渡邊頼純の発言 (内閣委員会)

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○参考人(渡邊頼純君) 熊野先生、どうもありがとうございました。
 このアメリカがTPPに復帰する見込み、これはなかなか難しいですね。余り私は賭けが上手じゃないので、そのオッズはとても申し上げられないんですけれども、ただ、一つ言えることがあるとしますと、やはり今アメリカが日本に対して二国間のFTAをやりたいと言ってきているということは、いろいろ新聞報道等でも出ているところでございます。また、私もアメリカの大使館の幹部たちと交流する機会もございますが、彼らが言っているのは、日本がなかなか二国間のFTAの話に乗ってきてくれない、非常にフラストレーションを感じている、一体なぜかと、こういったようなことを聞かれることもございます。ただ、私はそのときに申し上げるようにしておりますのは、まず、もうこの時代に二国間のFTAというのは古いんですということをアメリカの大使館の方たちにも申し上げています。
 つまり、今、日本の産業の展開というのは多国間に及んでおります。アジア太平洋だけ見ても、ASEAN十か国から、そして中国、韓国、台湾、広いところで生産ネットワークを組み、そこからバリューを生むバリューチェーンをつくっています。ですから、今更日本とアメリカでFTAをつくって自由貿易といっても、それはこのアジア太平洋地域に今広がっているダイナミックな、躍動的なダイナミズムといいますか、これを捕捉するには、この二国間の枠組みでは捕捉し切れないんだと思います。ですから、そのことをアメリカに対してやっぱり率直に申し上げることが重要で、やはり日米共にベストなのは、これはよく安倍総理がそう言われますけれども、やっぱり日米共にベストなのは、アメリカも入った多国間の枠組みというのをアジア太平洋でつくっていくということだろうと思います。
 ですから、そういう意味では、もうTPP12のあの交渉の中で日本政府はアメリカとFTA交渉をやったんですね。ですから、私がアメリカの大使館のハガティ大使にも申し上げましたが、日米FTAやりたいんだったら、それはもうTPP12の中に入っているということなんですね。日本は、あの中で農業関税の八一・二%まで行く行くは関税撤廃すると約束いたしました。これは日本のEPAの歴史の中でも一番高い水準ですね、農業産品の八一・二%。その代わりに一九%ぐらいの例外をつくることもできたわけですね。その一九%の例外の代わりに、日本は自動車で涙をのんでいます。つまり、二・五%のアメリカの自動車関税ゼロにするのに十六年掛かる、トラックは三十年掛かると、ほとんど冗談みたいな時間が掛かるわけですね。
 ですから、これは何を意味しているかというと、日本とアメリカはもう既に日米FTA交渉をTPP12の中でやって、そして、そこではぎりぎりのラインで交渉した結果、日本のセンシティビティーとしての農業を例外をつくる代わりに、向こうの、アメリカ側のセンシティビティーである自動車について例外をつくってあげたわけです。ですから、このセンシティビティーとセンシティビティーの交換、これが日米FTA交渉としてTPP12の中のマーケットアクセス交渉でできたわけですから、あれ以上のことをアメリカはできるんですかと私聞いたんです。できないと言いました。アメリカができないんだったら日本もできない、だったらTPP12こそ日米FTAではないかと、こういう議論をアメリカの大使館の連中としたわけなんですね。
 私は、そういう意味で、是非アメリカに今申し上げたようなことを言ってTPP12にアメリカが戻ってくるようにさせるということが非常に重要だと思っています。

発言情報

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発言者: 渡邊頼純

speaker_id: 27225

日付: 2018-06-19

院: 参議院

会議名: 内閣委員会