田中秀樹の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(田中秀樹君) 本日は、参議院厚生労働委員会の参考人として発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私ども一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会は、生活衛生関係営業十六業種、全国に約七百万人の営業者と従業員が働く業界の中で、同業者がつくっている組合の中央組織として意見の取りまとめや調整などを担当している法人でございます。
 本日は、十六業種の生活衛生同業組合を代表して、麺類の生活衛生同業組合の理事長であり中央会の副理事長である私、田中が意見と要望を述べさせていただきたいと思います。
 私どもは、政府が禁煙や受動喫煙対策強化の世界的な趨勢の中で大変苦労されていることは十分に理解していますし、私ども生衛組合としましても、行政機関や関係の皆様と連携して、オリンピック、パラリンピックなどの開催に向けてこれまで以上に受動喫煙防止対策を促進していく必要があると認識して、真摯に取り組んでいるところでございます。
 お手元の資料一ページを御覧いただきたいと思います。
 私ども生活衛生同業組合は、様々な業態があり、かつほとんどが小規模事業者のサービス業でございます。サービス業にとっては、たばこを吸うお客様も吸わないお客様も、皆さん大切なお客様でございます。そして、我々各事業者にも営業の自由がありますので、各店舗の多様性や自主性も尊重していただきつつ、お客様と事業者それぞれが受動喫煙防止環境を自由に選択できる仕組みとすることが望ましいと考えております。これこそが、日本だからこそできる、そして日本が世界にアピールする分煙先進国の構築であると考えております。
 現在、本委員会で審議されている政府提出の法案の内容は我々小規模事業者に一定の配慮をいただいた内容であると認識しておりますが、法律は大枠を決めて、取扱いの詳細は今後政省令などで示されるものと認識しておりますので、今後も関係団体へのヒアリングを実施するなど丁寧な検討を行っていただくよう、この場をお借りしてお願いを申し上げます。
 さて、私どもは、対策を進めていく上で、資料一ページにお示しをした①から⑥の要件が達成されることが必要であると考えております。また、二ページ以降には具体的な意見、要望をお示しさせていただいております。本法案の成立に伴って達成されるもの、達成が困難とされつつあるものもございますので、私ども業界の窮地をお救いいただくため、これらの意見、要望を是非かなえてくださるよう切にお願いを申し上げます。
 中でも、幾つか具体的にお伝えしたい内容がございます。
 一点目は、店舗、施設の実情に合った受動喫煙防止対策を推進すべきとの観点から、望まない受動喫煙を防止しつつ、たばこを吸う方々の自由や満足、そして営業者の自由にも配慮をしていただく日本型の分煙対策を促進していただくということでございます。このため、喫煙専用室の設置による分煙対策のみならず、中小の営業者にも取組が可能な対策について、一層の支援をお願いするものでございます。
 例えば、昼間は禁煙として会社員や学生などランチタイムの営業、同じ店舗が夜にはお酒を扱い、酒、たばこ、料理で会社員などの心身の疲れを癒やすという営業を行っている店舗がたくさんございます。このような店舗、施設の営業などの実情に応じて禁煙の時間帯を設けて営業することによって、二十歳未満の立入りが可能になるものと考えております。
 しかし、七月五日の本委員会における加藤厚生労働大臣の答弁は時間分煙における禁煙時間においても二十歳未満の立入りを禁止するというもので、私ども業界は、大変驚き、落胆をしたわけでございます。認めない理由として、喫煙を可能にする場合の整理は時間ではなく場所や面積要件であるから時間分煙は認められないとの答弁でございました。
 私どもは、政府の法案は、喫煙可能な店舗から禁煙の店舗への変更や、逆に、禁煙店舗から喫煙可能な店舗へといった場所の変更については営業者の自由と認識しております。一方、時間によって場所の変更や変更の頻度まで規制する法律の条文は見当たりませんので、どうにも納得ができません。
 また、夜間営業の飲食店のたばこの煙が同じ店のランチタイムの時間まで残っているのか、その場合、そもそも受動喫煙が発生するのか、さらには、このような営業を規制しなければ健康に影響があるといった研究調査報告の基準は存在しているのでしょうか。是非、御教示いただきたいと思っております。いわゆる三次喫煙を問題にされている方もいらっしゃいますが、衆議院厚生労働委員会で厚生労働大臣は、三次喫煙の健康影響に関する調査報告はなく、三次喫煙は本法案の対象外と答弁されております。
 禁煙時間における二十歳未満の入店を禁止した場合、昼間の収益減少は避けられません。また、仮に入店されてしまった二十歳未満のお客様に対して、禁煙中にもかかわらず御退店いただくための納得のいく説明は大変困難であります。
 さらに、禁煙時間における二十歳未満の就業を禁止した場合、深刻な人手不足に悩んでいるサービス業、特に我々飲食業や宿泊業における生産性の向上は、逆風としか言いようがございません。最低賃金を大きく上回る賃金を提示しても人手が集まらない生衛業界において、二十歳未満の若者が一人前の調理師になるため飲食店に弟子入りする場合や、調理師免許を取得するために必要な実務経験をして就業する場合に、禁煙時間帯においても就業を禁止することとなれば、従業員確保に影響するだけでなく、修業の場も失われて、世界に誇る日本料理の文化の継承が損なわれていくのではないかと業界は大変に心配しており、この規制には納得できません。過剰な規制とならないよう、是非再検討をお願いいたします。
 次に、二点目として、客席面積の考え方についてです。
 客席面積について、私どものこれまでの主張を踏まえて御検討いただいたものと考えておりますが、料亭などでは客席百平米を超える店舗が大変多く、かつ客席のほとんどが個室となっております。兵庫県条例では客席面積から貸切りの個室を除いておりますように、本法案に基づく基準においても、飲食店の貸切り個室については旅館、ホテルの客室同様に規制の対象から除外するなど、業態に応じた措置を選択できる制度としていただくようお願いをいたします。
 三点目は、喫煙、禁煙の情報をお知らせするステッカー、表示などのピクトグラム化をするなど、訪日外国人にも分かりやすいものとすることに加え、全国で統一することによって、より理解が深められるものと考えております。
 四点目は、この法律改正に伴って、多くの飲食店が屋内禁煙とすることが予想されます。屋内禁煙、屋外喫煙可とする分煙を選択可能とするため、屋外の喫煙環境の整備が不可欠かつ急がれます。引き続き、地方自治体による屋外喫煙所などの整備を促進するようお願いをいたします。
 最後に、加熱式たばこについてはまだ受動喫煙による健康影響が科学的に証明されていないことから、加熱式たばこ専用喫煙室に関する技術的基準についてはあらゆる店舗で容易に実現できるものとするようお願い申し上げます。
 以上、私どもの意見と要望の一端をお話しさせていただきました。私ども生活衛生同業組合の人間にも家族がおります。この度の制度改正によって廃業に追い込まれる事業者がないよう、先生方におかれましては、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は誠にありがとうございます。以上でございます。

発言情報

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発言者: 田中秀樹

speaker_id: 221

日付: 2018-07-10

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会