川上資人の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(川上資人君) 労働生産性ですね、この労働生産性ということについての御質問なんですけれども、私はまず常見先生のこのレジュメの二ページ目のスライドの四番というところで、やはり端的に労働生産性とは付加価値を労働投入量で割ったものである、こういった指標ですので、ここにやっぱり常に立ち戻らないといけないと思うんですけれども、そうすると、この指標を上げるには、リストラをするか又は付加価値を上げるか。付加価値を上げるというのは、価格を上げるということですよね。
 そうすると、例えば、じゃ、アップル社の労働生産性というのは非常に高いということは簡単に想像される。なぜなら、アイフォン一台今もう十万円という時代ですけれども、それを誰が作っているかというと、中国の工場ですよね、インドの工場ですよね。自分のところでは一切作らないわけですよね。アップル本社には多分数万人のエンジニアがいて、あとこれを生産するのは全て外注だと。途上国のインド、中国の非常に安い労働力を使う。それもきっと労働力とは既にカウントされていないはずですよね、もう下請ですから。そうすると、単純に一台十万円のアイフォンを彼らは数万人のサンフランシスコの労働力で作っているということになるわけですから、非常に高い付加価値に対して非常に少ない労働者ということですから、労働生産性は高いんだろうと思われますけれども、なので、この指標自体にそこまで重みがあるのかという気はします。
 ただ、この法案が目指そうとしている新規事業が、古い、その時代に合っていない規制によって足下をすくわれてはいけないというような理念というのは非常に重要なものだと思いますので、そうすると、そもそもこの法案自体の名称が、新規事業促進法案とかそういった名前であればより良かったのかなという気もするんですけれども、そのときに、例えば、じゃ、私のこの本日呼ばれている主題としてライドシェアというものに立ち戻ったときには、先ほど松田先生の方から、この法案の下でやっぱりいろんなベンチャーを育成するにはスピーディーな仮説検証が必要なんだというお話があったと思いますが、これはもう二〇〇九年にウーバーが事業を開始してから十年近く世界各国で、もうあらゆるところでこれ実証されているわけですから、ライドシェアというものに関しては、この仮説検証は、既に海外の事例をつぶさに検討することでどのような社会的問題を生むのかというのは実証検討可能なんではないかと思いますので、この法律を適用する必要性というのはそんなにないんじゃないかなという気がしております。
 結局、つまるところは、この国がもっと元気になるとかというのは、我々国民はみんなそれは望んでいることで、そのためには、やっぱりお二人の先生がお話ししてくれたような新しい事業がどんどん生まれるとかというところが大事ですと思うんですが、そのときにやっぱりもっと大事なのは、この労働生産性という指標では測れない、例えばタクシーの運転手さんが生活を支えられる十分なお給料をもらって、それで例えば四人家族、六人家族を養って、子供を大学に行かせられた、こっちの方が大事だと思うんですよ、タクシー運転手さんの労働生産性が高かったということより。それで、そのタクシーの運賃が高過ぎるという問題よりも、そんなに問題なんでしょうか。
 それは、今、ニューヨークで多くの人たちがウーバーというアプリをもうデリートし始めています。この四か月の間に毎月タクシー運転手さんが死んでいっている、それで初めて私たちがこの使っているウーバーというアプリが彼らに及ぼした影響というものに気付いたといって、いろんなところ、フェイスブック、ツイッターとかに投稿しながら、私はもうウーバーは使わないという人たちが増えています。私も、大学のとき留学したところの友達が、私はもうタクシーしか使わないのと言っている友達もいます。
 なので、生産性向上も大事ですけれども、その指標では測り切れないもっと大事なものというものはあるんじゃないかという気がしまして、それをこの法律で壊さないということだけは是非お願いしたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 川上資人

speaker_id: 7950

日付: 2018-05-15

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会