議院運営委員会

2018-03-07 参議院 全178発言

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会議録情報#0
平成三十年三月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     藤木 眞也君
 三月七日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     今井絵理子君
     櫻井  充君     真山 勇一君
     宮沢 由佳君     古賀 之士君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大家 敏志君
                古賀友一郎君
                末松 信介君
                礒崎 哲史君
                芝  博一君
                矢倉 克夫君
                田村 智子君
                東   徹君
    委 員
                足立 敏之君
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                佐藤  啓君
                自見はなこ君
                中西  哲君
                藤木 眞也君
                松村 祥史君
                宮島 喜文君
                古賀 之士君
                真山 勇一君
                柳田  稔君
                伊藤 孝江君
                里見 隆治君
                大門実紀史君
   委員以外の議員
       議員       木戸口英司君
       議員       江崎  孝君
   事務局側
       事務総長     郷原  悟君
       事務次長     岡村 隆司君
       議事部長     小林 史武君
       委員部長     笹嶋  正君
   参考人
       日本銀行副総裁
       候補者
       早稲田大学政治
       経済学術院教授  若田部昌澄君
       日本銀行副総裁
       候補者
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本銀行副総裁の任命同意に関する件
    ─────────────
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山本順三#1
○委員長(山本順三君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本銀行副総裁の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁候補者・早稲田大学政治経済学術院教授若田部昌澄君及び日本銀行理事雨宮正佳君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山本順三#2
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山本順三#3
○委員長(山本順三君) 次に、日本銀行副総裁の任命同意に関する件を議題といたします。
 候補者から所信を聴取いたします。
 まず、若田部昌澄君にお願いいたします。若田部昌澄君。
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若田部昌澄#4
○参考人(若田部昌澄君) 早稲田大学の若田部昌澄でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、所感を述べる機会をいただきまして誠にありがとうございます。
 私は、早稲田大学とカナダ・トロント大学の両大学院で経済学を学んだ後、一九九八年から現在まで、早稲田大学政治経済学部及び大学院経済学研究科で教鞭を執り、研究と学生の指導に当たってまいりました。
 私の専攻は経済学史ですが、主としてマクロ経済学の歴史、特に、一九三〇年代の大恐慌、一九七〇年代の大インフレ、一九九〇年代からの日本の大停滞、二〇〇七—八年からの世界的金融経済危機など、過去と現在の経済危機とそれに対するマクロ経済政策対応について研究を進めてまいりました。二〇〇三年頃からは、現日銀副総裁岩田規久男先生やほかの研究仲間とともに、歴史的研究を基に、日本経済、殊にデフレと金融政策についても研究を積み重ねてまいりました。
 この度、日本銀行の副総裁候補に挙がりましたが、国会の同意が得られましたならば、これまでの研究を金融政策に生かし、もうお一方の副総裁とともに総裁をお支えし、全力で職務を全うしたいと考えております。
 この所信表明では、現状についての理解と今後の課題について述べさせていただきます。
 二〇一三年から、日銀は、デフレ脱却を明確化すべく物価安定の目標二%を掲げ、積極的な金融緩和政策を推進してまいりました。その後五年間で、失業率は下がり、有効求人倍率は上がり、就業者数は増えております。近年は、男女共に正規雇用の増加につながっております。こうした良好な雇用状況の結果、自殺率が下がり、貧困率も減少に転じてきました。また、実質賃金につきましては上下動を繰り返しておりますが、総雇用者報酬は、名目でも実質でも増加しております。今後、積極的な金融緩和政策を持続することで実質賃金も上昇していくことが期待されます。
 物価につきましては、二〇一四年三月には消費者物価指数が前年同月比で一・六%近くまで上昇したものの、その後、二〇一六年九月にはマイナス〇・五%まで下落しました。ただ、近年、物価については持ち直しが続いており、二〇一八年一月には一%程度にまで回復しております。継続的に物価が下がるのをデフレとする意味では、現在はデフレではない状況に達したと言えるかと思います。しかしながら、物価安定の目標である二%には到達しておらず、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数では〇・四%の上昇にとどまるなど、デフレからの完全脱却が依然として課題として残っております。
 次に、今後の課題について三点述べさせていただきます。
 第一に、何よりも大事なのは、デフレからの完全脱却を目指すという、これまでの五年間の金融政策の基本的なスタンス、レジームを継続することです。これまで得られた成果を改善し、日本経済を再びデフレに戻さないためにも、デフレからの完全脱却が必要であると考えます。
 第二に、二%の物価安定目標は依然として有効であり有用であると考えます。
 金融政策の目的は、物価上昇率を中期的な目標としながら、最終的には国民経済の健全な発展に資することにあります。そこで重要なのが雇用であります。経済学では、インフレを加速しない失業率という考え方があります。この失業率は働きたい人がほぼ職を得られる状態に対応しておりますが、日本経済のそれは恐らく二%台半ばから前半であり、物価目標二%を達成することで、そこまでは失業率を下げることができると考えられます。
 第三に、リスクへの適切な目配りです。
 経済危機の歴史は、様々なリスクへの警戒が必要であることを教えてくれます。例えば、大恐慌時代の一九三七年、米国の政府と連邦準備制度理事会は、デフレから脱却したと思い、マクロ経済政策を引き締めましたが、その後、米国経済はデフレに逆戻りしてしまい、再び政策の再緩和に転じました。
 現在、世界経済の好調に支えられて、日本経済には追い風が吹いていると言われます。しかしながら、最近の状況を踏まえますと、この好機がどこまで続くか慎重に検討する必要があると考えます。特に、時期尚早に政策を変更してデフレに逆戻りするリスクは避けなければなりません。デフレからの完全脱却の前にいわゆる出口政策を行うことは避けなければなりません。
 デフレからの完全脱却を達成するために日銀はあらゆる手段を駆使すべきではありますが、政府と日銀が協力することも欠かせません。デフレ脱却と日本経済再生という原点に立ち戻り、金融政策、財政政策、成長政策、そして所得再分配政策のバランスの取れた連携が必要であると考えます。
 今は、日本経済のデフレからの完全脱却が懸かっている極めて重要な時期です。この時期に日本経済再生のためのお手伝いをできる機会をお与えいただけましたならば、全力で職務に努めたいと考えております。
 ありがとうございました。
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山本順三#5
○委員長(山本順三君) 次に、雨宮正佳君にお願いいたします。雨宮正佳君。
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雨宮正佳#6
○参考人(雨宮正佳君) 雨宮でございます。
 本日は、所信を述べる機会を賜り、光栄に存じます。
 私は、一九七九年に日本銀行に入行して以来、四十年近くにわたり中央銀行の実務に携わってまいりました。近年では、考査局参事役、政策委員会室組織運営担当審議役、企画局長などを務め、金融政策運営、金融システム問題対応のほか、日本銀行の業務・組織運営など、多岐にわたる分野で経験を積み重ねてきました。黒田総裁就任以降は、理事として、当初の量的・質的金融緩和の導入から現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和に至るまで、金融政策の企画立案やその実践を担当してきております。
 今般、副総裁としてお認めいただきましたならば、これまで日本銀行で得られた経験と知見を生かして、職員の力を束ねつつ、もうお一方の副総裁と力を合わせ、全力で総裁を支えてまいる所存です。また、政策委員会の一員として、しっかりと議論に貢献してまいりたいと考えております。
 今後の課題として、まず第一に、金融政策運営からお話し申し上げます。
 日本経済は、一九九〇年代後半以降、約二十年近くデフレに苦しんでまいりました。日本銀行は、この間、ゼロ金利政策、量的緩和、包括緩和と、世界でも最先端の新しい政策を開拓しつつ、デフレ脱却のために努力してまいりました。そして、五年前に量的・質的金融緩和を導入した後、経済・物価情勢は大きく改善しました。企業収益が過去最高水準まで増加しているほか、家計の雇用・賃金情勢も好転しております。物価面でも、もはや物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっています。物価安定の目標である二%は達成できておりませんが、日本経済は、その実現に向けて着実に歩みを進めております。
 私は、日本銀行におけるキャリアの約半分、二十年近くにわたってデフレとの戦いの最前線に身を置いてきた者として、積年の課題である物価の安定という使命達成の総仕上げのため、全力を尽くす覚悟であります。もちろん、歴史的にも、また世界的にも類例を見ない大規模な政策を講じておりますので、その効果と副作用の評価や将来の出口戦略の在り方など、検討課題は多岐にわたります。これまで築き上げた中央銀行員としての実務知識もフルに生かしつつ、適切な政策運営に努めていく所存です。
 第二に、金融システム面での課題について申し述べます。
 我が国の金融システムは安定性を維持していますが、金融機関を取り巻く経営環境は、人口や企業数の減少、産業構造の変化、長引く低金利環境など、厳しさを増しています。これに対して、金融機関では、多面的なビジネス展開やITを活用した業務見直しなど、幅広い経営改革を進める動きが広がっています。日本銀行としても、こうした金融機関の前向きな動きを的確に把握し、サポートしてまいります。
 また、日本銀行は、金融システムの安定を図るため最後の貸し手機能を有しており、近年、金融取引の市場化やグローバル化が進展する中で、金融市場への流動性供給や外貨の流動性供給などの新たな機能も含め、その役割は一層重要性を増しております。このほか、金融分野におけるIT技術の応用、いわゆるフィンテックの急速な発展に対応していくということも重要な課題です。
 このように、金融を取り巻く環境が大きく変革していく中においても、日本銀行が持っている機能や能力を十分に発揮することで、金融システムの安定を図り、金融仲介機能の更なる向上に貢献してまいる所存です。
 第三に、業務・組織運営について申し述べます。
 物価の安定と金融システムの安定という日本銀行の使命達成の基盤は、銀行券の発行と流通、決済システムの運営、預金、貸出し、債券取引など、中央銀行としての日々の業務遂行であります。日本銀行の本支店、事務所約五千人の職員は、高い士気を持ってそうした業務を日々遂行するとともに、災害等の緊急時にも我が国の金融インフラをしっかり守るという強い決意を持って臨んでいます。職員一人一人の持てる力を引き出し、日本銀行の組織力をフルに発揮させていくことが、長年にわたり日本銀行に奉職してきた私に課せられた重要な責務と考えております。
 以上、所信を申し述べました。
 副総裁として日本経済のために貢献する機会をいただくことになれば、全身全霊を懸けて職務に取り組んでいく所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
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山本順三#7
○委員長(山本順三君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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山本順三#8
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
 まず、若田部参考人に対する質疑を行います。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
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古賀之士#9
○古賀之士君 ありがとうございます。民進党・新緑風会の古賀之士でございます。
 今、委員長からもお話ありましたように、自席から着席のまま若田部参考人に早速お話を伺ってまいります。
 物価安定目標は二%、達成期間は二年というのが当初の異次元緩和のお約束だったはずですが、それが五年もたっているのに実現しておりません。大学生でしたら問答無用で不可となり、留年や退学となるはずでございますが、大学で教鞭を執られるお立場の若田部参考人にとりまして、この五年間の日銀の金融政策をどう評価されるか、端的にお答え願います。
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若田部昌澄#10
○参考人(若田部昌澄君) 私、大学では厳しい教師と言われていますが、一科目で停学、退学ということはあり得ないんですけれども。
 端的に申し上げまして、恐らく、アナロジーを使うとするならば、チームスポーツみたいなものだと思います。つまり、これまで余り成績が良くなかったチームが、監督とコーチが替わることによって成績が目覚ましく改善したということです。これは、物価であったり、その物価を通じて、所信表明でも述べましたように、雇用であるとか企業の収益であるとか、そういったものが増えていくということがございますので、確かに、言ってみれば、リーグで優勝するとか、そういった目的は果たされていないかもしれないけれども、ランクがBランクからAランクに上がったというような意味での向上が見られたというふうには思います。
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古賀之士#11
○古賀之士君 次の質問に参ります。
 五年間の任期中に消費税の税率アップが予定されておりますが、前回の税率引上げが景気に与えた影響、そして、予定どおり一〇%消費税になった場合、経済への影響について御意見を伺います。また、そもそも次回の引上げのタイミングが妥当かどうかも改めて御意見を伺います。
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若田部昌澄#12
○参考人(若田部昌澄君) 財政政策につきましては、これは国会、政府でお決めになることですので、日銀副総裁の候補者としては、財政政策についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論といたしまして、私、経済学者として発言したのは、前回の消費税の税率の引上げというのは無視できない影響があったと。それは、実質経済成長率の低下であったり、あるいは物価安定目標二%を達成するというところでそれが頓挫するというところにおいて無視できない影響があったと思います。
 ちなみに、インフレに与える影響に関しましては、日銀が二〇一六年九月に発表しました総括的検証においても同様の趣旨のことが認められているということになるかと思います。
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古賀之士#13
○古賀之士君 次の質問ですが、物価上昇率二%の目標達成が難しければ追加の緩和策が必要とも述べていらっしゃいます。その場合の為替への影響をどうお考えになるでしょうか。為替そのものは建前上目標とはしないでしょうが、海外からはそう捉えられてはいないでしょうか。特に、トランプ政権に目を付けられているのではないかという点も気になります。
 また、追加の緩和策とは量のことと捉えてよろしいのでしょうか。マイナス金利の更なる深掘り、範囲の拡大というのは選択肢の中に含まれているのでしょうか。
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若田部昌澄#14
○参考人(若田部昌澄君) アベノミクスの開始直後に、確かに、諸外国から為替操作という批判があったことは事実でございます。ただ、最近では、日銀の金融政策は日本経済がデフレから脱却をするために行っているものであるということは国際的に理解されているというふうに思います。
 そして、二番目の点でございますけれども、追加的な緩和策につきましては、これは、政策決定会合にこれから臨みますので、私としましては、追加の緩和策ありきではなく、また、追加の緩和策を排除することもなく、予断を持たず臨みたいと思います。
 その場合の手段ですけれども、御指摘のように、様々なことが考えられます。日銀は、既に長短の金利の操作、そして量的・質的緩和と、様々なことをやっておりますので、それらについての改善、強化ということも一つの可能性でしょうし、また新たな政策を考えるということも考えていきたいと考えております。
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古賀之士#15
○古賀之士君 今のお答えは、全ての選択肢に関して否定はされないと受け止めさせていただきます。
 次の質問ですが、新聞で、名目GDPを二〇二〇年までに六百兆円にすることを政府と日銀の共同目標とし、緊縮財政としないと約束する方がいいと参考人は述べたとありますが、今でも同じ意見なんでしょうか。二〇一三年のアコードをそうした方向で結び直すという理解でよろしいのでしょうか。
 また、素朴な疑問としまして、政府と共同であるということを含めて、GDPを中央銀行の目標とする国はほかにあるのでしょうか。
 それから、中央銀行の目標に関して、FRBのように雇用の最大化などを加えるお考えはあるのか、お答え願います。
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若田部昌澄#16
○参考人(若田部昌澄君) 日銀副総裁候補者としましては、政府、国会の決定に関わる部分に関しましてはコメントを差し控えさせていただきます。
 ただし、経済学者として確かにそのような発言をしたことは事実でございますので、そのことについては事実であるというふうに申し上げます。
 名目GDPの六百兆円の目標というのは、これは既に二〇二〇年度をめどにして安倍政権が達成しようとしていることですので、むしろ、それを使って共同声明を強化するというのは一案ではないかというふうに、そのように御提言申し上げました。実際にアコードを日銀の場において議論するのかということは、これにつきましては、やはり政府があることですので、コメントは差し控えさせていただきます。
 事実の問題としまして、GDPを目標として運営をしている中央銀行は現在のところございません。これは、ただ現状で、海外の議論などでは、非常に、GDPの目標論あるいは物価水準論あるいはインフレ目標の引上げ論など、いろいろな議論はされていますので、こういったことは中央銀行である日銀でも研究できるのではないかというふうに考えております。
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古賀之士#17
○古賀之士君 金融機関の貸出しについて、平均金利が低下傾向にある一方で、期間については長くなっています。加えて、この半年の動向では貸出し伸び率も徐々に低下しています。こうした点をどう捉えていらっしゃるでしょうか。
 また、貸出内容について、最近問題となったアパートローン、銀行ローンに関連した意見もお伺いしたいです。日銀考査においてどう評価されていくのでしょうか。
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若田部昌澄#18
○参考人(若田部昌澄君) 現状で貸出しが減っているというのは事実でございます。ただ、その詳細を見ますと、これは大手行、いわゆるメガバンクというところで減っているということです。地域の金融機関は、地方銀行、第二地銀、両方含めましても実は減っておりません。大手行がなぜそのように減っているのかというと、これは、一つには、貸出しのビジネスから手数料収入などに収益源を求めるというビジネスに変更しているというところがあるのではないかというふうに考えております。
 不動産については、これは日銀の金融システムレポートなどでも、確かに貸出しが増えているということの指摘がございます。ただ、そこでも指摘はされておりますし、実際私もそうだと思いますが、いわゆるバブル期に比べると、とてもではないですけれども、それほどの過熱ぎみではないということです。
 ただ、これは、日銀の政策の目標というのは、物価の安定化と並んで信用秩序の維持、つまり金融システムの安定性という問題がございますので、この課題をきっちりと考えていくためには、日銀の考査などでしっかりとモニタリングしていきたい、そして、様々な強気な貸出し、貸出しの強気化と言われるようなものが起きていないかどうかの検討というのをしっかりしていきたいというふうに考えております。
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古賀之士#19
○古賀之士君 逆の観点からかもしれませんが、今後、いわゆる出口が近づくにつれて金利が徐々に上がっていくことが見込まれております。例えば、アメリカでは、今年に入って一月で〇・五ポイント、〇・五%も長期金利が上昇しておりますが、日本での金融機関への影響をどのように分析していらっしゃいますか。
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若田部昌澄#20
○参考人(若田部昌澄君) これにつきましては、私が参考にできるのは日銀の金融システムレポートでございます。こちらでは、一%、ありとあらゆる金利が一%パラレルに、並行に上昇した場合に金融機関の収益にどういう影響を及ぼすのかということの検討をやっております。
 そのときに、確かに、その場合の金利リスクによって損失が出るということは明らかになっておりますが、ただ、現状におきまして、大手銀行だけじゃなくて地域の金融機関も含めて、自己資本比率で、今維持している自己資本でもって十分に吸収可能な額であるということであります。ほかのリスク、例えば信用リスクであるとか為替のリスクを勘案しても、自己資本に対する毀損というのは、少なくとも一%ぐらいの金利の上昇ということではないというふうに考えます。
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古賀之士#21
○古賀之士君 参考人は、おととしの新聞の連載でヘリコプターマネーについて解説していらっしゃいます。このヘリコプターマネーについて伺いますが、現在も同じ意見でございましょうか、改めて伺いたいです。ヘリコプターマネー政策を採用することを政策委員会で提案するかどうかも併せて伺います。
 また、ベーシックインカムについて好意的のように読めましたが、民進党などが提案します給付付きの税額控除への評価も併せてお答え願います。
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若田部昌澄#22
○参考人(若田部昌澄君) ヘリコプターマネーにつきましては各種の定義がございまして、一番簡単な例ですと、ヘリコプターが空をぶんぶん飛んできてお札を配るというようなことから、ほかのいろんな、よりオーソドックスな財政政策と金融政策の一体的な運用というところまで幅広くございます。
 私自身は、その本質というのは、財政政策と金融政策が同じ方向を向いて、そして両方のシナジーが一体的に運用されることで強化されるということだと思います。
 ただ、財政に関するところなので、これは日銀の副総裁候補者としてではなくて、経済学者としての意見をお求めになっているんだと思いますが、給付付き税額控除につきましては、私は、いわゆる負の所得税と呼ばれるもの、あるいは最近ですとベーシックインカムと呼ばれるようなものに対しては、非常に良い方向であるというふうには考えております。
 ただ、その方向に行くためには、いろいろと恐らくインフラの整備が必要でして、マイナンバー制度の導入というのはその方向の一つではございますが、それを更に強化して、例えば米国並みに、内国歳入庁が社会保障勘定と銀行口座を統合的に管理するような、歳入庁の構想みたいなものがやはり必要になってくるであろうというふうに考えております。
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古賀之士#23
○古賀之士君 アメリカ発で世界的に広まりました現在の株価の下落傾向についてですが、副総裁のお話が来ていた時期なので、かなり神経質になられたのではないかと思っております。
 今回の金融市場の下落、その原因と我が国への影響についてお尋ねいたします。
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若田部昌澄#24
○参考人(若田部昌澄君) 副総裁の話が来ていた来ていないにかかわらず、米国に住んでおりましたので、非常にビビッドに捉えておりました。
 米国の状況がどうなるかということについては様々な検討がなされていますが、正直、これが不況のとば口なのか、それとも好況がまだ続くということなのかということについては、まだ私としても判断が付きかねるところでございます。
 これはどういうことかと申しますと、長期金利が今上がっているわけですけれども、それと同時に、長期の実質金利が上がっているという状況です。つまり、資本の調達コストが上がっているわけなので、ですから、株価が下がるのはある種当然といえば当然の状況だということです。ただ、それが一時的な現象で、やはり景気はもっと長く続くと考えるのか、つまり、景気が良くなる局面でも実質金利が上がるということはよくあり得ることなので、そういうものなのか、それともこれが不況のとば口なのかということについては、いろいろと分析が必要だろうというふうに思います。
 なお、これは、ただ私の経済学者としての分析でございますので、日銀の政策とは取りあえずは別個のものというふうに考えていただきたいと思います。
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古賀之士#25
○古賀之士君 そういったことも含めて、今後は日銀の政策決定会合などで御自身の意見が求められるわけでございますが、経済学者とまた違った視点が求められる点についてはどのようにお考えでしょうか。
 また、五千人弱の組織を運営する責任者のお一人ということにもなるかと思います。組織を運営する経験、これについて、今後の意向なり御意思なりを述べていただければ幸甚でございます。
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若田部昌澄#26
○参考人(若田部昌澄君) 私に今期待されている役割というのは、これまでの学会活動、そして、これまでの政策提言活動などを通じまして金融政策決定会合での議論を活発に行うこと、そして、多少英語などで発信もしてきましたので、海外でのカンファレンスなどに出席し、英語でも発信するというふうなことだと思います。
 日銀の組織運営につきましては、これは適正かつ効率的に行われているかどうかということの検討が必要だと思います。私も、日銀の組織運営が適正かつ効率的に行われているかどうかということを常に検討してまいりたいというふうに思います。
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古賀之士#27
○古賀之士君 時間が参りましたので、質疑を終わります。
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大門実紀史#28
○大門実紀史君 大門でございます。
 本当に、若田部先生にお会いできてうれしいなと思っております。まさか若田部先生が日銀副総裁に出てこられようとは本当に思っておりませんでして、リフレ派としても、何といいますか、かなり刺激的といいますか過激といいますか、よくそういう方が出てこられたなというふうに思っております。
 立場は全然違いますけれど、先生のレポートとか御本は結構、反面教師といいますか、違う立場で読ませていただいてきたんですけど、本当に驚きなんですけど、もしお聞かせいただければ、どういう経過で、どういうどこからの要請があってこうやって出てこられたのか、ちょっと教えてもらえないかと思います。
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若田部昌澄#29
○参考人(若田部昌澄君) 人事の過程に関することは、これはプロセスの話ですので、コメントを差し控えさせていただきます。
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