予算委員会公聴会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
平成三十年二月二十一日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 河村 建夫君
理事 柴山 昌彦君 理事 菅原 一秀君
理事 田中 和徳君 理事 橘 慶一郎君
理事 福井 照君 理事 宮下 一郎君
理事 逢坂 誠二君 理事 津村 啓介君
理事 竹内 譲君
あべ 俊子君 井野 俊郎君
伊藤 達也君 池田 道孝君
石崎 徹君 石破 茂君
今村 雅弘君 岩屋 毅君
江藤 拓君 衛藤征士郎君
大見 正君 金田 勝年君
神山 佐市君 工藤 彰三君
古賀 篤君 佐藤ゆかり君
鈴木 貴子君 竹本 直一君
中村 裕之君 根本 匠君
野田 毅君 原田 義昭君
平井 卓也君 平沢 勝栄君
星野 剛士君 三ッ林裕巳君
村上誠一郎君 盛山 正仁君
山口 壯君 山本 幸三君
山本 有二君 渡辺 博道君
阿部 知子君 青柳陽一郎君
岡本あき子君 落合 貴之君
山内 康一君 井出 庸生君
稲富 修二君 小熊 慎司君
大西 健介君 後藤 祐一君
西岡 秀子君 山井 和則君
伊佐 進一君 中野 洋昌君
濱村 進君 黒岩 宇洋君
原口 一博君 藤野 保史君
串田 誠一君
…………………………………
公述人
(一橋大学国際・公共政策大学院教授) 佐藤 主光君
公述人
(全労連雇用・労働法制局長) 伊藤 圭一君
公述人
(社会福祉法人桑の実会理事長) 桑原 哲也君
公述人
(嘉悦大学教授) 高橋 洋一君
公述人
(BNPパリバ証券株式会社投資調査本部長) 中空 麻奈君
公述人
(法政大学キャリアデザイン学部教授) 上西 充子君
公述人
(全国過労死を考える家族の会代表世話人) 寺西 笑子君
公述人
(NPO法人日本再生プログラム推進フォーラム理事長) 藤原 直哉君
予算委員会専門員 石上 智君
—————————————
本日の公聴会で意見を聞いた案件
平成三十年度一般会計予算
平成三十年度特別会計予算
平成三十年度政府関係機関予算
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 河村 建夫君
理事 柴山 昌彦君 理事 菅原 一秀君
理事 田中 和徳君 理事 橘 慶一郎君
理事 福井 照君 理事 宮下 一郎君
理事 逢坂 誠二君 理事 津村 啓介君
理事 竹内 譲君
あべ 俊子君 井野 俊郎君
伊藤 達也君 池田 道孝君
石崎 徹君 石破 茂君
今村 雅弘君 岩屋 毅君
江藤 拓君 衛藤征士郎君
大見 正君 金田 勝年君
神山 佐市君 工藤 彰三君
古賀 篤君 佐藤ゆかり君
鈴木 貴子君 竹本 直一君
中村 裕之君 根本 匠君
野田 毅君 原田 義昭君
平井 卓也君 平沢 勝栄君
星野 剛士君 三ッ林裕巳君
村上誠一郎君 盛山 正仁君
山口 壯君 山本 幸三君
山本 有二君 渡辺 博道君
阿部 知子君 青柳陽一郎君
岡本あき子君 落合 貴之君
山内 康一君 井出 庸生君
稲富 修二君 小熊 慎司君
大西 健介君 後藤 祐一君
西岡 秀子君 山井 和則君
伊佐 進一君 中野 洋昌君
濱村 進君 黒岩 宇洋君
原口 一博君 藤野 保史君
串田 誠一君
…………………………………
公述人
(一橋大学国際・公共政策大学院教授) 佐藤 主光君
公述人
(全労連雇用・労働法制局長) 伊藤 圭一君
公述人
(社会福祉法人桑の実会理事長) 桑原 哲也君
公述人
(嘉悦大学教授) 高橋 洋一君
公述人
(BNPパリバ証券株式会社投資調査本部長) 中空 麻奈君
公述人
(法政大学キャリアデザイン学部教授) 上西 充子君
公述人
(全国過労死を考える家族の会代表世話人) 寺西 笑子君
公述人
(NPO法人日本再生プログラム推進フォーラム理事長) 藤原 直哉君
予算委員会専門員 石上 智君
—————————————
本日の公聴会で意見を聞いた案件
平成三十年度一般会計予算
平成三十年度特別会計予算
平成三十年度政府関係機関予算
————◇—————
河
河村建夫#1
○河村委員長 これより会議を開きます。
平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算、平成三十年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、公述人各位に一言御挨拶申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用の中御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。平成三十年度総予算に対する御意見を拝聴して、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見を賜りますようにお願い申し上げます。
御意見をいただく順序といたしましては、まず佐藤主光公述人、次に伊藤圭一公述人、次に桑原哲也公述人、次に高橋洋一公述人の順序で、お一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、まず佐藤公述人にお願いいたします。
この発言だけを見る →平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算、平成三十年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、公述人各位に一言御挨拶申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多用の中御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。平成三十年度総予算に対する御意見を拝聴して、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見を賜りますようにお願い申し上げます。
御意見をいただく順序といたしましては、まず佐藤主光公述人、次に伊藤圭一公述人、次に桑原哲也公述人、次に高橋洋一公述人の順序で、お一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
それでは、まず佐藤公述人にお願いいたします。
佐
佐藤主光#2
○佐藤公述人 おはようございます。よろしくお願いいたします。
私の方からは、きょうお配りしております報告資料に基づきまして、まずは平成三十年度予算について、それから、続きまして、残された課題としまして、財政再建の問題について取り上げさせていただきたいと思います。
最初の方に、本日の報告の概要として三点挙げさせていただいております。一点目は、平成三十年度予算にかかわるお話ですけれども、量とかマクロと書いていますが、全体としての評価。それから二番目が、質、ミクロと書いていますけれども、予算の効率的な配分に関する評価ということになります。最後の三点目が、今申し上げました、残された課題といたしまして財政再建を取り上げさせていただくということになります。
まず、量に対する評価ということになりますけれども、いろいろな評価があるとは思うんですが、全体として言えるのは、人づくり革命とか、それから生産性革命といった新たな財政需要に対応しながらも、当初目標として掲げていた、例えば、社会保障に関しましては三年間で一・五兆円の伸びにとどめるとか、一般歳出でも一・六兆円程度にとどめるといった、当初の目標はある程度実現することができた、そういう評価になるかと思います。
二番目のミクロに関してになりますけれども、これは、私自身、今、内閣府さんの経済・財政一体改革委員会の方に参加させていただいているんですけれども、そこで出てきていますのが、やはりワイズスペンディング、つまり、歳出の効率化ですかね、めり張りのある予算配分に向けたボトムアップの改革というのが推し進められているところであります。
具体的にそこで強調されているのが、後で紹介させていただきますけれども、見える化、つまり、今の財政状況あるいは現状、地域間での違いといったものを明らかにしていくということを通じて改革マインドを醸成させていくという、そういったことが狙いになっているわけです。
あと、これも最近の流行語になってきていますけれども、EBPMといいますけれども、証拠に基づく、つまり、しっかりとしたデータに基づく政策形成というのをしていこうという、そういったこともこの一体改革の中では強調されているものであります。
最後の、残された課題というところですけれども、やはり長い目で見て、我が国の財政状況というのは逼迫しているわけであります。御案内のとおり、高齢化に伴い社会保障も増加を続けているわけでありますので、やはりここは、せっかく経済状況もよいときでありますので、堅実な、着実な財政の健全化を進めていくべきではないかということ、その点についてきょう述べさせていただければというふうに思います。
一枚おめくりいただきまして、では、平成三十年度予算の全体像、マクロに関してですけれども、これはもう言うまでもないことですけれども、歳出、金額自体は九十七兆円と非常に大きな規模になってはいるんですが、それは高齢化に伴う社会保障の増加とかもありますので。
そういう中におきまして、経済・財政再生計画の目安であります、三年間で社会保障関係は一・五兆円、それから一般歳出では一・六兆円の伸びに抑えるという、この目標は何とか達成できているということ。それから、全体として経済が好調だということもありまして、国債の発行額も減少、プライマリーバランスも改善の方向にあるということなんだと思います。
特に、今回評価させていただきたいのは診療報酬の改定のところでありまして、本体部分はプラスになりましたけれども、薬価については大幅なマイナスということで、全体として診療報酬の伸びを抑えることができた。これが社会保障関係費の伸びの抑制につながったということになるのかと思います。
次をめくっていただきますと、そこにマクロとミクロという項目が出てくると思うんですが、小さいページで申しわけないですが、五ページというところですけれども、ここまでの話が歳出の全体の話ですけれども、ここから私、特にきょう時間をかけてお話しさせていただきたいのがこのミクロの部分でありまして、財政のまさに構造改革と言われるものであります。
歳出の伸びを抑える、つまり、三年間で社会保障関係費を一・五兆円の伸びに抑えるというのがある種の数値目標とすれば、いかに赤字をつくらない体質に財政を転換していくか、これが財政の構造改革に当たるということになるわけです。
具体的に、では、どのようにしてこの財政の構造改革を進めていくのかということで、今政府が取り組んでいるのが経済・財政一体改革ということであります。その中においても、特に歳出改革という言葉で語られることが多いですが、それが六ページのところに、今回の予算編成の基本方針というところでもちょっと述べさせていただいているとおりです。
一ページめくっていただいた方がよろしいかと思うんですけれども、歳出改革といたしまして、経済・財政一体改革におきましては、社会保障につきましては、例えば、薬価制度の見直しであるとか、あと、かかりつけ医の普及といったもの、これによって、全体として社会保障のめり張りのある配分を進めていこうということになります。そういうことを唱えておりますし、社会資本整備に関しては、PFI、特に上下水道、この後もうちょっと議論があるかもしれませんが、上下水道のPFIを特に進めていきたい、そういう狙いがあります。
それから、私自身は地方財政の専門家でありますけれども、地方行政改革の中におきましては、トップランナー方式といいますけれども、地方交付税の算定におきまして、従来は、自治体が行政サービスを丸抱えしていることを前提に交付税の基準財政需要を算定していた、必要経費を見積もっていたわけですが、これを、民間委託とか指定管理者制度とか、こういったより効率的な運営、これを前提にした算定に変えていこう、そういうのがこのトップランナー方式ということになるわけです。
こういった個別分野における効率化を進めていくというのが、経済・財政一体改革の中における歳出改革ということになるわけであります。
御案内のとおり、この歳出改革、実は、その下のスライドにありますとおり三つの柱から成っておりまして、公共サービスの産業化、まさにこれがPFI、PPPの推進を含むものであります。
それから、インセンティブ改革、今申し上げたトップランナー方式であるとか見える化を通じて、頑張る自治体や頑張る当事者たちを応援する、そういう仕組みづくりをしていこうということになります。
最後のところにイノベーションというのが出てくると思うんですが、公共サービスのイノベーションというのは、まさにこの見える化を通じて現状を明らかにして改革マインドを醸成しようということ、そして、きちんとエビデンスに基づいてPDCA、政策評価を回していこう、こういったものが歳出改革の三つの大きな柱になるということになります。
裏面をめくっていただきますと、九ページのところで、参考までにという形で一体改革の特徴というのを取り上げています。
時間に限りがありますので要点だけ申し上げますと、従来の財政再建との違いは、やはりまずは、ボトムアップであるということ、現場の創意工夫を促す仕組み。例えば、地方創生などはその一つだと思います。それから、現場の頑張りを引き出すということ。それから、最終的にはワイズスペンディングにつなげていく、それが改革の狙いとして挙げられているということなんだと思います。
見える化、見える化と言われてもなかなかぴんとこないところもあるんですけれども、見える化というのは何かというと、例えば、住民一人当たりの医療費とか住民一人当たりの後発医薬品の普及であるとか、あるいは自治体のPFI、PPPの取組状況とか民間委託の進捗状況とか、こういったものを地域間で比較できるようにする。
もちろん、東京と北海道というのは全く経済状況が違うわけですから、これ自体の比較に意味はありませんけれども、類似団体、近隣自治体であるとか、人口規模や経済力、財政力が似通った自治体同士での比較を通じて、これは地方自治体の方々に対するアピールが主なんですけれども、やはり自分たちの取組が、これまでの取組が今のままでいいのかどうかということについて問題意識を持ってもらう。ある意味、自分たちの抱えている課題、こういったものに気づいてもらう。課題に気づけば課題に取り組む、そういうインセンティブになりますので、改革が進みやすいということになるわけです。
見える化を通じて何をしたいかといいますと、私が理解する限りは、やはり上から言われたから改革をするのではなくて、自分たちで問題意識を持ったから、課題発見したから、それの課題解決に向けて取り組む、そういう形で財政の歳出の効率化を進めていきたいというのが、この見える化の最終的な狙いなんだと思います。
もちろん、住民に対する、あるいは国民に対する説明責任を果たすというのもあります。従来、行政サービスの水準とか財政の現状というのは、なかなか国民の目には見えないところがあったわけですので、そういったものも明らかにしていくということなんだと思います。
このあたり、今、内閣府の方でもホームページでデータベースの整備を進めていますが、入院日数であるとか、あるいは病床数とか、かなり顕著に自治体間あるいは地域間での違いというのも明らかになっておりますので、それらを改革の原動力、推進力にしていくということになるのだと思います。
裏面をめくっていただきますと、あとは簡単になんですが、優良事例というのもあります。
いろいろな自治体さん、これはまさに自治体さんの話になりますけれども、自治体はかなりいろいろな取組をしておりまして、私がちょっとかかわっているのが町田市なんですけれども、東京都の町田市などは業務改革などを率先して進めておりますし、あとICTの利用を進めている、そういう自治体さんもあります。かなり、そういう優良事例を横展開していくという点においても、この見える化、現状を明らかにしていくというのが役に立つのかなというふうに思うわけです。
それから、ことしに入ってといいますか、今年度と言うべきですね、特に重視され始めているのがEBPMであります。エビデンスに基づいて物を考えていこう、エビデンスに基づいて政策を形成していこうというのがまさにEBPMということになるんですけれども、そのための統計改革、そういったものを含めてデータベースの整備といったことも進めていくということになるんだと思います。
さて、最後に、私の方で強調させていただきたい、かつ、きょうの多分論点になると思うのは、やはり財政再建というところだと思います。
裏面の方の、小さい字で十三ページというところからになりますけれども、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化目標というのは残念ながら未達成になると思いますけれども、やはり着実に財政を健全化させていくというのは、これは急務なんだというふうに思います。
特に、その下の図で描いている、よくワニの口なんというふうにやゆされますが、歳出と税収の乖離というのが、これは国の一般会計ですけれども、歳出と税収の乖離というのを、これを将来的に埋めていく、正確にはプライマリーバランスを黒字化させていく、そういう方向で財政再建を進めていくというのは、やはり、日本のこれからの社会保障の持続可能性、それから、人づくり革命なんてせっかく言っているわけですから、未来への投資というのを着実に実行させていくという点においても、やはり必要なんだというふうに思います。
財政の健全化というときに、これも申し上げなきゃいけないのは、なぜ必要かというときに、理由は二つあると思うんですね。
一つは、やはり将来にさまざまな選択肢を残していくことです。借金がたまっていて借金で首が回らないという状況を未来に残すということは、未来の世代が、自分たちの創意工夫に基づいて予算とか財政をマネージできないということになります。やはり未来の世代に対して機会を、彼らが、自分自身の国のあり方、財政のあり方を決める、あるいは社会保障のあり方を決める、そういう機会を残しておくということは必要なんだと思います。
もう一つは、実は、やはり、最近言われる南海トラフも含めて、大規模自然災害と言うべきですね、台風もあり得ますので、大規模自然災害、あるいはリーマン・ショックのような経済危機、そういった緊急事態に対して柔軟に対応できる、その余地、バッファーを残しておくということなんだと思うんですね。
なぜ借金を返済しなきゃいけないか、財政をなぜ健全化しなきゃいけないかというと、実は将来借金をするためであるという考え方もあるわけなんです。借金がたまっている状況で、追加的に、今一千兆円を超えていますので、国の借金は、それでさらなる借金を、大規模災害の後、あるいは経済危機、あるいは地勢的なリスク、危機の後にやろうと思ってもなかなか難しいわけですので、ある程度借金をコントロールできる、自分たちの日本経済の身の丈に合うレベルに合わせておくということが必要なのかなというふうに思います。
ちょっと裏面をめくっていただきますと、十五ページの上の方にあるのは基礎的財政収支の推移です。これは内閣府さんが出しているものですので、これは参考までになんですが。
といいながらなんですが、なかなか財政再建の議論が前に進まない理由としまして、大きく二つあると思うんですね。
一つは、奇策と言うと語弊があるかもしれませんけれども、最近、痛みを伴う財政再建をしなくても財政は健全化できると。例えば、脱デフレをすれば健全化できる、あるいは日銀が国債を全部買ってくれれば健全化できるとか、あるいは何もしないと実はインフレは自然と起きるというのは、これは去年、シムズ教授という方が言って有名になっちゃいましたけれども、何かそういう奇策にちょっと飛びつくところがあって、私は、別にこういう考え方を一〇〇%否定をする気はないんですけれども、しかし、我々はギャンブルをやっていいかということだけはやはり問われると思うんですね。
私が申し上げたいのは、堅実な財政再建を進めていくということなんだと思います。経済成長に頼る、あるいはインフレに頼るというと変ですけれども、そういったものはある種ギャンブル的な要素を含みますので、そこはある意味、堅実な財政再建にはならないのかなというふうに思います。
では、堅実な財政再建とは何ですかというと、結局、自分たちがコントロールできるものは何かを考える必要があると思うんですね。つまり、国として決められるもの、それは例えば、消費税率は国が決められる、歳出の規模は国が決められるわけです。つまり、プライマリーバランスは国が決められるんですね。ですから、自分たちが決められる手段を講じて財政再建をしていく、これが堅実な財政再建というものになるのかなというふうに思います。
時間が限られておりますので、ちょっと次を飛ばして、最後のページというか、済みません、小さいページで十九とか二十と書いているところで、財政再建を進めていく上の留意点としての二点目を挙げさせていただきたいと思うんですけれども、やはり格差の問題です。
財政再建、それはヨーロッパの経験を踏まえても、緊縮財政が社会的な弱者の切捨てにつながっては、これは、財政再建に対する政治的な支持を損ねるだけではなく、社会の分断を招くという点において、あるいはポピュリズムの台頭を招くという点においては、全く望ましくないわけであります。
したがって、この財政再建とあわせて我々が粛々と行うべきは、日本のセーフティーネットの改革ということになります。
具体的にと言われると、例えば、社会保障におきましてはよく言われるんですが、これまでの年齢別の支援体制から、能力別、つまり、困っている人への支援体制。つまり、例えば若い世代であっても、所得が低い、ワーキングプアの方々に対する支援とか、母子世帯あるいは子育て世帯に対する支援といった形で、やはり本当の社会的な弱者に対する支援というのは、これは財政再建とあわせて行っていくべきものなんだというふうに思うんですね。
この国というのは、どうも成長を志向すると成長ばかりになるし、財政再建を言うと財政再建ばかりの議論になるし、再分配の話をするとなぜか再分配ばっかり言うんですけれども、三つは同時にやらなきゃいけないこと、どれかを選択してやることではなく、同時に進めるべきことなんだというふうに思います。
冒頭で紹介した経済・財政一体改革の狙いも、決して財政再建だけが狙いではなく、やはり経済の成長と両立させるというのがまさに一体改革の趣旨ということにもなります。やはり再分配の強化というのと財政再建というもの、これもあわせて実施していくということ、これを我々は留意するべきことだと思います。
それとの関連でいきますと、その上の方の段落にありますけれども、平成三十年度の税制改正におきまして、これは税制の話になりますけれども、個人所得税につきましては、基礎控除の拡充とあわせて、給与所得控除の引下げ、公的年金等控除の縮減といった措置が図られております。
もちろん、新しいライフスタイルというか、フリーランスの方々を含めた新しい働き方に対応した税制改正という面もありますけれども、基礎控除の拡充とかそういったところは、特に再分配機能の強化というのも所得税改革の柱でありますので、再分配機能の強化というのも念頭にあるということなんだというふうに御理解いただければと思います。
時間になりましたので、私の話は以上でありますけれども、今回の平成三十年度の予算、総じて言えば、まず、財政再建に向けた一歩なんだというふうに思います。やはり歳出の伸びを抑えられたというのは、これはかなり評価するべき点だと思います。
ただ、これから問われてくるのはその歳出の中身でありまして、めり張りのある、いわゆるワイズスペンディングにつながるような歳出改革を進めていくということ。その中におきまして、特に地方自治体に対する働きかけということになるんですけれども、見える化改革というのは非常に肝になると思います。で、最終的に我々は堅実な財政再建を進めていくべきではないかということ。
それをもちまして、私の報告とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私の方からは、きょうお配りしております報告資料に基づきまして、まずは平成三十年度予算について、それから、続きまして、残された課題としまして、財政再建の問題について取り上げさせていただきたいと思います。
最初の方に、本日の報告の概要として三点挙げさせていただいております。一点目は、平成三十年度予算にかかわるお話ですけれども、量とかマクロと書いていますが、全体としての評価。それから二番目が、質、ミクロと書いていますけれども、予算の効率的な配分に関する評価ということになります。最後の三点目が、今申し上げました、残された課題といたしまして財政再建を取り上げさせていただくということになります。
まず、量に対する評価ということになりますけれども、いろいろな評価があるとは思うんですが、全体として言えるのは、人づくり革命とか、それから生産性革命といった新たな財政需要に対応しながらも、当初目標として掲げていた、例えば、社会保障に関しましては三年間で一・五兆円の伸びにとどめるとか、一般歳出でも一・六兆円程度にとどめるといった、当初の目標はある程度実現することができた、そういう評価になるかと思います。
二番目のミクロに関してになりますけれども、これは、私自身、今、内閣府さんの経済・財政一体改革委員会の方に参加させていただいているんですけれども、そこで出てきていますのが、やはりワイズスペンディング、つまり、歳出の効率化ですかね、めり張りのある予算配分に向けたボトムアップの改革というのが推し進められているところであります。
具体的にそこで強調されているのが、後で紹介させていただきますけれども、見える化、つまり、今の財政状況あるいは現状、地域間での違いといったものを明らかにしていくということを通じて改革マインドを醸成させていくという、そういったことが狙いになっているわけです。
あと、これも最近の流行語になってきていますけれども、EBPMといいますけれども、証拠に基づく、つまり、しっかりとしたデータに基づく政策形成というのをしていこうという、そういったこともこの一体改革の中では強調されているものであります。
最後の、残された課題というところですけれども、やはり長い目で見て、我が国の財政状況というのは逼迫しているわけであります。御案内のとおり、高齢化に伴い社会保障も増加を続けているわけでありますので、やはりここは、せっかく経済状況もよいときでありますので、堅実な、着実な財政の健全化を進めていくべきではないかということ、その点についてきょう述べさせていただければというふうに思います。
一枚おめくりいただきまして、では、平成三十年度予算の全体像、マクロに関してですけれども、これはもう言うまでもないことですけれども、歳出、金額自体は九十七兆円と非常に大きな規模になってはいるんですが、それは高齢化に伴う社会保障の増加とかもありますので。
そういう中におきまして、経済・財政再生計画の目安であります、三年間で社会保障関係は一・五兆円、それから一般歳出では一・六兆円の伸びに抑えるという、この目標は何とか達成できているということ。それから、全体として経済が好調だということもありまして、国債の発行額も減少、プライマリーバランスも改善の方向にあるということなんだと思います。
特に、今回評価させていただきたいのは診療報酬の改定のところでありまして、本体部分はプラスになりましたけれども、薬価については大幅なマイナスということで、全体として診療報酬の伸びを抑えることができた。これが社会保障関係費の伸びの抑制につながったということになるのかと思います。
次をめくっていただきますと、そこにマクロとミクロという項目が出てくると思うんですが、小さいページで申しわけないですが、五ページというところですけれども、ここまでの話が歳出の全体の話ですけれども、ここから私、特にきょう時間をかけてお話しさせていただきたいのがこのミクロの部分でありまして、財政のまさに構造改革と言われるものであります。
歳出の伸びを抑える、つまり、三年間で社会保障関係費を一・五兆円の伸びに抑えるというのがある種の数値目標とすれば、いかに赤字をつくらない体質に財政を転換していくか、これが財政の構造改革に当たるということになるわけです。
具体的に、では、どのようにしてこの財政の構造改革を進めていくのかということで、今政府が取り組んでいるのが経済・財政一体改革ということであります。その中においても、特に歳出改革という言葉で語られることが多いですが、それが六ページのところに、今回の予算編成の基本方針というところでもちょっと述べさせていただいているとおりです。
一ページめくっていただいた方がよろしいかと思うんですけれども、歳出改革といたしまして、経済・財政一体改革におきましては、社会保障につきましては、例えば、薬価制度の見直しであるとか、あと、かかりつけ医の普及といったもの、これによって、全体として社会保障のめり張りのある配分を進めていこうということになります。そういうことを唱えておりますし、社会資本整備に関しては、PFI、特に上下水道、この後もうちょっと議論があるかもしれませんが、上下水道のPFIを特に進めていきたい、そういう狙いがあります。
それから、私自身は地方財政の専門家でありますけれども、地方行政改革の中におきましては、トップランナー方式といいますけれども、地方交付税の算定におきまして、従来は、自治体が行政サービスを丸抱えしていることを前提に交付税の基準財政需要を算定していた、必要経費を見積もっていたわけですが、これを、民間委託とか指定管理者制度とか、こういったより効率的な運営、これを前提にした算定に変えていこう、そういうのがこのトップランナー方式ということになるわけです。
こういった個別分野における効率化を進めていくというのが、経済・財政一体改革の中における歳出改革ということになるわけであります。
御案内のとおり、この歳出改革、実は、その下のスライドにありますとおり三つの柱から成っておりまして、公共サービスの産業化、まさにこれがPFI、PPPの推進を含むものであります。
それから、インセンティブ改革、今申し上げたトップランナー方式であるとか見える化を通じて、頑張る自治体や頑張る当事者たちを応援する、そういう仕組みづくりをしていこうということになります。
最後のところにイノベーションというのが出てくると思うんですが、公共サービスのイノベーションというのは、まさにこの見える化を通じて現状を明らかにして改革マインドを醸成しようということ、そして、きちんとエビデンスに基づいてPDCA、政策評価を回していこう、こういったものが歳出改革の三つの大きな柱になるということになります。
裏面をめくっていただきますと、九ページのところで、参考までにという形で一体改革の特徴というのを取り上げています。
時間に限りがありますので要点だけ申し上げますと、従来の財政再建との違いは、やはりまずは、ボトムアップであるということ、現場の創意工夫を促す仕組み。例えば、地方創生などはその一つだと思います。それから、現場の頑張りを引き出すということ。それから、最終的にはワイズスペンディングにつなげていく、それが改革の狙いとして挙げられているということなんだと思います。
見える化、見える化と言われてもなかなかぴんとこないところもあるんですけれども、見える化というのは何かというと、例えば、住民一人当たりの医療費とか住民一人当たりの後発医薬品の普及であるとか、あるいは自治体のPFI、PPPの取組状況とか民間委託の進捗状況とか、こういったものを地域間で比較できるようにする。
もちろん、東京と北海道というのは全く経済状況が違うわけですから、これ自体の比較に意味はありませんけれども、類似団体、近隣自治体であるとか、人口規模や経済力、財政力が似通った自治体同士での比較を通じて、これは地方自治体の方々に対するアピールが主なんですけれども、やはり自分たちの取組が、これまでの取組が今のままでいいのかどうかということについて問題意識を持ってもらう。ある意味、自分たちの抱えている課題、こういったものに気づいてもらう。課題に気づけば課題に取り組む、そういうインセンティブになりますので、改革が進みやすいということになるわけです。
見える化を通じて何をしたいかといいますと、私が理解する限りは、やはり上から言われたから改革をするのではなくて、自分たちで問題意識を持ったから、課題発見したから、それの課題解決に向けて取り組む、そういう形で財政の歳出の効率化を進めていきたいというのが、この見える化の最終的な狙いなんだと思います。
もちろん、住民に対する、あるいは国民に対する説明責任を果たすというのもあります。従来、行政サービスの水準とか財政の現状というのは、なかなか国民の目には見えないところがあったわけですので、そういったものも明らかにしていくということなんだと思います。
このあたり、今、内閣府の方でもホームページでデータベースの整備を進めていますが、入院日数であるとか、あるいは病床数とか、かなり顕著に自治体間あるいは地域間での違いというのも明らかになっておりますので、それらを改革の原動力、推進力にしていくということになるのだと思います。
裏面をめくっていただきますと、あとは簡単になんですが、優良事例というのもあります。
いろいろな自治体さん、これはまさに自治体さんの話になりますけれども、自治体はかなりいろいろな取組をしておりまして、私がちょっとかかわっているのが町田市なんですけれども、東京都の町田市などは業務改革などを率先して進めておりますし、あとICTの利用を進めている、そういう自治体さんもあります。かなり、そういう優良事例を横展開していくという点においても、この見える化、現状を明らかにしていくというのが役に立つのかなというふうに思うわけです。
それから、ことしに入ってといいますか、今年度と言うべきですね、特に重視され始めているのがEBPMであります。エビデンスに基づいて物を考えていこう、エビデンスに基づいて政策を形成していこうというのがまさにEBPMということになるんですけれども、そのための統計改革、そういったものを含めてデータベースの整備といったことも進めていくということになるんだと思います。
さて、最後に、私の方で強調させていただきたい、かつ、きょうの多分論点になると思うのは、やはり財政再建というところだと思います。
裏面の方の、小さい字で十三ページというところからになりますけれども、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化目標というのは残念ながら未達成になると思いますけれども、やはり着実に財政を健全化させていくというのは、これは急務なんだというふうに思います。
特に、その下の図で描いている、よくワニの口なんというふうにやゆされますが、歳出と税収の乖離というのが、これは国の一般会計ですけれども、歳出と税収の乖離というのを、これを将来的に埋めていく、正確にはプライマリーバランスを黒字化させていく、そういう方向で財政再建を進めていくというのは、やはり、日本のこれからの社会保障の持続可能性、それから、人づくり革命なんてせっかく言っているわけですから、未来への投資というのを着実に実行させていくという点においても、やはり必要なんだというふうに思います。
財政の健全化というときに、これも申し上げなきゃいけないのは、なぜ必要かというときに、理由は二つあると思うんですね。
一つは、やはり将来にさまざまな選択肢を残していくことです。借金がたまっていて借金で首が回らないという状況を未来に残すということは、未来の世代が、自分たちの創意工夫に基づいて予算とか財政をマネージできないということになります。やはり未来の世代に対して機会を、彼らが、自分自身の国のあり方、財政のあり方を決める、あるいは社会保障のあり方を決める、そういう機会を残しておくということは必要なんだと思います。
もう一つは、実は、やはり、最近言われる南海トラフも含めて、大規模自然災害と言うべきですね、台風もあり得ますので、大規模自然災害、あるいはリーマン・ショックのような経済危機、そういった緊急事態に対して柔軟に対応できる、その余地、バッファーを残しておくということなんだと思うんですね。
なぜ借金を返済しなきゃいけないか、財政をなぜ健全化しなきゃいけないかというと、実は将来借金をするためであるという考え方もあるわけなんです。借金がたまっている状況で、追加的に、今一千兆円を超えていますので、国の借金は、それでさらなる借金を、大規模災害の後、あるいは経済危機、あるいは地勢的なリスク、危機の後にやろうと思ってもなかなか難しいわけですので、ある程度借金をコントロールできる、自分たちの日本経済の身の丈に合うレベルに合わせておくということが必要なのかなというふうに思います。
ちょっと裏面をめくっていただきますと、十五ページの上の方にあるのは基礎的財政収支の推移です。これは内閣府さんが出しているものですので、これは参考までになんですが。
といいながらなんですが、なかなか財政再建の議論が前に進まない理由としまして、大きく二つあると思うんですね。
一つは、奇策と言うと語弊があるかもしれませんけれども、最近、痛みを伴う財政再建をしなくても財政は健全化できると。例えば、脱デフレをすれば健全化できる、あるいは日銀が国債を全部買ってくれれば健全化できるとか、あるいは何もしないと実はインフレは自然と起きるというのは、これは去年、シムズ教授という方が言って有名になっちゃいましたけれども、何かそういう奇策にちょっと飛びつくところがあって、私は、別にこういう考え方を一〇〇%否定をする気はないんですけれども、しかし、我々はギャンブルをやっていいかということだけはやはり問われると思うんですね。
私が申し上げたいのは、堅実な財政再建を進めていくということなんだと思います。経済成長に頼る、あるいはインフレに頼るというと変ですけれども、そういったものはある種ギャンブル的な要素を含みますので、そこはある意味、堅実な財政再建にはならないのかなというふうに思います。
では、堅実な財政再建とは何ですかというと、結局、自分たちがコントロールできるものは何かを考える必要があると思うんですね。つまり、国として決められるもの、それは例えば、消費税率は国が決められる、歳出の規模は国が決められるわけです。つまり、プライマリーバランスは国が決められるんですね。ですから、自分たちが決められる手段を講じて財政再建をしていく、これが堅実な財政再建というものになるのかなというふうに思います。
時間が限られておりますので、ちょっと次を飛ばして、最後のページというか、済みません、小さいページで十九とか二十と書いているところで、財政再建を進めていく上の留意点としての二点目を挙げさせていただきたいと思うんですけれども、やはり格差の問題です。
財政再建、それはヨーロッパの経験を踏まえても、緊縮財政が社会的な弱者の切捨てにつながっては、これは、財政再建に対する政治的な支持を損ねるだけではなく、社会の分断を招くという点において、あるいはポピュリズムの台頭を招くという点においては、全く望ましくないわけであります。
したがって、この財政再建とあわせて我々が粛々と行うべきは、日本のセーフティーネットの改革ということになります。
具体的にと言われると、例えば、社会保障におきましてはよく言われるんですが、これまでの年齢別の支援体制から、能力別、つまり、困っている人への支援体制。つまり、例えば若い世代であっても、所得が低い、ワーキングプアの方々に対する支援とか、母子世帯あるいは子育て世帯に対する支援といった形で、やはり本当の社会的な弱者に対する支援というのは、これは財政再建とあわせて行っていくべきものなんだというふうに思うんですね。
この国というのは、どうも成長を志向すると成長ばかりになるし、財政再建を言うと財政再建ばかりの議論になるし、再分配の話をするとなぜか再分配ばっかり言うんですけれども、三つは同時にやらなきゃいけないこと、どれかを選択してやることではなく、同時に進めるべきことなんだというふうに思います。
冒頭で紹介した経済・財政一体改革の狙いも、決して財政再建だけが狙いではなく、やはり経済の成長と両立させるというのがまさに一体改革の趣旨ということにもなります。やはり再分配の強化というのと財政再建というもの、これもあわせて実施していくということ、これを我々は留意するべきことだと思います。
それとの関連でいきますと、その上の方の段落にありますけれども、平成三十年度の税制改正におきまして、これは税制の話になりますけれども、個人所得税につきましては、基礎控除の拡充とあわせて、給与所得控除の引下げ、公的年金等控除の縮減といった措置が図られております。
もちろん、新しいライフスタイルというか、フリーランスの方々を含めた新しい働き方に対応した税制改正という面もありますけれども、基礎控除の拡充とかそういったところは、特に再分配機能の強化というのも所得税改革の柱でありますので、再分配機能の強化というのも念頭にあるということなんだというふうに御理解いただければと思います。
時間になりましたので、私の話は以上でありますけれども、今回の平成三十年度の予算、総じて言えば、まず、財政再建に向けた一歩なんだというふうに思います。やはり歳出の伸びを抑えられたというのは、これはかなり評価するべき点だと思います。
ただ、これから問われてくるのはその歳出の中身でありまして、めり張りのある、いわゆるワイズスペンディングにつながるような歳出改革を進めていくということ。その中におきまして、特に地方自治体に対する働きかけということになるんですけれども、見える化改革というのは非常に肝になると思います。で、最終的に我々は堅実な財政再建を進めていくべきではないかということ。
それをもちまして、私の報告とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。拍手
河
伊
伊藤圭一#4
○伊藤公述人 全国労働組合総連合、全労連で労働法制を担当しております伊藤と申します。
本日は、このような発言の場を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
この国会、働き方改革国会という位置づけもされております。予算委員会におかれましても既にこの働き方に関する課題でかなり活発なやりとりがなされている、それを承知しております。
私といたしましては、この予算委員会の場ではありますけれども、経済政策の柱としても政府が働き方の問題を非常に重視している、このことについては非常に重要だと思っておりまして、全労連としての考え方を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、労働者の状態の悪化、それこそが国民経済の持続的な発展の足かせであって、経済再生を阻む大きな要因となっている、そういうことを申し上げたいと思います。
お手元の資料を一枚めくっていただきまして、資料の一というところに賃金に関するグラフを持ってまいりました。これは賃金の変動の推移を国際比較したものであります。
よく知られていることではありますけれども、日本の場合、平均賃金が過去最高に高かったのは一九九七年と言われております。それ以降、物価の変動も加味した実質の賃金の変動、これを見ておりますけれども、日本の場合はこの間ずっと抑制基調にある。消費者物価もデフレ基調で来たとは言われていますが、賃金の伸びがそれを下回ってきたということであります。現在におかれましては引き続き一〇%下回り、一〇%ポイントは満たないという状況であります。もとに戻らないという状況であります。
諸外国を見ますと、インフレ基調で物価は進んでおりましたけれども、賃金の上昇率はそれを上回っておりまして、ドイツ、アメリカを見ましても一五%、一六%増、フランス、イギリスを見ましても二五%を超える実質賃金の上昇を見ているということであります。
これは殊さら賃金がうまくいっている国だけを並べているのではなく、OECD、多くの国の統計を発表しておりますけれども、実は日本だけこういう特異な状況にある、異常な状態にあるということをまず御認識いただきたいと思っております。
資料の第二、これは賃金の変動だけを見ておりますので、水準はどうかという御疑問もあるかと思います。これにつきまして、資料の二では、賃金の年収ベースでの推計、比較をしたものを出しております。
これはフルタイムに換算した場合ということになりますけれども、一九九七年、日本はOECDの平均よりも高い賃金水準を示しておりました。ドル表示でいいまして三万六千二百四十九ドルということが購買力平価換算で比較できております。これが、二〇一五年になりますと位置が下がります。実額としても、ドルベースで見て三万五千七百八十ドルと下がっております。
先ほど、実質賃金の変化、これは名目賃金も下がってきたということでありますが、そこからもわかるとおり、唯一実額として労働者の収入が落ちているというのが日本だということです。これは経済政策を考える上においても極めて深刻な事態だと私は思います。
その背景に何があるのか。労働組合として申し上げるのは、みずから自責の念も感じるところでありますが、組織率が低下をしている、春闘における賃金改善の取組がなかなか広がりを持たない、こうしたこともあります。ですが、より大きな問題として言えるのは、不安定な雇用、不合理な処遇格差のもとで働く非正規雇用の方々が非常にふえているということであります。
一九九七年には一千百五十二万人、雇用労働者に占める割合で二割強でありましたけれども、昨年の数字を見ますと二千二十三万人、四割弱と、倍加しているということであります。
四割の方が、不安定な就労、いつ雇いどめされるか、そういう気持ちを抱きながら働いている。これでは、例えば労働組合をつくるだとか、そういう交渉力を発揮しようとしても、次の契約更新、これを盾にとられて、何も行動ができない、要求の声を上げられない、こういう状態に置かれているのであります。
また、その賃金、労働条件、これが低いということも大きな問題で、先ほど言った全体の賃金水準を下げることにも影響をしております。
正社員と同じ仕事をこなしている非正規の方はどんどんふえております。基幹的労働として位置づけられておりますけれども、同じ仕事をしながら二分の一あるいは三分の一の賃金で働くということになります。
労働組合としては、よく、正規、非正規のこの格差是正、どこまで真剣なのか、こんな批判も出るところでありますが、今や全労働組合は非正規の処遇改善に向けて真剣に取り組んでおります。なぜなら、これは正社員だけの、正社員が差別をされたそういう人たちを救ってあげる、そういう取組ではなく、みずからの仕事の価値が二分の一、三分の一にダンピングされる、そういう効果を発揮しているものとして不安定雇用が活用されているからであります。
三点目。賃金だけではなく、長時間過密労働、健康への配慮に欠けた夜勤交代制など、過酷な労働条件、環境のもとで働く、そういう労働者も多いわけです。心身の健康を損なう人、過労死、過労自死に至る人もいまだに後を絶ちません。
脳、心臓疾患による過労死の労災請求件数で見ますと、過労死防止対策が強く言われるようになったこの三年ほどを見ましても、毎年二百五十件前後あります。過労自殺の請求件数、これも二百件ほどあります。その全てが認定されるわけではないですが、実際、亡くなってしまったという、これを訴える件数がこれだけあるということであります。
こういう労働者の状態、まだほかにもいろいろ指標はあると思いますけれども、これを見てみますと、消費の活性化は進まないだろうと。それから、働くことにおいて、十分な休養をして、十全な体調で臨んで能力発揮をする、このことができない労働者も非常に多い。ここについて、ぜひ御理解いただきたいと思います。
ヒヤリ・ハットという言葉がありますが、本当に仕事の最中に一瞬気を失ってしまう、そんなドライバーは少なくないよ、看護師さんは少なくないよ、こんな話が現場からはよく聞こえます。皆さん、周りの人も含めた命にかかわるところで労働者の疲弊というものが重大な事故も起こしかねない、こういう状態にあります。
こんな中で、私はやはり、企業業績の向上、これも進まないだろうということを考えるわけです。働く者の人権の視点、これだけではなくて、経済政策としても、こうした労働者状態の悪化を改善するということは待ったなしだと思います。
こうした中で、このほど政府は働き方改革というものを打ち出しております。長時間労働の是正、同一労働同一賃金によって非正規雇用労働者の待遇を改善する、この政府のメッセージは、実は私どもの職場の組合員にも非常に前向きに受けとめられておりました。多くの労働者に響いたと思っております。
この間、働き方の問題の解決、労使関係で改善しようと我々も努力をしておりますけれども、やはり、労働法制の規制強化、監督行政の強化、それから、各産業界の業界ごとの取引慣行ですとか、そうしたものの見直しもなければなかなか進まない。国の関与は必要である、まさに労働条件、雇用を改善しようとして奮闘している労働組合の当事者として、そうしたことをみんな痛感しているからであります。
しかし、この期待感が、この一年半、期待を持って注目をしてきた働き方改革ですが、極めて残念ながら、関連法案が出されますけれども、私たちの期待を裏切るものだと言わざるを得ません。率直に申しまして、この法案、部分的に改正と見える部分があるにもかかわらず、原案のままでは労働者の命と健康と生活に悪影響を及ぼす、そして持続可能な経済社会の構築にもマイナスを与える、こう危惧するところであります。
労働者の期待を集めた長時間労働の是正ですとか同一労働同一賃金、こういった改革のメッセージとこの具体的な法案の内容が、どうしてこれほどずれが生じるのか。
実は、これは私どもは疑問に思っておりましたが、この間、予算委員会で議論をされました裁量労働制と八時間労働制を比較したデータの問題、データの推計の仕方も比較の仕方も非常に誤ったでたらめなデータ、これで認識が整っていたのではないかということです。
これはショックではありましたが、そこから見えてきましたのは、提案している法制度のもとで何が起きるのか、実態を誤認されたまま法制度論議が進められたのではないか、そういうことであります。
成長と分配の好循環を実現する、予算案にもうたわれたこの方針。働き方改革関連法案はその方針にも有害ではないか、そのように考えます。
法案につきましては、やはり再度、労働政策審議会のもとで丁寧に実態を把握する、事実誤認がないか、統計の数字もそうですが、きちんと議論をされていない、現場で何が起きるのか、何が起きているのか、こういうことを審議する作業から行うべきと考えます。
法案にかかわっての問題点としましては、お手元の資料三ページ目をめくっていただけますでしょうか。焦点となっております労働時間の中でも、裁量労働制についての図を示しております。
この一カ月の実労働時間につきましては、与野党でいろんなやりとりがあったと思いますが、裁量労働制でも短く働いている人はいるんだよ、平均的なもので見れば短いというこの観点につきましては撤回をされました。
今、信頼に足るデータとしては、JILPT、労働政策研修研究機構の裁量労働制等の労働時間制度に関する調査、二〇一四年六月、これがあるわけです。この帯グラフを見ていただくとわかりますとおり、裁量労働制で働く方々の方が、長時間労働の傾向は、明確に長いというものが読み取れると思います。また、長時間で働きながらも残業見合いの手当をもらっていない、こういうこともここからわかると思います。
なぜこうしたことになるのか。あらかじめ一定の労働時間を働いたものとみなす、この制度が問題であります。一定の時間働いたとみなし、そして、表向き、進める側においては、これは個々人の裁量で、早く仕事が終われば早く帰ってもいいよ、こういう話もされるわけですが、グラフから明らかなとおり、そうしたことができる労働者は多くはありません。
考えてみれば、人事権も、それから、業務量をコントロールする、納期を、決裁を例えばずらすだとか、そうした権限もない普通の雇用労働者は、実労働時間管理を行われない中でこのみなし時間というものを適用される。しかも、それが割増し賃金を払わないでも使われてしまうということになれば、当然使用者としては、これはもう定額働かせ放題という制度に映るということであります。ここをぜひお酌み取りいただきたいということであります。
具体的な実例を申し上げたいと思います。四ページ目をちょっとごらんいただけますでしょうか。この一を紹介したいと思います。なぜこういうことになるのか、具体的なメカニズムを私たちは御紹介したいと思います。
これはシステムエンジニアのケースでありますが、会社としては、勤務規定には、業務遂行にかかわる時間配分については個人の裁量に委ねる、こう明記もしつつ、とはいえ、始業、終業時刻についてはフレックスタイム制に準ずるということで、十時から三時までの勤務は縛るということであります。
ここでは、裁量労働制の労働者は、十時出勤を義務づけられているので十時には行く、しかし終わるのは、一日七時間四十五分とされているみなし労働時間ではなく、二十三時まで連日働いているということであります。そして、連日不払い残業が発生しているということであります。
当然、労働者の勤務状況の把握、これはされているんですが、自己申告である。正直な申告をして、みなし労働時間が短過ぎるよ、実態とずれているよ、こうしたことは言えないんですか、こう質問しましたところ、それはできないと言うんです。
それは、長時間労働をしているということになると、裁量を与えているのに自分の裁量内で仕事がこなせていない、こうみなされて評価を落とす、そうしてしまうと、業務改善プログラム、PIPというものにかけられて、通常業務に加えてさらなるノルマが課されてしまう、そしてより苦しい状況に追い込まれる、目標が達成できないと降格、減給、最後は退職勧奨の対象にもなる、このようなことであります。
要は、労働時間制度だけ法律上いろんなたてつけをしましても、現場では、こうした人事制度とセットとされることによって、ほぼ、制度設計をする側が意図しないような効果が出てしまうということであります。
これをもちまして、やはり裁量労働については、現場で何が起きるかということを十分把握の上で検討していただきたいということであります。
二点目です。
五ページ目にありますが、同じく、高度プロフェッショナル制度、これにかかわりましても、やはり、労働時間規制を雇用労働者に対して外してしまう、裁量労働制の更に上を行くようなものであります。労働者保護法制たる労働基準法の趣旨に反しておりまして、究極の働かせ放題となるということであります。
五ページ目に一例を書いておりましたが、これはもう今は実行されておりませんが、法制度上の要件を満たしてもこんなことになるということを示しております。
これは、年間百四日の休日を与えるという要件と、あと健康確保措置というものが幾つかありますが、最も緩いケースで計算をしますと、一日二十四時間、二百五十六日労働をさせる、年間六千時間を超えるような労働をさせても違法ではないということです。もちろん、人間、こんなに働くことはできませんけれども、これが違法ではないということが問題だと私たちは考えております。
加えて、裁量労働制については、裁量を与えるから始業、終業について指揮命令してはいけない、こういう規制がかかっておりますが、高度プロフェッショナル制度につきましては、始終業時刻を指定するような、そういう命令を禁止するという条項すらありません。
例えば、月曜日の朝から来て土曜日まで連日二十四時間働けという業務命令が違法ではない、しかも、これについて深夜割増しも何もかからない、こういう制度であります。これは法律構成上の瑕疵ではないかと我々は考えております。ぜひこの制度についても撤回、廃案を求めたいと思っております。
六ページ目をごらんください。今回、上限規制を初めて導入するということであります。これは労働組合もずっと要望をしてきたことでありますから、それについては改正であると言いたいところではありますけれども、制度設計上、極めて忙しい一カ月については、先生方御承知のとおり、百時間未満、そして二から六カ月の各月を平均したものは八十時間という上限をつけるということであります。
六ページ目の中ごろにあるものは脳、心臓疾患の時間外労働時間数別に見た労災の支給決定件数ですが、ぱっと見ていただいてわかるとおり、六十時間以上、それから百時間未満、このところで過労死をされて労災認定されている案件は極めて多いです。今回の上限規制案では、このように過労死が発生してしまうということであります。これをどう見るかということであります。
従来、過労死認定、過労死に関する損害賠償の裁判が行われておりますが、六ページ目の下に二例挙げておりますが、ザ・ウィンザー・ホテルインターナショナル札幌高裁判決、それから穂波事件岐阜地裁判決、これ等を見ますと、月九十時間台、八十時間台でも、このような時間外労働を義務づけるような労使合意というのは安全配慮義務に反する、公序良俗に反する、極めて厳しいこういう判決が出ております。
ですが、今後、労働基準法で百時間未満、八十時間までオーケーというものが書かれてしまうと、使用者としては、我々としては遵法精神のもと合法的な範囲で時間外を命じた、その中で不幸にして御本人が弱いから亡くなってしまった、こういう発言が出るのではないかと思うわけです。当然、裁判官にも、判決に一定の影響が及ぶのではないか、私たちはこう考えます。
ぜひとも、過労死が起きるような上限ではせっかくの上限規制が泣いてしまうという現場の声をお聞き入れいただきたいと思います。
加えて、七ページ目を見ていただきますと、今既に三六協定の時間外についての改悪提案が、労働組合を持っている我々のもとでも、使用者側から出されております。これは何かといいますと、政府案を既に先取りをする、百時間未満というのがもう考えられているよ、半年、各月八十時間でもいいよ、我々の三六協定もそうしようではないか、こんな話が出るわけです。
下のグラフからわかるとおり、時間外労働の上限について、百時間を超えるようなものを設定しているというのは一・二%にすぎません。八十時間超で見ましても五%弱です。
ほんのわずかなところについては上限を百までという高どまりで若干是正させる効果はありますが、より短く労使で合意をして時間外を抑えてきた、そういうところについては、むしろ労基法を盾に百までオーケーだよという改悪提案を招いている、これが昨年の春闘でも提案されている、こういう事態であります。
実際、法律が通りましたら本当に悪影響が広がるのではないか、むしろ長時間労働が蔓延する事態を招くのではないか、このような懸念を持っております。
お手元の発言の要旨としましては、ほかにも、働き方改革にかかわって、同一労働同一賃金、これも本当に非正規の皆さんは大いに期待をしたわけですけれども、実はそれが実現されないということも書いております。
ここにつきましては九ページ目にありますが、今回の法案では、残念ながら、将来の転勤の可能性ですとかそういったものを理由に、今同じ仕事をして同じ職責を担っている正規労働者、非正規労働者であっても、今同じであっても将来の展望が使用者から見て違うから賃金格差をつけていいよと、この差別構造を温存させるような法律となっております。
これは、今の労働契約法、パート法の欠陥であります。この欠陥をそのまま生かしたようなものでは働き方改革にはなりません。また、ましてや、同一労働同一賃金という大きなテーマで労働者の期待を集めたこの法案の趣旨が生きないということであります。
時間が参りましたので、ほかにも多々申し上げたいところはありましたが、重点的には、労働時間、同一労働同一賃金のところをこの発言のところでは申し上げまして、私たちの要望とさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような発言の場を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
この国会、働き方改革国会という位置づけもされております。予算委員会におかれましても既にこの働き方に関する課題でかなり活発なやりとりがなされている、それを承知しております。
私といたしましては、この予算委員会の場ではありますけれども、経済政策の柱としても政府が働き方の問題を非常に重視している、このことについては非常に重要だと思っておりまして、全労連としての考え方を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、労働者の状態の悪化、それこそが国民経済の持続的な発展の足かせであって、経済再生を阻む大きな要因となっている、そういうことを申し上げたいと思います。
お手元の資料を一枚めくっていただきまして、資料の一というところに賃金に関するグラフを持ってまいりました。これは賃金の変動の推移を国際比較したものであります。
よく知られていることではありますけれども、日本の場合、平均賃金が過去最高に高かったのは一九九七年と言われております。それ以降、物価の変動も加味した実質の賃金の変動、これを見ておりますけれども、日本の場合はこの間ずっと抑制基調にある。消費者物価もデフレ基調で来たとは言われていますが、賃金の伸びがそれを下回ってきたということであります。現在におかれましては引き続き一〇%下回り、一〇%ポイントは満たないという状況であります。もとに戻らないという状況であります。
諸外国を見ますと、インフレ基調で物価は進んでおりましたけれども、賃金の上昇率はそれを上回っておりまして、ドイツ、アメリカを見ましても一五%、一六%増、フランス、イギリスを見ましても二五%を超える実質賃金の上昇を見ているということであります。
これは殊さら賃金がうまくいっている国だけを並べているのではなく、OECD、多くの国の統計を発表しておりますけれども、実は日本だけこういう特異な状況にある、異常な状態にあるということをまず御認識いただきたいと思っております。
資料の第二、これは賃金の変動だけを見ておりますので、水準はどうかという御疑問もあるかと思います。これにつきまして、資料の二では、賃金の年収ベースでの推計、比較をしたものを出しております。
これはフルタイムに換算した場合ということになりますけれども、一九九七年、日本はOECDの平均よりも高い賃金水準を示しておりました。ドル表示でいいまして三万六千二百四十九ドルということが購買力平価換算で比較できております。これが、二〇一五年になりますと位置が下がります。実額としても、ドルベースで見て三万五千七百八十ドルと下がっております。
先ほど、実質賃金の変化、これは名目賃金も下がってきたということでありますが、そこからもわかるとおり、唯一実額として労働者の収入が落ちているというのが日本だということです。これは経済政策を考える上においても極めて深刻な事態だと私は思います。
その背景に何があるのか。労働組合として申し上げるのは、みずから自責の念も感じるところでありますが、組織率が低下をしている、春闘における賃金改善の取組がなかなか広がりを持たない、こうしたこともあります。ですが、より大きな問題として言えるのは、不安定な雇用、不合理な処遇格差のもとで働く非正規雇用の方々が非常にふえているということであります。
一九九七年には一千百五十二万人、雇用労働者に占める割合で二割強でありましたけれども、昨年の数字を見ますと二千二十三万人、四割弱と、倍加しているということであります。
四割の方が、不安定な就労、いつ雇いどめされるか、そういう気持ちを抱きながら働いている。これでは、例えば労働組合をつくるだとか、そういう交渉力を発揮しようとしても、次の契約更新、これを盾にとられて、何も行動ができない、要求の声を上げられない、こういう状態に置かれているのであります。
また、その賃金、労働条件、これが低いということも大きな問題で、先ほど言った全体の賃金水準を下げることにも影響をしております。
正社員と同じ仕事をこなしている非正規の方はどんどんふえております。基幹的労働として位置づけられておりますけれども、同じ仕事をしながら二分の一あるいは三分の一の賃金で働くということになります。
労働組合としては、よく、正規、非正規のこの格差是正、どこまで真剣なのか、こんな批判も出るところでありますが、今や全労働組合は非正規の処遇改善に向けて真剣に取り組んでおります。なぜなら、これは正社員だけの、正社員が差別をされたそういう人たちを救ってあげる、そういう取組ではなく、みずからの仕事の価値が二分の一、三分の一にダンピングされる、そういう効果を発揮しているものとして不安定雇用が活用されているからであります。
三点目。賃金だけではなく、長時間過密労働、健康への配慮に欠けた夜勤交代制など、過酷な労働条件、環境のもとで働く、そういう労働者も多いわけです。心身の健康を損なう人、過労死、過労自死に至る人もいまだに後を絶ちません。
脳、心臓疾患による過労死の労災請求件数で見ますと、過労死防止対策が強く言われるようになったこの三年ほどを見ましても、毎年二百五十件前後あります。過労自殺の請求件数、これも二百件ほどあります。その全てが認定されるわけではないですが、実際、亡くなってしまったという、これを訴える件数がこれだけあるということであります。
こういう労働者の状態、まだほかにもいろいろ指標はあると思いますけれども、これを見てみますと、消費の活性化は進まないだろうと。それから、働くことにおいて、十分な休養をして、十全な体調で臨んで能力発揮をする、このことができない労働者も非常に多い。ここについて、ぜひ御理解いただきたいと思います。
ヒヤリ・ハットという言葉がありますが、本当に仕事の最中に一瞬気を失ってしまう、そんなドライバーは少なくないよ、看護師さんは少なくないよ、こんな話が現場からはよく聞こえます。皆さん、周りの人も含めた命にかかわるところで労働者の疲弊というものが重大な事故も起こしかねない、こういう状態にあります。
こんな中で、私はやはり、企業業績の向上、これも進まないだろうということを考えるわけです。働く者の人権の視点、これだけではなくて、経済政策としても、こうした労働者状態の悪化を改善するということは待ったなしだと思います。
こうした中で、このほど政府は働き方改革というものを打ち出しております。長時間労働の是正、同一労働同一賃金によって非正規雇用労働者の待遇を改善する、この政府のメッセージは、実は私どもの職場の組合員にも非常に前向きに受けとめられておりました。多くの労働者に響いたと思っております。
この間、働き方の問題の解決、労使関係で改善しようと我々も努力をしておりますけれども、やはり、労働法制の規制強化、監督行政の強化、それから、各産業界の業界ごとの取引慣行ですとか、そうしたものの見直しもなければなかなか進まない。国の関与は必要である、まさに労働条件、雇用を改善しようとして奮闘している労働組合の当事者として、そうしたことをみんな痛感しているからであります。
しかし、この期待感が、この一年半、期待を持って注目をしてきた働き方改革ですが、極めて残念ながら、関連法案が出されますけれども、私たちの期待を裏切るものだと言わざるを得ません。率直に申しまして、この法案、部分的に改正と見える部分があるにもかかわらず、原案のままでは労働者の命と健康と生活に悪影響を及ぼす、そして持続可能な経済社会の構築にもマイナスを与える、こう危惧するところであります。
労働者の期待を集めた長時間労働の是正ですとか同一労働同一賃金、こういった改革のメッセージとこの具体的な法案の内容が、どうしてこれほどずれが生じるのか。
実は、これは私どもは疑問に思っておりましたが、この間、予算委員会で議論をされました裁量労働制と八時間労働制を比較したデータの問題、データの推計の仕方も比較の仕方も非常に誤ったでたらめなデータ、これで認識が整っていたのではないかということです。
これはショックではありましたが、そこから見えてきましたのは、提案している法制度のもとで何が起きるのか、実態を誤認されたまま法制度論議が進められたのではないか、そういうことであります。
成長と分配の好循環を実現する、予算案にもうたわれたこの方針。働き方改革関連法案はその方針にも有害ではないか、そのように考えます。
法案につきましては、やはり再度、労働政策審議会のもとで丁寧に実態を把握する、事実誤認がないか、統計の数字もそうですが、きちんと議論をされていない、現場で何が起きるのか、何が起きているのか、こういうことを審議する作業から行うべきと考えます。
法案にかかわっての問題点としましては、お手元の資料三ページ目をめくっていただけますでしょうか。焦点となっております労働時間の中でも、裁量労働制についての図を示しております。
この一カ月の実労働時間につきましては、与野党でいろんなやりとりがあったと思いますが、裁量労働制でも短く働いている人はいるんだよ、平均的なもので見れば短いというこの観点につきましては撤回をされました。
今、信頼に足るデータとしては、JILPT、労働政策研修研究機構の裁量労働制等の労働時間制度に関する調査、二〇一四年六月、これがあるわけです。この帯グラフを見ていただくとわかりますとおり、裁量労働制で働く方々の方が、長時間労働の傾向は、明確に長いというものが読み取れると思います。また、長時間で働きながらも残業見合いの手当をもらっていない、こういうこともここからわかると思います。
なぜこうしたことになるのか。あらかじめ一定の労働時間を働いたものとみなす、この制度が問題であります。一定の時間働いたとみなし、そして、表向き、進める側においては、これは個々人の裁量で、早く仕事が終われば早く帰ってもいいよ、こういう話もされるわけですが、グラフから明らかなとおり、そうしたことができる労働者は多くはありません。
考えてみれば、人事権も、それから、業務量をコントロールする、納期を、決裁を例えばずらすだとか、そうした権限もない普通の雇用労働者は、実労働時間管理を行われない中でこのみなし時間というものを適用される。しかも、それが割増し賃金を払わないでも使われてしまうということになれば、当然使用者としては、これはもう定額働かせ放題という制度に映るということであります。ここをぜひお酌み取りいただきたいということであります。
具体的な実例を申し上げたいと思います。四ページ目をちょっとごらんいただけますでしょうか。この一を紹介したいと思います。なぜこういうことになるのか、具体的なメカニズムを私たちは御紹介したいと思います。
これはシステムエンジニアのケースでありますが、会社としては、勤務規定には、業務遂行にかかわる時間配分については個人の裁量に委ねる、こう明記もしつつ、とはいえ、始業、終業時刻についてはフレックスタイム制に準ずるということで、十時から三時までの勤務は縛るということであります。
ここでは、裁量労働制の労働者は、十時出勤を義務づけられているので十時には行く、しかし終わるのは、一日七時間四十五分とされているみなし労働時間ではなく、二十三時まで連日働いているということであります。そして、連日不払い残業が発生しているということであります。
当然、労働者の勤務状況の把握、これはされているんですが、自己申告である。正直な申告をして、みなし労働時間が短過ぎるよ、実態とずれているよ、こうしたことは言えないんですか、こう質問しましたところ、それはできないと言うんです。
それは、長時間労働をしているということになると、裁量を与えているのに自分の裁量内で仕事がこなせていない、こうみなされて評価を落とす、そうしてしまうと、業務改善プログラム、PIPというものにかけられて、通常業務に加えてさらなるノルマが課されてしまう、そしてより苦しい状況に追い込まれる、目標が達成できないと降格、減給、最後は退職勧奨の対象にもなる、このようなことであります。
要は、労働時間制度だけ法律上いろんなたてつけをしましても、現場では、こうした人事制度とセットとされることによって、ほぼ、制度設計をする側が意図しないような効果が出てしまうということであります。
これをもちまして、やはり裁量労働については、現場で何が起きるかということを十分把握の上で検討していただきたいということであります。
二点目です。
五ページ目にありますが、同じく、高度プロフェッショナル制度、これにかかわりましても、やはり、労働時間規制を雇用労働者に対して外してしまう、裁量労働制の更に上を行くようなものであります。労働者保護法制たる労働基準法の趣旨に反しておりまして、究極の働かせ放題となるということであります。
五ページ目に一例を書いておりましたが、これはもう今は実行されておりませんが、法制度上の要件を満たしてもこんなことになるということを示しております。
これは、年間百四日の休日を与えるという要件と、あと健康確保措置というものが幾つかありますが、最も緩いケースで計算をしますと、一日二十四時間、二百五十六日労働をさせる、年間六千時間を超えるような労働をさせても違法ではないということです。もちろん、人間、こんなに働くことはできませんけれども、これが違法ではないということが問題だと私たちは考えております。
加えて、裁量労働制については、裁量を与えるから始業、終業について指揮命令してはいけない、こういう規制がかかっておりますが、高度プロフェッショナル制度につきましては、始終業時刻を指定するような、そういう命令を禁止するという条項すらありません。
例えば、月曜日の朝から来て土曜日まで連日二十四時間働けという業務命令が違法ではない、しかも、これについて深夜割増しも何もかからない、こういう制度であります。これは法律構成上の瑕疵ではないかと我々は考えております。ぜひこの制度についても撤回、廃案を求めたいと思っております。
六ページ目をごらんください。今回、上限規制を初めて導入するということであります。これは労働組合もずっと要望をしてきたことでありますから、それについては改正であると言いたいところではありますけれども、制度設計上、極めて忙しい一カ月については、先生方御承知のとおり、百時間未満、そして二から六カ月の各月を平均したものは八十時間という上限をつけるということであります。
六ページ目の中ごろにあるものは脳、心臓疾患の時間外労働時間数別に見た労災の支給決定件数ですが、ぱっと見ていただいてわかるとおり、六十時間以上、それから百時間未満、このところで過労死をされて労災認定されている案件は極めて多いです。今回の上限規制案では、このように過労死が発生してしまうということであります。これをどう見るかということであります。
従来、過労死認定、過労死に関する損害賠償の裁判が行われておりますが、六ページ目の下に二例挙げておりますが、ザ・ウィンザー・ホテルインターナショナル札幌高裁判決、それから穂波事件岐阜地裁判決、これ等を見ますと、月九十時間台、八十時間台でも、このような時間外労働を義務づけるような労使合意というのは安全配慮義務に反する、公序良俗に反する、極めて厳しいこういう判決が出ております。
ですが、今後、労働基準法で百時間未満、八十時間までオーケーというものが書かれてしまうと、使用者としては、我々としては遵法精神のもと合法的な範囲で時間外を命じた、その中で不幸にして御本人が弱いから亡くなってしまった、こういう発言が出るのではないかと思うわけです。当然、裁判官にも、判決に一定の影響が及ぶのではないか、私たちはこう考えます。
ぜひとも、過労死が起きるような上限ではせっかくの上限規制が泣いてしまうという現場の声をお聞き入れいただきたいと思います。
加えて、七ページ目を見ていただきますと、今既に三六協定の時間外についての改悪提案が、労働組合を持っている我々のもとでも、使用者側から出されております。これは何かといいますと、政府案を既に先取りをする、百時間未満というのがもう考えられているよ、半年、各月八十時間でもいいよ、我々の三六協定もそうしようではないか、こんな話が出るわけです。
下のグラフからわかるとおり、時間外労働の上限について、百時間を超えるようなものを設定しているというのは一・二%にすぎません。八十時間超で見ましても五%弱です。
ほんのわずかなところについては上限を百までという高どまりで若干是正させる効果はありますが、より短く労使で合意をして時間外を抑えてきた、そういうところについては、むしろ労基法を盾に百までオーケーだよという改悪提案を招いている、これが昨年の春闘でも提案されている、こういう事態であります。
実際、法律が通りましたら本当に悪影響が広がるのではないか、むしろ長時間労働が蔓延する事態を招くのではないか、このような懸念を持っております。
お手元の発言の要旨としましては、ほかにも、働き方改革にかかわって、同一労働同一賃金、これも本当に非正規の皆さんは大いに期待をしたわけですけれども、実はそれが実現されないということも書いております。
ここにつきましては九ページ目にありますが、今回の法案では、残念ながら、将来の転勤の可能性ですとかそういったものを理由に、今同じ仕事をして同じ職責を担っている正規労働者、非正規労働者であっても、今同じであっても将来の展望が使用者から見て違うから賃金格差をつけていいよと、この差別構造を温存させるような法律となっております。
これは、今の労働契約法、パート法の欠陥であります。この欠陥をそのまま生かしたようなものでは働き方改革にはなりません。また、ましてや、同一労働同一賃金という大きなテーマで労働者の期待を集めたこの法案の趣旨が生きないということであります。
時間が参りましたので、ほかにも多々申し上げたいところはありましたが、重点的には、労働時間、同一労働同一賃金のところをこの発言のところでは申し上げまして、私たちの要望とさせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
河
桑
桑原哲也#6
○桑原公述人 社会福祉法人桑の実会の理事長をしております桑原と申します。
本日は、公聴会というこの場をおかりしまして、私、公述人という初めての大役を務めさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に皆様に、社会福祉法人の代表でもあるわけですけれども、ブルーのパンフレットをごらんいただきたいと思います。
私ども、所沢で、介護、保育、医療という法人で、保育園でいいますと、本当に駅型保育から、また通常の認可保育園、そしてまた、最近では企業主導型又は地域開放型小規模保育園を、自衛隊の中目黒とか入間航空自衛隊とか、そういうところでも小規模保育をやらせていただいております。
そういう中で、桑の実会、四十年の歴史がある中でありますが、もともと社会福祉法人というのは、基本財産をもとにしてつくられた法人でございます。私の父が先代でありますが、自分の家屋敷を売り払って土地を購入して、そこから四十人という小さな保育園を埼玉県所沢でつくったのが最初でございました。どうぞ、後でまたごらんいただきたいと思います。
本日は、このような場をおかりしまして、福祉人材の処遇改善の見直し、二つ目に福祉人材の確保の抜本的な強化、三番目に地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援、そして社会保障、社会福祉制度の拡大のための恒久的な財源の確保、皆様の資料がお手元にあると思いますが、この四点にわたって述べさせていただきたい、このように思っております。
先ほども申し上げましたが、社会福祉法人は、二万数千の法人が、介護、保育そして障害等々の事業をやっております。私が属している全国経営者協議会というのがありますが、そこでも七千法人の人たちが加盟して、いろいろな施策を国と連動しながらやっております。
そういう意味で、今回の三十年度予算においては、介護それから障害の同時改定、医療も含めた同時改定がございました。微増という形で終わりましたことについては、財政が大変な中、皆様のお力で、微増という形ですけれども、していただいたことには胸をなでおろしているというのが率直な感想でございます。
しかしながら、これからの時代を考えていきますと、財政の問題それから子供たちの問題、教育の無償化の問題等々を考えていきますと、若干ではありますが、私見の意見も述べさせていただきたい、このように思います。
皆様の、まず一枚目の、福祉人材処遇改善の見直しであります。
子育て、介護、障害、各分野における職員の処遇改善、これは加算と言われております。それぞれに一定の処遇改善は図られております。保育においても介護においても、貴重な財源が直接働く人への給付として、改善として配られております。加算されております。
しかしながら、各分野においての仕組みが異なり、かつ、職種が限定されております。そのことから、そこに書いてありますのは一番ですけれども、法人内の事業所内格差、法人内ですから、私どもでいいますと、保育園の先生、介護でやる介護士さん、又は看護師さん、事務クラーク、それから理学療法士、作業療法士、コメディカルの方々がそれぞれ、障害分野も含めてですけれども、事業所内である。しかしながら、あそこではこれだけもらってこっちではもらえないのかとか、この職種には出るけれどもこの職種には出ないのかとか、こういう問題がこの事業所内格差ということで生じているのも現実、事実でございます。
その意味で、次の職種間の格差というのは、今申し上げた職種という部分においてであります。
これが、法人全体で経営をしていくという、今、社会福祉法の改正に伴いまして、社会福祉法人が自立した経営をしていくためにはどうしたらいいかということを私どもも考えております。そういう意味で、私も経営者の一人でありますが、現場の経営者として、ちょっと赤字で書いてありますが、職員の処遇改善費用については、その配分に関する法人の裁量を認めていただきたい、その必要性があるということを述べさせていただいております。
よく、言葉で言いますと、経営品質という言葉があります。経営とは、経営者だけが経営しているわけではない、現場の保育園の先生、介護の人、それぞれの人がチームとして、介護報酬、保育報酬、それから障害者の支援費その他の報酬を、トータルとして、それを経営資源として配分していく、この裁量というものを認めていただかないと、経営していくということにはならないなというのは私の痛感しているところでございます。
それから、もう一つここにつけ加えさせていただきますと、最近では、都道府県、特に首都圏でありますが、東京を中心とする、埼玉、神奈川、又は横浜、政令都市のさいたま市、それぞれの地域間格差、又は市町村格差、これが生じております。要するに、特に保育園の先生が多いですけれども、あそこでは家賃補助制度は出るけれども、こっちでは家賃補助制度は出ない。あっちでは処遇改善交付金、いわゆるキャリアパスをすることによっての費用が積み増し、国以上に、市町村又は政令都市が積み増しをしております。それによって、もう完全なコントロール不能状態に今入っているんじゃないかなと思うぐらいであります。
そういう意味で、経営というのは、私どもが主体的に、PDCAサイクルですね、従業員満足度、まずは従業員満足度だと思っています、そして利用者満足度、そして経営満足度をこのPDCAサイクルで回していくというのが次だと思っております。
済みません、二ページ目に行きます。
福祉人材の確保の政策の抜本的な強化であります。
福祉人材の確保に向けては、福祉の仕事、現場のイメージアップ、これはぜひお願いしたいことが一つあります。国策にできないでしょうか。要するに、イメージアップなんです。
以前は、きつい、汚い、臭いとか、三Kと言われる仕事だ、そういう現場で働くところに、保護者として、親として、学校として行かせない、稼いでも稼げない、そういう問題が、昔の報道によって浸透しちゃっています。これを何とか払拭したい。そういう意味で、次の希望があり、感謝があり、感謝される、輝く三Kにしたい。やはり、福祉の仕事をして、本当に喜ばれるし、自分もやっていてよかった、そして、それが輝く社会へ、自分も一員として頑張っていけるんだというのを、新しい国策として、イメージアップ戦略をお願いできないかな、こんなふうに思います。
私どもも所属している全国社会福祉法人経営者協議会の福祉イメージの向上のために、皆さんのお手元にこういうものをちょっと用意しましたが、これは、学生を対象にして、次の時代を担う、介護だとか保育とか障害者施設で働く人たちを、「社会福祉HERO’S TOKYO二〇一八」という形で、三月十四日水曜日、表参道ヒルズ、スペースオー、おかずクラブを呼んで、華々しく、マスコミも含めてイメージアップしようというのを、協議会を挙げてやろうとしております。ぜひ、国会議員の皆様には、どんなことをやるのか見に来ていただければありがたいな、こんなふうに思っております。
いずれにしても、働き方改革が今言われておる中で、このイメージアップも国策として、介護とか福祉という、私は、どちらかというと、福祉という人材として考えてほしいんですけれども、国の宝なんだと思っていただけるような国策の位置づけをできないでしょうかと思っております。
そういう意味で、この次のダブルワークとか、こういう話が今国会でも出ておると思いますが、私ども福祉の現場からしますと、特に働き方改革は、企業で働いている方々が、自分のあいている時間、自分が勤務していない時間、週に一日でも、地域のために、又は人のために尽くせるダブルワークをできないかな、そういう観点で考えております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
三番目に、次のページでありますが、地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援でございます。
前回の国会の法制において社会福祉法人改革が行われ、私たち社会福祉法人も、自分たちみずからが、ここにあります地域公益的な取組をやっていかなきゃいけないというふうに自負をし、今現在それを進めております。
地域公益的事業というのは、それぞれの保育園だったり障害者施設が主たる介護とか保育とか障害はやっているにしても、地域に対して自分たちで考え、主導していく、そういう公益的な取組を法律でやりなさいというふうになっております。これを今、経営者協議会としても進めていこう、これを一〇〇%どこの法人もやれるようにしていこうということでやっております。
そしてまた、次に、三十三都道府県においてと書いてありますが、複数法人連携して地域の多様なニーズに応えていく、これももう一つのことであります。
例えば、私ども埼玉でありますが、埼玉では、安心セーフティーネット、CSW、コミュニティーソーシャルワーカーの人たちが配置されておりますが、社協、市社協、社会福祉法人が拠出金を出して、その拠出金から生活困窮者に対するいわゆる現物給付としてそれを使っております。年間約三百件ぐらいの、困ったときの現物給付として、年額七百万円ぐらいの現物給付が行われております。
例えば、電気がとめられる。生活保護にはまだ陥っていないけれども、次の収入が入ってくるまでの間のこの一カ月間のお金がないんだ。これを現物給付として、では、電気代の一カ月分を払いましょう。これが現物給付であります。そういう公益的な複数連携していくこともやっております。
また、もっと小さい単位で、市町村とか我が地域、自治会の中で複数の保育園等があった場合に、そこで例えば和の食育を遂行しよう、こういうことも、所沢で幾つかの保育園が集まって、民生委員、児童委員さんを呼んだり、地域の子育てしているお母さん方を呼んで、食というのは大事なんですよということをやっております。これも複数法人の地域公益事業であります。
その意味で、これらを実施するに当たって、皆さんのお手元の赤字にも書いてありますが、社会福祉事業の主たる担い手としての良質なサービスを安定的に提供していることを評価してほしいんです。評価するシステムをつくっていただけないかということであります。
また、社会福祉法人の根幹をなす、先ほど言ったように、これは税制上の優遇措置というのが私どもにあります。その一方で、税制上の優遇措置を受けているからこそ社会に対しての責任を果たしなさいというのも、今言ったようなことをやっていくことで果たそうとしております。それを堅持していかないといけないなというのは私は感じております。
これは、全ての人々に、地域の人も含めてですけれども、福祉文化の創造という形で、税制上の優遇があるからいいだとか悪いとかというのではなくて、どれだけ地域に貢献しているかということを評価する、だからこの優遇措置というのも堅持できるんだよということを国会の皆さんにも御理解いただきたいな、このように思っております。
四ページ目の、最後でありますが、安定的な財源といいますか、社会保障、福祉制度の拡充のための恒久的な財源確保というのは、やはり私たちも思っております。
皆さん御承知のとおり、介護報酬とか報酬改定で微増であったとしても、では、次はどうなんだとか、それから、今加算という問題でやっておりますが、加算がとれるとれない、そういう細かいことでありますが、このぐらいの厚さのあるものを、みんな目を皿のように見ながら加算をとるための要件というのをやっております。今、これから、そういう要件というのが厚生労働省から示されているところでございます。
そういう意味で、ここで待機児童解消のための保育政策、緊急整備、これはぜひ進めていかなきゃいけない。これは国策だと思います。女性が輝く、働ける社会、人口減少に歯どめをかける意味でも、保育園というのは一つのあり方だろうなと思います。
しかしながら、社会的な養護体制の再構築、これは教育の無償化の問題とリンクしますが、目に見えない貧困の問題が子供たちの中ではあります。相対的貧困、絶対的貧困とか言われますけれども、この目に見えない貧困。
それから、最近、保育園では、気になる子供たちが大勢存在しております。いわゆる加配を受けないと、多動でじっとしていられない。その子供たちが、養護、養育、養護というのは守っていく、養育というのは、その子を育てていきながら小学校に接続していく。こういうことをやっていかないと、教育無償化もいいと思います、これは、そのサービスを受ける利用者であるお母さん方の世帯的な費用負担を軽減しますので、当然推進すべきだと思います。その反対で、社会的養護、養育というのを、やはり、保育の質的なものを上げるためには、ぜひその視点も入れていただきたいなと思います。
そういうことで、教育の無償化とか社会的養護体制の強化、これは車の両輪だと僕は思います。どちらか一方がよくて、どちらか一方が悪くてということじゃないと思います。
それから、先ほど言いましたように、子供の貧困、高齢者の虐待の問題、それから高齢者においてのみとりの問題、そういうことも含めて、多職種協同で、地域のあらゆる職種、社会資源を持つあらゆる社会福祉法人、そしてまた地域の人たちがネットワークで、両輪としていくためには、どうしてもこのことが、安定的な財源とシステムとして、財源確保とシステムとして必要だと思います。
締めくくりの言葉になりますが、僕は、希望ある福祉文化を創造して、人と人がともに地域の中で楽しく、ともに助け合う社会を目指していかなきゃいけないな、こんなふうに思っております。
言葉足らず、舌足らずでありましたが、発言とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。拍手
この発言だけを見る →本日は、公聴会というこの場をおかりしまして、私、公述人という初めての大役を務めさせていただきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に皆様に、社会福祉法人の代表でもあるわけですけれども、ブルーのパンフレットをごらんいただきたいと思います。
私ども、所沢で、介護、保育、医療という法人で、保育園でいいますと、本当に駅型保育から、また通常の認可保育園、そしてまた、最近では企業主導型又は地域開放型小規模保育園を、自衛隊の中目黒とか入間航空自衛隊とか、そういうところでも小規模保育をやらせていただいております。
そういう中で、桑の実会、四十年の歴史がある中でありますが、もともと社会福祉法人というのは、基本財産をもとにしてつくられた法人でございます。私の父が先代でありますが、自分の家屋敷を売り払って土地を購入して、そこから四十人という小さな保育園を埼玉県所沢でつくったのが最初でございました。どうぞ、後でまたごらんいただきたいと思います。
本日は、このような場をおかりしまして、福祉人材の処遇改善の見直し、二つ目に福祉人材の確保の抜本的な強化、三番目に地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援、そして社会保障、社会福祉制度の拡大のための恒久的な財源の確保、皆様の資料がお手元にあると思いますが、この四点にわたって述べさせていただきたい、このように思っております。
先ほども申し上げましたが、社会福祉法人は、二万数千の法人が、介護、保育そして障害等々の事業をやっております。私が属している全国経営者協議会というのがありますが、そこでも七千法人の人たちが加盟して、いろいろな施策を国と連動しながらやっております。
そういう意味で、今回の三十年度予算においては、介護それから障害の同時改定、医療も含めた同時改定がございました。微増という形で終わりましたことについては、財政が大変な中、皆様のお力で、微増という形ですけれども、していただいたことには胸をなでおろしているというのが率直な感想でございます。
しかしながら、これからの時代を考えていきますと、財政の問題それから子供たちの問題、教育の無償化の問題等々を考えていきますと、若干ではありますが、私見の意見も述べさせていただきたい、このように思います。
皆様の、まず一枚目の、福祉人材処遇改善の見直しであります。
子育て、介護、障害、各分野における職員の処遇改善、これは加算と言われております。それぞれに一定の処遇改善は図られております。保育においても介護においても、貴重な財源が直接働く人への給付として、改善として配られております。加算されております。
しかしながら、各分野においての仕組みが異なり、かつ、職種が限定されております。そのことから、そこに書いてありますのは一番ですけれども、法人内の事業所内格差、法人内ですから、私どもでいいますと、保育園の先生、介護でやる介護士さん、又は看護師さん、事務クラーク、それから理学療法士、作業療法士、コメディカルの方々がそれぞれ、障害分野も含めてですけれども、事業所内である。しかしながら、あそこではこれだけもらってこっちではもらえないのかとか、この職種には出るけれどもこの職種には出ないのかとか、こういう問題がこの事業所内格差ということで生じているのも現実、事実でございます。
その意味で、次の職種間の格差というのは、今申し上げた職種という部分においてであります。
これが、法人全体で経営をしていくという、今、社会福祉法の改正に伴いまして、社会福祉法人が自立した経営をしていくためにはどうしたらいいかということを私どもも考えております。そういう意味で、私も経営者の一人でありますが、現場の経営者として、ちょっと赤字で書いてありますが、職員の処遇改善費用については、その配分に関する法人の裁量を認めていただきたい、その必要性があるということを述べさせていただいております。
よく、言葉で言いますと、経営品質という言葉があります。経営とは、経営者だけが経営しているわけではない、現場の保育園の先生、介護の人、それぞれの人がチームとして、介護報酬、保育報酬、それから障害者の支援費その他の報酬を、トータルとして、それを経営資源として配分していく、この裁量というものを認めていただかないと、経営していくということにはならないなというのは私の痛感しているところでございます。
それから、もう一つここにつけ加えさせていただきますと、最近では、都道府県、特に首都圏でありますが、東京を中心とする、埼玉、神奈川、又は横浜、政令都市のさいたま市、それぞれの地域間格差、又は市町村格差、これが生じております。要するに、特に保育園の先生が多いですけれども、あそこでは家賃補助制度は出るけれども、こっちでは家賃補助制度は出ない。あっちでは処遇改善交付金、いわゆるキャリアパスをすることによっての費用が積み増し、国以上に、市町村又は政令都市が積み増しをしております。それによって、もう完全なコントロール不能状態に今入っているんじゃないかなと思うぐらいであります。
そういう意味で、経営というのは、私どもが主体的に、PDCAサイクルですね、従業員満足度、まずは従業員満足度だと思っています、そして利用者満足度、そして経営満足度をこのPDCAサイクルで回していくというのが次だと思っております。
済みません、二ページ目に行きます。
福祉人材の確保の政策の抜本的な強化であります。
福祉人材の確保に向けては、福祉の仕事、現場のイメージアップ、これはぜひお願いしたいことが一つあります。国策にできないでしょうか。要するに、イメージアップなんです。
以前は、きつい、汚い、臭いとか、三Kと言われる仕事だ、そういう現場で働くところに、保護者として、親として、学校として行かせない、稼いでも稼げない、そういう問題が、昔の報道によって浸透しちゃっています。これを何とか払拭したい。そういう意味で、次の希望があり、感謝があり、感謝される、輝く三Kにしたい。やはり、福祉の仕事をして、本当に喜ばれるし、自分もやっていてよかった、そして、それが輝く社会へ、自分も一員として頑張っていけるんだというのを、新しい国策として、イメージアップ戦略をお願いできないかな、こんなふうに思います。
私どもも所属している全国社会福祉法人経営者協議会の福祉イメージの向上のために、皆さんのお手元にこういうものをちょっと用意しましたが、これは、学生を対象にして、次の時代を担う、介護だとか保育とか障害者施設で働く人たちを、「社会福祉HERO’S TOKYO二〇一八」という形で、三月十四日水曜日、表参道ヒルズ、スペースオー、おかずクラブを呼んで、華々しく、マスコミも含めてイメージアップしようというのを、協議会を挙げてやろうとしております。ぜひ、国会議員の皆様には、どんなことをやるのか見に来ていただければありがたいな、こんなふうに思っております。
いずれにしても、働き方改革が今言われておる中で、このイメージアップも国策として、介護とか福祉という、私は、どちらかというと、福祉という人材として考えてほしいんですけれども、国の宝なんだと思っていただけるような国策の位置づけをできないでしょうかと思っております。
そういう意味で、この次のダブルワークとか、こういう話が今国会でも出ておると思いますが、私ども福祉の現場からしますと、特に働き方改革は、企業で働いている方々が、自分のあいている時間、自分が勤務していない時間、週に一日でも、地域のために、又は人のために尽くせるダブルワークをできないかな、そういう観点で考えております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
三番目に、次のページでありますが、地域共生社会の主導的な役割を果たす社会福祉法人への支援でございます。
前回の国会の法制において社会福祉法人改革が行われ、私たち社会福祉法人も、自分たちみずからが、ここにあります地域公益的な取組をやっていかなきゃいけないというふうに自負をし、今現在それを進めております。
地域公益的事業というのは、それぞれの保育園だったり障害者施設が主たる介護とか保育とか障害はやっているにしても、地域に対して自分たちで考え、主導していく、そういう公益的な取組を法律でやりなさいというふうになっております。これを今、経営者協議会としても進めていこう、これを一〇〇%どこの法人もやれるようにしていこうということでやっております。
そしてまた、次に、三十三都道府県においてと書いてありますが、複数法人連携して地域の多様なニーズに応えていく、これももう一つのことであります。
例えば、私ども埼玉でありますが、埼玉では、安心セーフティーネット、CSW、コミュニティーソーシャルワーカーの人たちが配置されておりますが、社協、市社協、社会福祉法人が拠出金を出して、その拠出金から生活困窮者に対するいわゆる現物給付としてそれを使っております。年間約三百件ぐらいの、困ったときの現物給付として、年額七百万円ぐらいの現物給付が行われております。
例えば、電気がとめられる。生活保護にはまだ陥っていないけれども、次の収入が入ってくるまでの間のこの一カ月間のお金がないんだ。これを現物給付として、では、電気代の一カ月分を払いましょう。これが現物給付であります。そういう公益的な複数連携していくこともやっております。
また、もっと小さい単位で、市町村とか我が地域、自治会の中で複数の保育園等があった場合に、そこで例えば和の食育を遂行しよう、こういうことも、所沢で幾つかの保育園が集まって、民生委員、児童委員さんを呼んだり、地域の子育てしているお母さん方を呼んで、食というのは大事なんですよということをやっております。これも複数法人の地域公益事業であります。
その意味で、これらを実施するに当たって、皆さんのお手元の赤字にも書いてありますが、社会福祉事業の主たる担い手としての良質なサービスを安定的に提供していることを評価してほしいんです。評価するシステムをつくっていただけないかということであります。
また、社会福祉法人の根幹をなす、先ほど言ったように、これは税制上の優遇措置というのが私どもにあります。その一方で、税制上の優遇措置を受けているからこそ社会に対しての責任を果たしなさいというのも、今言ったようなことをやっていくことで果たそうとしております。それを堅持していかないといけないなというのは私は感じております。
これは、全ての人々に、地域の人も含めてですけれども、福祉文化の創造という形で、税制上の優遇があるからいいだとか悪いとかというのではなくて、どれだけ地域に貢献しているかということを評価する、だからこの優遇措置というのも堅持できるんだよということを国会の皆さんにも御理解いただきたいな、このように思っております。
四ページ目の、最後でありますが、安定的な財源といいますか、社会保障、福祉制度の拡充のための恒久的な財源確保というのは、やはり私たちも思っております。
皆さん御承知のとおり、介護報酬とか報酬改定で微増であったとしても、では、次はどうなんだとか、それから、今加算という問題でやっておりますが、加算がとれるとれない、そういう細かいことでありますが、このぐらいの厚さのあるものを、みんな目を皿のように見ながら加算をとるための要件というのをやっております。今、これから、そういう要件というのが厚生労働省から示されているところでございます。
そういう意味で、ここで待機児童解消のための保育政策、緊急整備、これはぜひ進めていかなきゃいけない。これは国策だと思います。女性が輝く、働ける社会、人口減少に歯どめをかける意味でも、保育園というのは一つのあり方だろうなと思います。
しかしながら、社会的な養護体制の再構築、これは教育の無償化の問題とリンクしますが、目に見えない貧困の問題が子供たちの中ではあります。相対的貧困、絶対的貧困とか言われますけれども、この目に見えない貧困。
それから、最近、保育園では、気になる子供たちが大勢存在しております。いわゆる加配を受けないと、多動でじっとしていられない。その子供たちが、養護、養育、養護というのは守っていく、養育というのは、その子を育てていきながら小学校に接続していく。こういうことをやっていかないと、教育無償化もいいと思います、これは、そのサービスを受ける利用者であるお母さん方の世帯的な費用負担を軽減しますので、当然推進すべきだと思います。その反対で、社会的養護、養育というのを、やはり、保育の質的なものを上げるためには、ぜひその視点も入れていただきたいなと思います。
そういうことで、教育の無償化とか社会的養護体制の強化、これは車の両輪だと僕は思います。どちらか一方がよくて、どちらか一方が悪くてということじゃないと思います。
それから、先ほど言いましたように、子供の貧困、高齢者の虐待の問題、それから高齢者においてのみとりの問題、そういうことも含めて、多職種協同で、地域のあらゆる職種、社会資源を持つあらゆる社会福祉法人、そしてまた地域の人たちがネットワークで、両輪としていくためには、どうしてもこのことが、安定的な財源とシステムとして、財源確保とシステムとして必要だと思います。
締めくくりの言葉になりますが、僕は、希望ある福祉文化を創造して、人と人がともに地域の中で楽しく、ともに助け合う社会を目指していかなきゃいけないな、こんなふうに思っております。
言葉足らず、舌足らずでありましたが、発言とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。拍手
河
高
高橋洋一#8
○高橋公述人 嘉悦大学の高橋洋一でございます。
本日は、このような機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
三十年度予算に関連しまして、三つほどお話をさせていただきます。
一つは、政府のマクロ経済政策というのは雇用を中心とすべきということです。二番目、財政事情を見るには、統合政府、これは政府と中央銀行を会計的に合わせた見方ですけれども、これで見るべきことだ。三番目は、規制改革についてもっとやるべしということを話してみたいと思います。
お手元の二ページ目の表です。
これは非常に簡単な表なんですけれども、これで、政府の政策というのはいろいろあるんですが、全ての人に職があるということを目指すべきだというふうに思います。職があれば社会安定します。さらに、職があると、失業率で見てもいいんですけれども、失業率が低いと、自殺率は劇的に下がります。それとあと、犯罪率も下がります。社会問題の幾つかというのは、失業率を低下させることによってかなりの程度解決できると思います。
さらに、若者にとっては、職があるということは極めて重要です。例えば、大学の就職率というのは、前年の失業率に極めてリンクします、関係します。一流大学ですと就職率はいつもいいんですけれども、実は私のところのような大学でありますと、雇用状況の影響をもろに受けます。正直申し上げまして、五、六年前は就職が非常に大変でありました。ただし、今はどうかというと、ほぼ全員が就職できるようになっております。
はっきり言いまして、教師の私が言うのも変なんですが、この五年間でうちの学生の学力の向上は全くありません。ただ、アベノミクスで、異次元緩和で金融緩和して、その結果、予想されたとおり失業率が下がったという、それだけです。学生というのは自分たちの実力でないということをよく知っております。ですから、そういう意味では、就職というのは学生の最大関心事なので、今の政権の支持率が高いというのは、これでかなり説明できると思います。
このように、金融政策を中心とするマクロ経済政策が雇用であるということは、実は世界の常識です。日本ではほとんどこれが議論されていませんで、不思議でしようがないです。これは実は、正直申し上げて、世界では左派政党が先に主張しておりますけれども、右派政党も全部ついております。日本では、これは不思議だった、政治学的におもしろいんですけれども、安倍政権で最初に始めたというのは極めて興味深い話であります。それでいい結果を出しております。
一部は、金融政策を否定します。金融緩和を否定しますね。これは世界から見れば、雇用の確保を無視しているという話なので、かなり理解不能な話であります。マクロ政策で雇用の確保に熱心でない政党というか一部の人が労働法制で非常に細かい話をするというのは、私から見ていると、非常におもしろい現象であるように見えます。
二ページ目の図をもうちょっと細かく説明します。
これは、横軸にインフレ率をとっております。縦軸に実は失業率です。普通の経済学の教科書というのは縦軸と横軸が逆なんですね。横軸で失業率で、縦軸にインフレ率をとりますけれども、実は内容は全く一緒です。
この図を見てわかると思うんですけれども、インフレ率がマイナスのとき、デフレですけれども、こういうときには失業率が極めて高いです。インフレ率がだんだん高くなるに従って失業率が下がるということになります。
ただ、失業率は、ある数字から下がらないです。これは、どういうふうに頑張っても下がらなくなる下限がありまして、これを経済学ではNAIRUと呼びます。英語をそのまま訳したんですけれども、それを訳すと、インフレを加速しない失業率ということですけれども、実は失業率の下限です。
ここがどこであるかというのは実は非常に重要なんですけれども、ほとんどのところでは余り議論されませんね、不思議ですけれども。世界の常識ですと、これはすぐ答えられなきゃいけないレベルの話ですが、私はこれを計算しておりまして、大体二%半ばです。
二%半ばというのは、経済学というのは精密科学ではないので、コンマの話をするのはすごく大変なんですね。でも、あえてこの図の中では二・五と書きました。大体二・五でもいいし、二・四か三かもしれないし、二・六か七かもしれない、そのレベルの話であるんですけれども、イメージを保つために二・五とはっきり書きました。
ここを達成するインフレ率というのはたくさんあるんですね。インフレ率を高くすれば幾らでもそこは達成できるんですけれども、実は余りインフレ率を高くしてもしようがないので、それを達成する最小のインフレ率というのでインフレ目標は決まっているというのが世界の常識です。このフレームワークというのはどこでも一緒ですから、どこの国でもあります。ただ、日本ではこれが余り強調されないし、議論もされないので、ちょっと述べました。
実は、先般、ダボス会議があって、ちょっとおもしろい話がありました。ダボス会議はインターネットで随分見られるんですけれども、それで見ていましたら、日銀黒田総裁が出ていたセッションですね。ダボス会議の参加者というのは非常にレベルの高い人が多いので、何でインフレ目標は二%ですか、そういう質問がフロアから出ました。フロアから出たんですけれども、そのときの黒田さんの答えは、インフレ目標には、統計に上方バイアスというかバイアスがあるから、ちょっとアローアンスをとるために二%ですというふうに答えたんですね。あと、為替の話もしましたけれども。
これは、国会答弁でしたら多分これで通用すると思いますけれども、はっきり言えば全く通用しません。どういう答えをするかというと、実は、インフレ目標というのは最低の失業率を達成するための最小のインフレ率ですと答えて、日本では、最低の失業率は二・五で、それに対応するのは二%ですと答えるのが正解です。こういうふうに答えないとはっきり言っておかしいので、ダボス会議のその場はかなり変な雰囲気でありました。こういう話は、ぜひ国会できちんとお聞きになったらいいと思いますよ。
この二ページの図というのは先進国共通で、多分、アメリカでも同じことが言えるんですけれども、実はNAIRUの水準が四%です。ですから、四%が下限になって、それを達成する最小のインフレ率が二%ということで、インフレ目標が二%になっております。
次のページ、三ページですけれども、ここで今の金融政策をちょっと書いておりまして、御承知のとおり、二〇一六年から金利管理という形になっているんですけれども、正直申し上げて、金利管理になった途端に十年の金利が上がっています。これは金融引締めですね。ですから、そういう意味では、さっきのNAIRUを達成するという意味からはちょっと違った政策になっておりますので、これを今後私は注視してみたいと思います。
あと、四ページ、五ページ目、何かいろいろグラフが書いてありますけれども、実は、最低の失業率二・五を達成するために何をすべきかということがこれでわかります。
実は、ここに書いてあるのは需給ギャップ、GDPギャップというものでして、これは、計算のやり方はたくさんあるんですが、はっきり言って何でもいいんですけれども、内閣府の数字を持ってきてあります。内閣府の数字を持ってきてそれで分析しますと、実は内閣府の数字、今たしか〇・七ぐらいなんですけれども、これがプラス二になって、ちょうどインフレ率二%、失業率二・五ぐらいになるというふうな計算であります。ですから、その意味ではまだちょっと足りないというレベルですね。
こういうふうに達成するにはどういうふうにやるかというと、実はこれは財政政策と金融政策、両方あります。
この需給ギャップの話をしますと、有効需要という概念なんですけれども、財政政策だけと思い込む人が随分いますけれども、全くそれはそうではありません。財政政策は、実は公的部門の有効需要はつくります。それはその意味では全く正しいし、見やすいですね。金融政策でも同じでして、実質金利を下げることによりまして民間部門の有効需要をつくります。ですから、それが両方相まって実は達成できるという話であります。
この話は余り強調されないし、これは予算委員会ですけれども、やはりこのマクロの話のときには金融政策も関係するので、こういう話をしました。
インフレ率二%、失業率二・五の近くになるとどうなるか、この黒丸の近くになるとどうなるかというと、賃金は猛烈に上がり出します。逆に言うと、そこに近くならないと賃金は上がらないです。ですから、賃金が上がらない上がらないといろいろな議論をしているんですけれども、要するに、NAIRUといって、下限の失業率に達するか達しないかだけの話なんですね。そこに達すればおのずと上がります。なぜならば、そこに達して賃金を上げなかったら、人手不足で会社が潰れてしまうという状況になるからです。
こういうふうに、経済学というのはあるメカニズムで全部動きますから、そういう意味では、どこを押すとどういう動きになるかという予測はかなりできますね。それを無視して、ただ単に、賃金が上がっていないとかそんな話をするんですけれども、これはただ単に、有効需要が足らなくて、内閣府の計算によるGDPギャップ、これが二%に達していない、それだけであります。
そこに達したらどうなるか、インフレ率二%、失業率二・五に達したらどうなるかというと、大体これも予想できるんですけれども、半年とか一年以内の間に賃金は上がり出します。どのくらい上がるかというのも大体予想はできますけれども、多分三%ぐらい上がります。
そういうふうに全部関係するんですけれども、どこをマクロ経済政策で押すか、その意味で、財政というのはその中で重要な部分であるということを強調しておきたいと思います。
こういうふうに、経済がよくなりますと、実は財政のパフォーマンスもよくなります。それを実は六ページに書いてあります。
これもいろいろとグラフがあるわけですけれども、これは何を意味しているかというと、プライマリー収支といろいろ言いますよね、これをよくするためにどうしたらいいかといろいろ議論があるんですけれども、でも、ざっくり言うと、前の年の名目成長率が上がったらよくなります。それは九割ぐらいの確率でそうです。ですから、それほど難しくないんですね。名目成長率を上げるだけです。名目成長率を上げるためには、インフレ目標を達成すれば上がりますから、それぐらいの話です。ですから、そんなに難しい話をすることもなくて、名目成長率を一年前に上げるとよくなります。大体、名目成長率が四%強になりますと、プライマリーバランスは何もしなくても実はよくなるというレベルの話です。
ただ、これでも財政が悪い悪いと言いますね。ですから、それについてちょっと私はいつも疑問に思っていまして、私、役人の時代から、借金だけの話をするというのはおかしいということを言っていまして、それで、経済学では、バランスシートで見る、それも中央銀行を含めて見るという考え方が普通なので、それを話をしてみたいと思います。これが実は七ページ目の話です。
これは、実は財務省のホームページにあるデータと日銀のホームページにあるデータを合わせているだけなんですけれども、一番新しいデータは三月の末に出てくるので、ちょっと政府の方が出てきていませんから、それは前のを使っています。ただ、去年使って、ほとんど一緒ですから、これはこういう形の数字になります。
どういうふうになっているかというと、政府の発表しているものですと、国債が千三百五十兆あって、資産が九百兆、そういう数字を出しています。これに実は日本銀行を足し算するんですけれども、資産の方に国債四百五十、日銀の場合は負債が日銀券ですから四百五十を足し算して、連結のバランスシートはできます。
これを見てどうか。実は、ここの負債の方はちょっとはみ出ているんですけれども、この銀行券は、正確に言うと銀行券プラス当座預金なんですけれども、これは基本は無利子、無償還です。ですから、形式債務なんですけれども、経済的な意味での債務にはほとんどなりません。そうなるとこれは省いちゃっていい。となるとどうなるかというと、このバランスシートを見て財政危機だと言う人は、まず普通の専門家ではなかなかいないでしょう。
もっとも、資産ではすぐ売れない、話がつくというのは、これは財務省が定番で言います。ただし、資産の大半、ほとんど八割程度は金融資産ですね。
金融資産というのはどういうものかというと、はっきり言って天下り先への資金提供ですよ。出資金、貸付金です。それが売れないというのはどうなのか。要するに、天下り先を手放したくない、これだけの話であります。ですから、こういうのは予算委員会の場できちんと議論するべきだと思うんですけれども、本当にどうなのかというのはチェックすべきだと思います。
本当に政府が大変であったら、これは売りますよ。それはいろいろな例を見て、ギリシャとか、そういうときにはちゅうちょなく売ります。ですから、その意味で、日本は売らないということで、それは財政が大丈夫だからでしょうとしか言いようがないですね。逆に言うと、この資産を売らないで借金だけを返そうとしたらどうなるかというと、物すごい増税になって天下り先が残る、そういう形になります。それは非常に社会的にアンフェアだと私は思っております。
この話をもうちょっと続けますと、財政再建がかなりできているという話になるんですね。
もともと、金融緩和したら財政再建ができるという話は、私のプリンストンの先生であるバーナンキが話していたことです。バーナンキは私に、金融緩和をすればデフレから脱却できるだろう、もしできなくても財政再建はできるよとはっきり言いました。それは、こういう統合政府のバランスシートで考えているからです。
これをもうちょっと具体的に話をしてみたいと思います。
今その状況に近いんですけれども、このバランスシートを見ると、資産と負債は大体一致していますね。これはどういう意味かというと、右側の負債の方のところの利払い費というのは計算できるんですよね。ここの負債の方に大体の平均金利を掛けてあげると、利払い費が大体出てきます。これは今度の予算案の中にも出てきていますね。ですから、計算も、一%ちょっと掛けると利払い費が出てきます。
ですから、ただ、統合政府で考えたらどうかというと、資産の方も、実は、先ほど私は金融資産が多いと言いましたけれども、金利収入なりその他収入が多いんですね。ただ、それは、予算書を見ると余り出てこないです。これは不思議な話です。
日本銀行の持っているものというので話をしますと簡単なんですが、四百五十兆持っていまして、実は国債は一千兆ちょっとぐらいあって、そのうちの四百五十兆ぐらいは日本銀行が持っていますから、この予算で計上している利払い費は日銀の収入に入ります。
先ほど申し上げたように、負債の方の日銀券では、調達コストがほぼゼロですから、その分だけ実は納付金になるべきなんですね。だから、これは数兆円あるはずなんですけれども、そうなっていないですね。これはなぜかというと、日本銀行の方においてストック化というふうな会計処理をしているからです。
私は、実は、こういうストック化の話について、見ればすぐわかるので、以前、特別会計とかいろいろなところで埋蔵金という話をしましたけれども、これを見れば、これだけになっているというのはすぐわかります。
それを果たしてやるのがいいのか。やっても、会計的なことを考えるとこれは収入にカウントした方がいいので、そういう意味では、実は、負債に出てくる利払い費と資産に出てくるような収入というのは結構見合っているということであります。ですから、その意味では財政再建がかなりできているというふうに申し上げておきたいと思います。
こういう話は、私が去年もしたんですけれども、その後、去年の四月、スティグリッツさんというノーベル経済学賞の人が来て、それで経済財政諮問会議でも話をしています。ほぼ一緒です。こんなのはほとんど数学、会計的な話ですから、誰に聞いてもほとんど同じ話が出てくると思います。
次のページの八ページ、九ページ。
では、こういうふうな、ネットで見て財政状況はどうなのかというので、比較的比較しやすいアメリカで実は計算しました。アメリカの方で計算して、ネットのGDP比、それとあと、中央銀行を含めたネットのGDP比というのを出しておりますけれども、どうもアメリカの方がかなりいいですね。というか、アメリカより日本の方が財政状況はいいですね。ですから、その意味では、それほど大きな心配というのはする必要はない。もちろん、今後、将来の話について何もしないでいいというわけじゃないですけれども、少なくとも現状をきちんと理解した上でいろいろな話をすべきだと思います。
財政再建は、経済成長の腰を折るようなレベルでやったらほとんど意味がないということを言っておきます。ただ、日本の場合、緊縮度はどのくらいかという話も出ます。それで、ちょっと次の十ページ目の話をします。
これは、デフレギャップ、GDPギャップがあって、それに対してどの程度財政支出をしているかという数字を見ているんです。これを見てみますと、先進国のほかの国は結構ひどい緊縮をしていますけれども、日本は、ちょっとひどいんですけれども、そこまでひどくないという状況になります。ただし、消費増税以降はちょっとひどいという感じになっておりますね。
最後に、規制改革の話を、ちょっと時間をとって話をしてみたいと思います。これはちょっと資料を用意できなかったんですけれども。
まず、昨年、加計問題を随分国会で取り上げましたね。本当に、はっきり言って、私はもう最初から答えがわかっていたので、時間の無駄だったような気がします。
そもそもあの問題は何かというと、大学の設置認可申請すらさせないという文科省告示の問題です。告示というのは何かというと、これは釈迦に説法ですけれども、実は国会のコントロールの範囲外ですね。ここの中でこういうことが行われているということなんです。だから、幾ら国会で、認可制度をつくりますね、認可制度をつくっているんですけれども、文科省の方が告示で認可申請させないといったら、この認可制度は意味ないですよ。ここにもっと怒るべきだと思います。
要するに、私から思うと、認可制度があるのに認可申請させないという告示自体が全くおかしくて理解不能です。私も実は役人のときにそういうのを突っ込んだことがありますけれども、ほとんど法律違反の話ですね。
要するに、認可制度があるんですから、どういう建前かというと、認可申請はさせる、その後認可を審査する、それで終わりです。でも、この特区が何をやったかというと、認可申請させるという告示の特例を出しただけですね。こんなのは規制緩和にも何にもならないレベルです。あえて言えば、運転免許は別に受けてください、ただし自動車学校へ入学させます、このレベルですね。このレベルの話をずっとずっとやっているというのは、もう不思議でしようがないですね。
最近も、この文科省告示、活躍していますよ。東京都の方でつくっちゃいけないというのをこれでやっていますよね。立法府としてどうなんでしょうかというふうに私が個人的に思うぐらい、立法府が描いている法制度に実はなっていないです。ですから、それが問題なのに、どうして違う話をずっとしていたのかなというふうに思ったぐらいです。
この弊害は随分ありまして、実は、こういう形で国会でたくさん取り上げられますね、そうすると、特区諮問会議の開催件数が激減しております。もうやりたくないと言っている。特区ワーキンググループもそうです。もう開店休業みたいな感じですね。これは結構弊害が大きいと思いますよ。要するに、筋違いなことをしちゃったもので、萎縮しちゃったんですね。
そういうふうな規制改革にはほかにもちょっと例がありまして、例えば、規制のサンドボックスという制度があります。そこは何をやっているかというと、実はプロジェクト型と地域型というのを二つ認めるという形になっているんですけれども、実は、前者のプロジェクト型、これは総理主導を排除しております。どういうふうにやっているかというと、これは主務大臣が計画をつくるということです。ですから、これは多分進まないです。規制の特例も全くないという状況ですね。そういうのをもうちょっと議会の方で議論すべきだと私は思うんですけれども、なぜかこれは全く議論されないですね。
もうちょっと具体的に規制緩和の話をしますと、日本は規制緩和がおくれていて、大体、オリンピックをするときには規制緩和が進むというのが世界の共通なんですけれども、なかなかそうなっていませんで、正直言うと、結構恥ずかしい状況になるかもしれないですね。
オリンピックというのは、もともと何が意味があるかというと、インフラをつくってやるというのは結構昔の話なんでして、海外の人がたくさん来て、海外の目を意識しなきゃいけないので、結構、ルールというのが国際標準化するんですね。国際標準化するということは結構いい話なので、その後の成長がうまくいくというのは今までの研究なんですけれども、何か日本はちょっとそうなっていないです。
例えば、シェアリングエコノミーというのは非常にこれから重要なんですが、ウーバーとかエアビーアンドビー、こういうのがまともに日本で活動できないというのはかなり不思議な状況だと思います。それとあと、民泊、直しましたけれども、かなり規制強化になっていて、なかなかうまく回らないですね。こういうことこそ議論すべきで、こういうのがきちんとしていないと、多分、成長の話とかそういうのは、今後の話をするのは難しくなると思います。
以上三点、申し上げさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
三十年度予算に関連しまして、三つほどお話をさせていただきます。
一つは、政府のマクロ経済政策というのは雇用を中心とすべきということです。二番目、財政事情を見るには、統合政府、これは政府と中央銀行を会計的に合わせた見方ですけれども、これで見るべきことだ。三番目は、規制改革についてもっとやるべしということを話してみたいと思います。
お手元の二ページ目の表です。
これは非常に簡単な表なんですけれども、これで、政府の政策というのはいろいろあるんですが、全ての人に職があるということを目指すべきだというふうに思います。職があれば社会安定します。さらに、職があると、失業率で見てもいいんですけれども、失業率が低いと、自殺率は劇的に下がります。それとあと、犯罪率も下がります。社会問題の幾つかというのは、失業率を低下させることによってかなりの程度解決できると思います。
さらに、若者にとっては、職があるということは極めて重要です。例えば、大学の就職率というのは、前年の失業率に極めてリンクします、関係します。一流大学ですと就職率はいつもいいんですけれども、実は私のところのような大学でありますと、雇用状況の影響をもろに受けます。正直申し上げまして、五、六年前は就職が非常に大変でありました。ただし、今はどうかというと、ほぼ全員が就職できるようになっております。
はっきり言いまして、教師の私が言うのも変なんですが、この五年間でうちの学生の学力の向上は全くありません。ただ、アベノミクスで、異次元緩和で金融緩和して、その結果、予想されたとおり失業率が下がったという、それだけです。学生というのは自分たちの実力でないということをよく知っております。ですから、そういう意味では、就職というのは学生の最大関心事なので、今の政権の支持率が高いというのは、これでかなり説明できると思います。
このように、金融政策を中心とするマクロ経済政策が雇用であるということは、実は世界の常識です。日本ではほとんどこれが議論されていませんで、不思議でしようがないです。これは実は、正直申し上げて、世界では左派政党が先に主張しておりますけれども、右派政党も全部ついております。日本では、これは不思議だった、政治学的におもしろいんですけれども、安倍政権で最初に始めたというのは極めて興味深い話であります。それでいい結果を出しております。
一部は、金融政策を否定します。金融緩和を否定しますね。これは世界から見れば、雇用の確保を無視しているという話なので、かなり理解不能な話であります。マクロ政策で雇用の確保に熱心でない政党というか一部の人が労働法制で非常に細かい話をするというのは、私から見ていると、非常におもしろい現象であるように見えます。
二ページ目の図をもうちょっと細かく説明します。
これは、横軸にインフレ率をとっております。縦軸に実は失業率です。普通の経済学の教科書というのは縦軸と横軸が逆なんですね。横軸で失業率で、縦軸にインフレ率をとりますけれども、実は内容は全く一緒です。
この図を見てわかると思うんですけれども、インフレ率がマイナスのとき、デフレですけれども、こういうときには失業率が極めて高いです。インフレ率がだんだん高くなるに従って失業率が下がるということになります。
ただ、失業率は、ある数字から下がらないです。これは、どういうふうに頑張っても下がらなくなる下限がありまして、これを経済学ではNAIRUと呼びます。英語をそのまま訳したんですけれども、それを訳すと、インフレを加速しない失業率ということですけれども、実は失業率の下限です。
ここがどこであるかというのは実は非常に重要なんですけれども、ほとんどのところでは余り議論されませんね、不思議ですけれども。世界の常識ですと、これはすぐ答えられなきゃいけないレベルの話ですが、私はこれを計算しておりまして、大体二%半ばです。
二%半ばというのは、経済学というのは精密科学ではないので、コンマの話をするのはすごく大変なんですね。でも、あえてこの図の中では二・五と書きました。大体二・五でもいいし、二・四か三かもしれないし、二・六か七かもしれない、そのレベルの話であるんですけれども、イメージを保つために二・五とはっきり書きました。
ここを達成するインフレ率というのはたくさんあるんですね。インフレ率を高くすれば幾らでもそこは達成できるんですけれども、実は余りインフレ率を高くしてもしようがないので、それを達成する最小のインフレ率というのでインフレ目標は決まっているというのが世界の常識です。このフレームワークというのはどこでも一緒ですから、どこの国でもあります。ただ、日本ではこれが余り強調されないし、議論もされないので、ちょっと述べました。
実は、先般、ダボス会議があって、ちょっとおもしろい話がありました。ダボス会議はインターネットで随分見られるんですけれども、それで見ていましたら、日銀黒田総裁が出ていたセッションですね。ダボス会議の参加者というのは非常にレベルの高い人が多いので、何でインフレ目標は二%ですか、そういう質問がフロアから出ました。フロアから出たんですけれども、そのときの黒田さんの答えは、インフレ目標には、統計に上方バイアスというかバイアスがあるから、ちょっとアローアンスをとるために二%ですというふうに答えたんですね。あと、為替の話もしましたけれども。
これは、国会答弁でしたら多分これで通用すると思いますけれども、はっきり言えば全く通用しません。どういう答えをするかというと、実は、インフレ目標というのは最低の失業率を達成するための最小のインフレ率ですと答えて、日本では、最低の失業率は二・五で、それに対応するのは二%ですと答えるのが正解です。こういうふうに答えないとはっきり言っておかしいので、ダボス会議のその場はかなり変な雰囲気でありました。こういう話は、ぜひ国会できちんとお聞きになったらいいと思いますよ。
この二ページの図というのは先進国共通で、多分、アメリカでも同じことが言えるんですけれども、実はNAIRUの水準が四%です。ですから、四%が下限になって、それを達成する最小のインフレ率が二%ということで、インフレ目標が二%になっております。
次のページ、三ページですけれども、ここで今の金融政策をちょっと書いておりまして、御承知のとおり、二〇一六年から金利管理という形になっているんですけれども、正直申し上げて、金利管理になった途端に十年の金利が上がっています。これは金融引締めですね。ですから、そういう意味では、さっきのNAIRUを達成するという意味からはちょっと違った政策になっておりますので、これを今後私は注視してみたいと思います。
あと、四ページ、五ページ目、何かいろいろグラフが書いてありますけれども、実は、最低の失業率二・五を達成するために何をすべきかということがこれでわかります。
実は、ここに書いてあるのは需給ギャップ、GDPギャップというものでして、これは、計算のやり方はたくさんあるんですが、はっきり言って何でもいいんですけれども、内閣府の数字を持ってきてあります。内閣府の数字を持ってきてそれで分析しますと、実は内閣府の数字、今たしか〇・七ぐらいなんですけれども、これがプラス二になって、ちょうどインフレ率二%、失業率二・五ぐらいになるというふうな計算であります。ですから、その意味ではまだちょっと足りないというレベルですね。
こういうふうに達成するにはどういうふうにやるかというと、実はこれは財政政策と金融政策、両方あります。
この需給ギャップの話をしますと、有効需要という概念なんですけれども、財政政策だけと思い込む人が随分いますけれども、全くそれはそうではありません。財政政策は、実は公的部門の有効需要はつくります。それはその意味では全く正しいし、見やすいですね。金融政策でも同じでして、実質金利を下げることによりまして民間部門の有効需要をつくります。ですから、それが両方相まって実は達成できるという話であります。
この話は余り強調されないし、これは予算委員会ですけれども、やはりこのマクロの話のときには金融政策も関係するので、こういう話をしました。
インフレ率二%、失業率二・五の近くになるとどうなるか、この黒丸の近くになるとどうなるかというと、賃金は猛烈に上がり出します。逆に言うと、そこに近くならないと賃金は上がらないです。ですから、賃金が上がらない上がらないといろいろな議論をしているんですけれども、要するに、NAIRUといって、下限の失業率に達するか達しないかだけの話なんですね。そこに達すればおのずと上がります。なぜならば、そこに達して賃金を上げなかったら、人手不足で会社が潰れてしまうという状況になるからです。
こういうふうに、経済学というのはあるメカニズムで全部動きますから、そういう意味では、どこを押すとどういう動きになるかという予測はかなりできますね。それを無視して、ただ単に、賃金が上がっていないとかそんな話をするんですけれども、これはただ単に、有効需要が足らなくて、内閣府の計算によるGDPギャップ、これが二%に達していない、それだけであります。
そこに達したらどうなるか、インフレ率二%、失業率二・五に達したらどうなるかというと、大体これも予想できるんですけれども、半年とか一年以内の間に賃金は上がり出します。どのくらい上がるかというのも大体予想はできますけれども、多分三%ぐらい上がります。
そういうふうに全部関係するんですけれども、どこをマクロ経済政策で押すか、その意味で、財政というのはその中で重要な部分であるということを強調しておきたいと思います。
こういうふうに、経済がよくなりますと、実は財政のパフォーマンスもよくなります。それを実は六ページに書いてあります。
これもいろいろとグラフがあるわけですけれども、これは何を意味しているかというと、プライマリー収支といろいろ言いますよね、これをよくするためにどうしたらいいかといろいろ議論があるんですけれども、でも、ざっくり言うと、前の年の名目成長率が上がったらよくなります。それは九割ぐらいの確率でそうです。ですから、それほど難しくないんですね。名目成長率を上げるだけです。名目成長率を上げるためには、インフレ目標を達成すれば上がりますから、それぐらいの話です。ですから、そんなに難しい話をすることもなくて、名目成長率を一年前に上げるとよくなります。大体、名目成長率が四%強になりますと、プライマリーバランスは何もしなくても実はよくなるというレベルの話です。
ただ、これでも財政が悪い悪いと言いますね。ですから、それについてちょっと私はいつも疑問に思っていまして、私、役人の時代から、借金だけの話をするというのはおかしいということを言っていまして、それで、経済学では、バランスシートで見る、それも中央銀行を含めて見るという考え方が普通なので、それを話をしてみたいと思います。これが実は七ページ目の話です。
これは、実は財務省のホームページにあるデータと日銀のホームページにあるデータを合わせているだけなんですけれども、一番新しいデータは三月の末に出てくるので、ちょっと政府の方が出てきていませんから、それは前のを使っています。ただ、去年使って、ほとんど一緒ですから、これはこういう形の数字になります。
どういうふうになっているかというと、政府の発表しているものですと、国債が千三百五十兆あって、資産が九百兆、そういう数字を出しています。これに実は日本銀行を足し算するんですけれども、資産の方に国債四百五十、日銀の場合は負債が日銀券ですから四百五十を足し算して、連結のバランスシートはできます。
これを見てどうか。実は、ここの負債の方はちょっとはみ出ているんですけれども、この銀行券は、正確に言うと銀行券プラス当座預金なんですけれども、これは基本は無利子、無償還です。ですから、形式債務なんですけれども、経済的な意味での債務にはほとんどなりません。そうなるとこれは省いちゃっていい。となるとどうなるかというと、このバランスシートを見て財政危機だと言う人は、まず普通の専門家ではなかなかいないでしょう。
もっとも、資産ではすぐ売れない、話がつくというのは、これは財務省が定番で言います。ただし、資産の大半、ほとんど八割程度は金融資産ですね。
金融資産というのはどういうものかというと、はっきり言って天下り先への資金提供ですよ。出資金、貸付金です。それが売れないというのはどうなのか。要するに、天下り先を手放したくない、これだけの話であります。ですから、こういうのは予算委員会の場できちんと議論するべきだと思うんですけれども、本当にどうなのかというのはチェックすべきだと思います。
本当に政府が大変であったら、これは売りますよ。それはいろいろな例を見て、ギリシャとか、そういうときにはちゅうちょなく売ります。ですから、その意味で、日本は売らないということで、それは財政が大丈夫だからでしょうとしか言いようがないですね。逆に言うと、この資産を売らないで借金だけを返そうとしたらどうなるかというと、物すごい増税になって天下り先が残る、そういう形になります。それは非常に社会的にアンフェアだと私は思っております。
この話をもうちょっと続けますと、財政再建がかなりできているという話になるんですね。
もともと、金融緩和したら財政再建ができるという話は、私のプリンストンの先生であるバーナンキが話していたことです。バーナンキは私に、金融緩和をすればデフレから脱却できるだろう、もしできなくても財政再建はできるよとはっきり言いました。それは、こういう統合政府のバランスシートで考えているからです。
これをもうちょっと具体的に話をしてみたいと思います。
今その状況に近いんですけれども、このバランスシートを見ると、資産と負債は大体一致していますね。これはどういう意味かというと、右側の負債の方のところの利払い費というのは計算できるんですよね。ここの負債の方に大体の平均金利を掛けてあげると、利払い費が大体出てきます。これは今度の予算案の中にも出てきていますね。ですから、計算も、一%ちょっと掛けると利払い費が出てきます。
ですから、ただ、統合政府で考えたらどうかというと、資産の方も、実は、先ほど私は金融資産が多いと言いましたけれども、金利収入なりその他収入が多いんですね。ただ、それは、予算書を見ると余り出てこないです。これは不思議な話です。
日本銀行の持っているものというので話をしますと簡単なんですが、四百五十兆持っていまして、実は国債は一千兆ちょっとぐらいあって、そのうちの四百五十兆ぐらいは日本銀行が持っていますから、この予算で計上している利払い費は日銀の収入に入ります。
先ほど申し上げたように、負債の方の日銀券では、調達コストがほぼゼロですから、その分だけ実は納付金になるべきなんですね。だから、これは数兆円あるはずなんですけれども、そうなっていないですね。これはなぜかというと、日本銀行の方においてストック化というふうな会計処理をしているからです。
私は、実は、こういうストック化の話について、見ればすぐわかるので、以前、特別会計とかいろいろなところで埋蔵金という話をしましたけれども、これを見れば、これだけになっているというのはすぐわかります。
それを果たしてやるのがいいのか。やっても、会計的なことを考えるとこれは収入にカウントした方がいいので、そういう意味では、実は、負債に出てくる利払い費と資産に出てくるような収入というのは結構見合っているということであります。ですから、その意味では財政再建がかなりできているというふうに申し上げておきたいと思います。
こういう話は、私が去年もしたんですけれども、その後、去年の四月、スティグリッツさんというノーベル経済学賞の人が来て、それで経済財政諮問会議でも話をしています。ほぼ一緒です。こんなのはほとんど数学、会計的な話ですから、誰に聞いてもほとんど同じ話が出てくると思います。
次のページの八ページ、九ページ。
では、こういうふうな、ネットで見て財政状況はどうなのかというので、比較的比較しやすいアメリカで実は計算しました。アメリカの方で計算して、ネットのGDP比、それとあと、中央銀行を含めたネットのGDP比というのを出しておりますけれども、どうもアメリカの方がかなりいいですね。というか、アメリカより日本の方が財政状況はいいですね。ですから、その意味では、それほど大きな心配というのはする必要はない。もちろん、今後、将来の話について何もしないでいいというわけじゃないですけれども、少なくとも現状をきちんと理解した上でいろいろな話をすべきだと思います。
財政再建は、経済成長の腰を折るようなレベルでやったらほとんど意味がないということを言っておきます。ただ、日本の場合、緊縮度はどのくらいかという話も出ます。それで、ちょっと次の十ページ目の話をします。
これは、デフレギャップ、GDPギャップがあって、それに対してどの程度財政支出をしているかという数字を見ているんです。これを見てみますと、先進国のほかの国は結構ひどい緊縮をしていますけれども、日本は、ちょっとひどいんですけれども、そこまでひどくないという状況になります。ただし、消費増税以降はちょっとひどいという感じになっておりますね。
最後に、規制改革の話を、ちょっと時間をとって話をしてみたいと思います。これはちょっと資料を用意できなかったんですけれども。
まず、昨年、加計問題を随分国会で取り上げましたね。本当に、はっきり言って、私はもう最初から答えがわかっていたので、時間の無駄だったような気がします。
そもそもあの問題は何かというと、大学の設置認可申請すらさせないという文科省告示の問題です。告示というのは何かというと、これは釈迦に説法ですけれども、実は国会のコントロールの範囲外ですね。ここの中でこういうことが行われているということなんです。だから、幾ら国会で、認可制度をつくりますね、認可制度をつくっているんですけれども、文科省の方が告示で認可申請させないといったら、この認可制度は意味ないですよ。ここにもっと怒るべきだと思います。
要するに、私から思うと、認可制度があるのに認可申請させないという告示自体が全くおかしくて理解不能です。私も実は役人のときにそういうのを突っ込んだことがありますけれども、ほとんど法律違反の話ですね。
要するに、認可制度があるんですから、どういう建前かというと、認可申請はさせる、その後認可を審査する、それで終わりです。でも、この特区が何をやったかというと、認可申請させるという告示の特例を出しただけですね。こんなのは規制緩和にも何にもならないレベルです。あえて言えば、運転免許は別に受けてください、ただし自動車学校へ入学させます、このレベルですね。このレベルの話をずっとずっとやっているというのは、もう不思議でしようがないですね。
最近も、この文科省告示、活躍していますよ。東京都の方でつくっちゃいけないというのをこれでやっていますよね。立法府としてどうなんでしょうかというふうに私が個人的に思うぐらい、立法府が描いている法制度に実はなっていないです。ですから、それが問題なのに、どうして違う話をずっとしていたのかなというふうに思ったぐらいです。
この弊害は随分ありまして、実は、こういう形で国会でたくさん取り上げられますね、そうすると、特区諮問会議の開催件数が激減しております。もうやりたくないと言っている。特区ワーキンググループもそうです。もう開店休業みたいな感じですね。これは結構弊害が大きいと思いますよ。要するに、筋違いなことをしちゃったもので、萎縮しちゃったんですね。
そういうふうな規制改革にはほかにもちょっと例がありまして、例えば、規制のサンドボックスという制度があります。そこは何をやっているかというと、実はプロジェクト型と地域型というのを二つ認めるという形になっているんですけれども、実は、前者のプロジェクト型、これは総理主導を排除しております。どういうふうにやっているかというと、これは主務大臣が計画をつくるということです。ですから、これは多分進まないです。規制の特例も全くないという状況ですね。そういうのをもうちょっと議会の方で議論すべきだと私は思うんですけれども、なぜかこれは全く議論されないですね。
もうちょっと具体的に規制緩和の話をしますと、日本は規制緩和がおくれていて、大体、オリンピックをするときには規制緩和が進むというのが世界の共通なんですけれども、なかなかそうなっていませんで、正直言うと、結構恥ずかしい状況になるかもしれないですね。
オリンピックというのは、もともと何が意味があるかというと、インフラをつくってやるというのは結構昔の話なんでして、海外の人がたくさん来て、海外の目を意識しなきゃいけないので、結構、ルールというのが国際標準化するんですね。国際標準化するということは結構いい話なので、その後の成長がうまくいくというのは今までの研究なんですけれども、何か日本はちょっとそうなっていないです。
例えば、シェアリングエコノミーというのは非常にこれから重要なんですが、ウーバーとかエアビーアンドビー、こういうのがまともに日本で活動できないというのはかなり不思議な状況だと思います。それとあと、民泊、直しましたけれども、かなり規制強化になっていて、なかなかうまく回らないですね。こういうことこそ議論すべきで、こういうのがきちんとしていないと、多分、成長の話とかそういうのは、今後の話をするのは難しくなると思います。
以上三点、申し上げさせていただきました。
どうもありがとうございました。拍手
河
河
宮
宮下一郎#11
○宮下委員 自由民主党の宮下一郎でございます。
公述人の先生方には、早朝よりお出かけいただきまして、大変示唆に富むお話をいただき、まことにありがとうございました。
国全体の現状の分析、そしてこれからのあるべき姿等々について、大変有意義な公述をいただいたというふうに思っております。
その中で、それぞれの先生方に少し御質問させていただきたいと思っております。
まず、佐藤先生には、今、日本が直面している人口減少と少子高齢化、これは歴史的大転換でありますし、昨年の総選挙でも国難とまで言われたことでありまして、これに対応して、これから中長期に、社会保障の構造、それをどう支えていくか。税制のあり方も、高齢者の比率がふえてくる中でこれを安定的に維持していくという方向転換が必要だと思いますし、そうした安定財源構造にしていかないと、桑原理事長がおっしゃったような社会保障の安定もないのかなというふうに思います。
そして、方向としてはそちらの方向を向きつつ、所得税改革とかさまざまな改革も今進められ、この税制改正でも、そうしたコンセプトも方向性として盛り込まれていると思うわけです。
格差是正というお話もありました。能力に着目した税制への移行、年齢ではなくて、格差とか担税力に応じたというような発想でいきますと、やはり、私自身の問題意識としては、今、個人金融資産でも高齢者の皆様がかなり持っていらっしゃって、高齢者の皆様も大きく二分化してしまっているような状況。また、所得課税についても、なかなか累進が細っていて、むしろ、金融所得が分離課税になっていることによって高額所得者の優遇になっているんじゃないかとか、いろいろな議論もこの予算委員会でもなされております。
先生がお考えになって、資産に着目した課税というのもあるでしょうし、大きな構造として、この人口減少と高齢化を見据えて、どういう方向に構造を変えていったらいいとお考えなのか、御示唆をいただければと思います。
この発言だけを見る →公述人の先生方には、早朝よりお出かけいただきまして、大変示唆に富むお話をいただき、まことにありがとうございました。
国全体の現状の分析、そしてこれからのあるべき姿等々について、大変有意義な公述をいただいたというふうに思っております。
その中で、それぞれの先生方に少し御質問させていただきたいと思っております。
まず、佐藤先生には、今、日本が直面している人口減少と少子高齢化、これは歴史的大転換でありますし、昨年の総選挙でも国難とまで言われたことでありまして、これに対応して、これから中長期に、社会保障の構造、それをどう支えていくか。税制のあり方も、高齢者の比率がふえてくる中でこれを安定的に維持していくという方向転換が必要だと思いますし、そうした安定財源構造にしていかないと、桑原理事長がおっしゃったような社会保障の安定もないのかなというふうに思います。
そして、方向としてはそちらの方向を向きつつ、所得税改革とかさまざまな改革も今進められ、この税制改正でも、そうしたコンセプトも方向性として盛り込まれていると思うわけです。
格差是正というお話もありました。能力に着目した税制への移行、年齢ではなくて、格差とか担税力に応じたというような発想でいきますと、やはり、私自身の問題意識としては、今、個人金融資産でも高齢者の皆様がかなり持っていらっしゃって、高齢者の皆様も大きく二分化してしまっているような状況。また、所得課税についても、なかなか累進が細っていて、むしろ、金融所得が分離課税になっていることによって高額所得者の優遇になっているんじゃないかとか、いろいろな議論もこの予算委員会でもなされております。
先生がお考えになって、資産に着目した課税というのもあるでしょうし、大きな構造として、この人口減少と高齢化を見据えて、どういう方向に構造を変えていったらいいとお考えなのか、御示唆をいただければと思います。
佐
佐藤主光#12
○佐藤公述人 御質問ありがとうございます。
まさに、日本の財政経済は、これまで、高度成長、成長を前提にした仕組みでした。若い人がこれからもふえていく、人口がふえていくことを前提にしていました。しかし、このトレンドが変わるわけですね。もちろん成長戦略はすごく大事ではありますが、一方では、人口は減少していく、百年で人口は多分半分になるだろうという推計があるぐらいですよね。
そのときに、御質問は二点あったと思うんですけれども、まず、金融資産について、特に高齢者の方々が多くの金融資産を持っているという、金融資産に着目した税制あるいは社会保障のあり方があっていいのではないかということだと思います。
選択肢は二つあると思います。
一つ目は、もちろん金融課税の強化であります。今、金融課税は国、地方合わせて二〇%の分離課税になっておりますけれども、これをもう一段落上げる、そういう選択肢はあるかなというふうに思っております。つまり、二〇%を例えば二五%にするといったことですかね。
税制の専門家としまして、累進課税にするべきかとか総合課税化するべきかというところについては若干異論があるのは、金融所得という所得の性格と、ほかの所得、例えば勤労所得という所得の性格がかなり違うからです。
もう一つは、実は、金融資産に着目して、例えば医療や介護の自己負担を変えるということなんですね。一部そういうことは実行され始めていますけれども、金融資産のある方、今、現役並みであると自己負担が三割とかといいますけれども、金融資産のある方にもそれ応分の自己負担を求めていくというのが、社会保障の枠の中で金融資産を取り込んでいくやり方かなと思います。
これからは、最初の、まさに高齢化社会の中においてどうやって、これからどんな安定財源を確保していくかということになりますと、やはり安定財源としましては消費税だと思うんですね。所得税や社会保険料というのは、どうしても勤労世帯、若い方々に負担が偏ります。むしろ消費は、皆さん消費されますので、世代間での公平な負担の分かち合いということであれば、やはりこれからは消費課税が軸になってくるのかなというふうに思います。
あと、ちょっと最後は蛇足になりますけれども、今、六十五歳以上で高齢者という言い方をしていますけれども、六十五歳は皆さんお元気なので、むしろ、元気なお年寄りが長く働ける、そういう仕組みに変えていくということは、これはもちろん、日本人は働くと健康的になるので、もちろん過労はだめですけれども、したがって、ある程度ちゃんと働けるということが、健康にも寄与しますし、もちろん税収上も助かりますし、経済の活性化にもつながるということになると思いますので、そのあたりの差配といいますか政策、就労促進の支援、政策があってもいいのかなとは思います。
この発言だけを見る →まさに、日本の財政経済は、これまで、高度成長、成長を前提にした仕組みでした。若い人がこれからもふえていく、人口がふえていくことを前提にしていました。しかし、このトレンドが変わるわけですね。もちろん成長戦略はすごく大事ではありますが、一方では、人口は減少していく、百年で人口は多分半分になるだろうという推計があるぐらいですよね。
そのときに、御質問は二点あったと思うんですけれども、まず、金融資産について、特に高齢者の方々が多くの金融資産を持っているという、金融資産に着目した税制あるいは社会保障のあり方があっていいのではないかということだと思います。
選択肢は二つあると思います。
一つ目は、もちろん金融課税の強化であります。今、金融課税は国、地方合わせて二〇%の分離課税になっておりますけれども、これをもう一段落上げる、そういう選択肢はあるかなというふうに思っております。つまり、二〇%を例えば二五%にするといったことですかね。
税制の専門家としまして、累進課税にするべきかとか総合課税化するべきかというところについては若干異論があるのは、金融所得という所得の性格と、ほかの所得、例えば勤労所得という所得の性格がかなり違うからです。
もう一つは、実は、金融資産に着目して、例えば医療や介護の自己負担を変えるということなんですね。一部そういうことは実行され始めていますけれども、金融資産のある方、今、現役並みであると自己負担が三割とかといいますけれども、金融資産のある方にもそれ応分の自己負担を求めていくというのが、社会保障の枠の中で金融資産を取り込んでいくやり方かなと思います。
これからは、最初の、まさに高齢化社会の中においてどうやって、これからどんな安定財源を確保していくかということになりますと、やはり安定財源としましては消費税だと思うんですね。所得税や社会保険料というのは、どうしても勤労世帯、若い方々に負担が偏ります。むしろ消費は、皆さん消費されますので、世代間での公平な負担の分かち合いということであれば、やはりこれからは消費課税が軸になってくるのかなというふうに思います。
あと、ちょっと最後は蛇足になりますけれども、今、六十五歳以上で高齢者という言い方をしていますけれども、六十五歳は皆さんお元気なので、むしろ、元気なお年寄りが長く働ける、そういう仕組みに変えていくということは、これはもちろん、日本人は働くと健康的になるので、もちろん過労はだめですけれども、したがって、ある程度ちゃんと働けるということが、健康にも寄与しますし、もちろん税収上も助かりますし、経済の活性化にもつながるということになると思いますので、そのあたりの差配といいますか政策、就労促進の支援、政策があってもいいのかなとは思います。
宮
宮下一郎#13
○宮下委員 大変有意義な御示唆をいただきました。ありがとうございます。
それでは、伊藤局長にお話を伺いたいと思います。
今も申し上げましたように、人口が減少する、そして人手不足が全国の中小企業も含めてあるという中で、さまざまなICTとかAIの活用もしつつ効率化を進めて、しかし、人が担わなきゃいけない仕事はこれからも残り続けるわけですし、そうした構造にどう対応していくかというのが大変重要な局面を迎えているのではないかなと思います。
なかなか、非正規雇用とはいいつつも、労働力の流動化といいますか、同一賃金同一労働的なものがもう少し進めばそうなってくるのかもしれないですけれども、まだ、低賃金であってもそこに働き続けざるを得ないというか、そういう志向が強いとかいう話もあります。
今後、でも、産業構造が変わった新しい職場で働かなきゃいけないというときに、いわゆるリカレント教育、能力アップをして新しい分野で活躍してもらおうというようなコンセプトでありますとか、また、高齢者の皆さんも、今先生がお話しのように、七十を超えても元気な方はめちゃくちゃ元気なものですから、そういった皆様にも、仕事をどういうふうにシェアしていただいて、どこを受け持っていただいて、みんなで世の中を支えていくか。
まさに、労働市場のあり方とか学び直しとか、そういったことが非常に重要になってくるのではないかなと思うんですけれども、これから国としてこういう政策をもっと進めるべきだというような御示唆がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、伊藤局長にお話を伺いたいと思います。
今も申し上げましたように、人口が減少する、そして人手不足が全国の中小企業も含めてあるという中で、さまざまなICTとかAIの活用もしつつ効率化を進めて、しかし、人が担わなきゃいけない仕事はこれからも残り続けるわけですし、そうした構造にどう対応していくかというのが大変重要な局面を迎えているのではないかなと思います。
なかなか、非正規雇用とはいいつつも、労働力の流動化といいますか、同一賃金同一労働的なものがもう少し進めばそうなってくるのかもしれないですけれども、まだ、低賃金であってもそこに働き続けざるを得ないというか、そういう志向が強いとかいう話もあります。
今後、でも、産業構造が変わった新しい職場で働かなきゃいけないというときに、いわゆるリカレント教育、能力アップをして新しい分野で活躍してもらおうというようなコンセプトでありますとか、また、高齢者の皆さんも、今先生がお話しのように、七十を超えても元気な方はめちゃくちゃ元気なものですから、そういった皆様にも、仕事をどういうふうにシェアしていただいて、どこを受け持っていただいて、みんなで世の中を支えていくか。
まさに、労働市場のあり方とか学び直しとか、そういったことが非常に重要になってくるのではないかなと思うんですけれども、これから国としてこういう政策をもっと進めるべきだというような御示唆がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
伊
伊藤圭一#14
○伊藤公述人 御質問ありがとうございます。
技術革新が進む中で、雇用の流動化が必要である、これは世界的なトレンドとしても言われておりまして、諸外国、いろいろ検討しているようであります。今の政府の中でも、政策の中でも、リカレント教育等、いろいろ出されていることは承知しております。
ただ、私ども、この間、ドイツの労働政策、技術革新、AI化に伴ってどうするかというものを学びましたところ、やはり技術革新、これを、良質な雇用の実現、これにどう結びつけるかという発想ですね。確かに、中にはなくなるような仕事というものはあるでしょう。ですが、それに当たって職業教育訓練が必要である、それについて国として積極的にかかわっていく、公的な資金投入もして、労働者の教育訓練をきちんとやるというところが相当強調されているわけです。
ですが、残念ながら、今の政府の政策を見ておりまして、どちらかといいますと、民間の人材ビジネスをいろいろ活用するですとか、そうした案が強いと思います。
加えて、この間、失業保障にかかわって、給付水準の切下げですとか、失業保険にかかわっての国庫からの補填ですとか、そういったものがどんどん弱められていて、端的に言うと、労働移動する際に、安心して失業して、生活保障を得ながら職業訓練するだとか、あるいはドイツでは、在職しながら次の転職先を探すためのいろいろな生活保障と公的な職業訓練、いろいろなものを組み合わせて検討されておりますが、日本は本当にそうではなくて、自己責任で移動しろと。そして、労働移動支援助成金等も出て、人を流動化させることについての助成制度等が強められている中で、当然、労働者としては、不安感から、よりしがみつくという傾向になるのはどうしようもないことだというふうに考えております。
やはり、安心して新しい仕事にチャレンジできるという環境を整えることが国の責任として重要である。
また、技術革新を殊さらに言い立てて、もう雇用がなくなるんだということで、リストラやむなしという空気が出る、これについて私たちは懸念も持っております。今の日本でも、雇用というのは簡単に失われる、泣き寝入りしている労働者も多々おります。日本が極めて雇用においてリジッドであるというのは、私は当たらないと思っております。日々の労働相談からもそうしたことを感じておりますので、雇用確保、雇用の維持、安易に解雇させないという政策を堅持した上で、チャレンジできるような、そういう公的な職業訓練ですとか生活保障の制度が必要だというふうに考えております。
高齢者につきましては、実は、在職中の仕事の負荷で相当な個人差が、身体的な差が出ます。そこについて、一律に長きにわたって働くということを推し進めないことが重要かと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →技術革新が進む中で、雇用の流動化が必要である、これは世界的なトレンドとしても言われておりまして、諸外国、いろいろ検討しているようであります。今の政府の中でも、政策の中でも、リカレント教育等、いろいろ出されていることは承知しております。
ただ、私ども、この間、ドイツの労働政策、技術革新、AI化に伴ってどうするかというものを学びましたところ、やはり技術革新、これを、良質な雇用の実現、これにどう結びつけるかという発想ですね。確かに、中にはなくなるような仕事というものはあるでしょう。ですが、それに当たって職業教育訓練が必要である、それについて国として積極的にかかわっていく、公的な資金投入もして、労働者の教育訓練をきちんとやるというところが相当強調されているわけです。
ですが、残念ながら、今の政府の政策を見ておりまして、どちらかといいますと、民間の人材ビジネスをいろいろ活用するですとか、そうした案が強いと思います。
加えて、この間、失業保障にかかわって、給付水準の切下げですとか、失業保険にかかわっての国庫からの補填ですとか、そういったものがどんどん弱められていて、端的に言うと、労働移動する際に、安心して失業して、生活保障を得ながら職業訓練するだとか、あるいはドイツでは、在職しながら次の転職先を探すためのいろいろな生活保障と公的な職業訓練、いろいろなものを組み合わせて検討されておりますが、日本は本当にそうではなくて、自己責任で移動しろと。そして、労働移動支援助成金等も出て、人を流動化させることについての助成制度等が強められている中で、当然、労働者としては、不安感から、よりしがみつくという傾向になるのはどうしようもないことだというふうに考えております。
やはり、安心して新しい仕事にチャレンジできるという環境を整えることが国の責任として重要である。
また、技術革新を殊さらに言い立てて、もう雇用がなくなるんだということで、リストラやむなしという空気が出る、これについて私たちは懸念も持っております。今の日本でも、雇用というのは簡単に失われる、泣き寝入りしている労働者も多々おります。日本が極めて雇用においてリジッドであるというのは、私は当たらないと思っております。日々の労働相談からもそうしたことを感じておりますので、雇用確保、雇用の維持、安易に解雇させないという政策を堅持した上で、チャレンジできるような、そういう公的な職業訓練ですとか生活保障の制度が必要だというふうに考えております。
高齢者につきましては、実は、在職中の仕事の負荷で相当な個人差が、身体的な差が出ます。そこについて、一律に長きにわたって働くということを推し進めないことが重要かと思っております。
以上です。
宮
宮下一郎#15
○宮下委員 ありがとうございます。
桑原理事長には、子育てとか介護とか障害者福祉、これを横断的にケアできるようなシステム、そして、それを支える横断的な処遇の改善のあり方という、非常に建設的な御意見もいただきました。制度の縦割りを排して、そして少ない人数で充実したケアをする、ダブルワークという話もありましたけれども、介護、保育とか福祉の人材も法人の中で自由に行き来できるような、それを支えるような制度設計が必要なのかなということを感じました。
そのことを感謝申し上げて、一方で、人材不足が一番顕著に出てくる分野かなとも思います。
一つ、私は、介護ロボット、介護ロボットスーツとか、それから、利用者の皆さんが、センサーがある居室で、その状況がすぐ把握できて、異常があればすぐ飛んでいけるようなことにするとか、少しでも介護する方の負担を減らして、利用者の方にも利便性を高めるような、そういう投資を全国で進めていくべきじゃないかなと思っているんですけれども、現場を預かる立場から、こういうことを進めるべきだというような御示唆があればお聞かせください。
この発言だけを見る →桑原理事長には、子育てとか介護とか障害者福祉、これを横断的にケアできるようなシステム、そして、それを支える横断的な処遇の改善のあり方という、非常に建設的な御意見もいただきました。制度の縦割りを排して、そして少ない人数で充実したケアをする、ダブルワークという話もありましたけれども、介護、保育とか福祉の人材も法人の中で自由に行き来できるような、それを支えるような制度設計が必要なのかなということを感じました。
そのことを感謝申し上げて、一方で、人材不足が一番顕著に出てくる分野かなとも思います。
一つ、私は、介護ロボット、介護ロボットスーツとか、それから、利用者の皆さんが、センサーがある居室で、その状況がすぐ把握できて、異常があればすぐ飛んでいけるようなことにするとか、少しでも介護する方の負担を減らして、利用者の方にも利便性を高めるような、そういう投資を全国で進めていくべきじゃないかなと思っているんですけれども、現場を預かる立場から、こういうことを進めるべきだというような御示唆があればお聞かせください。
桑
桑原哲也#16
○桑原公述人 御質問ありがとうございます。
介護の現場では、AIといいますか、人工ロボットといいますか、コミュニケーションロボット、それから装着型の援助型ロボット、これが使われております。国の補助、県の補助をいただきながらやっております。やはりまだまだ発展途上かなというのが正直なところであります。
まず、装着ロボットについては、腰に対する負荷がかからないように、いろいろなのが今、ところが、装着するのが大変、現場では。あれをつけてまでやっている夜勤、では一人削れるのというと、削れません。そういう現場の労働力を全くそぐようなロボットではない。あくまでも装着型ですから、ただし、装着するのに時間がかかっているというのが今の現状です。
それから、天井走行リフトとか、それから、コミュニケーションロボットでいいますと、デイサービス等ではここは結構すぐれていると思います。最近は、その人の顔認証までしてくれて、何々おばあちゃん、元気できょうも来てくれてありがとう、ここまで言うロボットもある。ただし、高額なんです。金額が高過ぎて手が届かない。そういうコミュニケーションロボットの普及については、結構いい内容が、ちょっと進んでいるかな。完全な労働力に対する、もうちょっと技術革新が必要かなという実感でございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →介護の現場では、AIといいますか、人工ロボットといいますか、コミュニケーションロボット、それから装着型の援助型ロボット、これが使われております。国の補助、県の補助をいただきながらやっております。やはりまだまだ発展途上かなというのが正直なところであります。
まず、装着ロボットについては、腰に対する負荷がかからないように、いろいろなのが今、ところが、装着するのが大変、現場では。あれをつけてまでやっている夜勤、では一人削れるのというと、削れません。そういう現場の労働力を全くそぐようなロボットではない。あくまでも装着型ですから、ただし、装着するのに時間がかかっているというのが今の現状です。
それから、天井走行リフトとか、それから、コミュニケーションロボットでいいますと、デイサービス等ではここは結構すぐれていると思います。最近は、その人の顔認証までしてくれて、何々おばあちゃん、元気できょうも来てくれてありがとう、ここまで言うロボットもある。ただし、高額なんです。金額が高過ぎて手が届かない。そういうコミュニケーションロボットの普及については、結構いい内容が、ちょっと進んでいるかな。完全な労働力に対する、もうちょっと技術革新が必要かなという実感でございます。
以上でございます。
宮
宮下一郎#17
○宮下委員 高橋先生にもすばらしいお話を聞かせていただいて、質問したかったんですが、ちょっと時間が来てしまいました。でも、もう少し頑張れば、デフレ脱却、もう間近だという力強いお言葉をいただいて、感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →ありがとうございました。
河
竹
竹内譲#19
○竹内委員 公明党の竹内譲でございます。
きょうは、各公述人の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、急な要請にもかかわらず御対応いただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
私の方からは、まず、桑原理事長さんにお伺いしたいと思っておるんですが、やはり社会保障、特に今、保育、介護、福祉ということがやはり日本の大きな課題の一つであろうということは間違いないと思うんですね。そういう意味で、きょう、非常に貴重な御意見をいただきまして、大変ありがたく思っておるところでございます。
最初のところから申し上げますと、処遇改善の話でございまして、これまで各政権において一定の処遇改善をしてきたわけでございますし、今後も、ある程度的を絞って、中核的な方には八万円ぐらい上げるというようなアイデアも持っておるわけでございますけれども、これらの処遇改善は人材確保に一定の効果があったのかどうか。
そして、今後、先生からは、裁量をもう少し認めてほしいというようなことで今お話があったところでございます。非常にその御主張もよくわかります。法人内での格差であるとか職種間での格差ということをおっしゃっておられるんですが、我々としては、裁量を認めるのであれば、その方がより人材確保にとってプラスになるということがはっきりすれば、ある程度やはり裁量を認めていった方がいいんじゃないかなと思いますし、先ほどもお話がありましたように、市町村格差もいろいろあって、家賃補助があるところだとかいろいろ、補助がいっぱい出ていて、実は、政府が上から考えているほど格差がなかったりとかということもあるのかもしれない。
ですから、そこはある程度お任せしてやった方がやはり結果的には人材確保になる、他産業比もそれなりに格差が埋まってくるということなんだろうと思うんですが、その辺、再度、大事なところですので、陳述をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →きょうは、各公述人の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、急な要請にもかかわらず御対応いただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
私の方からは、まず、桑原理事長さんにお伺いしたいと思っておるんですが、やはり社会保障、特に今、保育、介護、福祉ということがやはり日本の大きな課題の一つであろうということは間違いないと思うんですね。そういう意味で、きょう、非常に貴重な御意見をいただきまして、大変ありがたく思っておるところでございます。
最初のところから申し上げますと、処遇改善の話でございまして、これまで各政権において一定の処遇改善をしてきたわけでございますし、今後も、ある程度的を絞って、中核的な方には八万円ぐらい上げるというようなアイデアも持っておるわけでございますけれども、これらの処遇改善は人材確保に一定の効果があったのかどうか。
そして、今後、先生からは、裁量をもう少し認めてほしいというようなことで今お話があったところでございます。非常にその御主張もよくわかります。法人内での格差であるとか職種間での格差ということをおっしゃっておられるんですが、我々としては、裁量を認めるのであれば、その方がより人材確保にとってプラスになるということがはっきりすれば、ある程度やはり裁量を認めていった方がいいんじゃないかなと思いますし、先ほどもお話がありましたように、市町村格差もいろいろあって、家賃補助があるところだとかいろいろ、補助がいっぱい出ていて、実は、政府が上から考えているほど格差がなかったりとかということもあるのかもしれない。
ですから、そこはある程度お任せしてやった方がやはり結果的には人材確保になる、他産業比もそれなりに格差が埋まってくるということなんだろうと思うんですが、その辺、再度、大事なところですので、陳述をお願いしたいと思います。
桑
桑原哲也#20
○桑原公述人 御質問大変ありがとうございます。
確かに、この格差に対する交付金その他のことはあったと思います。
例えば、従来型の保育園ですと、本当に、すごく組織はフラットなんですね。一保育園の先生の人数、主任保育士さんがいるところといないところ、それから園長先生が当然いますけれども、副園長、すごくフラットなんです。
そういう組織の中で、キャリアパスというのを国はつくろうと。やはりキャリアを積んだ人がそれだけキャリアを積んだことの、それを交付金として、補助金として交付する。その職種間においての、介護もそうですけれども、そういう金額というものをちゃんと渡しなさい、法人を通すというよりは、法人を通さず直接渡しなさいというのが今の規定でございます。
ですから、ある一定の、現場に対する、ああ、国はそういうことをやってくれているんだなという思いを、私も経営者として、これはこういうことだから皆さんのお手元に行くんですよということをはっきりと現場の職員には申し上げております。
しかしながら、先ほど言ったように、では、人材を確保するという意味においての経営者としての手腕ですよね。これは国のやっていることだから、これは言い方は悪いですよ、経営者として本当に、経営している人が、国が悪いから我々はこうなんだと議論を押しつけちゃって、だから賃金が上がらないんだということを言うと、結局、労働力の確保という意味においてはつながらないなと。
だから、縦割りではなく横串を入れていただきながら、経営者の裁量というのは、要するに、採用から退職じゃありませんけれども、リカレントもそうですけれども、採用からしっかりとした採用をするということは、資格を持っている人、持っていない人に対しての企業努力というのが必ず出てくると思います、裁量があれば。
要するに、校舎なき学校、桑の実会もそういう校舎なき学校で、地域の人が、無資格な人が有資格者になっていく、それで人材を確保していく、人材派遣業に頼らない、これは一つあると思います。
そんなことで、私の一つ目の質問にお答えしながら、もう一つ、何でしたか。(竹内委員「いや、それで結構です」と呼ぶ)いいですか。
以上でございます。ありがとうございました。
〔委員長退席、柴山委員長代理着席〕
この発言だけを見る →確かに、この格差に対する交付金その他のことはあったと思います。
例えば、従来型の保育園ですと、本当に、すごく組織はフラットなんですね。一保育園の先生の人数、主任保育士さんがいるところといないところ、それから園長先生が当然いますけれども、副園長、すごくフラットなんです。
そういう組織の中で、キャリアパスというのを国はつくろうと。やはりキャリアを積んだ人がそれだけキャリアを積んだことの、それを交付金として、補助金として交付する。その職種間においての、介護もそうですけれども、そういう金額というものをちゃんと渡しなさい、法人を通すというよりは、法人を通さず直接渡しなさいというのが今の規定でございます。
ですから、ある一定の、現場に対する、ああ、国はそういうことをやってくれているんだなという思いを、私も経営者として、これはこういうことだから皆さんのお手元に行くんですよということをはっきりと現場の職員には申し上げております。
しかしながら、先ほど言ったように、では、人材を確保するという意味においての経営者としての手腕ですよね。これは国のやっていることだから、これは言い方は悪いですよ、経営者として本当に、経営している人が、国が悪いから我々はこうなんだと議論を押しつけちゃって、だから賃金が上がらないんだということを言うと、結局、労働力の確保という意味においてはつながらないなと。
だから、縦割りではなく横串を入れていただきながら、経営者の裁量というのは、要するに、採用から退職じゃありませんけれども、リカレントもそうですけれども、採用からしっかりとした採用をするということは、資格を持っている人、持っていない人に対しての企業努力というのが必ず出てくると思います、裁量があれば。
要するに、校舎なき学校、桑の実会もそういう校舎なき学校で、地域の人が、無資格な人が有資格者になっていく、それで人材を確保していく、人材派遣業に頼らない、これは一つあると思います。
そんなことで、私の一つ目の質問にお答えしながら、もう一つ、何でしたか。(竹内委員「いや、それで結構です」と呼ぶ)いいですか。
以上でございます。ありがとうございました。
〔委員長退席、柴山委員長代理着席〕
竹
竹内譲#21
○竹内委員 それから、やはり非常に貴重なことをおっしゃっていまして、二点目に、福祉の仕事、職場のイメージアップというのが大事だと。以前は三Kとかと言われていましたけれども、新しい三Kということで、希望があって、感謝があって、そして輝くということだと思うんですけれども、そういうやはり職場、仕事にしていかなければならないという御主張、全くおっしゃるとおりだというふうに思っておるわけでございます。
そこで、国策として何かやった方がいいんじゃないかと。自律的にもうどんどん皆様で動いていただいておりますので、このイベント、私も、予定がつけばぜひ行って拝見したいというふうに思っておるんですけれども、国として例えばこんなことをやったらどうかというような具体的な御提案があれば、おっしゃっていただければありがたいんですけれども。
この発言だけを見る →そこで、国策として何かやった方がいいんじゃないかと。自律的にもうどんどん皆様で動いていただいておりますので、このイベント、私も、予定がつけばぜひ行って拝見したいというふうに思っておるんですけれども、国として例えばこんなことをやったらどうかというような具体的な御提案があれば、おっしゃっていただければありがたいんですけれども。
桑
桑原哲也#22
○桑原公述人 御質問ありがとうございます。
まず、国策というのはなかなか言葉としては難しい表現だと思いますが、やはり福祉で働く人たちを国は応援しますよというメッセージを発信していただきたいなと思います。
それは、先ほど言いましたように、きつい、汚い云々ではなくて、本当に、感謝され、感動して、希望がある仕事を国のためにやっていただいていますね、こういうメッセージを言っていただきたいと思います。
それから、具体的に、今回はこういう形でやりましたけれども、今後、都道府県単位とか小さい単位でも、イメージアップ戦略というものはやっていきたいというふうに経営者協議会は思っております。
そういうことに対してどのように国が支援できるかということは、財源の問題もありますけれども、少なからず、そういうことをやろうとする場合は、今は、何とかブース、何とかブース、採用ブースと、企業から経営者協からいっぱいそういうのをやるんですけれども、余り人が来ないんですよ。来ないんです。閑古鳥が鳴いています。一件もなかったよ、ブースを出したけれども来なかった、学生さんも少ないし、そういうのじゃなくて、やはりイメージアップしていく採用、単なるブースを出せばいいというだけじゃなくて、何かしらやはりイメージアップして、何か行ってみようかなという。
まあ、国策というと、例えば、小学校から中学、中学から高校に、いろいろな専門学校もありますけれども、そういう国策として、教育の中で福祉という問題をやはり根づかせていく。今でもちょっとやっていますけれども、それをもう大々的にやって、そして、そうすることによって、先生方のイメージ、教員のイメージ、それから保護者、親のイメージ、それから社会のイメージを変えていく。本当に立派な仕事だねと小さいときから福祉教育を受けながら学校に進んで、将来はそういう仕事をやりたいんだという夢を子供たちが持ってもらいたい、そういう意味の国策と捉えていただければと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、国策というのはなかなか言葉としては難しい表現だと思いますが、やはり福祉で働く人たちを国は応援しますよというメッセージを発信していただきたいなと思います。
それは、先ほど言いましたように、きつい、汚い云々ではなくて、本当に、感謝され、感動して、希望がある仕事を国のためにやっていただいていますね、こういうメッセージを言っていただきたいと思います。
それから、具体的に、今回はこういう形でやりましたけれども、今後、都道府県単位とか小さい単位でも、イメージアップ戦略というものはやっていきたいというふうに経営者協議会は思っております。
そういうことに対してどのように国が支援できるかということは、財源の問題もありますけれども、少なからず、そういうことをやろうとする場合は、今は、何とかブース、何とかブース、採用ブースと、企業から経営者協からいっぱいそういうのをやるんですけれども、余り人が来ないんですよ。来ないんです。閑古鳥が鳴いています。一件もなかったよ、ブースを出したけれども来なかった、学生さんも少ないし、そういうのじゃなくて、やはりイメージアップしていく採用、単なるブースを出せばいいというだけじゃなくて、何かしらやはりイメージアップして、何か行ってみようかなという。
まあ、国策というと、例えば、小学校から中学、中学から高校に、いろいろな専門学校もありますけれども、そういう国策として、教育の中で福祉という問題をやはり根づかせていく。今でもちょっとやっていますけれども、それをもう大々的にやって、そして、そうすることによって、先生方のイメージ、教員のイメージ、それから保護者、親のイメージ、それから社会のイメージを変えていく。本当に立派な仕事だねと小さいときから福祉教育を受けながら学校に進んで、将来はそういう仕事をやりたいんだという夢を子供たちが持ってもらいたい、そういう意味の国策と捉えていただければと思います。
以上でございます。
竹
竹内譲#23
○竹内委員 大変思いのこもった御提言、ありがとうございます。
それから、福祉の職場における働き方改革の推進ということで、福祉に特化したダブルワークの推奨などということで御提案いただいておるんですが、この辺でもう少し付言することがあれば、おっしゃってください。
この発言だけを見る →それから、福祉の職場における働き方改革の推進ということで、福祉に特化したダブルワークの推奨などということで御提案いただいておるんですが、この辺でもう少し付言することがあれば、おっしゃってください。
桑
桑原哲也#24
○桑原公述人 御質問ありがとうございます。
福祉に特化するダブルワークというのは、やはり私ども、現場で働きながら地域の福祉を担う、若い人もそうですけれども、老いも若きも、それから現役で働いている、東京まで通っていく人たちが埼玉ですと多いわけですよね。疲れ切って皆さん帰ってくるわけですけれども、そういうときに、やはり私どもも保育園をやっていると、お父さん方が活躍する場というのがあると、目の色を変えてお父さん方は一生懸命、餅つきから何からやってくれたりするんですね、家も子育てで大変でしょうけれども。そういう意味で、元気になるんですよ。
だから、福祉のダブルワークというのは、単なる労働力が足らないからそういう人を雇って云々というよりは、福祉目的のダブルワークとして、地域に存在する社会福祉法人のあそこを応援してあげよう、それを、地域に住んでいるお父さん、お母さん方、その他の方々が手を挙げて、それを社会が認めてくれる。
それは、過重労働とかそんな話じゃ僕はないと思います。そういう意味ではなくて、本当に福祉を目的にしたダブルワークというのは、これからともに生き、支え合うためには必ず僕は必要だろうな、このように思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →福祉に特化するダブルワークというのは、やはり私ども、現場で働きながら地域の福祉を担う、若い人もそうですけれども、老いも若きも、それから現役で働いている、東京まで通っていく人たちが埼玉ですと多いわけですよね。疲れ切って皆さん帰ってくるわけですけれども、そういうときに、やはり私どもも保育園をやっていると、お父さん方が活躍する場というのがあると、目の色を変えてお父さん方は一生懸命、餅つきから何からやってくれたりするんですね、家も子育てで大変でしょうけれども。そういう意味で、元気になるんですよ。
だから、福祉のダブルワークというのは、単なる労働力が足らないからそういう人を雇って云々というよりは、福祉目的のダブルワークとして、地域に存在する社会福祉法人のあそこを応援してあげよう、それを、地域に住んでいるお父さん、お母さん方、その他の方々が手を挙げて、それを社会が認めてくれる。
それは、過重労働とかそんな話じゃ僕はないと思います。そういう意味ではなくて、本当に福祉を目的にしたダブルワークというのは、これからともに生き、支え合うためには必ず僕は必要だろうな、このように思っております。
以上でございます。
竹
竹内譲#25
○竹内委員 ありがとうございます。なるほどなと思うところが多々ございます。
それで、もう一つ、さまざまな活動をしていただいておりまして、本当に、社会的養護の話であるとか、先ほどの困窮者への安心セーフティーネットですか、こういうのもすばらしいことだなというふうに思っております。社会福祉法人改革へ向けて法改正もしたときに、私も改正をした立場でございましたので、大変、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
そこで、もう一つ、政府が推進しようとしている幼児教育の無償化というものが今後保育の現場にどういうような影響を及ぼしてくるか、その辺につきまして、お考えがあればお願いいたします。
この発言だけを見る →それで、もう一つ、さまざまな活動をしていただいておりまして、本当に、社会的養護の話であるとか、先ほどの困窮者への安心セーフティーネットですか、こういうのもすばらしいことだなというふうに思っております。社会福祉法人改革へ向けて法改正もしたときに、私も改正をした立場でございましたので、大変、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
そこで、もう一つ、政府が推進しようとしている幼児教育の無償化というものが今後保育の現場にどういうような影響を及ぼしてくるか、その辺につきまして、お考えがあればお願いいたします。
桑
桑原哲也#26
○桑原公述人 御質問ありがとうございます。
幼児教育無償化については賛成の立場でありますが、やはり一つ懸念されるのは、保育の質の低下を招かないかということを思っております。
幼児教育ですから、三、四、五においては、幼稚園も保育園も今認定こども園制度でこうなっていきますし、小学校に上がっていきながらですけれども、実は、ゼロ、一、二のところにおいては、養護と養育という問題が絡んできます。
先ほど、気になる子供たちが最近多いという話をさせていただきましたけれども、実は、医療的なケアの必要な子供たちが、保育の現場で、預かってほしいんですけれどもと市町村から依頼が来るんですけれども、うち、看護師さんがいませんから預かれません、これが実態があるわけですよ。では、看護師さんを加配します。では、そこに加配していれば受け入れられるか。
システムとして社会的養護、保育の質を担保しながら幼児教育の無償化というのを目指してほしいなと。そうであれば、必ず好循環として、ちっちゃいときから保育園に来て、そういう子供たちが次の時代、三歳、四歳になって、小学校に上がったとしても、社会的養護の流れの中で切れ目なく、小学校に上がりながら、社会の一員として。どこかでぷつんぷつんとなっちゃうのが、今の、どうもそういうのが見受けられるので。
ちょっと懸念しているのは保育の質の低下。いわゆる社会的養護をしっかりとやる仕組みをまずつくって、三歳、四歳、五歳の教育無償化という問題を、経済政策の一端でしょうから、そういうふうに位置づけていただければなと思っています。
以上でございます。
この発言だけを見る →幼児教育無償化については賛成の立場でありますが、やはり一つ懸念されるのは、保育の質の低下を招かないかということを思っております。
幼児教育ですから、三、四、五においては、幼稚園も保育園も今認定こども園制度でこうなっていきますし、小学校に上がっていきながらですけれども、実は、ゼロ、一、二のところにおいては、養護と養育という問題が絡んできます。
先ほど、気になる子供たちが最近多いという話をさせていただきましたけれども、実は、医療的なケアの必要な子供たちが、保育の現場で、預かってほしいんですけれどもと市町村から依頼が来るんですけれども、うち、看護師さんがいませんから預かれません、これが実態があるわけですよ。では、看護師さんを加配します。では、そこに加配していれば受け入れられるか。
システムとして社会的養護、保育の質を担保しながら幼児教育の無償化というのを目指してほしいなと。そうであれば、必ず好循環として、ちっちゃいときから保育園に来て、そういう子供たちが次の時代、三歳、四歳になって、小学校に上がったとしても、社会的養護の流れの中で切れ目なく、小学校に上がりながら、社会の一員として。どこかでぷつんぷつんとなっちゃうのが、今の、どうもそういうのが見受けられるので。
ちょっと懸念しているのは保育の質の低下。いわゆる社会的養護をしっかりとやる仕組みをまずつくって、三歳、四歳、五歳の教育無償化という問題を、経済政策の一端でしょうから、そういうふうに位置づけていただければなと思っています。
以上でございます。
竹
竹内譲#27
○竹内委員 もうほぼ時間が来ておると思いますけれども、大変、やはり目に見えない貧困であるとか、気になる子供たちとか、今の医療的ケアの必要な子供たちとか、やはり現場の率直なお声を聞かせていただいたことが大変ありがたかったことであります。
貴重な御提言、本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いします。
終わります。
この発言だけを見る →貴重な御提言、本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いします。
終わります。
柴
落
落合貴之#29
○落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。
本日は、お忙しいところ、まことにありがとうございます。
まず、高橋先生にお伺いできればと思います。
マクロの過去のいろいろな数字を見てみますと、一カ所だけがくんと第二次安倍政権の中で下がっている年がありまして、それが二〇一四年に消費税を八%に上げたときでございます。これは明らかに景気にブレーキを、もう素人が見ても、かけている。
あのとき消費税を上げたというのは、いろいろと総理も説明をされていましたけれども、いい政策だと言えるんでしょうか。御見解を伺えればと思います。
この発言だけを見る →本日は、お忙しいところ、まことにありがとうございます。
まず、高橋先生にお伺いできればと思います。
マクロの過去のいろいろな数字を見てみますと、一カ所だけがくんと第二次安倍政権の中で下がっている年がありまして、それが二〇一四年に消費税を八%に上げたときでございます。これは明らかに景気にブレーキを、もう素人が見ても、かけている。
あのとき消費税を上げたというのは、いろいろと総理も説明をされていましたけれども、いい政策だと言えるんでしょうか。御見解を伺えればと思います。