大庭三枝の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(大庭三枝君) ありがとうございます。
 一帯一路の影響はもう当然ありまして、やっぱり一番大きなインパクトは、これまでの多国間の何らかの協力ということを考えたときに、ASEANが中心となっているものが非常に大きな比重を占めていたのが明らかに低下していくということです。
 この流れ自体は止められないと考えていて、それは、止められないというのは相対化されるのは止められないという意味でありまして、それはどうしてかというと、ASEAN諸国自身がその一帯一路を一面では非常に歓迎しているということです。やはり彼らとしては開発資金が欲しいということがあります。
 ただし、一方で、ASEAN諸国が、だったら一方的にもう一帯一路は万歳と言っているかといったらそうでもなくて、非常に懸念もあるんですね。やっぱりそれは、ASEANの中心性が失われるということについて、つまり彼らの多国間の枠組みを通じた影響力の維持ということが明らかに損なわれるという側面についての危機感。
 それからもう一つは、明らかに中国の経済的な支援の裏にある政治的な意図についての危機感です。これ、私が先ほど時間の関係で言わなかったスリランカの教訓というのがありまして、スリランカにおいて中国マネーで港を造ったはいいが、結局それの資金を返すことができなかったのでスリランカのその港の管理というのを中国の国営企業に売り渡さざるを得なかったというこの事例ですね。これは実はASEAN諸国においては非常に広く共有されていて、カンボジアですら、すらというのは失礼なんですけれども、カンボジアですらその教訓は共有されていました。
 彼らが言うには、カンボジアが言うには、我々はシアヌークビルという港は日本にやらせたんだというわけです。それはバランスを取った、中国だけにやらせない。ところが、行ってみると、その周りの経済特区は全て中国企業が握っていたりする実態があります。
 ということで、ASEAN自身は、自分たちの中心となる枠組みもASEANとしての一体性も、あるいはASEANとして影響力を持っていくことや自分たちの自立について非常に関心があるし、中国だけになびいているわけじゃないから、そういう意味では彼らがそんなやわではないんだけど、一方でそのような現実もあると。両面を見ながら対応していくことが非常に大事だというふうに考えています。
 そういう意味では、一帯一路は非常に今後のアジアの、特に経済協力に関する枠組みの在り方というのを変えていく可能性があるということです。
 以上です。

発言情報

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発言者: 大庭三枝

speaker_id: 11780

日付: 2018-04-11

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会