大庭三枝の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(大庭三枝君) ASEAN諸国にとってのASEANの重要性というのは、もうまさしく自分たちの力は限界があるという、そういった認識の上で、それまで培ってきたASEANのアセットを捨てるつもりはないということです。
 もちろん、いろんな形でASEANは分断されているとか、もう関心がないというようなことを簡単に言う報道は出ているんですけれども、各国の外交の柱は既にもうASEANにあって、それは非常におもしろいんですけれども、今、各国の政府の中、例えば外務省とかそういったところの省庁の中にASEAN共同体に関する部署は既にありまして、ASEAN共同体というものを推進していくこと自体は既にもう制度化されたプロセスになっているということです。
 なので、彼らにとって、もちろんほかにいろんな活動の場を求めていくということがないわけではないんですけれども、一方で、ASEANとしてASEANの一体性を守りながら自分たちの利益を確保していくというのは、もう各国の外交にとって礎の一つになっているという意味で私は重要だと言いました。
 もちろん、この中で外れるとすると、インドネシアのようなもう非常に人口も多い国、大きい国が自分たちの活路を求めて別の方向に行くという、こういったことも考えられるんですけど、実際に今のジョコ政権の初期にそのような動きを見せたかに見えた時期があったんですが、また再び、やはりASEANはASEANで重要で、その上でインドネシアがそこでどのようなイニシアチブを握れるかということがまたテーマとして浮上してきているようで、その辺り、やはりASEANがここ五十年以上培ってきた外交的アセットを守るということが彼らの外交政策の中で非常に重みがあるという意味で非常に大事だということです。
 あともう一つだけ付け加えますと、とはいえ、ASEANの特に初期の頃というのは、もう完全にエリートだけのまとまりですね。つまり、国を超えていろいろ協議しているのは結局国のトップレベルだけで、それがだんだん政府レベルになってきて、今の段階というのは、実質はまだ政府主導の組織ですが、人民志向のASEANということで、もっと人民を巻き込んだ共同体を目指すという方向性を示してはいます。これは、今はまだASEAN諸国は経済発展のためにはグローバル化に乗った方がいいという、これでもう大体まとまっているので、グローバル化の影の側面がASEAN内の格差にどう影響するかとか、そっちの方までまだアジェンダ化していないんですね。
 ところが、今後、本当にASEANの諸国の中でもっと民主化が進むようなことがあって、そしてグローバル化にもっともっと深く関わっていくと、恐らく遠い将来、少なくとも中期的、長期的には、ASEANの中でもグローバル化そのものをどう考えるかということが出てくると思います。そのときでも、やはり東南アジアという地域の基盤でもって、彼らの共通の利益を図る枠組みとしてのASEANは重要になっていくだろうというふうに考えています。
 以上です。

発言情報

speech_id: 119614305X00420180411_052

発言者: 大庭三枝

speaker_id: 11780

日付: 2018-04-11

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会