前泊博盛の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(前泊博盛君) 今日は野党の皆さんからお招きをいただいたんですが、欠席ということで、おわびの電話もありました。沖縄出身の先生もいらっしゃるので、頑張っていきたいと思います。
 沖縄の方は非常に米軍基地問題が激しく被害をもたらしておりまして、その解決をということで政府にも要請をしているんですが、その実効性がほとんどないままに繰り返されているということで、これを是非何とか改善をしてほしいというふうに思っています。特に、子供たちが学ぶ小学校あるいは保育所の上にも部品が落下するという事故が多発をしていると。それから、普天間周辺だけではなくて嘉手納基地についても同じような状況が起こっているということで、これをどういうふうに解決をしていくかということを考えなきゃいけない時期に来ていると思っています。
 今、小此木先生から北朝鮮情勢についての変化がありましたけれども、北朝鮮情勢の変化によって沖縄の基地問題についても変化があってほしいというふうに思っているんですけれども、実際には、もうそれと関係なく、新しい基地の建設も含めて、今強行されようとしているような状況にあります。
 今日は資料を皆さんにお配りをしましたけれども、沖縄問題というふうによく言われていますけれども、本当に沖縄問題なのかと。この問題自体は、実は日本問題であるのにかかわらず、沖縄問題という形で矮小化されて報道され、そして議論されることによって、解決が遠のいてしまっているような感じがします。
 特にこの基地問題、これ、米軍被害の問題がクローズアップをされて、それを負担を軽減するという形で普天間問題も取り上げられたはずだったんですけれども、いつの間にか、その普天間撤去問題が返還問題に変わり、そして移設問題というふうに、普天間移設問題という形で印象操作されてしまって、普天間は移設しなければ解決できない問題というふうに言われるようになっています。
 それからもう一つ、与党の皆さんからもよく言われるんですが、普天間は世界一危険な基地だというふうに言われています。そして、その普天間の世界一危険な危険性を除去するためには辺野古移設が唯一の方法であるというふうにも言われています。
 しかし、本当にそうなのかというところでは、皆さんに今日資料をお配りをしましたが、後ろから二枚目の方ですけれども、米軍機事故を調べてみると、復帰後だけでも七百九件の米軍機事故が起こっています。その中で、世界一危険な普天間基地、そこで起こっている件数は十六件です。これが世界一危険な基地と言われています。菅官房長官も同じように世界一と何度も繰り返していますけれども、世界一とする根拠はどこにあるのか、その数字を示した上で危険性を示さなきゃいけないんですけれども、これまでの過去のデータを見ると、嘉手納基地は四百八十九件も事故が起こっています。そして、宮森小のあの悲惨な事故も、子供たちがたくさん犠牲になりました。こういった事故も含めると、嘉手納は普天間の三十倍も事故が起こっているのに、そのことについては触れない、これは政治の欺瞞性ではないかというふうに沖縄県民からすると批判をせざるを得ない内容だと思っています。
 そして、もう一つ大きな事実は、実は事故が基地の外で起こっているケースがヘリ事故の場合には多いということですね。九十三件は外で起こっています。つまり、普天間基地を辺野古に移設をすれば解決するという問題ではなく、その飛び立つ場所を辺野古に移しても、飛び回るのは沖縄本島周辺、あるいは周辺海域又は本土まで飛んでいくわけですけれども、事故は基地で起こるのでなく基地の周辺で起こるんですね。飛び立った米軍機が危険であって、基地が危険ではないということになると思います。ですから、沖縄からすれば、その基地をどこかほかに持っていってほしいというふうにお願いをしているわけですね。ところが、それがなかなか伝わってくれないということがあります。
 それからもう一つ、このページに入れましたけれども、この尖閣の問題ですね。尖閣諸島については、日本を代表する軍事スペシャリストの方あるいは防衛大臣を経験なさった方にも、八枚目の方に入れましたこの日米安保と基地に関する基礎検定というのを院内の勉強会でも解いていただきました。これ学生たちにもやってもらって、実は、赤くなっている部分がありますけれども、尖閣を構成する五つの島の名前を国会議員の皆さんに挙げてもらったんですが、正答率は一割にも満ちませんでした。知らないんです。知らないのに尖閣が危険だというふうにあおられてしまう。
 そして、その尖閣諸島、この中で大正島、久場島というのがあります。これが先ほどの資料に入れてありますけれども、大正島、久場島という二つの島は、実は米軍に、アメリカ軍に射爆撃場として提供されている、地位協定上基地になっている部分です。それは、基地になっているにもかかわらずアメリカ軍が、その周辺を中国やロシアの艦船が行き来しているにもかかわらず全く関与しないということはどういうことなのかということです。そして、基地に提供されていることを防衛大臣経験者も知らないということも問題だと思っています。
 こういう、まあ名前です、まず。尖閣の二つの島、久場島、大正島という名前で地元では呼んでいるにもかかわらず、国土地理院はこの名前を赤尾嶼、黄尾嶼という名前で登録をしています。そして、提供施設名の名前は、赤尾嶼射爆撃場、黄尾嶼射爆撃場という名前で提供しています。これ、何度も、私も衆議院の予算委員会でもお願いをしました、せめて日本の領土だと言うのであれば日本名で呼んだ方がよい、この赤尾嶼、黄尾嶼というのは中国名ではないかと。
 こういうことが、むしろ防衛の専門家たちからも存在を忘れられている射爆撃場。射爆撃場として昭和五十四年以降一度も使われていないにもかかわらずその返還要求もしていないというのは、政府として怠慢ではないかということです。地位協定というのはいろんな問題がありますけれども、せめて地位協定に決められている条文ぐらいは守らせるというのが主権国家としての最低限の矜持ではないかというふうに思っています。
 まず、地位協定の二条三項ですね、合衆国軍隊が使用する施設・区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還をしなければならないと書いてあります。そして、合衆国は絶えずそれを検討するということが合意をされています。しかし、この赤尾嶼、黄尾嶼については、昭和五十四年以降三十九年間も全く使用していないということです。
 もしもこの尖閣危機を打破するということで射爆撃を開始するとしたら、周辺海域は危険だということで中国艦船は寄れないかもしれません。しかし、それをやるとアメリカにとってプラスなのかどうかという判断が働いているというふうに聞いています。じゃ、使わないのであれば返していただくということになれば、今返していただけば、日本の領土であることをアメリカが認めることになります。そのことは日本にとっては非常にプラスになると思います。これは与党でなければできない解決方法だというふうに思っています。是非そのことについても御検討いただければというふうに思っています。
 次のページの方に、色刷りのページの方ですけれども、十三枚目の方ですけれども、最後のページですけれども、嘉手納ラプコンという問題もあります。これも地位協定上、日本の航空管制についてアメリカ軍が占有して使用している空域があります。
 嘉手納ラプコンというのは、既に五年ほど前に返還をされました。アメリカ軍が日本の領土、領空、領海内におって、特に領空を制圧をしている状況、おかしいだろうということで。沖縄に旅行に来られる方たちが、沖縄本島に航空機が近づくとぐっと低空飛行をしてきます。観光立県として、青い海、青い空を見学をしていただく観光サービスの一環だというふうに勘違いをしている方もおりますけれども、これは、嘉手納基地と那覇空港が交差するために、上空でその交差を避けるために高度差をもって分けています。その高度差が、米軍優先のために、上空を米軍が使い、そして下の低空を民間機が使うという、脱出装置もないような民間機がなぜ下をくぐるのかということで抗議を続けて、その原因として嘉手納ラプコンがあると。管制権を日本側に移管させて、安全な空域を日本側が使用できるようにしてほしいというふうにお願いをして、動いて、そしてようやく五年ほど前にそれ実現をしました。
 ところが、結果、状況は変わっていないんです。これ、ラプコンの返還要求の際に求めたものは、この安全を確保するために要求したにもかかわらず、外務省の交渉は、条件としてたった一つだけアメリカ軍から要求された、ラプコンは返還するけれども、たった一つの条件、運用はこれまでどおり。これをのまされた外交というのは、まさに屈辱的な敗北であります。こういったことを知らない外交官がもし決めたとしたら、あるいはそれを与党が認めたとしたら、対米譲歩の外交になってしまっていると。国民の安全よりも米軍を優先するような外交をしていることをどういうふうに見ているのかということを是非国民の前でも説明をいただければと思っています。
 それから、下に写真を付けましたけれども、辺野古問題というのが今クローズアップをされています。
 辺野古に新しい基地を造る、そのことに対して、沖縄の民意は何度もノーということを示しました。名護の市長選でも市議会議員選挙でも、そして県会議員でも、それから国政の選挙でも、そして知事選挙でも、何度もノーと言ったにもかかわらず建設が強行されるというのは、この国には民主主義はないのかという話になります。いわゆる選挙による民主主義というのが否定されてしまっているのが沖縄ではないかということになります。何度示しても駄目なら、もういい、振興策を取って我慢して生きていこうかというような選択も出てくるかもしれません。そういう選択を強いてしまっているようなこの国というのは何だろうと思います。
 そして、辺野古に新しい基地を造るということに対しても、なぜそれが必要かという議論、あるいはそれに幾らお金が掛かるかということの予算の説明もないままに建設が強行される。環境の合理性の問題、政治の合理性の問題、軍事的合理性でも、これは森本敏元防衛大臣も発言をしていますけれども、MAGTFが、海兵隊の抑止力が機能するのであれば沖縄でなくてもよいという発言、これは中谷元防衛大臣も発言をしています。にもかかわらず沖縄にこれだけの基地を集中させる理由は何なのかということをしっかりと国会議論の中で説明をいただきたいというふうに思っています。
 そして、この源流となっている辺野古の新基地については、一九六六年、六七年に既にアメリカ軍が構想として持っていた計画です。この計画は、ベトナム戦争のさなかでもあったということで、お金が掛かり過ぎる、あるいは新たな脅威を招くことになるということで、却下され、棚上げされた計画です。これが、あの少女暴行事件の後で出てきた問題として浮上して、そして日本政府の負担によって新たな基地建設ができるという、アメリカによるタフネゴシエーターたちは、こういう形で自己の負担を減らし、そして日本に新基地建設までも任せることによって見事な基地を確保していくと。そして、アメリカの軍需産業、ベクテル社が造っているこのフルセット型の基地の建設といったものを九七年から指摘してきたんですが、実際にはこういう形に今近づきつつあるということも皆さんに是非知っておいていただいた上で議論をしていただければというふうに思っています。
 お伝えしたいことはたくさんありますけれども、課題については資料の中に入れてありますので、是非皆さんのお知恵を発揮していただいて、国民が安心、安全を確保できるような生活を沖縄にも置いてほしいというふうに思っています。
 ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 119615262X00120180313_053

発言者: 前泊博盛

speaker_id: 12559

日付: 2018-03-13

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会