僕は思います。どちらか一方がよくて、どちらか一方が悪くてということじゃないと思います。
 それから、先ほど言いましたように、子供の貧困、高齢者の虐待の問題、それから高齢者においてのみとりの問題、そういうことも含めて、多職種協同で、地域のあらゆる職種、社会資源を持つあらゆる社会福祉法人、そしてまた地域の人たちがネットワークで、両輪としていくためには、どうしてもこのことが、安定的な財源とシステムとして、財源確保とシステムとして必要だと思います。
 締めくくりの言葉になりますが、僕は、希望ある福祉文化を創造して、人と人がともに地域の中で楽しく、ともに助け合う社会を目指していかなきゃいけないな、こんなふうに思っております。
 言葉足らず、舌足らずでありましたが、発言とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 桑原哲也

speaker_id: 30502

日付: 2018-02-21

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会