大庭三枝の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(大庭三枝君) 御質問ありがとうございました。
 ASEANの本質は、反共連合でもあったんですけれども、一方で、非常に関係の悪かった原加盟国間の対立の緩和でもありました。だから、その知恵を冷戦が終結した後にASEANの外にあった国々に適用してきたというのが恐らく正しい理解ではないかと思います。
 その上でちょっと申し上げますと、ASEAN諸国と協力していくならば、日本が中国と対立しているのは非常にまずいということなんですね。それは、中国はもちろんいろんな形で警戒すべき相手でもあるけれども、ASEAN諸国にとっては、警戒すべき相手であるとともに、いろんな利益を与えてくれている相手でもあるということなんです。両面あるということです。
 そうすると、完全に旗幟鮮明にはしたくないし、できない中で、余りにも日本が、例えばインド太平洋戦略を、もうこれは対中連携、対中同盟だというようなことを言ってしまうと、恐らくASEAN諸国は乗れなくなるということに表れるように、中国とうまくやることとASEANと協力していくことというのは、これは必ずしも矛盾しないというふうに考えています。というか、そうだと思って、ASEAN諸国は、むしろ余りそこの対立が先鋭化するのを恐れていると思います。
 アメリカですが、中国がこのように影響力を拡大する以上、アメリカの影響力はやはり地域に残ってほしいというふうに考えている国が多いと思いますが、他方で、民主主義や人権といった問題でアメリカと対立している国もあります。そして、正直なところ、アメリカの東南アジアへのアプローチが余り繊細ではないので無用な対立を生んでいるところもあって、その辺りを日本が、いや、アメリカだけに協力しているわけではなく、我々はあなた方の事情も分かっていて、だけどやはり長期的にはリベラルオーダーは大事だよということをささやいてその方向に導いていくのには、日本は非常に大事なプレーヤーであると考えております。
 そういう意味で、アメリカは、もちろんみんながASEAN諸国が嫌いだとかそういうことを言っているわけではないんですけれども、アメリカ自身も東南アジアではかなり微妙なプレーヤーで、覇権国でありますので、多くの国が、力の維持は求めているけれども、アメリカのアプローチをそのまま持ってこられるのには拒否反応があるということは念頭に置いておいていた方がいいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 大庭三枝

speaker_id: 11780

日付: 2018-04-11

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会