経済産業委員会

2018-05-15 参議院 全261発言

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会議録情報#0
平成三十年五月十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     宮本 周司君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     石上 俊雄君     伊藤 孝恵君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     中川 雅治君     自見はなこ君
     伊藤 孝恵君     石上 俊雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜野 喜史君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                自見はなこ君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                伊藤 孝恵君
                石上 俊雄君
                鉢呂 吉雄君
                真山 勇一君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  西銘恒三郎君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      宇野 雅夫君
       個人情報保護委
       員会事務局次長  福浦 裕介君
       金融庁総務企画
       局審議官     水口  純君
       総務大臣官房審
       議官       吉岡てつを君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房審議官     中石 斉孝君
       経済産業省経済
       産業政策局長   糟谷 敏秀君
       経済産業省産業
       技術環境局長   末松 広行君
       経済産業省商務
       情報政策局長   寺澤 達也君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       情報政策統括調
       整官       吉本  豊君
       中小企業庁長官  安藤 久佳君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
   参考人
       早稲田大学名誉
       教授・商学博士  松田 修一君
       千葉商科大学国
       際教養学部専任
       講師       常見 陽平君
       東京共同法律事
       務所弁護士    川上 資人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇生産性向上特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
〇産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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浜野喜史#1
○委員長(浜野喜史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、今井絵理子君及び石上俊雄君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君及び伊藤孝恵君が選任されました。
    ─────────────
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浜野喜史#2
○委員長(浜野喜史君) 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、早稲田大学名誉教授・商学博士松田修一君、千葉商科大学国際教養学部専任講師常見陽平君及び東京共同法律事務所弁護士川上資人君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、両案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、松田参考人、常見参考人、川上参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず松田参考人にお願いいたします。松田参考人。
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松田修一#3
○参考人(松田修一君) おはようございます。参考人の松田でございます。このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 私は、公認会計士そして大学の教員を長い間勤めておりましたが、ベンチャー支援を一貫して行ってまいりました。その間の経験を踏まえて、今日は三ポイントに絞って参考人意見としたいと思います。
 お手元にレジュメがございますので、それに従って説明したいと思います。
 まず、ローマ数字のⅠでございますが、「失われた二十五年」というのが書いてございます。これは平成のバブル崩壊後の二十五年ということを意味しておりますが、その間に、二〇〇〇年当時、非常に日本の起業家社会実現ということが盛り上がってまいりました。大学発ベンチャー一千社計画、そしてマザーズの開設、そして、創業・ベンチャー国民フォーラムという国民的な運動体もございました。そこの提言委員長を私が担当いたしまして、Ⅰにございますような提言書のかがみでございますが、作ってまいりました。
 まず、広い裾野の起業家社会をつくるということで、コミュニティー型・自己実現型創業の拡大ということと、そして、日本に海外から付加価値をもたらすような価値創造型・先端技術型ベンチャーの輩出ということでございますが、そこで、大きく中身としては、教育改革、組織風土改革、制度インフラ改革ということを提言していますが、実は今議論になっているのはまさにこれと内容はほぼ同じでございまして、その頃から中身については余り変化していないということが失われた二十五年でございます。
 それから、ローマ数字のⅡでございますが、開業率が長期低迷しているということが言われていまして、これはGEM、グローバル・アントレプレナーシップ・モニターという世界六十か国が参加している調査の結果のランキングで、いつも言われているものでございますが、日本はなかなか五%開業率が上がらないと。二〇〇一年から二〇一五年までのデータをまとめたものの非常にコンパクトな資料を一ページの下に書いてございます。
 年齢別の起業家予備軍の日本の割合、これがTEAと言っていますが、そして起業家を評価する割合、そして起業したいというときに知識、経験があるかという割合、そのデータが載っております。一番大きい問題は、十八歳から二十四歳の若者が圧倒的に日本は低いということであります。特に、知識、経験、能力の指標というのが、先進国が三〇%にもかかわらず日本は六・六と、いかに起業家教育ということが、自立する教育、生きていく教育、稼ぐ教育というのを小中高も含めて、大学も含めてやっていなかったということの証明であります。
 しかし、光がございまして、一番右の方のデータが、その若い人たちで起業家教育を受けた知識があるという方々から、先進六か国以上に日本の若者は会社を起こしていく、起業していく割合が一三・一に対して一七・六というふうに高いということであります。ですから、起業家教育をすることによって、背中を見て学ぶということができなくなった現在に学校教育がいかに大事かということをここでは意味しています。
 そのような状況で、二ページに参りまして、希望の光というのが今見えております。それを六ポイントほど申し上げたいと思います。
 一番最初は、最高の教育を受けた知的ハングリー精神を持った方々がベンチャーを今起こし始めたということであります。大学院の修士及びドクターを出た方々が起業を始めています。
 そして、グローバルアントレプレナーリーダーということを大学教育の中でもやっていくということが、やっとスタートし始めました。五年経過しております。
 そして、大学の研究成果を研究のためではなくて社会実装していくという仕組みが、これも五年間、既に試行的に行われておりまして、大企業とのオープンイノベーションのつながり、連携ということも今開始されております。
 そして、これは都心部だけではございませんで、地方でもきらりと光る技術というのが多くございますが、それに対する面白いビジネスモデルに対する支援というものも今開始されています。
 そして、一千万程度の小規模のファンディングにつきましては、クラウドファンディング、そしてまた株主コミュニティー制度と、こういうふうなことで資金調達が可能になっています。今、仮想通貨での資金調達ということも始まっております。
 そして、地方自治体が活性化のためにいろんな起業システムというものを運営しております。
 しかしながら、これは希望の光の若干の光でございますが、大きなうねりになっていないということが今の大きな課題でございます。
 ローマ数字のⅢでございますが、少なくとも、過去と比べたら三倍速では遅いかも分かりませんで、五倍速か分かりませんが、グローバル化とスピードということが世界を席巻しておりまして、それに日本がどう対応しているかというのが今回の大きなテーマであろうというふうに思っています。四ポイントまとめてお話ししたいと思います。
 まず一ポツでございますが、ICTセブンシスターズ、これは米国アップル、アルファベット、こういうふうなものと中国のアリババ等々が入りますが、この急成長の中で日本はどんどん今置いていかれているというふうなことがございます。
 これは何を意味しているかというと、そこの表にございますように、第四次産業革命においては、従来型の縦型の業種別分類の動きとしてはもう既に遅れてしまっているんじゃないかと。むしろ、その縦型の業種に対して横串刺しを差し込んでいくという新しいビジネスモデルが、まさにプラットフォーム事業ということで動き出しているということであります。こういう大きなうねりに対して、日本で即やらなければいけないことが二つございます。
 ①でございます、まず。ユニコーンベンチャー、まあ時価総計、未上場で一千億ということを言われていますが、リアルテック、技術をベースにしたこういうメガベンチャーを毎年十社ぐらいは最低日本は輩出したい。どんどんどんどん、今約二百社ぐらい世界ではあるかと思うんですが、日本には今一、二社しかございません。
 それから②でございますが、既存の上場会社の収益力が余りにも低過ぎる。世界水準というのが経常利益率やROEが一〇%以上でないと世界では残っていけないということで進んでいますけれども、この収益力の低い産業構造をどう直していくかと。これは産業再編というような問題に関わっていくかと思います。
 そして、従来、二、三十年のことを見ていますと、日本は技術で勝って、そして市場が急成長し始めると負けていくと。③でございますが、半導体や液晶に代表されますようなことがずっと起きてきたのをどのように転換するかと。残された期間というのがそう長くないということでございます。
 二ポツに参りまして、そのような大きなうねりをサポートしようとしますと、市場や顧客や株主との対話を進めながら長期資金を、いかにリスクマネーを確保していくかとかということが非常に重要でございますが、リスクマネー確保につきまして、世界で主要国が、多くの国々が既に行っていますソブリン・ウエルス・ファンドというものが日本にはございません。ないという前提でどのように進めていくかということが重要になるかと思います。
 そういう意味では、この資金というのが、長期資金はユニコーンテック型のベンチャーと将来の産業構造の組替えに投資対象を絞るということになるんだろうと思います。
 そして、ユニコーン育成には最低二桁、あるいは数百億という三桁の投資が必要でございますが、そのような大型のファンドを持っている会社というのは、日本には一、二社しかまだございません。
 じゃ、日本にお金がないのかと。決してそんなことございませんで、③と④でございますが、個人と企業のストック相当ございます。そして、多くが銀行預金のままマネタイズしていない、これをいかにリスクマネーへ流していくかということであります。そして、我々の年金であるGPIF、約百六十二兆円のファンド総計でございますが、このオルタナティブ投資といいますか、リスクマネーへの資金供給を少し枠を増やしていくと。こういうことで相当対応できるのではないかということを思っています。
 そして、ユニコーンというテック系ということを考えますと大学というのは非常に重要になりますが、日本の大学の知財というのは世界と比較して余り独立していません。自由に大学で使えない、共同研究によって、その一方の共同研究者側に多くの制約が掛けられていると。これは大学が自己資金を持っていないということでありまして、エンダウメントと書いてございますが、開発のための少なくとも基金というのを大学は今つくっていく、早急につくっていく必要がある、そのための税制が必要であろうということであります。
 そして六番目でございますが、ユニコーンというのが大学発ベンチャーから出てき始めました、やっと出てき始めました。しかしながら、大学がダイレクトにエクイティーに出資をしていないものですからロイヤリティー収入しか入らない。ロイヤリティー収入の百倍ぐらいの時価総額が付くわけですが、そこに参入できない。大学が自ら大学発ベンチャーに対してエクイティー投資をしていく、リスクをしょわないでしていくということの知恵がこれから出し合いになるんだろうというふうに思っています。
 いずれにしましても、①から⑥のことをうまく運用しようと思いますと、テクノロジーですから、世界標準の発想で動かなければいけないというふうなことになりますと、リスクマネーを運用、長期資金の運用者に世界のトップ人材が日本に参画していただかなければいけない。そのときに重要なのはインセンティブ、報酬をどう払っていくのかというのが今の体系の中では全く解決できていないというふうなことがございます。
 これが二ポツでございますが、三ポツに入りまして、その中核、長期資金の中核に今現状なっているのが産業革新機構でございますが、今回新しい法案ではここに投資機構というふうに名前が変わってくるわけでございますが、民間主導型で困難な産業構造の転換だとか、今のユニコーンベンチャーに対する成長資金を出していくと。これが民業を圧迫しないというのが今までの条件なんですが、民業圧迫ではなくて民業強化の誘い水になるというぐらいの気持ちで進んでいく必要があるのではないかというふうに思っています。世界のスピードに付いていくには当然そういう発想が必要だろうと思います。そのためには従来の方法と組織構造を変えていく必要があるんだろうと。
 ここに「ガバナンス機能を活かした二重構造の組織づくり」というふうに書いてございます。まず、ホールディング会社と投資ファンド、投資の実行というのを二段階に分けていく必要があるということになるかと思います。
 そして、ホールディングについては直接投資も可能なんでしょうが、投資ファンドにはどんどん、認定をした投資ファンドについては民間企業を加え、そして海外資金も入ってくる、海外からも是非それに参画したいと、こういうことができるような仕組みをつくっていく必要があるというふうに思っております。
 そして、投資ファンドの期限というのは非常に長うございますので、四、五年でリアライズするわけじゃございません。やはり、最低十五年は必要だろうというふうに思っています。
 そして、国のお金も使うわけですから、情報開示どうするんだという大きな議論ございますが、年に二回しっかりと開示する必要がありますが、これは国際的な会計基準がこういう投資ファンドについてもございますので、そのルールにのっとった開示ということになると思います。そういう意味では、投資した一社一社の成果があったとかなかったとかそういう議論ではなくて、包括的に日本の最終的な国富に貢献しているかどうかという視点から、包括的、長期的な視点での開示ということになるかと思います。
 それにしましても、そういうファンドを運用する専門家ということがどうしても必要になるわけでございまして、⑤にございますように、技術でも勝ってビジネスでも勝ち続けられるような産業構造や事業構造をハンズオンできる専門家というのがまだ日本には少のうございますから、海外も含めて人材を入れていく必要があるかと思っております。
 四ポツ目でございますが、二〇二五年、最近ちょっとこういうふうな言葉が出てまいっております。二〇二五年ということを考えたときに、完全に団塊の世代が後期高齢者になってしまうという大変な時期でございます。それまでにいろんなイノベーションの日本における固有のやり方というのを仕上げておく必要があるだろうと思います。そういう時間がないということでございますが、その方法につきまして何ポイントかここに書いてございます。
 まず第一でございますが、「「プロジェクト型サンドボックス制度」の活用」ということが書いてございます。これは、規制があって、既存の規制にとらわれることなく新しい技術だとか新しいビジネスを実証実験をすると。その実証実験をしたいという方々が参加者として手を挙げて、じゃ、どの程度の期間でやるのかということを限定をして、そして、そこにおける問題点をまた直しながら新しい挑戦をしていくという仮説検証スピードということになるかと思うんですが、これを速めていかない限り世界のスピードには付いていけないと思います。この仮説検証スピード、スタートアップのベンチャーにはほぼ使われておるわけですが、世界の伝統的な企業もこういうことを使い始めております。
 それから、②でございますが、各省庁いろんな知恵を出しながらベンチャー支援を行ってまいりました。しかしながら、ベンチャー企業については少人数運営でございまして、どこの省庁とどのように関係すると自分にとって一番いいかということを考えたときに、どの省庁とも付き合わなければいけないとなるとこれは大変なことなんでありまして、そういう意味では、ベンチャー支援は省庁の垣根を越えて国の一元的窓口ということを是非つくっていただきたいというふうに思っております。
 ③でございますが、IoTやAIやロボット、これもコアのところへいきますと、全てデータをどう活用してそれをマネタイズしていくかという社会になってきたと。こういうふうなことで横串刺しということのビジネスになってくるんだと思いますが、その制度設計が日本では非常に遅れている。日本が逆に先進国として進んできた、いろんなルールの枠を超えて進み始めましたので、これをどうするかということになるんであろうというふうに思います。
 ④でございますが、とはいえ、日本の中小企業、全国に相当力ある方がおられます。そして、そこで新しいビジネスを開発されています。新しいビジネスを開発して、それをどこが購入してくれるのかと。もし購買ニーズがあるとすれば、政府、自治体、公共機関が購買枠を必ずこういうことに対して門戸を開いていくという、出るくいを伸ばす地方自治体の仕組みも含めて考えていく必要があるんではないか。二〇〇〇年の半ばには随分これ運動体というのは動いたんですが、いつの間にか消えてまいっております。
 それから、⑤でございますが、今ネットの上で新しいビジネスがどんどん入っていますし、個人間取引も多くなっています。それで、個人開業という方々が非常に多くなっていますが、このネット上の個人開業の取引の捕捉というのが現状ではほとんどできておりません。ですから、開業率というのは実質相当高まっているんじゃないかということを考えていますが、いずれにしましても、事業を開始した人たちは納税義務意識をしっかり持てるような仕組みというのが必要になると思います。
 それから、六番目でございますが、最後でございますが、海外の受入れ、海外の有能な方々の受入れをしない限り日本はもうもたないというのも確かでございます。是非、そういう施策を積極的に考えていただけたらと思います。
 以上、二つの法律の改正に関する参考人意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。
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浜野喜史#4
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。
 次に、常見参考人にお願いいたします。常見参考人。
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常見陽平#5
○参考人(常見陽平君) 常見でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、会社員を三十八歳までやっておりまして、それから大学の教員になりました。五年前から妊活を始めまして、五年という歳月と五百万というお金を投じて、昨年、やっと第一子を授かりました。今日もいわゆる保育園に送ってからこちらに来たんですけれども、保育園ですとか書店の子供コーナーの本棚を見ていると、昔の物語をつい思い出します。その中に「マッチ売りの少女」という物語がございました。幼い頃から、あの物語を初めて読んだときから僕は疑問を抱いていました。何かというと、何でライターを売らないんだろうと、そういうことでございます。もっと言うならば、みんながたばこを吸わなくなったら、税金が上がったら、マッチ売りの少女は大変になるんじゃないかと思いました。
 この「マッチ売りの少女」というのは、実は我が国の現状そのものじゃないでしょうかということです。いつの間にかもうからない産業だらけになっていないか、いつの間にか疲弊する働き方になっていないかということがあります。非常に、最近ではよく若者は元気がないと言うんですけど、そもそも世の中に、例えば若者にお金がないんです。若者のお酒離れ、車離れと言いますけれども、実際に起こっているのはお金の若者離れでございます。まあ、元気があれば何でもできると叫ぶ参議院議員の方がいて、国会中継のときに丸川珠代さんが映り込んで苦笑いをしている様子がいつも楽しみなんですが、元気だけでは何もならないんです。
 ということで、我が国の生産性向上、競争力強化のための労働者が疲弊しない稼ぎ方改革をということでスピーチをさせていただきます。
 二ページ目をちょっとゆっくり話させていただきます。シートがたくさんありますけど、私が言いたいことはここに凝縮されています。「「生産性向上」「競争力強化」のために」ということで、働き方改革だけでなくて稼ぎ方改革が大事だということです。
 元々は今回の国会は働き方改革国会となっていたんですけど、なかなか残念な進み具合になっております。ちょっと国民の意見を代弁させて言わせていただきたいんですけれども、国民は今日も真面目に働いております。汗水流して働いております。十八日間にわたって国会が空転したことについては与野党とも反省をしていただきたいです。
 その上で、いわゆる稼ぎ方改革ということで、いかにもうけるかという発想が大事なんです。実は、日本人がなぜ忙しいのか。その答えの一つは、産業の競争力がなくて収益率が落ちているからということです。だから非常に厳しい働き方をしないといけないのだということです。
 そして、今回の法案ですとかを見させていただきましたけれども、非常になりふり構わない本気を感じた次第なんですけれども、いつもこの政策を見るたびに私が気にすることがあります。何かというと、この国はいつまで戦術の話をするんだろうという、そういう問題でございます。どちらかというと、オペレーションの話中心になっているかと思います。この「オペレーションの効率化は、戦略ではない」、これは戦略論の大家マイケル・ポーターが約二十数年前に残した言葉であり、これはまさに日本企業に対する警鐘です。もちろん、IoT大事です。ビッグデータの活用大事です。AI大事です。だけど、その上でどんな産業を動かすのか、どの産業でもうかるのかということが考えていかないといけないことだと思います。
 そして、私が声を大にして言いたいのが労働者に生産性向上を強要するなということです。いわゆる生産性向上については後ほどお話ししますけれども、要するに生産性向上ということを真面目に考えた場合、実は労働者の努力によってなし得る部分って少ないんですよ。簡単に言うと、もうかる産業をつくること、さらにはいかに設備投資などで効率化していくこと、そして労働者の活躍を期待するんだったら人材育成にちゃんとお金と時間を掛けること、これが大切でございます。
 その上で、先ほどの松田先生からの御意見でもありましたけれども、アウトプットの提供価値を上げるためのトライ・アンド・エラーといいますか、僕はエラー・アンド・エラーぐらいでもいいと思います、なりふり構わずやらなければならない。
 そして、「ものづくりは人づくり」ということで、これは実はトヨタ自動車に伝わる言葉でございます。もっと言うと、今年百周年を迎える松下といいますかパナソニックという会社には、松下は人を育てるところでございますという松下幸之助の言葉が残っております。人づくりに力を入れないといけないんではないかということが問題意識です。
 めくっていただいて四ページ目、このページもちょっとゆっくりめに話させていただきます。
 生産性という言葉がいろいろ話題になるんですけど、私は、政官財そしてメディアも、労働生産性という言葉を、積極的に誤解して誤読して誤用して、ミスリードしていないかということです。労働生産性とは、付加価値を労働投入量で割ったものです。必ずしも効率を表現するものではないです。ましてや、労働者の勤勉さを表現するものでもないんです。産業構造や労働力人口などが関係しております。設備投資の充実度も影響します。付加価値の高い産業をつくることができるかどうかが鍵です。そして、人が張り付くという意味でサービス業中心の国、我が国はGDPベースでも就業者ベースでも七割がサービス業なんですけど、こういう国は元々不利なんです。
 一位や二位に入っている例えばルクセンブルク、六十万人の人口があって、六十万人の人口、これは船橋市や八王子市と同じぐらいです、そこに重工業があって金融センターがあって人々が国境を渡ってやってくる、で、その人たちをカウントしていない。これは生産性高くなるわけですよ。ノルウェーも昔は貧しい国でした。でも、石油が見付かって潤ったんです。もっと言うと、これはOECDでの比較であって、実際これOECD以外の国を含めると、産油国が上に来ます。やっぱり石油は強いんですよ。掘れば石油が出る国と掘っても温泉しか出ない国、これが違いでございます。なので、もうかる産業をつくらないといけないということです。
 そして、五ページ目、六ページ目は飛ばしますけれども、働き方改革ということが叫ばれる中、八割のビジネスパーソンは働き方改革を実感していない。そして、企業側の認知度は九六・三%もあるんですけれども、取り組んでいる企業は六割弱だと、就労者側の認知度が四一・三%だということです。
 そして、七ページ目ですね。残業が発生する根本的な原因ということで、よく、だらだら会議をしているだとか、付き合って残業をしているだとか、いろいろ言われますけれども、根本的なところは人に仕事を付けるという雇用システム。要するに、いわゆるメンバーシップ型でジェネラリスト型の雇用システム、労働市場の問題。そして、仕事の絶対量がそもそも多いんですよね、こなし切れないだけの量がある。そして、神対応などの過剰品質ということでございます。非常に過剰に対応していないかということです。まあ、一回作った文書を書き換えたりだとか日報が見付からないとか、そういうことがあったら生産性は落ちるんですけれども、そういうことで過剰品質というのが良くないんじゃないかということです。
 メディアの論調も変わってきています。働き方改革疲れしていないかということで、ビジネス雑誌などでも働き方改革を批判する特集が組まれるようになってきましたということです。
 九ページ目をゆっくりちょっと話させていただきますけれども、その中で、私のところには講演依頼が殺到しております。労働組合からが一番よく来ているんですけれども、民間の企業ですとかメディアが主催する講演会、さらには、実は経済団体からも来ております。東京経営者協会ですとか、先日は関西財界セミナーという関経連と関西経済同友会が共催するセミナーでも登壇したんですけれども、なぜ私に講演依頼が殺到するか。それは、みんな働き方改革に疑問を持っているからにほかなりません。
 そして、彼らとの意見交換及び私の取材の下、聞き取り調査の下で働き方改革が進んでいる企業の特徴として挙げるのはこれらの例です。
 一つは、社内でプロジェクト化して各部署に推進役を置いている。よくトップのリーダーシップが大事だと言うんですけれども、トップを従業員は選べないわけですよ。そのトップのリーダーシップに過度に依存する改革は危険です。各部署に推進役を置いてプロジェクト化すると。トップ営業マンが働き方改革をしようと言ったらみんな従うわけですよ。これはある企業の事例ですけどね。
 その二、人事だけでなく、総務、IT、法務、広報など、スタッフ分野の全体で連携しているということです。人事だけが叫んでいちゃ駄目だと。
 人材、これは採用も育成もですけれども、とITとオフィスに具体的に投資をしているということで、働き方改革にはお金が掛かるんですよ。
 そして、人材の確保において課題に直面している。実は、改革が進んでいる企業はIT企業なんですけど、これはなぜかというとエンジニアが採れないからなんですよ。良い労働条件を用意しないと人が採れないということでございます。
 そして、ブラック企業と呼ばれるなど社会から批判されたことがあって、今進んでいる企業は、実はブラック企業として社会的にメディアにたたかれた会社が実は進んでおります。
 そして、仕事のクオリティーの基準だとか、やらないことを決めている。
 さらに、役割分担を見直している。
 福祉的な意味ではなく、合理的なダイバーシティー推進。これはどういうことかというと、語弊がありますけど、女性を活躍しないとかわいそうだとか、高齢者や障害者の方に活躍していただかないとかわいそうだという論理だけではなく、彼らが活躍した方が会社はもっともうかるよね、労働力も確保できるよねという観点でやっている企業が強いなということでございます。
 そして、現状把握に力を入れていて、失敗事例をうまく共有している。
 そして、うまくいっている会社は、労働組合が建設的な提案を行って意味のある労使対話を行っている。今回も働き方改革春闘と言われましたけれども、一部の会社は、労組が、これがチャンスだということで積極的に提案した次第でございます。
 そして、社内外に進捗を発信する。若干これずるいんですけれども、メディアに出ることによって社内の抵抗勢力を潰すということも含めてやっているということでございます。
 今まさに働き方改革関連の法案がこれから、審議が進んでいるわけですけれども、これはやっぱり役割分担を促すことですとか、ちゃんと投資をすることということがないとうまく進みません。今回の法案の中には中堅・中小企業の設備投資推進ということがうたわれていて、これはすばらしいことだと思うんですけれども、人間が頑張るだけでは改革は進まないんだということを御認識いただければと思います。
 その次、次のもうけ方を考えようという話をさせていただきます。
 次のもうけ方を考える上で私が注目しているのは、いや、私だけじゃなく全世界的に注目されているのはデザイン的思考という考え方でございます。これは現状の閉塞感を打破するための思考アプローチ法でございまして、別にすばらしいデザインをつくるというわけじゃなく、物事のいわゆる目的だとか問題解決の在り方を根本的に考えてみようというものでございます。
 その成功事例とされているのが、これは新潟県の越後湯沢の北の方にある里山十帖という宿でございます。御覧のとおり数々の賞を受賞しております。百数十年続いた宿泊施設を改装して造ったものなんですけれども、めくっていただいて、あっという間にビジネス誌の宿ランキングで星のやですとか二期倶楽部だとかに続いて第三位に入っていると。そして、御覧のとおり驚異的な稼働率を示しているということでございます。彼らがこだわったのは何かというと、これは本当に寂れた温泉街にある一つの宿なんですけれども、本質的にユーザーの方が喜ぶものは何なのかということを捉え直して、新潟でしか取れない食材を提供するですとか、そこでしかできない体験をするということで価値を提供しています。
 こういった新しい価値を生み出している人たちに私がインタビューに行ったんですけれども、彼らはこう言います。まず、里山十帖の岩佐氏は、肌感覚、スピード、徹底的なコミット、これが必要だと。
 その二、これはリクルートでずっと新規事業コンテストを統括していた方で、今新規事業インキュベーターをされている方なんですが、不の解消、そのための国語、算数、理科、社会ということを言うんです。これだけちょっと説明させてください。
 今回の政策もそうなんですけれども、あるいは企業でのビジネスプランも数字から入りがちです。数字、今これだけ高齢者が増えている、だからこうしないといけないだとか、いや、ここにビジネスチャンスがあると。違うんです。国語から入らないといけない。国語とは何かというと、文脈を読むことと相手の主人公の気持ちを考えることです。例えば、だから、これだけ介護に困っている人がいるから介護ビジネスだというんじゃなくて、いやいや、介護に困っている人の気持ちって何だろうねと。そこに実は本質的なユーザーのニーズがある、これをつかむと。
 そして、アイデアの数を、これは無限プチプチという、全世界で三百五十万個ぐらいヒットした商品を手掛けた方のコメントなんですけど、アイデアを可能な限り多く出すということです。
 特に若者を中心に、先ほど松田先生の話からもありましたけれども、社会を変えたいと思っているんですよ。オープンイノベーションのために、実は私は、いろんなことの効率化もそうなんですけれども、意味のある無駄を積極的に生み出すことが大事だと思っています。
 その一事例として、一つは異業種交流型プロジェクトに期待しようということで、「One JAPAN」という取組がありまして、これはパナソニックの濱松さんという若手社員が声を掛けているんですが、様々な企業の社内勉強会、交流会をまとめたもので、よく若者経団連と呼ばれているんですけれども、ここが積極的にアイデアを提供しているということなんです。そういったようなところにどんどんアイデアを出させようということ。
 そして、プレミアムフライデー、まあプレミアムフライデーというものがうまくいっていないことは誰の目から見ても明々白々なんですけれども、これを、実は推進協議会の方ともお話をしました。様々な関係者とも話をしたんですけれども、これは別に悪いとは言わないんですけれども、今のは単なる飲み会キャンペーンになっていないかということです。早く帰って飲みに行こう、これも社会に活性化をもたらすんですけれども、飲み会のために早く帰るのかと、帰りづらいという声もあります。そうじゃなくて、みんな勉強したいんですよ。企業の枠を超えた、飲み会から勉強会、プレミアムフライデーからイノベーションフライデーに変えることはできないかと。
 さらには、シェアオフィスという、人々が交わる場をつくるということで、トキワ荘というのは、藤子不二雄先生の自伝的漫画「まんが道」というのに出てくる漫画家たちが切磋琢磨をした宿、宿といいますかアパートなんですけれども、官製のシェアオフィスですとか官製のいわゆるシェアハウス、そういったものをつくってオープンイノベーションを起こせないかということを考えます。
 最後に、「ものづくりは人づくり」ということで、「生産性向上のための人材育成を」ということで、時間なのでこのページだけ御説明しますが、石川県が非常に面白い取組をしています。生産性を上げろという声掛けだけでは変わりません。石川県は何をしたかというと、県の予算で、トヨタ自動車で四十年間活躍した物づくりのプロたちを先生役として企業に送り込むと、そこで改善の指南をしていただいて生産性を上げるという取組をしました。県内企業は、これ実験的に昨年やったんですけど、四社無料で受けることができ、在庫削減だとか大きな効果を生みました。それをお手伝いしたのがトヨタとリクルートの合弁会社のOJTソリューションズという会社なんですけれども、この後に事例がまとまっていますけれども、十四トン分の在庫を処分して非常に効率的になったですとか、そういった事例ができていて、要するに何が言いたいかというと、生産性向上のために声掛けだけじゃなくて具体的に人づくりのための投資が必要なんじゃないかということです。
 二十七ページに今までのまとめが入っていますが、最後にこれだけは言いたいのが、国民の安全が第一でございます。過労死、過労自死ゼロということと、職場で人が倒れない、傷つかない、一億総安心労働社会をつくるために、是非、生産性向上というものの下で国民が苦しむことがないことを、ここで皆さんにお伝えしたいと思います。
 お時間いただきまして、ありがとうございました。
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浜野喜史#6
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。
 次に、川上参考人にお願いいたします。川上参考人。
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川上資人#7
○参考人(川上資人君) 川上と申します。本日はどうもありがとうございます。
 このような法案の審議にお招きいただいて、本当にありがとうございます。この法案が通って、その向こうにある、私も含めて国民の生活がいかなる影響を受けるのかということをよく考えた上で、真に私たち国民のためになるような法律ができることを希望して、本日意見を述べさせていただければと思います。
 私は、弁護士として二〇一六年の一月から開始したわけですけれども、当初、一月に、私の所属事務所が労働組合との付き合いが多いものですから、労働組合の旗開きという一月の新年を祝う会に招かれました。その際に、タクシー労働組合の方で、労働組合の人たちがライドシェア絶対反対とかウーバー絶対阻止という気勢を上げておりまして、私は、そのときまだ弁護士になったばかりで、何でこの人たちはライドシェアに反対するんだろうと。つまり、タクシー会社で勤務してタクシー運転手をしていれば、水揚げ、売上げの幾らかは、何割かはタクシー会社に持っていかれるわけです。それに対して、ライドシェアということで直接お客さんを取ることができれば自分で売上げを取れるということになりますから、反対する理由はないんじゃないかと思っていたんです。
 ただ、私の所属している事務所が労働組合と付き合い長いということもありまして、頭ごなしに彼らの主張を否定するのは良くないと思いまして、自分でもうちょっと勉強してみようと思いまして、ライドシェアという片仮名でグーグルで検索してみたところ、シェアリングエコノミー、新しい経済、これは非常に社会を便利にするもの、いいものだという報道がNHK、朝日新聞、いろんなところで検索ヒットしました。それに対して、本当にそうかなと思いまして、例えばridesharingとかUberみたいにアルファベット、英語で検索してみたところ、そういった報道は皆無でした。労働が破壊されてタクシー運転手さんの生活が破壊される、それだけではなくて、ウーバードライバーも、例えば最初は年間九万ドルの収入を約束されたと思ったら、働いてみたら三万五千ドル、時給にしてみたら例えば十ドルとか、中には三ドルしか稼げないという報道が多数で、ほぼ全てそういった報道だったんです。
 英語で検索するとそういった情報が出てくるのに、日本語で検索するとそういった報道が全く出てこない。それは、日本においてまだライドシェアが始まっていないという理由もあるかもしれませんが、とにかく、そういった情報のみによって、ライドシェアが行け行けどんどんでシェアリングエコノミー便利だと、国民の生活を便利にするから取り入れればいいということで進んでいくということは、これは私たち国民にとってもマイナスなんじゃないかと思いまして、二〇一六年のその頃から八月まで、大学の先生とかジャーナリストとか市民活動家等々と相談しながら、そういった労働に与える問題というのもあるんじゃないかという情報を発信できるような団体をつくりたいということで相談して立ち上げましたのが、皆さんに資料を配らせていただいていますこの「生産性向上特別措置法に対する意見書」、この意見書に名前を記載させていただいている、交通の安全と労働を考える市民会議というものになります。
 この市民会議を二〇一六年の八月五日に発足させまして、それから十四回ほど、この二年弱の間に各地でシンポジウムを開催したり、アメリカのニューヨークからウーバードライバーとタクシードライバー、両者を呼んで生の声を日本、東京で伝えてもらうというのを、シンポジウムを企画したり行ってまいりました。
 その中で、やはりこのライドシェア、シェアリングエコノミーの問題点というのは、簡単に申し上げると、配付していただいている資料の中に、一番最後に、「季刊・労働者の権利」という雑誌にライドシェア問題とは何かという論考を寄せたんですけれども、その五十八ページに政府のシェアリングエコノミーというものに対する定義が載っているんですが、「「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービス」であるというふうにされておりまして、遊休資産の貸出しを仲介するサービスであればいいんですけれども、今の括弧書きのところに入っているように、スキルのような無形のものも含むということになると、それは、簡単に言えば労働力なり人になるわけであります。
 そういった人と労働力をこのプラットフォームにおいて企業又は個人が直接物のように取引することになるとどういうことになるかというと、本日配らせていただいた「「ライドシェア」の問題点について」という冊子の開けると一ページ目に、契約関係というものが書いてあるんですけれども、この図二というのは「ライドブッキングの契約関係」ということで、これは、シェアリングエコノミーにおける労働者と利用者、それからプラットフォーム事業者の契約関係においては全て当てはまる図ですので、これを見ていただければ一目瞭然ですけれども、この緑の枠の運転者というのは労働者に当たるわけですが、に対して、例えば雇用保険、労災保険、労働基準法、労働組合法、各種労働法制の保護が全く何も及ばないということになります。これがさらに、タクシーという事業においては利用者との関係においてもう直接契約を結ぶわけですから、例えば事故に遭ったときに、利用者からの損害賠償追求の責任を一手に引き受けるということになって、労働者が全ての責任を負い、プラットフォーム事業者は全く責任を負わないという契約関係が生まれるわけです。
 そうすると、このシェアリングエコノミーにおける問題点というのは、シェアリングエコノミーというふうに十把一からげにするのは適切ではなくて、アメリカの例えばプライスクーパーアンドウォーターズでしたっけ、という会計事務所なりモルガン・スタンレー研究所なりも提唱しているんですけれども、シェアリングエコノミーというそのターミノロジーは誤解を招きやすいと。シェアというのが経済のその特徴を表しているんじゃなくて、プラットフォームがあることで、そこで取引が行われるのが経済の特徴であるということで、つまり、その名前は適切ではないので、プラットフォームエコノミーと呼ぶべきだというふうに提唱してます。その中で、人、労働のやり取りをするプラットフォームについてはレーバープラットフォーム、そして、物のやり取りをする、例えばエアビーアンドビーのような、民泊のようなプラットフォームについてはキャピタルプラットフォームと呼ぶべきだと、そのようにプラットフォームを分けて考えることで適切な規制なり法律を考えることができるというふうに言われております。
 そのレーバープラットフォームの典型例として挙げられているのがライドシェア、ウーバーなりのライドシェアなわけですけれども、このライドシェアが進むとどうなるかというと、冒頭にも申し上げたように、当然、台数規制がまずなくなりますので、一気に車が市場に流入してしまいます。これが端的に非常に分かりやすい事例として生じたのが現在のニューヨークです。
 ニューヨークでは、二〇一一年にウーバーが事業を開始しました。それまでは、ニューヨークのタクシー台数というのは一万三千台ほどでした、何十年もの間。これが今では十三万台になっています。十倍に台数が増えたことによって、タクシー運転手さん、それからウーバードライバーの営収もがた落ちになってしまい、十二時間働いても五千五百円稼ぐのがやっとという状況にタクシー運転手は今置かれておりまして、昨年の十二月から先月四月まで、毎月一人ずつタクシー運転手さんが自殺しております。特に、三月に自殺したダグラス・シフターさんという人は、ニューヨーク市役所の前で、あなたたちが台数規制を行わなかったこと、ウーバーの営業規制を行わなかったことで我々の生活は一気に破壊されましたと、私はこのまま生活していって働き続けても、自動車のローンだったり借金を返すだけで精いっぱいで、豊かなまともな生活ができませんと、まともな生活ができないのであれば、今、私の命を抗議のために使ってこの問題に光を与えたいということで亡くなられた方もいました。
 そういった事態になることは、例えば日本においては、二〇〇二年にタクシー事業の規制緩和が行われました。その後一気に台数が増えまして、その台数増加の中で運転手さんの営収の低下が起き、労働条件の悪化が起きたと。二〇〇七年には、NHKの「クローズアップ現代」でタクシー労働者の労働条件の劣悪な状態というのが報道されました。そのような社会問題化した報道等を受けて、二〇〇九年にはタクシー適正化特措法というのができて、台数をまた削減しようという流れになってきたわけです。この際には、行き過ぎた規制緩和、市場の失敗ということを国側も認めて、二〇〇九年にタクシー適正化特措法ができたわけです。そうすると、今回、もしこのライドシェアというものをよく検討もしないで認めるようなことになると、このように旅客事業の規制という中でやってきた国の政策の流れと全く整合性がないという事態にもなるわけです。
 そういったいろんな点を含めて、今回の「生産性向上特別措置法に対する意見書」というのをまとめさせていただいたんですけれども、少しお手元に取っていただいて見ていただければ幸いですけれども、そもそもこの生産性向上特別措置法というものについて、目的条項が一条にありますが、その目的については、新技術等実証を促進して革新的事業活動を支援することで生産性を向上させて我が国の健全な発展を企図するものと言えて、妥当なもの、いい法案だと目的規定においては考えられます。けれども、同法が、この認定を受けた事業について規制の適用を免除するという重要な作用を持つものであるにもかかわらず、対象事業範囲に何ら限定を設けていないという点は極めて問題だと考えております。また、新技術等実証それから革新的事業活動というのがこの認定の要件となっているようですけれども、その認定を、何らそういった事業に該当しないにもかかわらず、ただその規制を潜脱して事業をしたいという事業者がこのような名目的な認定を受けてはならないという、その二点が問題だと考えております。
 その一点目からもう少し詳しく説明させていただくと、例えば諸外国においてはこの規制のサンドボックスの対象事業はフィンテック等の場合が多いと。そういった場合には、新技術に基づく金融の革新的事業活動を試みる事業者が、規制が金融新技術に追い付いていないために事業機会を逸することを回避する効果があると言え、そういった場合には意義があると考えられます。しかし、規制のサンドボックスという制度の下で対象事業に何ら限定を設けていない場合には、人命を保護するような規制さえも潜脱して事業を行うことが可能となるという点において問題と考えております。
 例えば、道路運送法は、旅客自動車運送について、人命を保護するための各種の安全管理規定を設けております。それを守れるというふうな証明をした業者に限って国土交通大臣が免許を交付するわけですけれども、そういった制度を受けないということになれば、結局その安全管理を行わない事業者が旅客運送事業に参入できて、そうすると当然そこでコストは削減できるわけですから、安全管理規定を行うためにその分運賃にコストを反映せざるを得ない既存のタクシー事業者と、そうではない、コスト削減によって運賃を安く抑えられるライド事業者による非常に不公正な競争が同じ、同一市場で起こってしまう。その場合には過当競争になって、結局、平成二十八年一月に起きたような軽井沢スキーバス事故のような事態になるというのは目に見えていると言えるのではないかと考えます。なので、我々市民会議としては、旅客運送事業等人命を扱う事業はこの法律の適用除外としていただきたいと考えております。
 最後に、この三という点について簡単に御説明させていただきたいのですけれども、新技術等実証それから革新的事業活動というこの要件、この名目の下に、何ら新技術でも革新的事業活動でもない事業者が、単にインターネット上でプラットフォームを介して取引を促進しているとか、スマートフォンのアプリを介して取引を促進しているとか、そういった理由で新技術、革新的事業とされてこの事業認定を受けて、その規制を潜脱して営業を行うようなことがあってはならないと考えておりますので、その認定は厳格にするような法運用なり法の立て付けにしていただきたい。
 それから、最後に、同法はこの新技術等の定義として、「実証に参加する者(当該実証により権利利益を害されるおそれがある者があるときは、その者を含む。以下「参加者等」という。)」の範囲を特定して、その者の同意を得ることを必要とするとしております。したがって、この権利利益を害されるおそれがある者には同法の認定を受ける事業と同じ事業分野において規制を遵守して適法に事業を行っている同種の事業者も当然に含まれると考えられますので、この事業認定を受ける事業者は、そういった同種の事業者の同意を得るというこの要件を厳格に認定されるような法の立て付けにしていただきたいと考えております。
 以上です。
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浜野喜史#8
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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渡邉美樹#9
○渡邉美樹君 質問の機会をいただき、ありがとうございます。自由民主党の渡邉美樹でございます。
 三人の参考人の皆様、本日は大変有意義なお話をありがとうございました。それぞれの参考人にそれぞれ質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、松田参考人から質問させていただきます。
 松田参考人は著書の中で、日本のベンチャー支援体制が縦割り行政だと批判をされております。また、ベンチャー企業は、その成長ステージ、具体的には、売上高三億円までのスタートアップ期、売上高百億円程度までの急成長期、百億円を超えた安定成長期によって課題やリスク、特性等も違うんだと述べられています。全く同感であります。そして、成功した起業家がメンターやエンジェル、さらにキャピタリストというベンチャー支援側に回るエコシステムを形成することが重要であり、起業家予備軍や起業家が悩むときに相談できるプロのメンターが必要だとも述べられております。
 非常に現場のことをよく理解された意見だと共鳴いたします。ですから、私も、中小企業支援体制においては抜本的な見直しが必要だとこの経産委員会でも繰り返し発言をしてまいりました。スタートアップからIPOまで指導できる体制を、たくさんの支援機関を一度ゼロベースで見直して統廃合し、中小企業の支援体制を再構築することこそ私は大切だと思っております。松田参考人も、二〇二五年までにはワンストップ支援体制をつくらなければならないと先ほど述べられておりました。
 また、その機関で働く経営指導員、この経営指導員が不足していると考えておりまして、経営指導員の育成こそ日本の中小企業に最も重要であると考えております。先ほど常見参考人も、石川県の例を基に経験者の活用、そして人づくりへの投資ということも述べられておりましたが、私も全く同感であります。ものづくり補助金というのは、決して有効ではないとは言いませんが、現状を肯定した中における投資であります。しかし、現状否定しないことにはあしたの日本を私はつくっていけないと思いますので、人づくりこそ重要だと思っております。
 日本のベンチャー企業、中小企業に大変詳しい松田参考人には、現状の日本の中小企業支援体制についてどんな御意見を持っているのか、総論をお聞かせ願いたいと思います。
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松田修一#10
○参考人(松田修一君) ありがとうございました。
 今の御質問、日本がベンチャー支援も縦割りでということの御質問もございました。先ほど、二〇〇〇年当時のやるべきことということも提示いたしましたけれども、あの当時から比べますと今はいろんな、もっと詳細な支援制度ができているのは確かなんです。しかし、それがパーツパーツに分かれていて、それが一体化していないということではないかと。
 巨大なアクセラレーター施設が海外で運営をされて、そこから新しいイノベーション、ベンチャーがどんどん起きているというふうなことですが、日本では決して、ビットバレーというのが一時ございましたけれども、今は本郷バレーというふうに東大の近辺では言われていますが、その程度のレベルでしかまだないということを、一体的に省庁が支援を、一体化してワンストップで支援していくと。東京ではややそれができているんですが、地方へ行くとまだなかなか難しい。地方は地方なりのやり方があるかと思うんですが、そういう意味では典型的なのは今は福岡かなというふうにも思っていまして、福岡は、新しいいろんな方々の支援をする方々、そしてベンチャー企業も含めて多く進んでいます。
 ここで、ベンチャーを起こすプレーヤーの方々の質が変わってきたということを先ほど申し上げましたけれども、支援する方々も若干のエコシステムがどんどん増えているのも確かであります。三、四十代で事業を一回、二回、三回起こして相当スキルとファンドを持っている方々が、いわゆるエンジェルとしてスタートをし始めました。そういうようなことを考えると、エコシステムは徐々に進んでいると。しかし、徐々に進んでいる程度では、ちょっと今、日本の置かれている状況からすると間に合わないんじゃないかというのが私の危機感でございまして、そういう意味で、今、渡邉先生がおっしゃったような再構築、パッチとして分散しているんじゃなくて、それを統合して進んでいくというふうなことがどうしても必要だろうなというふうな気がしています。
 じゃ、それを具体的にどうするのだというのは、海外にはいろんな事例があるわけでございますが、日本はやっぱり日本なりのやり方とはどういうことなんだろうというのを少しアイデアをみんなで出す必要があるのではないかというふうに思っております。
 ありがとうございました。
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渡邉美樹#11
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。
 続いて、常見参考人に質問をさせていただきたいと思います。
 「「働き方改革」の不都合な真実」という共著を読ませていただきました。その中で、果たすべき仕事はどこまでなのか、要するに、働く人が果たすべき仕事はどこまでなのかということを明確にしないと、労働生産性が上がれば、その分、雇用者がもっと働けということで、これは雇用者のためだけの労働生産性向上になるのではないかということで、私も全くこれ同感でございまして、そのためにも、業務請負型、あなたの仕事はこれだけですよと、一週間で終わらせたらそれはそれでいいですよというような業務請負型を増やすべきではないかと。
 その業務請負型の典型的なのは、一つは高度プロフェッショナル制度という形になると思うんですが、是非、常見参考人に、この業務請負型の仕事のやり方、それが高度プロフェッショナルではないとしたらどんな仕組みがいいのか、つまり、労働生産性が上がった、そのことに対して、労働者にちゃんとそれに報いられるためにはどういう仕組みがいいのかということをちょっと御提案をいただきたいと思います。
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常見陽平#12
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。
 今御質問いただきましたけど、これ非常に難しい問いだと思っています。というのも、やっぱり今はまさに高度プロフェッショナル制度というのがこの国会でも問題になっていますけれども、これは非常に慎重な議論が必要な案件だと思いますし、何といいますか、労使のいわゆる最適なコミュニケーションがないと成り立たないものだと思うんですよ。気を付けないと、やっぱり野党が批判するように、あるいは連合も批判するように、定額使い放題になってしまう、新料金プランができたみたいなものになってしまうということがあり得ると。やっぱり、健康上の課題でも御指摘されているように、年間百四日の休日はいいけど、それは毎週二日休んだのと同じだろうということで、二十四時間働いてもオーケーというふうになってしまう。これはよくないなということです。
 ですから、そこでいうと、やっぱりその業務、互いに何を果たすべきかということで、いわゆる業務のクオリティーですとか量を把握する、及びどれぐらい働いたのかということをしっかり記録を取っていくという仕組みが大事だと思います。個人的には、そこで、まさに高度プロフェッショナル制度ですとか今回見送りになった裁量労働制ですけれども、そこでも無限に仕事が増えていくということが課題だと思うんですよね。ということなので、仕事の業務範囲をいかに握るかということが大事かなと思います。
 そして、業務請負型ということなんですけれども、私はまさにフリーランスで働いていた時代があったんですね。こちらも、フリーランスも、よく自由な働き方、柔軟な働き方と言うんですけれども、やっぱりサラリーマン時代よりも死ぬほど働きました。確かに、原稿一本二千円ですよ、そのギャラが二万円ですよとか決められていて、納期も決められているんですけれども、結局、やっぱりそこに掛かるパワーというのが、読めなくはないんですけれども、無限に掛かってしまうわけなんですね。だから、アウトプットだけで判断するというのも危険で、どれぐらいの労働投入量があったのかというのをうまく把握する仕組みが大事かなと。
 ただし、これが請負関係になるとなかなかこれは回らなくなるわけですね。今はいわゆるフリーランスの見直しということが議論になっていますが難しいなというところなんですけど、高度プロフェッショナル制度をもし運用するとしたならば、そこのいわゆる最適な把握ということが必要であるのと、やはり健康上のリスクというのは考えないといけないなと。
 もっとそもそも論で言うと、時間よりも成果だと言われるんですけれども、今も実は成果で見ているんですよね。いわゆる時給換算の考え方の会社でも成果型の賃金というのは導入されていて、いわゆる高度プロフェッショナル制度になると本当に劇的に変わるのかということも議論しないといけないなということを非常に感じる次第でございます。
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渡邉美樹#13
○渡邉美樹君 ありがとうございます。大変バランスの取れた意見をありがとうございます。
 次に、川上参考人に質問させてください。
 ライドシェアに対して大変批判的な御意見を聞かせていただきました。いろいろと述べられているので見ますと、タクシーは高いけど安全だと、そしてライドシェアの普及が、タクシー経営が成り立たなくなるような、そういう可能性を言及されているわけですが、確かにそういう可能性は私もあると思います。しかし、物事には何でもプラスとマイナスがあるわけでありまして、大事なことは、社会全体の全体最適と国民の選択の幅を広げるということではないかと思います。
 例えば、これは、もちろん最低の安全を確保した上でですが、安全じゃないけど安い車に乗るのか、安全で高い車に乗るのか、これを選べばいいのではないかという、一方あります。タクシーとライドシェアの共存によるトータル経済の活性化というものを是としなければ、サンドボックスの今回推進ですが、生産性向上法案のこの法律自体が必要のないものになってしまうんではないか。
 先ほど少し述べられておりましたが、こういう条件においてはサンドボックスは有効だし、こういう条件においてはサンドボックスは使うべきではないというところをもう一度確認させていただきたいというふうに思います。
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川上資人#14
○参考人(川上資人君) ありがとうございます。
 一番大きなのは、同じルールの下で、同じ市場で営業、事業を行っているならば、やはり同じルールの下で事業を行うべきだと考えるところです。
 したがって、やはり旅客運送事業ということでウーバーなりライドシェアというのは昨年EUの高等裁判所で認定されました。今年の初めが最終的な判断だったと思いますが、つまり、ライドシェアの会社というのは、我々はテクノロジー企業にすぎないのでそういった安全管理の規制というルールを適用を受けないという主張をずっとしていたんですけれども、それはEUの高等裁判所の方で違うでしょうと、あなたたちがやっているのはやっぱり誰が見ても旅客運送事業だという認定がされ、旅客運送事業を営んでいる以上は各国で定められている、EU全体でも定められている安全管理規定を遵守しなければならないという判断が出されておりますので、これが例えば日本でライドシェアが導入される場合になっても、私は別にそれはそれでいいと思うんです。
 ただ、問題なのは、そこでこちらの業態、タクシーですけれども、はこの安全管理ルールを守らなければならないけれどもこちらの人たちは全く守らなくていいというのは、どこから考えてもちょっと整合性がないし、不公正だと思いますし、そこから生じる過当競争というのが起きるとは思われますし、そのときに、その過当競争から最終的にコストを負担するのは一般消費者だと思われますので、やっぱり道路運送法の法律の枠組みの中でライドシェア事業者は適法に事業を運営するべきだというふうに考えております。
 それともう一つ、この生産性向上特別措置法についての点でいうと、例えばフィンテックなりそういった先端金融分野においてこういった法律が威力を発揮するというのはあると思うんですけれども、そういった分野において、例えば既存の、今私が述べたような規制法令を遵守して営業している、事業を行っている既存の事業者と、そういったルールを守らなくても事業ができてしまうという二者の、同じ市場で競争しているのに全く違うルールの下でやっていいという不公正な状態は生まれないと思うんですね、先端金融分野等においては。したがって、そのような分野においてはこの法案は有意義な効果を及ぼすのかなとは考えます。
 以上です。
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渡邉美樹#15
○渡邉美樹君 大変貴重な意見ありがとうございました。
 質問を終わります。ありがとうございます。
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矢倉克夫#16
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 三人の参考人の先生方、大変貴重な御意見、大変にありがとうございました。参考になりました。
 私からは、まず松田参考人にお伺いをしたいというふうに思っております。
 参考人の御意見の、特にこういう長期資金の不可欠性であったり、また産業革新投資機構、こちらを民業圧迫ではなく民業強化の誘い水にという御視点、本当に重要であるかなというふうに思っております。午後にも、その観点も含めてまた対政府の方にも質問をしようと今思ったところであります。
 参考人にちょっとお伺いしたいのが、レジュメの三ページ目で書かれている中の情報開示の部分です。
 機構の情報開示でありますが、御意見の中では包括長期視点でということをおっしゃっておりました。大変に重要な視点だなというふうに思います。他方で、それぞれの機構の投資が事後的にやはり検証されなければいけない部分もあり、そうすると個別案件についての情報もやはり開示は必要なところはあるかなというふうに思います。
 例えば、個別株式の売却金額等も含めた情報開示、これをどのようにすべきか御意見をいただくとともに、仮に個別にいろんな事情で開示ができない場合であっても、やはり事後的に検証をして規律維持を図っていくという必要があるかというふうに思います。その辺りの在り方について御意見を是非いただければと思います。
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松田修一#17
○参考人(松田修一君) ありがとうございました。
 今、産業革新機構、今度、投資機構というふうに変わったときの案件と同時に、最近、新聞紙上で、官民ファンドについての採算がいろんなことで新聞に書かれるわけでございますが、長期資金、特にテック系の長期資金というのを考えてみますと、成功するかどうかというのは、成功するためにあらゆるハンズオンをし続けなければいけないと、こういうふうなことがあるものですから、当然なこととして、ハンズオンのためのコストと、そしてその成果というのがバランスが取れなければいけない。それは短期には決してバランスが取れないということで、短期の情報開示というのは、まだ大学発ベンチャー一千社について利益出ていないじゃないかと、出ていないのは当たり前なんですが、そういう議論がちょっと過ぎているんじゃないかなという気が、まず前提でお話ししたいと思います。
 それから、個別案件の開示につきましては、きっちり個別案件のリサーチをし、そしてハンズオンを行っているかどうか、最初のリサーチをした段階の投資の事実が、意思決定が正しかったかどうかと、こういうようなことについては、内部の投資委員会というのをしっかり設けてやっていく必要があるというふうに思います。
 そして、じゃ、その投資した金額、幾らの株式で幾ら投資したという一件一件については、実は研究開発の中身と同じような状況でございまして、いかにこの会社をハンズオンして将来成長させるためには幾らのバリューを付けていくかというものはプロの判断でございまして、これは民間のプロがやっていくということだろうと思います。その民間のプロの判断が、短期的に一時いいか悪いかという判断はなかなかこれはできないのが現状でございます。と同時に、IPOした場合には価値がみんなにリアライズされるわけですが、MアンドAというようなことを途中で行っていこうとしたときに、MアンドAというのはまさに交渉事になります。そうすると、取得した金額とこのぐらい差があってほしいということを投資側が言うことはできないわけでありまして、将来価値から幾らの売却だったら応じますということになると思うんです。そういう意味で、個別案件の情報開示ということになりますと、一社一社について幾らの単価でもって投資したかということを全部開示するというふうなことはあり得ないことだろうと思います。
 そういう意味で、定期的な情報開示、しかしながら、未上場の会社を含めての企業の評価につきましては会計上の国際ルールは相当確立していますので、そのとおりやっているかどうかということが非常に重要なんだろうというふうに思います。そういう意味で、定期的な、少なくとも年に二回、大体こういう方針でこういう分野に投資していますということは明確に出資していただいた方に開示するということは絶対必要だろうということは考えますが、年二回の開示と、そして長期的な投資のファンドが終わってみないと本当は業績出てこないと。そしてまた、有力な方々をそこに参画させようと思いますと、そういう方々にインセンティブを、投資に対する成果報酬を差し上げなきゃいけないと。その成果報酬というのは期限が終わった段階でしかまたはっきり言えないということもございます。
 そういう意味で、個別案件の情報開示ということは、まず今のようなファンド、長期資金のファンドの運用については非常に困難、難しい案件であろうと思いますが、今申し上げましたように、年二回のしっかりした公認会計士の監査も付いた業績評価については会計ルールにのっとって開示していくということが非常に重要であろうというふうに思っています。
 以上であります。ありがとうございました。
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矢倉克夫#18
○矢倉克夫君 ありがとうございます。大変参考になりました。また政府にもしっかりとその旨も伝えて、私も訴えていきたいなというふうに思います。
 それで、川上参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 今回のこのサンドボックスに絡みまして、ライドシェアのお話でありました。参考人の方の御意見の中で、特に安全とかに関して、安全規制とかを潜脱するような業者が出てはいけないというような御視点があった、これは本当に非常に重要な視点であるかなというふうに思っております。
 それで、そのようなことがないように制度の運用をどのようにしていくのか。例えば今回の制度ですと、主務大臣が既存の法令を遵守するかどうかということをしっかり判断する権限もあるわけであります。そういった規制官庁の主務大臣の判断などがこれ安易に侵されないようにする運用というのも非常に重要だと思いますが、その辺りについてまず御意見をいただきたいことと、その上で、また松田参考人にもちょっとお伺いしたいんですが、スピーディーな規制の見直しを求められる一方で、やはり安全であるとかそういうのはこの制度の下でも損なわれてはいけないのはこれは当然のことであるかなというふうに思っております。参考人も危機管理システムの研究学会の創設にも携われたというふうにお伺いもしておりますが、そのような御識見の下で、実証におけるリスクへの考え方についてお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、川上参考人から。
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川上資人#19
○参考人(川上資人君) そうですね、そもそもこのライドシェアという事業は、先ほど申し上げたように、EUの裁判所からも旅客運送事業だと認定されているように、そういった認定がなくても誰が見ても旅客運送だと思われるんですけれども、そうだとすれば、そういった運送事業はやっぱり人命を扱う事業であって、人命、身体の安全を扱うものですから、それを保護するために道路運送法という法律がずっとあるわけでして、そうしたら、やっぱりその事業を行いたいと思っている事業者は道路運送法の枠組みで事業を行うべきであって、なぜそれができないのかと。ライドシェアの事業が禁止されているわけではないわけですから。なので、こういった認定が出れば、規制法令の何か適用を受けないようなそういった特例措置によってその事業を行わせる必要はないのではないかと思います。
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松田修一#20
○参考人(松田修一君) では、松田でございますが、先ほど、スピードということの関係とサンドボックスとの関係でちょっと申し上げたいと思いますが、まず、こういう実証をやってみたいと思う人が申し出て、それを認可していくということになるかと思いますが、少なくとも仮説検証をしていくということがみんなに、認可そして評価する方々にどの程度のタイミングで開示されていくのかということが非常にやっぱり重要で、見える化というのが重要なんだろうと思います。
 仮説検証スピードということはいろんなビジネスの上で使われるわけですが、いかに多くの、失敗も含めて、小さい失敗の中で、早く検証して次の仮説を修正して新しい挑戦していくと、こういうふうなことが重要だろうと思います。
 そういう意味で、期間を認定するというのは、期間で完成版の認定と、もう少し小さく、課題が起きたときにどういうふうなことを対応してきたかということを含めた期間、細かい期間の公表、情報開示と、そしてトータルでの期間としての情報の完成版といいますか、それを多く広げていくかどうかというものの決定というのがどうしても必要なんだろうというふうに思います。
 そういう意味で、全ての完璧なことというのはできませんので、必ず情報共有をしながら、そして評価のタイミングというのを適切に設けていくと。そういう意味では、対象と期間、その期間の中の詳細な期間、プロセスとしての期間というのをどのように決めていくかということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
 ありがとうございました。
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矢倉克夫#21
○矢倉克夫君 ありがとうございます。今のお二人の意見も大変参考になりました。本当にありがとうございます。
 松田参考人の御意見の中の、この後、二〇二五年までに仕上げておくべきことということの、イノベーションを仕上げるための方法ということの御意見も非常に重要かなと。これについては、今回の制度も、金融面に限らず、いろんな分野に関わっているわけであります。こういう先生の御趣旨も踏まえた上で、いろんな分野に可能性を開く在り方というのもやはり必要なのかなということをこれも実感したところであり、これはちょっと私の感想としてお伝えしたいなというふうに思います。
 最後に、常見参考人にお伺いしたいんですが、参考人の御意見の中で、アイデアを生むためには数字ではなく国語だというようなお話もされていた、そのとおりであるかなと。相手の立場に立って思いを酌み取るという、そういう発想から初めて社会に必要なアイデアというのはやはり生まれてくるんだなと。単なる数字から、データからしたらこれが必要なんじゃないかというのは結局机上の空論で、そのままずれていくというようなところはあるかなというふうに思います。
 今、創業者の教育とかがやはり重要であり、私も、そういうところを広げていくためには、これ松田参考人もおっしゃっていただいたことの観点かもしれないですが、そういった観点からの教育というのも重要かなというふうに思っております。これについての御意見と、どのように進めていくべきかということを御示唆いただければというふうに思います。
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常見陽平#22
○参考人(常見陽平君) 創業者の教育、これは非常に大事な問題です。今起こっていることですとか、ちょっと事例の御紹介ということでしたいと思うんですけれども、やっぱりこれを誰が音頭取りしてやっていくのかという問題があると思うんですね。実は今、民間の方では非常に起業家のネットワークで例えばそれが進んでいるケースがあるんですね。
 たまたま、そうですね、リクルート出身の起業家に千葉功太郎さんという方がいらっしゃって、彼は数社の起業、例えばコロプラですとか、その前はKLabですとか、そういった会社の立ち上げに関わった方なんですけれども、彼は、これまでのIPOですとかそういったことで、もう今はエンジェルになっているんですね。いわゆる投資家になっているんですね。彼は千葉塾という塾を主宰していまして、何をやっているかというと、自分が出資している起業家数十人、もう数十社に投資しているんですけれども、数十社を集めて、そこで合宿形式でずっと語り合うんです。必ずそこでは、その会場にやってきた瞬間、NDAを書かされるんですね。今日話したことは絶対に口外しないという誓いを誓った上で、千葉氏自身あるいはそこに参加した起業家たちが自分のここでしか言えない失敗談を話すんですね。こういったことで育て合うという連鎖が起こっている事例があります。
 ほかにも、この前も関西財界セミナーに参加したときも話題になったんですけれども、やっぱり次世代の経営者のいわゆる育成をどうするかというところで、そこでアイデアレベルで出たことではあるんですけれども、いわゆるそのエリアの起業家あるいは大手企業の社長たちが次世代の経営者を育てるための私塾をつくる、あるいは交流会を開くみたいなアイデアが出ていました。
 ちょっと話が拡散しましたけれども、一部そういう起業家同士のネットワークをどうつくるか、単に、しかも仲よしサークルにするのではなく、意味のある事例の伝承といったことが必要なんじゃないかなというふうに思いました。
 答えになっていないかもしれませんが、私からは以上でございます。
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矢倉克夫#23
○矢倉克夫君 大変参考になりました。三人の先生方、本当にありがとうございました。
 以上で終わります。
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伊藤孝恵#24
○伊藤孝恵君 国民民主党の伊藤孝恵です。
 今日は本当に、参考人の先生方、示唆に富むお話、ありがとうございました。
 私は、まず常見先生にお伺いしたいと思います。
 二十一世紀型ときわ荘とかイノベーションフライデーとか、本当にワーディングの妙に聞き入りましたけれども、生産性を語るならまず労働者の在り方だというような、そういった本質的なお話をいただきました。
 現在、国会では、御存じのとおり働き方国会が審議入りしておりますけれども、常見先生から見て、この生産性の向上とか競争力強化の文脈と働き方改革の文脈、そういったものに矛盾を感じられるのか否か。先ほどの渡邉委員の質問とも関連するかもしれませんけれども、やはりフリーランスとか業務委託というところの方々に生産性を求める余り、そこにパワハラとかセクハラとか、そういったものをストップをする法律がこの国にはまだありませんので、そういった部分でこの議論がまだ、十分なのか否か。そういったところの疑問も私自身にはあるんですが、そういった部分、いかがでしょうか。
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常見陽平#25
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。
 非常に、まさに働き方改革といわゆる稼ぎ方改革、これが連動していないんじゃないか。もっと言うと、働き方改革ということが国を挙げた議論になったことは、これはすばらしいと思うんですけれども、やっぱりそれがどういうもので、その目指すものが何なのかという議論をもっとするべきだなというふうに思います。
 非常に感じるのが、伊藤先生に以前お見せしたかもしれませんけれども、昨年の参議院選の公約集を私の方でまとめたことがあるんですね。公約集にどんなことが書かれているか、各党がいわゆるどのような政策を打ち出しているかということを書いていって非常に面白かったのが、特に自民党とその他の党で違いが見受けられるんです。それは何か決定的なのは、自民党の方は、いわゆる公約集の中で経済に関する取組事項のところにいわゆる働き方改革関連の話が入っているんですね。それで、野党はどちらかというと国民の生活なんですね。これは大きなスタンスの違いだなというふうに思います。非常に政策集を見ていて自民党の取組の中には面白いものもたくさんあったんですけれども、非常に労働力が減っていくんじゃないかということに対する危機感を非常に私は感じましたということなんですね。
 これは別に決して悪いことではないんですけれども、ただ、そこのいわゆる働き方と稼ぎ方ということの連動がまだまだ弱いんじゃないか。突き詰めていくと、これから日本は、この業界は、そしてうちの会社はどうやって食べていくんだろう、このことについて国民はまさに疑問を持っていると思いますし、このような産業を育てたいからこの働き方なんだという連動になっていないなと。突き詰めると、今は時短ハラスメントという言葉も生まれていまして、とにかく、要は国が言うから、あるいは労基署がやってくるから、実際労基署は今たくさんやってきているんですけれども、だから労働時間を減らせということを言うんですよね。結局、でもそれが丸投げになってしまって、管理職が疲弊して、ついには自殺してしまった管理職がいたりですとか、サービス残業の温床になってしまっていたりするということなんですね。
 そもそもここのデザインをどうするかということが非常に難問でございます。やっぱりこれは絵物語かもしれませんし、どちらが先かということかもしれませんけれども、これからこれでもうけるんだと、もっと言うと、利益率を何ポイント上げるんだという目標を掲げた上でこの働き方だと。うがった見方をすると、非常に今の政策は、これは悪い方向に進むと、いわゆる誰がどれだけ働いているか見えなくなると。フリーランスになった瞬間そうだし、副業の推進というのもその色が感じられるわけですよ、例えば。ということですとか、あとは、悪いシナリオに行くと結局労働者が疲れるだけなんじゃないかということが感じられるということです。そこをどう役割分担するか。
 とても期待しているのは、生産性に関する改革のところで、もうずばりこれは、まずITの投資はするべきなんですよ。設備投資はするべきなんですよ。やっぱり五年後、十年後に、どうしてあの仕事を人間がやっていたんだというような議論が起こるようなことをするべきだと思うんです。今、例えば駅の改札で、何でこの改札は駅員さんが丁寧に切符切ってくれないんだとどなる老人っていませんよね。いないですよね。もうSuicaが当たり前でしょう。でも、それは当たり前なんだけど、人間はどんどんいろんなことを機械に置き換えていったんです。もちろん、そこでAIが雇用を奪うみたいな議論があるんですけれども、そこも非常に僕は慎重な議論が大事だと思っていて、人口も減っていくわけですよ。人間は、産業革命のときからいわゆる機械と競争し、協働をしてきたわけなんです。そこの新しい環境をつくっていくべきだなというふうに思いました。
 今は、正直、働き方改革法案というものが規制緩和と規制強化をセットにしたもので、議論も見えにくくなっています。そして、この法案が通らないと、高度プロフェッショナル制度は非常に問題があると思うんですけど、この法案が通らないと、来年も再来年も非常に労働時間は規制が掛からないということですとか、非正規の方は同一労働同一賃金という世界観にならない。同一労働同一賃金は非正規の世界観だけじゃないんですけれども。
 ということで、僕は、ちょっと法案が一本化したことで見えなくなったことがあるなということと、結局労働者にとってどんなメリットがあるのかということで、労働者が安心できる社会、この働き方だったら死なないよねということと、一方で稼ぎ方においてはこの戦略を打っていけば、いわゆる企業としても日本としても安泰だねというものが見えないから不安なんじゃないかなというふうに思います。
 そして、もうそろそろ終わりますね、やっぱり、僕、労働者の人権後進国だと思うんですよ。やっぱり死んでしまうということだとか、いろんな各種嫌がらせを受けるですとか、そういうことに対しての後進国なんで、やっぱり安倍首相は、世界で一番ビジネスがしやすい会社と言ったんだけれども、その前に、世界一働きやすい会社となぜ言わないのかということを私は問いたいと思います。
 済みません、長くなりました。ちょっと答えになっていないと思いますが。
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伊藤孝恵#26
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。
 では、次、川上先生にお伺いします。
 ライドシェアの問題点について、つまりは安心、安全が確保されない、それは運行管理ですとか車両管理、労働管理について責任を負う主体が見えにくい、見えない、ないと、そういうことだというふうに理解をしました。
 しかし一方で、先般、世耕大臣が委員会で答弁されたんですけれども、過疎地などではライドシェアを求める声もあるというような、そういったこともおっしゃっております。
 私自身は、交通空白地については、何かを一つ、例えばライドシェアを入れれば解決できるものじゃないというふうに思っていますし、高齢者に免許を返納させて、その先の見通しというのを示さないのも無責任だというふうに思っています。そもそも、地域に土木課とか森林課というのはあるのに、交通政策課というのはないんですよね。そういう部分で、本当は、新聞配達とか郵便配達とか荷物とか、そういった買物、そういった貨客混載の議論も一体でしていかなきゃいけないのにというような違和感があるんですが、いかがでしょうか。
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川上資人#27
○参考人(川上資人君) 交通空白地、過疎地等の公共交通の問題というのは当然あると思うんですけれども、そこにおいては、やっぱり道路運送法の七十八条各号、特に二号において、自家用有償運送、公共交通空白地自家用有償等、制度が用意されているので、まずはその制度の枠組みの中でしっかり、例えば協議会のデザインとか、そういった法制度が用意されているにもかかわらず、それが今おっしゃられたとおり、交通政策課自体がそもそもないとか、そういう自治体が多いためにその制度が活用されていないという実態があるというその問題点を飛び越して、じゃ、ウーバーを入れればいいのかという話はちょっと違うんじゃないかと思います。
 それと、ウーバーというのは、結局、極めて市場原理の中で動く会社ですから、当然の株式会社ですから、そういった過疎地でビジネスをやることで彼らがもうけを上げることはほぼありませんので、当然そういったところから撤退している海外では状況もありますし、一番その需要が高いところ、ニューヨーク等に高い運賃等を設定して、そこで利用者が増えるように、それからドライバーも増えるように、そういったビジネスモデルになっていますので、今、例えば中頓別でウーバー社が中頓別町と提携してライドシェアのようなものをやっていたとしても、それをそのプラットフォームがずっと永続的に、公共交通の永続性というその責任等を考えた上でやっているのかというと、やっぱり手放しでやってもらうことになれば、それは市場原理のみに任せるということになれば、手を引くのはもう目に見えていると思うんですね。結局、需要がないから今までの公共交通会社は撤退しているわけですから。
 そうすると、やっぱり今あるその自家用有償制度等の法の枠組みの中でしっかり公共交通機関としての責任を自覚してやるようにした方が住民の足にはなるんじゃないかと思います。
 以上です。
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伊藤孝恵#28
○伊藤孝恵君 おっしゃるように、行政連携の福祉タクシーとか、まずちゃんと検討しなきゃいけないですし、おっしゃるように、協議会に例えばバス事業者は呼ばれるのにタクシー事業者は呼ばれないとか、まだまだそういうできることがあるので、飛び越えてというのは大変参考になったお話でした。
 最後に、松田先生、お願いします。
 冒頭お話された世界から周回遅れの日本が取り組まなければならない国民運動というのを非常に合点いたしました。やっぱりまず教育で、私も、若い日に世界に、若い人たちに世界を見に行ってほしいなというふうにいつも思います。
 日本では何となく大学に行って高学歴という切符を手に、通行手形を手に大企業に就職するというのが幸せだなんていうような人もまだこの二十一世紀に及んでもいらっしゃる中で、例えば、フランスでは十五歳から働いている職業人としてのロブションが大変尊敬されていたりですとか、日本企業ではアイフォンに我が社の部品が採用されたと喜んだりしますけれども、そうではなくて、やっぱりデバイスを作って、そこにプラットフォームをつくって課金モデルをつくった、そういったものこそがビジネスをつくるということなんだというのを体感してきてほしいなと。それが、やっぱり次の組織風土改革、社会風土改革とも言えるかもしれませんけれども、自然につながっていくんじゃないかというふうに思います。
 今回の法案、制度インフラ改革の一つだと思うんですけれども、先生が指摘されたやっぱりお金、投資、国も大胆に投資先を変更していかなきゃいけないなというふうに思いますし、先生も御指摘されておりましたけれども、地域に眠っている資源の掘り起こし、これまだまだできるんじゃないかなというふうに思っています。例えばローカル局の映像、いっぱい映像蓄積されたものありますけれども、そういったものをマネタイズとかいろいろできるんじゃないかな、できることいっぱいあるんじゃないかなというふうに思います。
 一方で、自分が制度を使う側になったらという形で今回の法制を見たときに、例えば今回プロジェクト型のサンドボックスですけれども、ほかにも地域限定型のサンドボックスもできて、国家戦略特区もあって、構造改革特区もあって、新事業特例制度もあって、その上にグレーゾーン解消制度も、ほかにもありますし、規制改革推進会議もあったりして、もはや誰がハンズオン機能というか、マッチングとか知見の蓄積とかそういったものの主体者であるのかというのが非常に見えにくい。やっぱりマッチング機能というのをもっと国が担保してこそ、いろいろビジネスを創出していく、グローしていくんじゃないかというふうな課題感を持っているんですが、そこについて御意見伺えればと思います。
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松田修一#29
○参考人(松田修一君) ありがとうございます。
 先ほどの御質問、いろんな先生方の御質問とも関連するんですが、パーツとしてはいっぱいできていて、それがコンバインされていない、融合していないというのが非常に多いんだろうと思います。
 そういう意味で、法律ができ過ぎたがゆえに、その法律をまたしっかり守らなければいけないと、いわゆる広い意味でのお役人の方々、きっちり守ろうとしているんですね。ところが、それ以外のことが起きたときに、ちょっとそれは問題かも分かりませんねと言われたら、そこから一歩出れないと。じゃ、グレーゾーンだったらやってみたい、やらせるという方法が日本ではなかなかないんだろうと思います。
 これは、大会社がいろんな新規事業をやろうとして省庁に問い合わせると、問題がないとは言えないと、こういうふうなことですから、リスクがあると有価証券報告書にも書かなきゃいけませんので、そういうリスクをしょって一歩前へ出ようということがなかなかできないということを考えたときに、サンドボックス制度というのは一つの救いではないかなと。
 いずれにしましても、パーツを本当にボックスに入れて、そして一番効率的に、ユーザーオリエンテッド、国民にとって一番有益なのは何だろうということをもう一度本当は考え直す必要があるんではないかなと思います。
 ここのサンドボックスの中で、これ説明しなかったので一つだけ説明して、これがサンドボックスの対象かって言われちゃうと思うんですが、先ほどの過疎地のライドシェアの問題がありましたけど、過疎地で一番、ライドシェアどころじゃなくて、食べるものシェアなんですよね。そうすると、乾物類を入れて、車でもって、移動車がある、移動するという方々がおられるわけですが、やはり日本人ですから、そこでさばいたお刺身が食べたいんです。お刺身をさばくということができないんです、今の状況ではですね。それは、上下水道ということが完備していなければ、上水を使ってさばかなければ、下水はそこへ垂れ流してはいけないということになっています。
 こういうふうなことは、逆に言うと、明治時代はみんなどこでも普通やっていた。ですから、どんどん国が都市化することによって都市化制度がどんどん進化しちゃって、そして今、人口が逆ぶれで動いていて、むしろ過疎地というのが出てきたときに、昔の制度をもう一回見直して復活するというのも必要なんじゃないかと。
 そのためには今いろんなツールがあると。で、これがフィンテックではないじゃないかということになるかも分かりませんが、例えば徳島の「いろどり」という会社がございます。葉っぱビジネスを、世界中の日本レストランにも卸しています。大変なハイテクをどんどん入れた、基本的には刺身のつまを売るということですからローテクなんですが、そこにやっぱりハイテクが入ってきていると。
 こういうふうなことを考えますと、日本にある経営資源が何があって、それにどういうツールを入れるともっと日本が稼げる国になるのかということをみんなで考えていく必要があるのかなと。そのためには、それを、コーディネートを本当に考える人というのが必要なんだろうというふうには思っております。
 ありがとうございました。
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