雨宮正佳の発言 (議院運営委員会)

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○参考人(雨宮正佳君) 雨宮でございます。
 本日は、所信を述べる機会を賜り、光栄に存じます。
 私は、一九七九年に日本銀行に入行して以来、四十年近くにわたり中央銀行の実務に携わってまいりました。近年では、考査局参事役、政策委員会室組織運営担当審議役、企画局長などを務め、金融政策運営、金融システム問題対応のほか、日本銀行の業務・組織運営など、多岐にわたる分野で経験を積み重ねてきました。黒田総裁就任以降は、理事として、当初の量的・質的金融緩和の導入から現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和に至るまで、金融政策の企画立案やその実践を担当してきております。
 今般、副総裁としてお認めいただきましたならば、これまで日本銀行で得られた経験と知見を生かして、職員の力を束ねつつ、もうお一方の副総裁と力を合わせ、全力で総裁を支えてまいる所存です。また、政策委員会の一員として、しっかりと議論に貢献してまいりたいと考えております。
 今後の課題として、まず第一に、金融政策運営からお話し申し上げます。
 日本経済は、一九九〇年代後半以降、約二十年近くデフレに苦しんでまいりました。日本銀行は、この間、ゼロ金利政策、量的緩和、包括緩和と、世界でも最先端の新しい政策を開拓しつつ、デフレ脱却のために努力してまいりました。そして、五年前に量的・質的金融緩和を導入した後、経済・物価情勢は大きく改善しました。企業収益が過去最高水準まで増加しているほか、家計の雇用・賃金情勢も好転しております。物価面でも、もはや物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっています。物価安定の目標である二%は達成できておりませんが、日本経済は、その実現に向けて着実に歩みを進めております。
 私は、日本銀行におけるキャリアの約半分、二十年近くにわたってデフレとの戦いの最前線に身を置いてきた者として、積年の課題である物価の安定という使命達成の総仕上げのため、全力を尽くす覚悟であります。もちろん、歴史的にも、また世界的にも類例を見ない大規模な政策を講じておりますので、その効果と副作用の評価や将来の出口戦略の在り方など、検討課題は多岐にわたります。これまで築き上げた中央銀行員としての実務知識もフルに生かしつつ、適切な政策運営に努めていく所存です。
 第二に、金融システム面での課題について申し述べます。
 我が国の金融システムは安定性を維持していますが、金融機関を取り巻く経営環境は、人口や企業数の減少、産業構造の変化、長引く低金利環境など、厳しさを増しています。これに対して、金融機関では、多面的なビジネス展開やITを活用した業務見直しなど、幅広い経営改革を進める動きが広がっています。日本銀行としても、こうした金融機関の前向きな動きを的確に把握し、サポートしてまいります。
 また、日本銀行は、金融システムの安定を図るため最後の貸し手機能を有しており、近年、金融取引の市場化やグローバル化が進展する中で、金融市場への流動性供給や外貨の流動性供給などの新たな機能も含め、その役割は一層重要性を増しております。このほか、金融分野におけるIT技術の応用、いわゆるフィンテックの急速な発展に対応していくということも重要な課題です。
 このように、金融を取り巻く環境が大きく変革していく中においても、日本銀行が持っている機能や能力を十分に発揮することで、金融システムの安定を図り、金融仲介機能の更なる向上に貢献してまいる所存です。
 第三に、業務・組織運営について申し述べます。
 物価の安定と金融システムの安定という日本銀行の使命達成の基盤は、銀行券の発行と流通、決済システムの運営、預金、貸出し、債券取引など、中央銀行としての日々の業務遂行であります。日本銀行の本支店、事務所約五千人の職員は、高い士気を持ってそうした業務を日々遂行するとともに、災害等の緊急時にも我が国の金融インフラをしっかり守るという強い決意を持って臨んでいます。職員一人一人の持てる力を引き出し、日本銀行の組織力をフルに発揮させていくことが、長年にわたり日本銀行に奉職してきた私に課せられた重要な責務と考えております。
 以上、所信を申し述べました。
 副総裁として日本経済のために貢献する機会をいただくことになれば、全身全霊を懸けて職務に取り組んでいく所存でございます。よろしくお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 雨宮正佳

speaker_id: 13334

日付: 2018-03-07

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会