今林顯一の発言 (国土交通委員会)
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○政府参考人(今林顯一君) 日本語につきましては、日本人も随分長い間言葉の壁に悩まされてまいりましたし、今先生累次御指摘になりましたように、訪日外国人の方々にとっては大変大きな壁になっていると思います。
御紹介のありましたNICT、国立研究開発法人情報通信研究機構が多言語音声翻訳技術の研究開発を推進しております。大変これまでの周知が行き届いていないところは反省しなければなりませんが、そうした開発した技術を民間企業の方々に技術移転をしまして、民間の方で優れた製品、アプリを社会実装していただくということで言葉の壁を打破するということを目指しております。
このVoiceTraアプリというのが、既に研究開発の成果を広く国民に認知していただくそのきっかけにしていただくために無料公開しているアプリでございます。このベースとなる技術は、日本語を中心とした質の高い翻訳データの蓄積を基といたしまして、日本語を中心とした会話における翻訳の精度を高めることにより利活用の可能性を広げております。
IoT、ビッグデータ、AIというものを活用して、第四次産業革命あるいはソサエティー五・〇により生産性、社会生活の質の向上というものに取り組まなければならない、その基盤となるのがデータでございます。またさらに、我が国のおもてなしの心が感じられるような、個々のニーズに応じたきめ細かなサービスの提供というものにもこういったデータの活用が必要不可欠になります。
これが、例えば観光の現場で我が国の技術が利用されますと、データが我が国に処理され蓄積されるということになりますし、そのトレンドを把握するのにも大変役に立つデータでございます。しかし、海外の技術が利用されるとそういったデータがたまらないということになります。したがって、こういった機会損失を防ぎまして、データ活用によるソサエティー五・〇の実現、それから言葉の壁を越えて内外の交流、インバウンド、アウトバウンド双方の拡大を図るためにも、我が国において高精度な多言語音声翻訳技術を独自に確立することは極めて重要だというふうに考えております。
また、百億円の国費ということで御紹介いただきましたけれども、本計画における研究開発や利活用実証のための予算として、これまで平成二十七年度から三十年度予算まで計上させていただいております。それからまた、先般お認めをいただきました二十九年度の補正予算におきましても、多言語音声翻訳の精度向上に向けたAI用計算機の整備というもので五十億円を更に確保させていただいたところでございます。
こういった技術を社会で広範に活用していくためには産業界、大学を巻き込んだ産学官一体となった取組が必要でございますので、私どもは平成二十六年の十二月にそういった力を結集した協議会を設立しまして、そこを中心に既に活動を始めているところでございます。各種スマートフォンアプリ、小型の翻訳端末などの製品が既に多数実用化されておりまして、某社、例えば、何といいましょうか、マイクロホン型のものですとか、いろいろ出ております。こういった製品やサービスが数多く更に社会に出てくるということを期待しております。
昨年の訪日外国人の旅行者数が二千八百万人を超えた、訪日外国人旅行消費額も四兆円を超えたということで御紹介ありましたけれども、来年はラグビーワールドカップを控えておりますし、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるということで、多くの外国人が訪日することが予想されます。政府目標として掲げております二〇二〇年に訪日外国人旅行者数四千万人、訪日外国人の旅行消費額八兆円と、こういった目標の達成に向けましても、この多言語音声翻訳技術を活用して、きめ細かなおもてなしによる観光産業の更なる活性化、あるいは地方発のサービスの海外展開といったことに貢献していくことで大きな投資効果や経済波及効果を期待しているものでございます。