レロンソンの発言 (法務委員会)

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○レロンソン参考人 ただいま御紹介いただきました、ベトナムでエスハイという会社を経営しておりますベトナム人のレロンソンと申します。
 このたびは、衆議院法務委員会の参考人としてお招きいただきまして、このように貴重な機会を与えていただきましたことを、心より感謝申し上げます。
 二年前、実習生の法律成立のため、参議院法務委員会に呼んでいただきましたことがあります。その際、制度について、私自身の取組について、御紹介をさせていただきました。
 私は二十三年前に日本に留学生として来日しました。東京農工大学で修士課程、機械工学専攻として金型について研究を行ってまいりました。私の目的は、将来ベトナムで金型工場を立ち上げようと考えていました。
 日本に来て学んだことは、日本の産業のすばらしさ、また日本の社会のすばらしさに感銘を受けまして、これから自分のようにベトナム人の若者がたくさん日本に来て、日本の産業の中で技能、技術を勉強してもらって、日本の文化のすばらしさを身につけて、本国へ帰って、将来、ベトナムの発展、日本のようになっていくというふうに考えました。
 その際、技能実習生制度が二〇〇〇年ころ、あることがわかりまして、この制度はすばらしいなというふうに思いました。というのが、ベトナムの若者が日本に、各現場、中小企業、中堅企業で日本の産業は成り立っている、主に九〇%以上、中小企業が支えているということで、ベトナム人の若者がその現場で毎日技能、技術を磨いていけば、実践で物づくりの精神をベトナムに持って帰る、ベトナムの産業がこれから裾野産業あるいは中小企業を育成していくための必要不可欠な一つの方法だと考えました。
 それで、私はこの制度について徹底的に研究してやってまいりました。その中で、そのとき私自身は一ベトナム人として、これからベトナム人の若者を送り出そうとしたら、絶対的に真面目な人、いい人、優秀な人材、ベトナム代表としたい人材を送らなければいけない、送ることによって日本の社会の中で信頼関係を結んで、将来、優秀な人材がベトナムに戻って、その際、日本企業もたくさんベトナムに進出してもらえるように、そういった関係で両国がますます発展していくだろうというふうに思いました。
 真面目な人を送るためにどういうふうにすればいいかということを考えました。それは十八年前のことだったんですけれども、ベトナムの若者はやはり経済の面で、給料、当時は月給一万円程度、今は二万円になっているんですけれども、その経済状況の中では、日本に技能実習生として来られるならば月給を十数万円もらえる、この金の価値が格差で、非常に魅力的で、日本に行きたくなる。ほとんどの若者は、家族からも応援されて、日本に行きたい理由はそこにあったわけです。
 若者の考え方の意識の低さ、それはもちろんのことですけれども、だからこそ、彼ら、そういった人たちをどうやって教育して、日本に行って、私が考えた技能実習生の絶大なチャンスをつかんで将来優秀な人になるために、やはりベトナムにいたころに勉強して、準備してから日本に来ないといけない、そういうことを考えました。
 そこで私、二点わかったことは、まず一つ、ベトナムの若者の中でどんな人が真面目なのか、そういった募集と選定する方法、これは誰がやるんですかと。もう一つ、選定してからそのまま送るのか、しっかり徹底的に教育してから送るのか。それによって、日本に入ってからさまざまな問題になってくるわけですね。
 最初の、何も教育せずに、どんな人でも日本に入ればいいというわけで、お金の価値で魅力的に来る人ならば、その目的にしたら、目先のことだけで考えて、日本に来てしまったら、十数万はきっと高いわけではない、それがだんだんわかってきたらモチベーションが下がって、今度、もっと高いところがあるよ、そういった誘惑もされて、そこで犯罪者になったり、逃亡者、失踪者が出たりすることになっていく。
 そこで、私は、そういう意識の教育は必ず必要だと思います。ベトナム人の若者が、意欲はあっていいんですけれども、もっと知ってほしいのが、目先のことではなくて、日本に来たら、お金をためるだけではなくて、それはもちろんお金はためられるんですけれども、それ以上の、もっと身につけるものがたくさんある。それは、日本語だったり、日本の現場で技能、技術を学んで、日本の管理者の管理の仕方とか、いろいろな日本のスキル、ホウレンソウや五S、QCDとか、そういった品質管理、そういった日本の企業のすばらしいものを身につけていただいて、持って帰る。持って帰れば、将来の、また、もっとベトナムの中でいい人材になれば、幹部人材になって、管理職になれば、また更にいい給料をもらえる。このいい循環をつくりたい。
 そのためには、私、考えたんです。まず、しっかりした合法的な募集を派遣機関においてはやってほしい。もう一つ、教育機関もしっかり、形だけの教育ではなくて、本質的な教育を入れなければいけない。
 本質的な教育というのは、我々が取り組んだのが、大体、コース、十二カ月ですね、入学してから日本に来る前まで徹底的に十二カ月勉強してもらう。その勉強する内容は、まず日本語、日本語以外の日本の文化、企業の中で働く際の注意事項、安全、またマインド、意識など。それ以上に、将来、三十、四十になったときに自分の人生がどうなっていくか、どんな立場で生活していくか、そういった人生設計まで我々は授業の中に入れました。そうすると、非常に勉強する環境が整っているわけですけれども、そこに入っている学生は、一部、もう耐えられない、自分は早く出稼ぎに行きたい、もう勉強なんか嫌だ、そういった人たちがうちの学校から脱線する。その結果、残っている学生たちは真面目な人になる。
 これで自然と我々はフィルタリングができるようになって、そういった真面目な人、勉強している人たちを、今度、企業さんに面接、ベトナムまで選定しに行っていただいて、もう既に勉強している、準備できている学生から、本人の希望で、この仕事をやりたい、将来この夢を持っている、そういった面談の結果、企業さんのマッチング度が上がって、そこからまず信頼関係を結んでいきます。
 そういった学生が日本に来られたら、企業さんは物すごくかわいがっていただいて、一生懸命やるわけですから、日本企業は、将来、彼の人生、もっと成功してほしい、そういった企業さんがふえます。その結果、三年間、技能実習生として来ている、帰る前に、会社、企業様は、帰ったらもったいない、このままではもったいないということで、ついでに企業さんもベトナムに進出して事業拡大していく。
 その結果、今現在、我々が取引している、送り出している企業さんは五百六十四社ありまして、その中でも既に六十五社、ベトナムに進出しております。進出した日本企業は、元帰国生、技能実習生は今、幹部、経営者、管理者になっているわけです。また、予定している七十二社も今、考えている。
 結果的に、今現在、技能実習生を受け入れることでベトナム進出を予定する会社も含めて二四%になっております。また更にふえると思います。これは、私、最初の望んでいる結果にもなってきております。技能実習生のすばらしさを証明したいと思っております。
 もう一つ、二〇〇八年、私は元エンジニアだったので、技能実習生は一定期間しか学べない、もっと高度な技術を取得しようとしたら、やはり就労枠のエンジニア、高度人材の形もあります。二〇〇八年から我々の同じ教育スタンスで、十二カ月、徹底的に、一日八時間勉強してもらって、一年間でN3、N2相当レベルを達成して、彼らの将来、五年、十年後、日本企業で働いていったら、ベトナムへ帰って起業したり、会社を立ち上げたり、日本企業と一緒にベトナムに幹部人材として行く、そういった目標を持っている学生がほとんどです。そのように、ここまで十年間、五百何十名が今来日しておりまして、これから一部帰る予定にもなっております。
 この結果、私がもう一回皆様にお伝えさせていただきたいのが、やはり、今現在議論中、特定技能といった法案を今検討されているんですけれども、ますます日本の社会が外国人を受け入れないといけないとなっておりまして、その際、必ず真面目な人、真面目な人材を送り込みたいと思います。特定技能としても、やはり信頼できる国、信頼できる人材をぜひ受け入れていただきたいと思います。
 そのためには、私は、一つ、これから特定技能をもしやるならば、技能実習生と同じく、二国間協定、取決めを締結しまして、なぜかといいますと、国内の管理体制は幾らできても、不真面目な人が入ってしまったら、管理だけは大変になっておりますので、それ以前の問題で、その国の法律もあったり、その国の文化もあったり、その国の希望もありますので、その国の、例えばベトナムの政府はどういうふうに、どんな人材を送り込みたいか、その調整の上、真面目な送り出し機関、教育機関を推薦してもらう。
 その際、やはり国がしっかり管理できる体制でやらないと、自由になって、今度はブローカーが参入してしまう。ベトナム人は海外に行きたい人が多いですけれども、行くための手段がない。だから、合法的な手段、やり方がなければ、不法なブローカーが参入してしまうと、また余計によくない人材が入ってしまう、この懸念点があります。
 最後ですけれども、ぜひ、技能実習生、これからまた更に有意義な形で、安全な形で、もっと業種、もっと分野を広げていただいて、その上、三年間修了した人材が、もし希望があれば、日本企業もあれば、本人の希望にも沿って、特定技能として残っていただければ、さらに、ベトナム国にとっても、たった三年修了した人よりも、八年、十年修了した人、長期のことを考えると、日本人のようなプロフェッショナル精神、そういった、日本語もできる、日本ファンになっていく人材が、十年後、ベトナム本国へ帰ると、そういった人材がまた両国の発展にもつながっていくということで、今回の御意見をそういうふうにさせていただきます。
 ぜひ、これから、日本国、ベトナム国、両国、また周辺の地域も、日本の社会のすばらしさを伝えていくための、やはり単なる労働者を受け入れるだけじゃなくて、全般の、全体の両国間の関係を結んでいくこと、そこを望んでおりますので、これからも皆様、ぜひいい形で御検討いただければと思います。
 以上で、ありがとうございます。(拍手)

発言情報

speech_id: 119705206X00620181122_027

発言者: レロンソン

speaker_id: 16611

日付: 2018-11-22

院: 衆議院

会議名: 法務委員会