西銘恒三郎の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○副大臣(西銘恒三郎君) 経済産業省より資料について御説明申し上げます。調査会より御指示いただいた項目に沿って資料を準備させていただきました。順次説明させていただきます。
初めに、我が国のエネルギーミックスです。三ページをお開きください。
エネルギー政策基本法に基づき、これまで四次にわたりエネルギー基本計画を策定しております。東日本大震災、福島第一原発事故を受け、二〇一四年に策定した第四次計画では、原発依存度について可能な限り低減、再生可能エネルギーの最大限の拡大を掲げており、これに沿って二〇一五年に二〇三〇年のエネルギーミックスを策定しました。
四ページをお開きください。エネルギーミックスの概要です。
安全性の確保を大前提に、自給率の向上、電力コストの引下げ、欧米に遜色ない温室効果ガスの削減目標、これらを同時に達成することを目指しています。
右下の電源構成を御覧ください。具体的な二〇三〇年のエネルギーミックスの姿として、再エネの比率は二二から二四%、原子力は二〇から二二%の水準としています。
五ページをお開きください。エネルギーミックス策定後の進捗状況です。
足下ではいずれの指標についても着実な進展が見られていますが、ミックスの達成にはいまだ道半ばの状況にあります。したがって、必要な対策を深掘りし、確実にミックスを達成する必要があると考えています。
次、六ページでありますが、今後の対策の方向性です。
省エネについては、産業、運輸、業務・家庭、各部門で対策の深掘りが必要と考えています。企業間での連携や荷主と輸送事業者の連携など、個別事業者の取組にとどまらない複数企業が連携した省エネなどを促していきます。
再エネは、主力電源としていくべく、コスト低減や系統制約の解消を着実に進めます。再エネについては九ページ以降でより詳細に説明させていただきます。
原子力は、引き続き、安全最優先の再稼働と社会的信頼の回復が必要です。事業者による自主的な安全性向上のための新組織の設立、防災対策、事故後対応の強化などを進めます。
火力・資源については、火力発電の低炭素化、資源セキュリティー強化に向けた取組を実施していきます。
また、現在、エネルギー基本計画の見直しに向けた検討を進めていますが、七ページに検討の枠組みを記載しております。
二〇三〇年を目指した現在のエネルギー基本計画の見直し、パリ協定の対応を見据えた二〇五〇年に向けた長期のシナリオ作り、最近のエネルギー情勢の変化への対応、これらの三点を見据え、二〇三〇年に向けた議論を主として総合資源エネルギー調査会で、二〇五〇年に向けた議論を主としてエネルギー情勢懇談会で進めています。
このうち、エネルギー情勢懇談会については、先月、提言が取りまとめられたので、概要を八ページに紹介させていただいております。
二〇五〇年に向けては様々な可能性がある一方、技術や国際情勢には不確実性や不透明性が伴います。提言では、こうした状況を踏まえ、脱炭素化に向けたあらゆる選択肢の可能性を追求しつつ、科学的レビューによって重点をしなやかに決定していくべきとの方向性が示されました。また、3EプラスSの要請を一層高度化させていく必要性も指摘されております。
個別のエネルギー源ごとの方向性については、福島事故を踏まえ、再エネは経済的に自立し脱炭素化した主力電源化を目指す中で、原子力依存度は可能な限り低減すべきという大きな方向性が示されました。その上で、再エネについては、技術開発や送電網、ネットワークの再構築、開発が重要とし、人材、技術、産業の強化に直ちに着手すべきとされています。原子力については、人材、技術、産業基盤の強化に直ちに着手し、安全性等に優れた炉の追求、バックエンド問題の解決に向けた技術開発を進めるべきとされています。化石燃料については、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトなどの必要性が指摘されています。これらを、一、内政・外交、二、産業・インフラ、三、金融の観点から総力戦で進めるべきとされています。
続いて、再生可能エネルギーの導入拡大についてです。十ページに全体像を整理しています。
再エネについては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進めることが基本方針です。二〇三〇年のエネルギーミックスは、海外と比べ日本の再エネコストがいまだ高い中、水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするという極めて野心的な水準となっています。この達成のためには、再エネのコスト効率的な導入、事業環境の整備、系統制約の克服、調整力の確保に取り組む必要があります。
十一ページをお開きください。国際水準を目指したコスト抑制策を記載しています。
左側のグラフの赤字が日本のコストを示しています。日本でも再エネコストの低下は見られますが、国際的にはまだ高水準という状況です。このため、昨年、固定価格買取り制度を大きく見直し、再エネの中長期の価格目標を定めるとともに、入札制度を新たに導入したところです。
十二ページを御覧ください。
バランスの取れた再エネの導入を促進するための事業環境整備も重要です。この一環として、洋上風力の導入促進の法案を今国会に提出しています。一般海域の利用について利害関係者との調整等をルール化し、長期占用を実現することを主な内容としています。
十三、十四ページでは系統制約の克服に向けた取組を紹介しております。
十三ページですが、系統につなぎたいのにつなげないという発電事業者が多数存在することは認識しており、できると判断した政策からすぐにでも手を付けていくという方針で取り組んでいます。
まずは、既存系統を最大限活用するという方針の下、実際に利用されていない送電枠の隙間の更なる活用を進めていく日本版コネクト・アンド・マネージの具体化を進めています。
具体的には十四ページを御覧ください。
過去の実績を基に将来の電気の流れをより精緻に想定し、送電線の空き容量を算出する手法をこの四月に導入しました。現在、系統への連系を希望する事業者に対して、順々に新しい手法を用いた接続検討を行っています。こうした再エネ導入拡大の取組を一つ一つ進めていくことで、二二から二四%を確実に達成することが責任あるエネルギー政策として重要です。
次に、水力発電の利活用について説明します。十六ページをお開きください。
水力発電は安定した電力供給が可能な電源であるとともに、再生可能エネルギーの導入促進を図る観点からも重要です。二〇一三年には電源構成の八・五%を占めていますが、二〇三〇年のエネルギーミックスでは八・八から九・二%を見込んでいます。
十七ページは、二〇三〇年までの導入見込みの内訳の詳細になります。
十八ページを御覧ください。水力発電の開発の現状を紹介しております。
大規模な水力発電施設については、既に開発が相当程度進められており、新規開発に適した地点が限られてきています。また、中小規模の水力発電についても、必要な河川の流量調査に時間と費用を要するといった課題があり、未開発地点の開発が十分に進んでいるとは言えません。
十九ページをお開きください。
こうしたことを踏まえ、ポテンシャルのある未利用ダムにおける発電所建設に加え、新規開発地点における流量調査等の事業化支援や既存水力発電所の増出力等を目的とした設備更新等の支援などを行っております。また、改正FIT法においては、特にリードタイムの長い発電事業の予見可能性を高めるため、複数年度分の買取り価格を決定しております。こうした支援策により、水力発電の最大限の導入を進めてまいります。
次に、エネルギー産出国をめぐる国際情勢と我が国のエネルギー安全保障について説明します。
二十一ページをお開きください。我が国の原油、天然ガスの輸入先を示しております。
原油については約九割を中東地域に依存しています。一方、天然ガスについては調達先が多角化し、中東依存度は約二割にとどまります。資源の安定調達に向け、中東や米国との関係を強化するとともに、上流権益の獲得や調達先多角化などの取組を進めていく必要があります。
二十二ページ、二十三ページでは原油と天然ガスの価格動向を紹介しています。
原油価格は、この十年は、中国の需要増加、リーマン・ショック後の金融危機、米国シェール増産などの要因で大きく変動しており、今後も市場動向を注視しなければなりません。
天然ガスについては、我が国のLNG輸入価格が原油価格とリンクする一方、パイプラインが発展し、ガス独自の市場が確立している米国、欧州との間で価格差が生じております。将来的な油価上昇のリスクに備え、柔軟かつ透明性の高い国際LNG市場の確立が必要です。
二十四ページ、お開きください、では最近の中東情勢を紹介しております。詳細は割愛いたしますが、各国間で様々な予測困難な事態が生じており、中東情勢は非常に流動的かつ不確実な状況になっていると見ております。
二十五ページ、もう一つ注目すべきは米国の動向です。
米国は、シェール革命によりエネルギー輸入国から輸出国へ立場を転じていく見込みであり、エネルギー需要の増加が見込まれるアジア地域へ輸出が増加していくことが予想されます。
二十六ページをお開きください。
昨今の国際エネルギー市場において、中国、インドの存在感が大いに高まっている点を紹介しています。今後、中国、インドの経済情勢や政策決定が国際市場を通じ我が国に与える影響が大きくなっていくという状況を認識する必要があります。
二十七ページをお開きください。我が国の主な取組をまとめたものです。
変動する国際情勢や中国などとの厳しい資源獲得競争の中、我が国としては、資源国との信頼関係の維持強化や上流権益の獲得による自主開発比率の向上などに向け対策を講じています。最近では、アブダビでの油田権益の四十年再獲得に成功し、ロシアとの関係でも多数の協力プロジェクトを進めています。米国からのシェールガスの輸入による調達先の多角化も進めているところです。
最後に、海洋資源開発について説明します。
二十九ページをお開きください。メタンハイドレートの開発状況をまとめています。
メタンハイドレートには砂層型と表層型の二種類があります。前者については、これまで二度海洋での産出試験を実施し、その結果を踏まえ、商業化に向けた課題の抽出等を行っています。後者については、回収技術の調査研究について広く知見を公募しながら進めているところです。
三十一ページをお開きください。海底熱水鉱床の状況をまとめています。
海底熱水鉱床には銅、鉛、亜鉛等の金属が含まれています。将来の商業化を目指し、量と質の高い資源の存在の確認や生産技術の開発を進めています。これまでに六つの鉱床を発見し、昨年、世界初の採鉱・揚鉱パイロット試験に成功しました。今後は商業化のための課題の整理と解決策の検討を進めてまいります。
以上が経済産業省からの説明になります。
ありがとうございました。