大庭三枝の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(大庭三枝君) 御質問ありがとうございました。
インド太平洋は私が提唱したわけではなく日本政府が提唱しておりますので、あくまで私の見方ということなんですが、というのは、自由で開かれたインド太平洋についての言及は増えてはいるものの、まだ大きなピクチャーというのが、概略は示されているんですけれども、しかしながら今のところどういうようなことを進めていくのかということについて、外務省の国際協力局からの資料はあるんですが、まだまだ手薄なんですね。
なので、今、インド太平洋戦略をつかむためには、首相や外相その他の方々のいろんなステートメントから抽出してどういうことを狙うものなのかということをつかんでいるという段階で、私がレジュメの中で言った三つの柱というのは、そこからつかんだ三つの柱ということで、一つは、どうやら地域大国間連携による地域秩序維持ということを考えているのではないかというのが一つの柱で、そのときにコアになるのが日米豪印ではないかと。二番目が、アフリカとアジア、インド洋と太平洋の連結性を深めて更なる経済的な発展をシナジー効果で実現するという、こちらですね、これはインフラ整備なんかをするんだということを盛んに言っている。三番目が、これは海洋秩序も含めた、ルールに準拠した国際秩序を実現するということ。
これを、この三つが今のところインド太平洋戦略の中の柱ではないかというふうに考えたということでありまして、条件というよりは、今の日本政府が言っているインド太平洋というのは、非常に幅広い中で、三つの柱というのがあるのではないかという私の考察を述べたのがこのレジュメになります。
私がこれを、ちょっと危険性もあると思いながらも、これはもし中国に対して対抗するんだというような色彩が非常に強くなると、私は危険だと思う反面、ポテンシャルがあるというふうに考えているのは、明らかに今世界の政治と経済のグラビティーが変わっているということで、つまり、アジア太平洋で語れることはまだたくさんあるんですけど、やはり先ほども何度か言及があるインドの台頭ということを考えたときに、やっぱりアジア太平洋単位だけではない、もうちょっと西に寄った形で地域というものあるいは世界秩序の中心を考えるということも非常に重要になってきているという世界的な流れがある中で、インドは私はすごく大変な国だとは思うんですけれども、かといって、そのインドを視野から除いて何かを考えるということだけでは多分済まない世界があるという中で、インド太平洋が重要になってくるんだろうという、そういう意味でのポテンシャルなんですね。だから、日本政府がこのような広い視野でいろんなことを語るというのは、それはポテンシャルがあるだろうというのは、そういった世界におけるグラビティーの変化ということを念頭に置いています。
そして、アフリカなんですけど、恐らくここにアフリカが入ってきて、二〇一六年に安倍首相がTICADのⅥでこのインド太平洋について明確に演説をした際に、やはり何でこれがTICADというアフリカ支援の枠だったかというと、やはりこのインド太平洋戦略自体が日本の外務省の国際協力局の影響力が非常に強い中で、やっぱりこれから日本が協力していく先というのは、もちろんASEAN諸国の中にも従来型の日本のODAを供与する余地はあるんだけれども、アフリカが非常に重要で、アフリカが重点領域として浮上しているということが恐らくあるのではないかと考えます。
それと、実は戦略的な発想というのはちょっとずれているというか、必ずしも一緒じゃないんだけど、それも全部一緒にしているのが恐らくインド太平洋戦略ではないかというふうに考えていて、そうすると日本にとっては、アフリカというのは、恐らく今後日本がODAその他を含めて様々な手段で経済的な発展と政治的な安定に寄与し得る非常に重要な、あるいは寄与しなければいけない非常に重要な地域であるということで、このインド太平洋の中にアフリカが入っているということだと思います。
ただ、ASEAN諸国としては、ちょっとアフリカは、正直なところ、私が聞いた範囲だと、ちょっと広過ぎて、むしろASEANの目線からすると、なぜインド太平洋と語ったときにアフリカの支援まで入っているのかということで、その視野がちょっと広がり過ぎて日本のインド太平洋戦略自体がつかみにくいという、そういうようなある種の実感を、この間たまたまASEAN諸国に出張したときにかいま聞きました。
つまり、非常に幅広い内容を含んでいて、アフリカ支援も入っているんだけど、それがゆえにどこに焦点があるんだということと、それから、アフリカとアジアとあるけど、じゃ、ASEANの位置付けはということを彼らはすごく気にするんですね。インド太平洋の中でのASEANは、中心線はどこにということで、これは日本政府の方でも反応して、やはりASEANはその中の連結点であるということを強調する方向になっているようですが、そのように、ASEAN側からすると、アフリカ支援が入っていることが非常にちょっと視野が広がり過ぎているという印象を持っているようですということです。
以上です。