山川秀正の発言 (内閣委員会)
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○参考人(山川秀正君) 今の御質問ですけれども、実際問題としては、経営規模拡大、これにはやはり限度があるというふうに私は率直に考えております。
昨年も、ある町村で百ヘクタールぐらい作っている方が結果的に二十ヘクタールの収穫を放棄した。北海道の場合は、当然十一月の下旬になると降雪がある、気象的な要件からして、確かに規模拡大をどんどん頑張ってやっていても、やはりそういう自然条件、これに左右されることは間違いない事実だというふうに考えています。
そういった点では、規模拡大路線一辺倒で本当にいいのか。先ほども触れましたけれども、規模拡大を目指す人、今の現状で農業経営を続けたいというふうに望んでいる人等々、やはり様々な形態の農業経営があってこそ、地域が、地域社会が成り立つ。
実際、私の住んでいる地域も小学校が廃校になりました。保育所は辛うじてまだ一桁の人数で生き残っているんですけれども、そういう状況の中で、例えば通院する、こういうことでさえ不可能になってくる。そういう今の地域社会の疲弊の状況、これが、TPPの中でグローバル企業もうけ一辺倒というそういう流れでは、北海道の地域にとってはまさしく大変極めて厳しい状況になるんではないかと思います。
負債の問題も、これ、実は私自身も農業経営始めて四十数年になるんですけれども、自分自身が農業を受け継いだときには実は十ヘクタールにも満たない農業経営でした。分家だということも含めて、そういう状況の中で、当然、規模拡大して一定の農業経営をやりたいという、そういう夢も含めて、その後、三十ヘクタールぐらい購入をした、それで、結果的には、ピーク時には一億円を超える負債を抱えて農業経営をやってきたと。
そういう状況の中で、自分自身もよくここまで生き残ってこれたなというふうに率直に思っています。それは、相当覚悟を決めて、高収入作物、経営規模が大きくても野菜を作る等々、高収入作物を作るという前提で頑張ってきて、何とか今、それこそ四桁、まあ一千万円を切るような状況まで経営を改善してきているというか、経営を維持してきたわけですけれども、今規模拡大をすると、結果的に土地を購入する資金を借りる、例えば、先ほど言いましたけれども、産地パワーアップ事業等々で牛舎を建てる、搾乳ロボットを二台入れる。そうすると、大体、私ども、走って歩いて、見て歩いて何を言うか、二億円借金したなと言うんですよ。二億円ですよ。
そういう状況の中で本当に経営が継続できるのかというのは、私も大きな疑問を抱えておりますし、よくこの頃言うんですけれども、一億円の売上げで九千万の経費を使うのも、三千万円の売上げで二千万の経費を使うのも、残る金は一千万、一緒じゃないのか、どちらが人間らしい生活ができるのか。そういう視点も是非、農政を進める上で、TPPのこういう議論を進める上で生かしていただきたいというふうに率直に思っています。
以上です。