法務委員会
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会
会議録情報#0
平成三十年十一月二十二日(木曜日)
午前九時十一分開議
出席委員
委員長 葉梨 康弘君
理事 井野 俊郎君 理事 石原 宏高君
理事 田所 嘉徳君 理事 平沢 勝栄君
理事 藤原 崇君 理事 山尾志桜里君
理事 階 猛君 理事 浜地 雅一君
赤澤 亮正君 安藤 高夫君
奥野 信亮君 鬼木 誠君
門 博文君 門山 宏哲君
上川 陽子君 神田 裕君
黄川田仁志君 国光あやの君
小寺 裕雄君 小林 茂樹君
谷川 とむ君 中曽根康隆君
古川 康君 古川 禎久君
古田 圭一君 本田 太郎君
三浦 靖君 宮路 拓馬君
和田 義明君 逢坂 誠二君
松田 功君 松平 浩一君
源馬謙太郎君 遠山 清彦君
黒岩 宇洋君 藤野 保史君
串田 誠一君 井出 庸生君
重徳 和彦君 柚木 道義君
…………………………………
法務大臣 山下 貴司君
法務副大臣 平口 洋君
法務大臣政務官 門山 宏哲君
政府参考人
(法務省入国管理局長) 和田 雅樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 渡辺由美子君
参考人
(京都産業大学法務研究科客員教授)
(慶應義塾大学名誉教授)
(弁護士) 安冨 潔君
参考人
(ESUHAI Co., Ltd代表取締役) レロンソン君
参考人
(特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事) 鳥井 一平君
参考人
(福島大学行政政策学類教授) 坂本 恵君
参考人
(日本労働弁護団常任幹事)
(弁護士) 指宿 昭一君
参考人
(昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授) 八代 尚宏君
法務委員会専門員 齋藤 育子君
—————————————
委員の異動
十一月二十二日
辞任 補欠選任
赤澤 亮正君 小寺 裕雄君
鬼木 誠君 本田 太郎君
黄川田仁志君 三浦 靖君
谷川 とむ君 古田 圭一君
古川 康君 宮路 拓馬君
和田 義明君 安藤 高夫君
同日
辞任 補欠選任
安藤 高夫君 和田 義明君
小寺 裕雄君 赤澤 亮正君
古田 圭一君 谷川 とむ君
本田 太郎君 鬼木 誠君
三浦 靖君 黄川田仁志君
宮路 拓馬君 古川 康君
—————————————
十一月二十二日
国籍選択制度の廃止に関する請願(佐々木隆博君紹介)(第七五号)
同(高木美智代君紹介)(第七六号)
同(中川正春君紹介)(第七七号)
同(西村智奈美君紹介)(第七八号)
同(荒井聰君紹介)(第九五号)
同(阿久津幸彦君紹介)(第九八号)
同(近藤昭一君紹介)(第九九号)
もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第七九号)
同(高木美智代君紹介)(第八〇号)
同(中川正春君紹介)(第八一号)
同(西村智奈美君紹介)(第八二号)
同(荒井聰君紹介)(第九六号)
同(阿久津幸彦君紹介)(第一〇〇号)
同(近藤昭一君紹介)(第一〇一号)
民法・戸籍法の差別的規定の廃止・法改正を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第一一〇号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時十一分開議
出席委員
委員長 葉梨 康弘君
理事 井野 俊郎君 理事 石原 宏高君
理事 田所 嘉徳君 理事 平沢 勝栄君
理事 藤原 崇君 理事 山尾志桜里君
理事 階 猛君 理事 浜地 雅一君
赤澤 亮正君 安藤 高夫君
奥野 信亮君 鬼木 誠君
門 博文君 門山 宏哲君
上川 陽子君 神田 裕君
黄川田仁志君 国光あやの君
小寺 裕雄君 小林 茂樹君
谷川 とむ君 中曽根康隆君
古川 康君 古川 禎久君
古田 圭一君 本田 太郎君
三浦 靖君 宮路 拓馬君
和田 義明君 逢坂 誠二君
松田 功君 松平 浩一君
源馬謙太郎君 遠山 清彦君
黒岩 宇洋君 藤野 保史君
串田 誠一君 井出 庸生君
重徳 和彦君 柚木 道義君
…………………………………
法務大臣 山下 貴司君
法務副大臣 平口 洋君
法務大臣政務官 門山 宏哲君
政府参考人
(法務省入国管理局長) 和田 雅樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 渡辺由美子君
参考人
(京都産業大学法務研究科客員教授)
(慶應義塾大学名誉教授)
(弁護士) 安冨 潔君
参考人
(ESUHAI Co., Ltd代表取締役) レロンソン君
参考人
(特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事) 鳥井 一平君
参考人
(福島大学行政政策学類教授) 坂本 恵君
参考人
(日本労働弁護団常任幹事)
(弁護士) 指宿 昭一君
参考人
(昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授) 八代 尚宏君
法務委員会専門員 齋藤 育子君
—————————————
委員の異動
十一月二十二日
辞任 補欠選任
赤澤 亮正君 小寺 裕雄君
鬼木 誠君 本田 太郎君
黄川田仁志君 三浦 靖君
谷川 とむ君 古田 圭一君
古川 康君 宮路 拓馬君
和田 義明君 安藤 高夫君
同日
辞任 補欠選任
安藤 高夫君 和田 義明君
小寺 裕雄君 赤澤 亮正君
古田 圭一君 谷川 とむ君
本田 太郎君 鬼木 誠君
三浦 靖君 黄川田仁志君
宮路 拓馬君 古川 康君
—————————————
十一月二十二日
国籍選択制度の廃止に関する請願(佐々木隆博君紹介)(第七五号)
同(高木美智代君紹介)(第七六号)
同(中川正春君紹介)(第七七号)
同(西村智奈美君紹介)(第七八号)
同(荒井聰君紹介)(第九五号)
同(阿久津幸彦君紹介)(第九八号)
同(近藤昭一君紹介)(第九九号)
もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第七九号)
同(高木美智代君紹介)(第八〇号)
同(中川正春君紹介)(第八一号)
同(西村智奈美君紹介)(第八二号)
同(荒井聰君紹介)(第九六号)
同(阿久津幸彦君紹介)(第一〇〇号)
同(近藤昭一君紹介)(第一〇一号)
民法・戸籍法の差別的規定の廃止・法改正を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第一一〇号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
————◇—————
葉
葉梨康弘#1
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党所属委員に対し、御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
再度理事をして御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
この発言だけを見る →開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党所属委員に対し、御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
再度理事をして御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
葉
葉梨康弘#2
○葉梨委員長 速記を起こしてください。
理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省入国管理局長和田雅樹君及び厚生労働省大臣官房審議官渡辺由美子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、無所属の会、日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省入国管理局長和田雅樹君及び厚生労働省大臣官房審議官渡辺由美子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
葉
葉
葉
葉梨康弘#5
○葉梨委員長 速記を起こしてください。
これにて立憲民主党・市民クラブの質疑時間は終了いたしました。
これより国民民主党・無所属クラブの質疑時間に入ります。
これにて国民民主党・無所属クラブの質疑時間は終了いたしました。
これより無所属の会の質疑時間に入ります。
これにて無所属の会の質疑時間は終了いたしました。
これより日本共産党の質疑時間に入ります。
〔委員長退席、石原(宏)委員長代理着席〕
〔石原(宏)委員長代理退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →これにて立憲民主党・市民クラブの質疑時間は終了いたしました。
これより国民民主党・無所属クラブの質疑時間に入ります。
これにて国民民主党・無所属クラブの質疑時間は終了いたしました。
これより無所属の会の質疑時間に入ります。
これにて無所属の会の質疑時間は終了いたしました。
これより日本共産党の質疑時間に入ります。
〔委員長退席、石原(宏)委員長代理着席〕
〔石原(宏)委員長代理退席、委員長着席〕
葉
串
串田誠一#7
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。
現在の人手不足というのは大変深刻でございます。それに対応する法案である、非常に重要な法案であるということでございます。ただ、外国人の受入れということで、国民の皆さんも大変不安になっている。その不安を払拭するために、時間のある限り委員会を開催しようというふうに決断をされました葉梨委員長には、敬意を表したいと思います。
ところで、山下大臣、突然ですが、今、若者は結婚ができないというような声をよく聞くんですが、大臣もお聞きになられたかもしれないし、その原因は大臣はどう思われていますでしょうか。
この発言だけを見る →現在の人手不足というのは大変深刻でございます。それに対応する法案である、非常に重要な法案であるということでございます。ただ、外国人の受入れということで、国民の皆さんも大変不安になっている。その不安を払拭するために、時間のある限り委員会を開催しようというふうに決断をされました葉梨委員長には、敬意を表したいと思います。
ところで、山下大臣、突然ですが、今、若者は結婚ができないというような声をよく聞くんですが、大臣もお聞きになられたかもしれないし、その原因は大臣はどう思われていますでしょうか。
山
山下貴司#8
○山下国務大臣 さまざま理由があると言われております。経済的なところであるとか言われておりますし、また、なかなか出会いの場がないというふうなことも聞いております。地方においてはそういうようなことも聞いておりますね。
そういったところ、やはり結婚を望む方々にはしっかり結婚していただきたいなというのが望むところでございますので、そういったことも政府でしっかりと後押しをしていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →そういったところ、やはり結婚を望む方々にはしっかり結婚していただきたいなというのが望むところでございますので、そういったことも政府でしっかりと後押しをしていきたいというふうに考えております。
串
串田誠一#9
○串田委員 非正規の仕事についていて、とても結婚して家庭を維持できないというように思われる方も多いと聞いています。
現在は、大変景気もよくなってまいりました。そういう意味で就職の環境もよくなっているというふうに私も思うんですが、一方で、就職氷河期、バブルを終えた後の就職氷河期や、あるいは、二〇〇八年でしたか、リーマン・ショックの後の新就職氷河期、この方々がたくさんいる。ちょうどそれが、二十代、三十代、四十代という、ちょうど結婚をして子供を持つというような年齢の人たちが実は就職氷河期で非正規雇用となっているという現状もあるわけです。ですから、今、非常に景気がよい、そして売り手市場だ、どんなところにも正規で雇用できるということだけで今のこの日本というものが存在しているわけではないと私は思っています。
そういう意味で、移民政策、私は個人的に移民政策に反対なんですが、政府も移民政策ではないと言っていただいている。
なぜ反対かというと、外国人が長く移り住んでいく、容易にそういうような形で行われていけば、就職氷河期の方々の労働条件というものがますます悪くなって、なおかつ、それでやはり結婚もなかなかできない、子供もたくさん持つという勇気も湧かないという意味では、やはり少子化がどんどん進んでしまうんではないかというようなことで、私は反対を党内ではさせていただいているわけでございます。
そういう意味で、今回の法案は、二号に移るのが容易であればこれは移民政策ではないかという心配も私持っているんですが、この二号に移るに当たっての政府での状況と、この二号に対して、仮にこの法案が成り立ったとしても、私は非常に厳格にこれはやっていかなければいけないというふうに思っているんですが、その辺の状況と、今後の二号への移行に対する大臣からの説明を受けたいと思います。
この発言だけを見る →現在は、大変景気もよくなってまいりました。そういう意味で就職の環境もよくなっているというふうに私も思うんですが、一方で、就職氷河期、バブルを終えた後の就職氷河期や、あるいは、二〇〇八年でしたか、リーマン・ショックの後の新就職氷河期、この方々がたくさんいる。ちょうどそれが、二十代、三十代、四十代という、ちょうど結婚をして子供を持つというような年齢の人たちが実は就職氷河期で非正規雇用となっているという現状もあるわけです。ですから、今、非常に景気がよい、そして売り手市場だ、どんなところにも正規で雇用できるということだけで今のこの日本というものが存在しているわけではないと私は思っています。
そういう意味で、移民政策、私は個人的に移民政策に反対なんですが、政府も移民政策ではないと言っていただいている。
なぜ反対かというと、外国人が長く移り住んでいく、容易にそういうような形で行われていけば、就職氷河期の方々の労働条件というものがますます悪くなって、なおかつ、それでやはり結婚もなかなかできない、子供もたくさん持つという勇気も湧かないという意味では、やはり少子化がどんどん進んでしまうんではないかというようなことで、私は反対を党内ではさせていただいているわけでございます。
そういう意味で、今回の法案は、二号に移るのが容易であればこれは移民政策ではないかという心配も私持っているんですが、この二号に移るに当たっての政府での状況と、この二号に対して、仮にこの法案が成り立ったとしても、私は非常に厳格にこれはやっていかなければいけないというふうに思っているんですが、その辺の状況と、今後の二号への移行に対する大臣からの説明を受けたいと思います。
和
和田雅樹#10
○和田政府参考人 特定技能二号の制度について御説明をいたします。
この特定技能二号につきましては、熟練した技能を有する者というものが特定技能二号に当たります。
この「熟練した」という意味でございますけれども、この熟練した技能という言葉は、現行の技能という在留資格、ここにも使っている言葉でございまして、この「熟練した」の具体的な内容につきましては、省令で細かく具体的に規定しているところでございます。
今回の特定技能二号の「熟練した」の内容につきましても、分野別の運用方針でございますとか省令におきまして具体的に定めていくということを予定しておるわけでございますけれども、この特定技能二号に移行する際には、現行の在留資格で認められておるような専門的、技術的分野における高度の専門性、これと並ぶ、あるいはこれ以上の難度、これを確かめさせていただく、そういう方に入っていただく、そういうような制度のたてつけになっております。
この発言だけを見る →この特定技能二号につきましては、熟練した技能を有する者というものが特定技能二号に当たります。
この「熟練した」という意味でございますけれども、この熟練した技能という言葉は、現行の技能という在留資格、ここにも使っている言葉でございまして、この「熟練した」の具体的な内容につきましては、省令で細かく具体的に規定しているところでございます。
今回の特定技能二号の「熟練した」の内容につきましても、分野別の運用方針でございますとか省令におきまして具体的に定めていくということを予定しておるわけでございますけれども、この特定技能二号に移行する際には、現行の在留資格で認められておるような専門的、技術的分野における高度の専門性、これと並ぶ、あるいはこれ以上の難度、これを確かめさせていただく、そういう方に入っていただく、そういうような制度のたてつけになっております。
山
山下貴司#11
○山下国務大臣 お答えいたします。
ただいま局長から答弁したとおり、熟練した技能というのはかなり厳しいものでございます。長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいうとも解されております。
そして、難度の高い試験によって果たしてそういう専門性があるのかということが確認されるということでございますから、これについては、受入れのハードルはかなり高いということで、限定された人数になるのであろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →ただいま局長から答弁したとおり、熟練した技能というのはかなり厳しいものでございます。長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいうとも解されております。
そして、難度の高い試験によって果たしてそういう専門性があるのかということが確認されるということでございますから、これについては、受入れのハードルはかなり高いということで、限定された人数になるのであろうというふうに考えております。
串
和
串
和
和田雅樹#15
○和田政府参考人 単純作業というものがどういうような事柄を意味するのかということが必ずしも明確ではございませんけれども、特定技能一号の方は、その技能が認められる領域におけます活動、その分野におきます活動をすること、この活動をしているのが在留資格に基づく活動でございまして、その活動の作業の中身につきましては、さまざまな作業が含まれるということになるのではないかと思います。
この発言だけを見る →串
串田誠一#16
○串田委員 私は、こういうふうに言っているのは、単純作業につかないというような説明を聞くときも時々あるものですから、政府はそういう説明をしていないという理解でいいのかもしれないんですけれども、農業とか漁業とかいろいろな職種の中で、相当程度の知識が必要な仕事は何かと聞かれれば、なかなか答えられないというのは事実だと思うんですね。
ですから、特定技能一号というのは人的な属性というふうなことを考えると、それがどういうような業種につくかということではなくて、ある程度の、日本語もある程度話せる、そして知識や技能もある、そういう限定された人たちしか入ってこないんだ、その入ってきた方々がどういう仕事につくのかということについては、余り問わないでいいんじゃないかと私は思っているんですね。そういうような意味合いで私は思っています。
次に、技能実習制度なんですが、この法律を見ますと、第三条二項に、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と書かれているんです。ところが、いろいろな説明におきますと、人手不足だとか労働力不足でこういう制度があって、技能実習制度から一号へと移るということになると、この条文が何となく違和感を感じるんですが、大臣、そうは思われませんか。
この発言だけを見る →ですから、特定技能一号というのは人的な属性というふうなことを考えると、それがどういうような業種につくかということではなくて、ある程度の、日本語もある程度話せる、そして知識や技能もある、そういう限定された人たちしか入ってこないんだ、その入ってきた方々がどういう仕事につくのかということについては、余り問わないでいいんじゃないかと私は思っているんですね。そういうような意味合いで私は思っています。
次に、技能実習制度なんですが、この法律を見ますと、第三条二項に、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と書かれているんです。ところが、いろいろな説明におきますと、人手不足だとか労働力不足でこういう制度があって、技能実習制度から一号へと移るということになると、この条文が何となく違和感を感じるんですが、大臣、そうは思われませんか。
和
和田雅樹#17
○和田政府参考人 お答えいたします。
技能実習制度のことに関してお答えいたしますが、今回の新しい受入れに関します入管法改正が成ったといたしましても、技能実習制度に関します技能実習法の根幹部分といいますか、技能実習制度の趣旨、目的は変わるものではございません。
この発言だけを見る →技能実習制度のことに関してお答えいたしますが、今回の新しい受入れに関します入管法改正が成ったといたしましても、技能実習制度に関します技能実習法の根幹部分といいますか、技能実習制度の趣旨、目的は変わるものではございません。
山
山下貴司#18
○山下国務大臣 お答えいたします。
技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度でございます。
確かに、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じているという指摘はございます。
ただ、前提として申し上げたいのが、技能実習生の失踪者数ということが言われておりますが、これは統計のとり方にもよりますが、いずれにせよ、失踪者数は全体の技能実習生の中でいえば数%ということになっております。したがって、九割をはるかに超える技能実習生は、この本来の技能実習に、技能実習の実施者などに支えられつつ取り組んでいる制度だということでございます。
私も、例えば地元などで歩いておりますと、例えば左官の技能実習をやっておられる親方に聞くと、そこで身につけて、練り方から身につけて、それで、それを本国に持って帰って、会社を立ててうまくやっているという技能実習生卒業生も多いというふうに聞いているわけでございます。
そうした役に立っている制度だということ、多くの方々に役に立っている、各国からの評価も高いということをまず言わせていただきたいと思います。
ただ、さはさりながら、先ほど申し上げたように、この技能実習の在留資格は平成二十二年の七月から施行されたわけでございますけれども、さまざまな指摘があるということは事実でございます。そこで、制度を見直し、与野党の幅広い賛成のもとで、平成二十八年十一月に新たな技能実習法が成立し、昨年十一月から施行され、制度の適正化に取り組んでいるところでございます。
その中身についてはまたお尋ねがあればしっかり答えますが、例えば、送り出し国との問題においても、今現在で十カ国との間で二国間取決めを作成済みということで、不適切なブローカー等の送り出し機関の排除に努めているところでございます。
そして、さらに、御指摘の技能実習についての不正あるいは違法なものがあるのではないかという、例えば二十九年の失踪者の聴取票がございましたけれども、それにつきまして、これは旧制度における、新たな技能実習施行前のものではございますけれども、それについても、今回、改めて門山政務官をトップとするプロジェクトチームを法務省内に立ち上げて、この技能実習制度の運用についてしっかりと検討していただくということを考えているところでございます。
この発言だけを見る →技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とする制度でございます。
確かに、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反や人権侵害が生じているという指摘はございます。
ただ、前提として申し上げたいのが、技能実習生の失踪者数ということが言われておりますが、これは統計のとり方にもよりますが、いずれにせよ、失踪者数は全体の技能実習生の中でいえば数%ということになっております。したがって、九割をはるかに超える技能実習生は、この本来の技能実習に、技能実習の実施者などに支えられつつ取り組んでいる制度だということでございます。
私も、例えば地元などで歩いておりますと、例えば左官の技能実習をやっておられる親方に聞くと、そこで身につけて、練り方から身につけて、それで、それを本国に持って帰って、会社を立ててうまくやっているという技能実習生卒業生も多いというふうに聞いているわけでございます。
そうした役に立っている制度だということ、多くの方々に役に立っている、各国からの評価も高いということをまず言わせていただきたいと思います。
ただ、さはさりながら、先ほど申し上げたように、この技能実習の在留資格は平成二十二年の七月から施行されたわけでございますけれども、さまざまな指摘があるということは事実でございます。そこで、制度を見直し、与野党の幅広い賛成のもとで、平成二十八年十一月に新たな技能実習法が成立し、昨年十一月から施行され、制度の適正化に取り組んでいるところでございます。
その中身についてはまたお尋ねがあればしっかり答えますが、例えば、送り出し国との問題においても、今現在で十カ国との間で二国間取決めを作成済みということで、不適切なブローカー等の送り出し機関の排除に努めているところでございます。
そして、さらに、御指摘の技能実習についての不正あるいは違法なものがあるのではないかという、例えば二十九年の失踪者の聴取票がございましたけれども、それにつきまして、これは旧制度における、新たな技能実習施行前のものではございますけれども、それについても、今回、改めて門山政務官をトップとするプロジェクトチームを法務省内に立ち上げて、この技能実習制度の運用についてしっかりと検討していただくということを考えているところでございます。
串
串田誠一#19
○串田委員 私は、現状が人手不足あるいは労働力不足に貢献しているということは率直に認めていったらいいんじゃないかと思うんです。
要するに、日本のすぐれた技術を学んでいただきながら、そして日本の労働不足、人手不足にも貢献していただくという、どちらもギブ・アンド・テークの関係というものを明確にむしろ記載し、そしてそれは、労働力として担っていただくのであればしっかりと労働法令を遵守させるんだというようなことを私は逆にしていった方がいいのではないか。むしろ、この、教えてやっているんだから低賃金で当たり前みたいな、そこの部分だけは法律を持ち出すような雇用主がいて、そして長時間労働をさせているというのが、非常に中途半端な制度だというように私は思うんです。
ですから、この文言を、何かもっと実態に合わせた、文言の書き直しみたいなものを私としてはちょっと提案したいなというふうに思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →要するに、日本のすぐれた技術を学んでいただきながら、そして日本の労働不足、人手不足にも貢献していただくという、どちらもギブ・アンド・テークの関係というものを明確にむしろ記載し、そしてそれは、労働力として担っていただくのであればしっかりと労働法令を遵守させるんだというようなことを私は逆にしていった方がいいのではないか。むしろ、この、教えてやっているんだから低賃金で当たり前みたいな、そこの部分だけは法律を持ち出すような雇用主がいて、そして長時間労働をさせているというのが、非常に中途半端な制度だというように私は思うんです。
ですから、この文言を、何かもっと実態に合わせた、文言の書き直しみたいなものを私としてはちょっと提案したいなというふうに思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
葉
山
山下貴司#21
○山下国務大臣 やはり技能実習につきましては、本国での経験はある方が前提になるんですけれども、やはり技術をしっかりと教えてあげるという熱意がなければ、その受入れ外国人の指導もしっかりしてもらえないんじゃないかなというふうにも思います。
ですから、そういった技術移転だという部分についてはやはり持ってもらいたいし、ただ他方で、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで仕事の一部をやっていただくわけですから、そういった意味において、事実として、雇用主の方が感謝をしながら指導に当たっているということは事実でございます。
ただ、これが雇用の調整弁のような、雇用調整になるようなことは、私はやはりこの目的を変更する必要はないのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →ですから、そういった技術移転だという部分についてはやはり持ってもらいたいし、ただ他方で、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで仕事の一部をやっていただくわけですから、そういった意味において、事実として、雇用主の方が感謝をしながら指導に当たっているということは事実でございます。
ただ、これが雇用の調整弁のような、雇用調整になるようなことは、私はやはりこの目的を変更する必要はないのではないかというふうに考えております。
串
串田誠一#22
○串田委員 時間にもなってまいりましたが、これが、氷河期世代もありますので、国民の労働条件が悪くならないというようなことをぜひとも願いたいと思いますし、そして、この重要な法案、なるべく多くの質疑をして、討論していきたいと思っておりますので、重ねて委員長にお願いをし、終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →ありがとうございました。
葉
葉
葉梨康弘#24
○葉梨委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
午前に引き続き、内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、京都産業大学法務研究科客員教授・慶應義塾大学名誉教授・弁護士安冨潔君、ESUHAI Co.,Ltd代表取締役レロンソン君、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事鳥井一平君、福島大学行政政策学類教授坂本恵君、日本労働弁護団常任幹事・弁護士指宿昭一君及び昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授八代尚宏君、以上六名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、安冨参考人、レロンソン参考人、鳥井参考人、坂本参考人、指宿参考人、八代参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず安冨参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →午前に引き続き、内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、京都産業大学法務研究科客員教授・慶應義塾大学名誉教授・弁護士安冨潔君、ESUHAI Co.,Ltd代表取締役レロンソン君、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事鳥井一平君、福島大学行政政策学類教授坂本恵君、日本労働弁護団常任幹事・弁護士指宿昭一君及び昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授八代尚宏君、以上六名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、安冨参考人、レロンソン参考人、鳥井参考人、坂本参考人、指宿参考人、八代参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず安冨参考人にお願いいたします。
安
安冨潔#25
○安冨参考人 ただいま御紹介をいただきました安冨でございます。
本日、外国人受入れに関する諸問題につきまして、この場で意見を述べさせていただく機会を頂戴いたしまして、大変光栄に存ずる次第でございます。
外国人受入れに関する諸問題と申し上げましても、いろいろな観点があろうかと思います。私の専攻いたしますのは刑事法でございますが、出入国管理政策懇談会の座長代理あるいは難民審査参与員を務めておりますことから、外国人の受入れが日本の治安、安全、安心な社会の維持に与える影響、これを最小のものとするという観点から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず最初に申し上げたいと思っておりますのは、外国人の受入れ拡大に係る制度の創設に当たっては、日本の治安や安全、安心な社会に与える影響を考慮しつつ、制度の悪用がなされないように検討なされなければならないということでございます。
もとより、私は、外国人の受入れ拡大に反対という立場では決してございません。地方、都市部を問わず、現在、人手不足が深刻化している状況にあることは御案内のとおりでございます。
そうした中にあって、規模の大小を問わず、事業者を中心とした経済生産性の向上というのは重要でございます。そのために、労働条件の向上を前提とした国内労働者の確保をまずもって行う必要があると考えております。
しかしながら、これらをもってしても補い得ないような、そういう労働需要があれば、一定の範囲と一定の能力、条件をもちまして外国人労働者の方を受け入れるということも、我が国における経済社会基盤の維持にとって必要であるというように考えております。
こうしたことを前提といたしまして、外国人労働者の受入れに当たっては、まず厳格な入国管理に加え、的確な在留管理を実施する、こういう仕組みを構築した上で、これを適切に進めていくことが重要だというふうに認識しております。
まず、外国人を受け入れるに当たっての厳格な出入国管理につきまして申し上げたいと思います。
空港におきまして、空港だけではありませんが、空港等におきまして、厳格な出入国管理、これは国民の平穏な生活を確保するため、極めて重要であります。
今後、日本への外国人入国者数というのはますます増加することが見込まれます。こうした中におきまして、我が国にとってハイリスクのある者の流入を厳然と阻止するというためには、空港等で入国審査を担当する入国審査官に頼るだけでは足りないというふうに思います。外務省あるいは警察を始めとする法執行機関を含めて、世界的に関係機関による必要な情報共有をより一層強化することが必要であります。
また、入管組織そのものの体制も、厳格な出入国管理の遂行にふさわしいものとするということも必要であると考えます。
こうした厳格な出入国管理行政の強化、徹底ということは、我が国の治安、安全、安心な社会の確保という面にとって、外国人受入れを拡大するための大前提というふうに言えると思います。
さて、今国会におきまして委員の皆様方により御審議を賜っております入管法、さらに法務省設置法の改正案についての主要な骨子は、以下四点にあろうかと思います。
第一は、外国人の受入れ拡大のための新たな在留資格として、特定技能一号と特定技能二号を創設するということ。
第二に、受入れ機関の届出事項を拡充するとともに、受入れ機関に対する改善命令や報告徴収等の規定を整備するということ。
第三に、特定技能一号で在留する外国人の方に対しては、受入れ機関等が主体となって在留支援を実施するということ。
そして第四に、入国管理局を組織改編をし、法務省の外局として出入国在留管理庁を設置するということ。
これらのことを内容とするものと承知しているところでございます。
まず、新たな在留資格を創設し、外国人の受入れを拡大することにつきまして申し上げたいと思います。
今般、入管法の改正によりまして新たに受入れを拡大することで、外国人が我が国に在留することとなる見込み数につきましては、現在、受入れが検討されております十四業種における向こう五年間の累計人員が、最大三十四万五千百五十人と推計されているとのことでございます。
この受入れ拡大に伴いまして、我が国の治安が悪化するのではないか、外国人犯罪がふえるのではないか、こういった漠然とした不安や懸念を抱いておられる方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん、外国人犯罪など治安の問題を殊さらに取り上げて偏見を助長するようなことがあってはならないこと、これは言うまでもございません。国民の不安や懸念に対して、今般の制度改正でどう対処されているのか、それが果たして十分なのか、こういった観点を踏まえて、外国人の受入れについて検討がなされなければならないというふうに考えます。
このことは、民間で受け入れる事業者だけに任せるのではなく、入管を始めとする国の法執行機関が中心となり、外国人が居住し生活する自治体とも連携協力をし、外国人を取り巻く社会全体が取り組むべき課題、このように受けとめるべきではないかと思います。
こういう観点からしますと、今般の特定技能で在留する外国人の在留資格に係る制度改正を見てまいりますと、入管による在留管理については、これまで以上に、より一層強化されているものと理解されます。
すなわち、他の就労を目的とする在留資格においては、入管法に基づく受入れ機関からの届出は努力義務とされていたのでありますが、今回はこれを法的義務とすることとし、届出を要する事項についても拡充されております。これによって、特定技能で在留する外国人の方の在留状況については、入管が的確に把握できる仕組みとなっているというふうに言えます。
この拡充されている届出事項では、特定技能で在留する外国人の方を受け入れる機関は、その外国人との間で雇用契約の変更をしたり、新たな契約の締結をしたときなどには、その旨を入管に届け出なければなりません。また、受け入れている特定技能で在留する外国人の活動状況等についても、入管に届け出ることとされているのであります。
これらの届出規定によりまして、入管は、我が国に在留し、又は在留しようとする特定技能で在留する外国人が、どこの受入れ機関で、どのような内容の雇用契約に基づき、どのような就労活動をしているのか、さらに、受入れ機関や雇用契約が法令で定める基準に適合しているのか、こういったことをチェックできるようになっているのであります。これは、入管にとりまして、特定技能で在留する外国人の在留状況を的確に把握することを可能にするものでありまして、雇用の面も含め、適切な在留管理を実施できる仕組みと言えます。
加えまして、これまでの入管法体系の中では、受入れ機関を直接に規制するという仕組みはとられておりませんでした。受入れ機関は外国人を雇用して就労させ、また、日常生活面でも外国人と密接にかかわるものであります。この果たすべき役割が不適切ですと、外国人の安定した在留活動に悪影響を及ぼすことになってしまいます。
そのための一つの方策として、不適切な受入れ機関に対して直接的な規制をかけるという仕組みは効果的であります。この点は、今般の改正で、受入れ機関に対する報告の徴収、立入検査、罰則で担保される改善命令、こういうことが定められております。これは外国人の受入れに伴うこれまでの課題を是正し、必要な在留管理を適切に行うこととなるという意味で評価できるところでございます。
また、今般の出入国在留管理庁の設置は、人員の拡大にとどまらず、抜本的な組織体制の強化と言えます。この組織改編により、これまで法務大臣の権限であったものの多くが、出入国管理庁長官の権限に移行するものと理解しております。これにより、入管業務、つまり外国人の入出国と在留管理に係る業務が大幅に拡大している現状にありまして、出入国在留管理庁長官のもとで多岐にわたる入管業務を機動的かつ一体的に遂行することに資することになる、このように考えられます。
次に、我が国の不法残留者の問題について触れたいと思います。
本年、平成三十年七月一日現在、不法残留者の数は約六万九千人となっております。ただ、その一方で、近年は、偽変造文書や虚偽文書を行使するなどにより、身分や活動目的を偽って在留資格を手に入れ、あたかも正規在留者であるかのように装って在留するという、いわゆる偽装滞在者が増加しているというように承知しております。また、留学生の資格外活動の問題、つまり、入管法令上定められた一週二十八時間という制限時間を大幅に超過して就労する、あるいは、日本語教育機関が学校ぐるみでそうした就労をさせるといった問題も顕在化しております。
我が国に不正に入国し、在留しようとする外国人が一定数存在するということは事実であろうと思われます。入国審査や取締りの手を緩めれば、そうした外国人が多くの善良な外国人に紛れて入国を果たそうとしてやってくることは否定できないと思われます。また、入国審査や取締りを厳しくすれば、その網をかいくぐって入国したり、あるいは在留しようとする、こういう新たな手口を考える者も出てくるものと思われます。
我が国の治安や安全、安心な社会を守るためには、こうした新たな手口に対しても、迅速かつ的確に対応することが求められると思われます。
こうした不法残留者や偽装滞在者、違法な資格外活動に従事する留学生等の問題への対応については、今後は出入国在留管理庁が担うことになりますが、新たな組織体制により、一層厳格な在留管理がなされることが求められると考えているところでございます。
さて、在留支援について簡単に申し上げておきたいと思います。
今般の改正におきましては、特定技能一号の外国人に対しまして、支援計画に基づく在留支援が盛り込まれております。
外国人にとっては、母国から離れ、文化や風習、生活環境と異なる中で生活をすることになります。外国人を労働者として受け入れるのですから、職業面でのサポートは、その専門性や技能を生かして就労することを支援することとなると考えられます。また、仕事から離れた日常生活や社会生活におけるサポートは、日本での安定した在留を継続することにつながります。これらのことはとても大切なことと思います。
こうした支援により、外国人の方の在留が安定するようになれば、治安に対する不安や懸念というものはおのずから払拭されていくのではないでしょうか。適切な支援計画に基づく十分な在留支援が実施されることが期待されるところでございます。
以上、網羅的になりましたが、今般の改正等につきまして、我が国の治安、安全、安心な社会を維持するという観点から、意見を述べさせていただきました。
グローバルな人材獲得競争が進んでいる中で、優秀な外国人の方に、我が国のよさを理解してもらい、日本に来て働きたいという思いを持って日本を選択してもらうというためには、やはり受入れ環境をきちんと整えるということが必要不可欠であるというふうに思います。
また、我が国にやってくる、あるいは生活をする大多数の外国人の方は、決められたルールを守る善良な方であります。こうした方々、外国人の方々との社会でのつながり、結びつきをより一層強め、安全で安心な社会を実現していくことが重要だと考えております。
最後に、外国人受入れ拡大に伴う適切な在留管理ということで一言申し述べさせていただきたいと思います。
ただいまも申し上げましたが、多くの善良な外国人の方との共生を実現するためには、あわせて、決められたルールに違反した外国人への厳格な対処を行っていかなければならないと思います。
昨今、一部の収容施設におきましては、在留が認められず、あるいは難民として認定されなかったにもかかわらず、日本での滞在継続を狙って送還を忌避する者が増加し、それによって収容期間も長期化傾向にあります。そのため、処遇にさまざまな問題が生じているということも伺っているところでございます。
今般の在留資格の新設によりまして、就労が認められる外国人の方の受入れの枠組みがより明確になり、不法就労や送還忌避が結果的に縮減するということが期待されるところでございますが、退去強制令書が発せられている外国人の迅速、的確な送還に向けた適正な手続を推し進めていくことも課題かというように考えているところでございます。
委員の皆様におかれましては、こうした観点を含めまして、今般の外国人受入れ拡大に係る制度改正について、将来を見据えた充実した御議論を行っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日、外国人受入れに関する諸問題につきまして、この場で意見を述べさせていただく機会を頂戴いたしまして、大変光栄に存ずる次第でございます。
外国人受入れに関する諸問題と申し上げましても、いろいろな観点があろうかと思います。私の専攻いたしますのは刑事法でございますが、出入国管理政策懇談会の座長代理あるいは難民審査参与員を務めておりますことから、外国人の受入れが日本の治安、安全、安心な社会の維持に与える影響、これを最小のものとするという観点から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず最初に申し上げたいと思っておりますのは、外国人の受入れ拡大に係る制度の創設に当たっては、日本の治安や安全、安心な社会に与える影響を考慮しつつ、制度の悪用がなされないように検討なされなければならないということでございます。
もとより、私は、外国人の受入れ拡大に反対という立場では決してございません。地方、都市部を問わず、現在、人手不足が深刻化している状況にあることは御案内のとおりでございます。
そうした中にあって、規模の大小を問わず、事業者を中心とした経済生産性の向上というのは重要でございます。そのために、労働条件の向上を前提とした国内労働者の確保をまずもって行う必要があると考えております。
しかしながら、これらをもってしても補い得ないような、そういう労働需要があれば、一定の範囲と一定の能力、条件をもちまして外国人労働者の方を受け入れるということも、我が国における経済社会基盤の維持にとって必要であるというように考えております。
こうしたことを前提といたしまして、外国人労働者の受入れに当たっては、まず厳格な入国管理に加え、的確な在留管理を実施する、こういう仕組みを構築した上で、これを適切に進めていくことが重要だというふうに認識しております。
まず、外国人を受け入れるに当たっての厳格な出入国管理につきまして申し上げたいと思います。
空港におきまして、空港だけではありませんが、空港等におきまして、厳格な出入国管理、これは国民の平穏な生活を確保するため、極めて重要であります。
今後、日本への外国人入国者数というのはますます増加することが見込まれます。こうした中におきまして、我が国にとってハイリスクのある者の流入を厳然と阻止するというためには、空港等で入国審査を担当する入国審査官に頼るだけでは足りないというふうに思います。外務省あるいは警察を始めとする法執行機関を含めて、世界的に関係機関による必要な情報共有をより一層強化することが必要であります。
また、入管組織そのものの体制も、厳格な出入国管理の遂行にふさわしいものとするということも必要であると考えます。
こうした厳格な出入国管理行政の強化、徹底ということは、我が国の治安、安全、安心な社会の確保という面にとって、外国人受入れを拡大するための大前提というふうに言えると思います。
さて、今国会におきまして委員の皆様方により御審議を賜っております入管法、さらに法務省設置法の改正案についての主要な骨子は、以下四点にあろうかと思います。
第一は、外国人の受入れ拡大のための新たな在留資格として、特定技能一号と特定技能二号を創設するということ。
第二に、受入れ機関の届出事項を拡充するとともに、受入れ機関に対する改善命令や報告徴収等の規定を整備するということ。
第三に、特定技能一号で在留する外国人の方に対しては、受入れ機関等が主体となって在留支援を実施するということ。
そして第四に、入国管理局を組織改編をし、法務省の外局として出入国在留管理庁を設置するということ。
これらのことを内容とするものと承知しているところでございます。
まず、新たな在留資格を創設し、外国人の受入れを拡大することにつきまして申し上げたいと思います。
今般、入管法の改正によりまして新たに受入れを拡大することで、外国人が我が国に在留することとなる見込み数につきましては、現在、受入れが検討されております十四業種における向こう五年間の累計人員が、最大三十四万五千百五十人と推計されているとのことでございます。
この受入れ拡大に伴いまして、我が国の治安が悪化するのではないか、外国人犯罪がふえるのではないか、こういった漠然とした不安や懸念を抱いておられる方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん、外国人犯罪など治安の問題を殊さらに取り上げて偏見を助長するようなことがあってはならないこと、これは言うまでもございません。国民の不安や懸念に対して、今般の制度改正でどう対処されているのか、それが果たして十分なのか、こういった観点を踏まえて、外国人の受入れについて検討がなされなければならないというふうに考えます。
このことは、民間で受け入れる事業者だけに任せるのではなく、入管を始めとする国の法執行機関が中心となり、外国人が居住し生活する自治体とも連携協力をし、外国人を取り巻く社会全体が取り組むべき課題、このように受けとめるべきではないかと思います。
こういう観点からしますと、今般の特定技能で在留する外国人の在留資格に係る制度改正を見てまいりますと、入管による在留管理については、これまで以上に、より一層強化されているものと理解されます。
すなわち、他の就労を目的とする在留資格においては、入管法に基づく受入れ機関からの届出は努力義務とされていたのでありますが、今回はこれを法的義務とすることとし、届出を要する事項についても拡充されております。これによって、特定技能で在留する外国人の方の在留状況については、入管が的確に把握できる仕組みとなっているというふうに言えます。
この拡充されている届出事項では、特定技能で在留する外国人の方を受け入れる機関は、その外国人との間で雇用契約の変更をしたり、新たな契約の締結をしたときなどには、その旨を入管に届け出なければなりません。また、受け入れている特定技能で在留する外国人の活動状況等についても、入管に届け出ることとされているのであります。
これらの届出規定によりまして、入管は、我が国に在留し、又は在留しようとする特定技能で在留する外国人が、どこの受入れ機関で、どのような内容の雇用契約に基づき、どのような就労活動をしているのか、さらに、受入れ機関や雇用契約が法令で定める基準に適合しているのか、こういったことをチェックできるようになっているのであります。これは、入管にとりまして、特定技能で在留する外国人の在留状況を的確に把握することを可能にするものでありまして、雇用の面も含め、適切な在留管理を実施できる仕組みと言えます。
加えまして、これまでの入管法体系の中では、受入れ機関を直接に規制するという仕組みはとられておりませんでした。受入れ機関は外国人を雇用して就労させ、また、日常生活面でも外国人と密接にかかわるものであります。この果たすべき役割が不適切ですと、外国人の安定した在留活動に悪影響を及ぼすことになってしまいます。
そのための一つの方策として、不適切な受入れ機関に対して直接的な規制をかけるという仕組みは効果的であります。この点は、今般の改正で、受入れ機関に対する報告の徴収、立入検査、罰則で担保される改善命令、こういうことが定められております。これは外国人の受入れに伴うこれまでの課題を是正し、必要な在留管理を適切に行うこととなるという意味で評価できるところでございます。
また、今般の出入国在留管理庁の設置は、人員の拡大にとどまらず、抜本的な組織体制の強化と言えます。この組織改編により、これまで法務大臣の権限であったものの多くが、出入国管理庁長官の権限に移行するものと理解しております。これにより、入管業務、つまり外国人の入出国と在留管理に係る業務が大幅に拡大している現状にありまして、出入国在留管理庁長官のもとで多岐にわたる入管業務を機動的かつ一体的に遂行することに資することになる、このように考えられます。
次に、我が国の不法残留者の問題について触れたいと思います。
本年、平成三十年七月一日現在、不法残留者の数は約六万九千人となっております。ただ、その一方で、近年は、偽変造文書や虚偽文書を行使するなどにより、身分や活動目的を偽って在留資格を手に入れ、あたかも正規在留者であるかのように装って在留するという、いわゆる偽装滞在者が増加しているというように承知しております。また、留学生の資格外活動の問題、つまり、入管法令上定められた一週二十八時間という制限時間を大幅に超過して就労する、あるいは、日本語教育機関が学校ぐるみでそうした就労をさせるといった問題も顕在化しております。
我が国に不正に入国し、在留しようとする外国人が一定数存在するということは事実であろうと思われます。入国審査や取締りの手を緩めれば、そうした外国人が多くの善良な外国人に紛れて入国を果たそうとしてやってくることは否定できないと思われます。また、入国審査や取締りを厳しくすれば、その網をかいくぐって入国したり、あるいは在留しようとする、こういう新たな手口を考える者も出てくるものと思われます。
我が国の治安や安全、安心な社会を守るためには、こうした新たな手口に対しても、迅速かつ的確に対応することが求められると思われます。
こうした不法残留者や偽装滞在者、違法な資格外活動に従事する留学生等の問題への対応については、今後は出入国在留管理庁が担うことになりますが、新たな組織体制により、一層厳格な在留管理がなされることが求められると考えているところでございます。
さて、在留支援について簡単に申し上げておきたいと思います。
今般の改正におきましては、特定技能一号の外国人に対しまして、支援計画に基づく在留支援が盛り込まれております。
外国人にとっては、母国から離れ、文化や風習、生活環境と異なる中で生活をすることになります。外国人を労働者として受け入れるのですから、職業面でのサポートは、その専門性や技能を生かして就労することを支援することとなると考えられます。また、仕事から離れた日常生活や社会生活におけるサポートは、日本での安定した在留を継続することにつながります。これらのことはとても大切なことと思います。
こうした支援により、外国人の方の在留が安定するようになれば、治安に対する不安や懸念というものはおのずから払拭されていくのではないでしょうか。適切な支援計画に基づく十分な在留支援が実施されることが期待されるところでございます。
以上、網羅的になりましたが、今般の改正等につきまして、我が国の治安、安全、安心な社会を維持するという観点から、意見を述べさせていただきました。
グローバルな人材獲得競争が進んでいる中で、優秀な外国人の方に、我が国のよさを理解してもらい、日本に来て働きたいという思いを持って日本を選択してもらうというためには、やはり受入れ環境をきちんと整えるということが必要不可欠であるというふうに思います。
また、我が国にやってくる、あるいは生活をする大多数の外国人の方は、決められたルールを守る善良な方であります。こうした方々、外国人の方々との社会でのつながり、結びつきをより一層強め、安全で安心な社会を実現していくことが重要だと考えております。
最後に、外国人受入れ拡大に伴う適切な在留管理ということで一言申し述べさせていただきたいと思います。
ただいまも申し上げましたが、多くの善良な外国人の方との共生を実現するためには、あわせて、決められたルールに違反した外国人への厳格な対処を行っていかなければならないと思います。
昨今、一部の収容施設におきましては、在留が認められず、あるいは難民として認定されなかったにもかかわらず、日本での滞在継続を狙って送還を忌避する者が増加し、それによって収容期間も長期化傾向にあります。そのため、処遇にさまざまな問題が生じているということも伺っているところでございます。
今般の在留資格の新設によりまして、就労が認められる外国人の方の受入れの枠組みがより明確になり、不法就労や送還忌避が結果的に縮減するということが期待されるところでございますが、退去強制令書が発せられている外国人の迅速、的確な送還に向けた適正な手続を推し進めていくことも課題かというように考えているところでございます。
委員の皆様におかれましては、こうした観点を含めまして、今般の外国人受入れ拡大に係る制度改正について、将来を見据えた充実した御議論を行っていただきたいということをお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
葉
レ
レロンソン#27
○レロンソン参考人 ただいま御紹介いただきました、ベトナムでエスハイという会社を経営しておりますベトナム人のレロンソンと申します。
このたびは、衆議院法務委員会の参考人としてお招きいただきまして、このように貴重な機会を与えていただきましたことを、心より感謝申し上げます。
二年前、実習生の法律成立のため、参議院法務委員会に呼んでいただきましたことがあります。その際、制度について、私自身の取組について、御紹介をさせていただきました。
私は二十三年前に日本に留学生として来日しました。東京農工大学で修士課程、機械工学専攻として金型について研究を行ってまいりました。私の目的は、将来ベトナムで金型工場を立ち上げようと考えていました。
日本に来て学んだことは、日本の産業のすばらしさ、また日本の社会のすばらしさに感銘を受けまして、これから自分のようにベトナム人の若者がたくさん日本に来て、日本の産業の中で技能、技術を勉強してもらって、日本の文化のすばらしさを身につけて、本国へ帰って、将来、ベトナムの発展、日本のようになっていくというふうに考えました。
その際、技能実習生制度が二〇〇〇年ころ、あることがわかりまして、この制度はすばらしいなというふうに思いました。というのが、ベトナムの若者が日本に、各現場、中小企業、中堅企業で日本の産業は成り立っている、主に九〇%以上、中小企業が支えているということで、ベトナム人の若者がその現場で毎日技能、技術を磨いていけば、実践で物づくりの精神をベトナムに持って帰る、ベトナムの産業がこれから裾野産業あるいは中小企業を育成していくための必要不可欠な一つの方法だと考えました。
それで、私はこの制度について徹底的に研究してやってまいりました。その中で、そのとき私自身は一ベトナム人として、これからベトナム人の若者を送り出そうとしたら、絶対的に真面目な人、いい人、優秀な人材、ベトナム代表としたい人材を送らなければいけない、送ることによって日本の社会の中で信頼関係を結んで、将来、優秀な人材がベトナムに戻って、その際、日本企業もたくさんベトナムに進出してもらえるように、そういった関係で両国がますます発展していくだろうというふうに思いました。
真面目な人を送るためにどういうふうにすればいいかということを考えました。それは十八年前のことだったんですけれども、ベトナムの若者はやはり経済の面で、給料、当時は月給一万円程度、今は二万円になっているんですけれども、その経済状況の中では、日本に技能実習生として来られるならば月給を十数万円もらえる、この金の価値が格差で、非常に魅力的で、日本に行きたくなる。ほとんどの若者は、家族からも応援されて、日本に行きたい理由はそこにあったわけです。
若者の考え方の意識の低さ、それはもちろんのことですけれども、だからこそ、彼ら、そういった人たちをどうやって教育して、日本に行って、私が考えた技能実習生の絶大なチャンスをつかんで将来優秀な人になるために、やはりベトナムにいたころに勉強して、準備してから日本に来ないといけない、そういうことを考えました。
そこで私、二点わかったことは、まず一つ、ベトナムの若者の中でどんな人が真面目なのか、そういった募集と選定する方法、これは誰がやるんですかと。もう一つ、選定してからそのまま送るのか、しっかり徹底的に教育してから送るのか。それによって、日本に入ってからさまざまな問題になってくるわけですね。
最初の、何も教育せずに、どんな人でも日本に入ればいいというわけで、お金の価値で魅力的に来る人ならば、その目的にしたら、目先のことだけで考えて、日本に来てしまったら、十数万はきっと高いわけではない、それがだんだんわかってきたらモチベーションが下がって、今度、もっと高いところがあるよ、そういった誘惑もされて、そこで犯罪者になったり、逃亡者、失踪者が出たりすることになっていく。
そこで、私は、そういう意識の教育は必ず必要だと思います。ベトナム人の若者が、意欲はあっていいんですけれども、もっと知ってほしいのが、目先のことではなくて、日本に来たら、お金をためるだけではなくて、それはもちろんお金はためられるんですけれども、それ以上の、もっと身につけるものがたくさんある。それは、日本語だったり、日本の現場で技能、技術を学んで、日本の管理者の管理の仕方とか、いろいろな日本のスキル、ホウレンソウや五S、QCDとか、そういった品質管理、そういった日本の企業のすばらしいものを身につけていただいて、持って帰る。持って帰れば、将来の、また、もっとベトナムの中でいい人材になれば、幹部人材になって、管理職になれば、また更にいい給料をもらえる。このいい循環をつくりたい。
そのためには、私、考えたんです。まず、しっかりした合法的な募集を派遣機関においてはやってほしい。もう一つ、教育機関もしっかり、形だけの教育ではなくて、本質的な教育を入れなければいけない。
本質的な教育というのは、我々が取り組んだのが、大体、コース、十二カ月ですね、入学してから日本に来る前まで徹底的に十二カ月勉強してもらう。その勉強する内容は、まず日本語、日本語以外の日本の文化、企業の中で働く際の注意事項、安全、またマインド、意識など。それ以上に、将来、三十、四十になったときに自分の人生がどうなっていくか、どんな立場で生活していくか、そういった人生設計まで我々は授業の中に入れました。そうすると、非常に勉強する環境が整っているわけですけれども、そこに入っている学生は、一部、もう耐えられない、自分は早く出稼ぎに行きたい、もう勉強なんか嫌だ、そういった人たちがうちの学校から脱線する。その結果、残っている学生たちは真面目な人になる。
これで自然と我々はフィルタリングができるようになって、そういった真面目な人、勉強している人たちを、今度、企業さんに面接、ベトナムまで選定しに行っていただいて、もう既に勉強している、準備できている学生から、本人の希望で、この仕事をやりたい、将来この夢を持っている、そういった面談の結果、企業さんのマッチング度が上がって、そこからまず信頼関係を結んでいきます。
そういった学生が日本に来られたら、企業さんは物すごくかわいがっていただいて、一生懸命やるわけですから、日本企業は、将来、彼の人生、もっと成功してほしい、そういった企業さんがふえます。その結果、三年間、技能実習生として来ている、帰る前に、会社、企業様は、帰ったらもったいない、このままではもったいないということで、ついでに企業さんもベトナムに進出して事業拡大していく。
その結果、今現在、我々が取引している、送り出している企業さんは五百六十四社ありまして、その中でも既に六十五社、ベトナムに進出しております。進出した日本企業は、元帰国生、技能実習生は今、幹部、経営者、管理者になっているわけです。また、予定している七十二社も今、考えている。
結果的に、今現在、技能実習生を受け入れることでベトナム進出を予定する会社も含めて二四%になっております。また更にふえると思います。これは、私、最初の望んでいる結果にもなってきております。技能実習生のすばらしさを証明したいと思っております。
もう一つ、二〇〇八年、私は元エンジニアだったので、技能実習生は一定期間しか学べない、もっと高度な技術を取得しようとしたら、やはり就労枠のエンジニア、高度人材の形もあります。二〇〇八年から我々の同じ教育スタンスで、十二カ月、徹底的に、一日八時間勉強してもらって、一年間でN3、N2相当レベルを達成して、彼らの将来、五年、十年後、日本企業で働いていったら、ベトナムへ帰って起業したり、会社を立ち上げたり、日本企業と一緒にベトナムに幹部人材として行く、そういった目標を持っている学生がほとんどです。そのように、ここまで十年間、五百何十名が今来日しておりまして、これから一部帰る予定にもなっております。
この結果、私がもう一回皆様にお伝えさせていただきたいのが、やはり、今現在議論中、特定技能といった法案を今検討されているんですけれども、ますます日本の社会が外国人を受け入れないといけないとなっておりまして、その際、必ず真面目な人、真面目な人材を送り込みたいと思います。特定技能としても、やはり信頼できる国、信頼できる人材をぜひ受け入れていただきたいと思います。
そのためには、私は、一つ、これから特定技能をもしやるならば、技能実習生と同じく、二国間協定、取決めを締結しまして、なぜかといいますと、国内の管理体制は幾らできても、不真面目な人が入ってしまったら、管理だけは大変になっておりますので、それ以前の問題で、その国の法律もあったり、その国の文化もあったり、その国の希望もありますので、その国の、例えばベトナムの政府はどういうふうに、どんな人材を送り込みたいか、その調整の上、真面目な送り出し機関、教育機関を推薦してもらう。
その際、やはり国がしっかり管理できる体制でやらないと、自由になって、今度はブローカーが参入してしまう。ベトナム人は海外に行きたい人が多いですけれども、行くための手段がない。だから、合法的な手段、やり方がなければ、不法なブローカーが参入してしまうと、また余計によくない人材が入ってしまう、この懸念点があります。
最後ですけれども、ぜひ、技能実習生、これからまた更に有意義な形で、安全な形で、もっと業種、もっと分野を広げていただいて、その上、三年間修了した人材が、もし希望があれば、日本企業もあれば、本人の希望にも沿って、特定技能として残っていただければ、さらに、ベトナム国にとっても、たった三年修了した人よりも、八年、十年修了した人、長期のことを考えると、日本人のようなプロフェッショナル精神、そういった、日本語もできる、日本ファンになっていく人材が、十年後、ベトナム本国へ帰ると、そういった人材がまた両国の発展にもつながっていくということで、今回の御意見をそういうふうにさせていただきます。
ぜひ、これから、日本国、ベトナム国、両国、また周辺の地域も、日本の社会のすばらしさを伝えていくための、やはり単なる労働者を受け入れるだけじゃなくて、全般の、全体の両国間の関係を結んでいくこと、そこを望んでおりますので、これからも皆様、ぜひいい形で御検討いただければと思います。
以上で、ありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →このたびは、衆議院法務委員会の参考人としてお招きいただきまして、このように貴重な機会を与えていただきましたことを、心より感謝申し上げます。
二年前、実習生の法律成立のため、参議院法務委員会に呼んでいただきましたことがあります。その際、制度について、私自身の取組について、御紹介をさせていただきました。
私は二十三年前に日本に留学生として来日しました。東京農工大学で修士課程、機械工学専攻として金型について研究を行ってまいりました。私の目的は、将来ベトナムで金型工場を立ち上げようと考えていました。
日本に来て学んだことは、日本の産業のすばらしさ、また日本の社会のすばらしさに感銘を受けまして、これから自分のようにベトナム人の若者がたくさん日本に来て、日本の産業の中で技能、技術を勉強してもらって、日本の文化のすばらしさを身につけて、本国へ帰って、将来、ベトナムの発展、日本のようになっていくというふうに考えました。
その際、技能実習生制度が二〇〇〇年ころ、あることがわかりまして、この制度はすばらしいなというふうに思いました。というのが、ベトナムの若者が日本に、各現場、中小企業、中堅企業で日本の産業は成り立っている、主に九〇%以上、中小企業が支えているということで、ベトナム人の若者がその現場で毎日技能、技術を磨いていけば、実践で物づくりの精神をベトナムに持って帰る、ベトナムの産業がこれから裾野産業あるいは中小企業を育成していくための必要不可欠な一つの方法だと考えました。
それで、私はこの制度について徹底的に研究してやってまいりました。その中で、そのとき私自身は一ベトナム人として、これからベトナム人の若者を送り出そうとしたら、絶対的に真面目な人、いい人、優秀な人材、ベトナム代表としたい人材を送らなければいけない、送ることによって日本の社会の中で信頼関係を結んで、将来、優秀な人材がベトナムに戻って、その際、日本企業もたくさんベトナムに進出してもらえるように、そういった関係で両国がますます発展していくだろうというふうに思いました。
真面目な人を送るためにどういうふうにすればいいかということを考えました。それは十八年前のことだったんですけれども、ベトナムの若者はやはり経済の面で、給料、当時は月給一万円程度、今は二万円になっているんですけれども、その経済状況の中では、日本に技能実習生として来られるならば月給を十数万円もらえる、この金の価値が格差で、非常に魅力的で、日本に行きたくなる。ほとんどの若者は、家族からも応援されて、日本に行きたい理由はそこにあったわけです。
若者の考え方の意識の低さ、それはもちろんのことですけれども、だからこそ、彼ら、そういった人たちをどうやって教育して、日本に行って、私が考えた技能実習生の絶大なチャンスをつかんで将来優秀な人になるために、やはりベトナムにいたころに勉強して、準備してから日本に来ないといけない、そういうことを考えました。
そこで私、二点わかったことは、まず一つ、ベトナムの若者の中でどんな人が真面目なのか、そういった募集と選定する方法、これは誰がやるんですかと。もう一つ、選定してからそのまま送るのか、しっかり徹底的に教育してから送るのか。それによって、日本に入ってからさまざまな問題になってくるわけですね。
最初の、何も教育せずに、どんな人でも日本に入ればいいというわけで、お金の価値で魅力的に来る人ならば、その目的にしたら、目先のことだけで考えて、日本に来てしまったら、十数万はきっと高いわけではない、それがだんだんわかってきたらモチベーションが下がって、今度、もっと高いところがあるよ、そういった誘惑もされて、そこで犯罪者になったり、逃亡者、失踪者が出たりすることになっていく。
そこで、私は、そういう意識の教育は必ず必要だと思います。ベトナム人の若者が、意欲はあっていいんですけれども、もっと知ってほしいのが、目先のことではなくて、日本に来たら、お金をためるだけではなくて、それはもちろんお金はためられるんですけれども、それ以上の、もっと身につけるものがたくさんある。それは、日本語だったり、日本の現場で技能、技術を学んで、日本の管理者の管理の仕方とか、いろいろな日本のスキル、ホウレンソウや五S、QCDとか、そういった品質管理、そういった日本の企業のすばらしいものを身につけていただいて、持って帰る。持って帰れば、将来の、また、もっとベトナムの中でいい人材になれば、幹部人材になって、管理職になれば、また更にいい給料をもらえる。このいい循環をつくりたい。
そのためには、私、考えたんです。まず、しっかりした合法的な募集を派遣機関においてはやってほしい。もう一つ、教育機関もしっかり、形だけの教育ではなくて、本質的な教育を入れなければいけない。
本質的な教育というのは、我々が取り組んだのが、大体、コース、十二カ月ですね、入学してから日本に来る前まで徹底的に十二カ月勉強してもらう。その勉強する内容は、まず日本語、日本語以外の日本の文化、企業の中で働く際の注意事項、安全、またマインド、意識など。それ以上に、将来、三十、四十になったときに自分の人生がどうなっていくか、どんな立場で生活していくか、そういった人生設計まで我々は授業の中に入れました。そうすると、非常に勉強する環境が整っているわけですけれども、そこに入っている学生は、一部、もう耐えられない、自分は早く出稼ぎに行きたい、もう勉強なんか嫌だ、そういった人たちがうちの学校から脱線する。その結果、残っている学生たちは真面目な人になる。
これで自然と我々はフィルタリングができるようになって、そういった真面目な人、勉強している人たちを、今度、企業さんに面接、ベトナムまで選定しに行っていただいて、もう既に勉強している、準備できている学生から、本人の希望で、この仕事をやりたい、将来この夢を持っている、そういった面談の結果、企業さんのマッチング度が上がって、そこからまず信頼関係を結んでいきます。
そういった学生が日本に来られたら、企業さんは物すごくかわいがっていただいて、一生懸命やるわけですから、日本企業は、将来、彼の人生、もっと成功してほしい、そういった企業さんがふえます。その結果、三年間、技能実習生として来ている、帰る前に、会社、企業様は、帰ったらもったいない、このままではもったいないということで、ついでに企業さんもベトナムに進出して事業拡大していく。
その結果、今現在、我々が取引している、送り出している企業さんは五百六十四社ありまして、その中でも既に六十五社、ベトナムに進出しております。進出した日本企業は、元帰国生、技能実習生は今、幹部、経営者、管理者になっているわけです。また、予定している七十二社も今、考えている。
結果的に、今現在、技能実習生を受け入れることでベトナム進出を予定する会社も含めて二四%になっております。また更にふえると思います。これは、私、最初の望んでいる結果にもなってきております。技能実習生のすばらしさを証明したいと思っております。
もう一つ、二〇〇八年、私は元エンジニアだったので、技能実習生は一定期間しか学べない、もっと高度な技術を取得しようとしたら、やはり就労枠のエンジニア、高度人材の形もあります。二〇〇八年から我々の同じ教育スタンスで、十二カ月、徹底的に、一日八時間勉強してもらって、一年間でN3、N2相当レベルを達成して、彼らの将来、五年、十年後、日本企業で働いていったら、ベトナムへ帰って起業したり、会社を立ち上げたり、日本企業と一緒にベトナムに幹部人材として行く、そういった目標を持っている学生がほとんどです。そのように、ここまで十年間、五百何十名が今来日しておりまして、これから一部帰る予定にもなっております。
この結果、私がもう一回皆様にお伝えさせていただきたいのが、やはり、今現在議論中、特定技能といった法案を今検討されているんですけれども、ますます日本の社会が外国人を受け入れないといけないとなっておりまして、その際、必ず真面目な人、真面目な人材を送り込みたいと思います。特定技能としても、やはり信頼できる国、信頼できる人材をぜひ受け入れていただきたいと思います。
そのためには、私は、一つ、これから特定技能をもしやるならば、技能実習生と同じく、二国間協定、取決めを締結しまして、なぜかといいますと、国内の管理体制は幾らできても、不真面目な人が入ってしまったら、管理だけは大変になっておりますので、それ以前の問題で、その国の法律もあったり、その国の文化もあったり、その国の希望もありますので、その国の、例えばベトナムの政府はどういうふうに、どんな人材を送り込みたいか、その調整の上、真面目な送り出し機関、教育機関を推薦してもらう。
その際、やはり国がしっかり管理できる体制でやらないと、自由になって、今度はブローカーが参入してしまう。ベトナム人は海外に行きたい人が多いですけれども、行くための手段がない。だから、合法的な手段、やり方がなければ、不法なブローカーが参入してしまうと、また余計によくない人材が入ってしまう、この懸念点があります。
最後ですけれども、ぜひ、技能実習生、これからまた更に有意義な形で、安全な形で、もっと業種、もっと分野を広げていただいて、その上、三年間修了した人材が、もし希望があれば、日本企業もあれば、本人の希望にも沿って、特定技能として残っていただければ、さらに、ベトナム国にとっても、たった三年修了した人よりも、八年、十年修了した人、長期のことを考えると、日本人のようなプロフェッショナル精神、そういった、日本語もできる、日本ファンになっていく人材が、十年後、ベトナム本国へ帰ると、そういった人材がまた両国の発展にもつながっていくということで、今回の御意見をそういうふうにさせていただきます。
ぜひ、これから、日本国、ベトナム国、両国、また周辺の地域も、日本の社会のすばらしさを伝えていくための、やはり単なる労働者を受け入れるだけじゃなくて、全般の、全体の両国間の関係を結んでいくこと、そこを望んでおりますので、これからも皆様、ぜひいい形で御検討いただければと思います。
以上で、ありがとうございます。拍手
葉
鳥
鳥井一平#29
○鳥井参考人 皆さん、こんにちは。
私、実は、きょうこうやってお呼びいただくのは非常にありがたく思っております。
私は移住連の代表理事を務めております。移住連といいますのは、正式名称は特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク、略称移住連といっています。この略称移住連、市民社会からの発言としてきょうこのような場で発言させていただくことに、重ねて、冒頭感謝を申し上げます。
実は私は、この法務委員会で意見陳述をさせていただくのは四回目となります。二〇〇九年の入管法改正、そして二〇一四年、二〇一六年の技能実習法審議、そして今回となるわけですね。ただ、この中で、これまでの三回に比べて、国会での審議がほとんど重ねられないうちにお呼びいただいたかなというのが実感です。このことが、法案審議の問題を象徴している一つでもあるのではないかというふうに憂慮しています。
さて、私たちの移住連は、一九八〇年代からこの日本の労働市場の求めによって急増した移住労働者とその家族、ニューカマーの人々に対する差別、人権侵害や労働問題を取り組んできた全国各地のNGOや団体によって一九九七年につくられた全国ネットワークで、二〇一五年にNPO法人として再スタートしています。現在、全国の百以上の団体と、多くの研究者、弁護士、地域の活動家などの個人会員に参加していただいております。
また、私自身は、個人加盟の労働組合、全統一労働組合の特別執行委員であり、バブル経済下のニューカマーの外国人労働者とのかかわりは三十年を超えています。直接的に労働問題に取り組んだのは一九九〇年からです。
ここでちょっと、申しわけありません、急遽つくったものですから、誤字脱字、てにをはが少し間違っているところがありますから、御容赦ください。申しわけありません。
そして同時に、外国人技能実習生権利ネットワークの運営委員をスタート当初から務めており、人身売買禁止全国ネットワーク、JNATIPの共同代表として、政府の人身取引対策に関する関係省庁連絡会議との情報提供、意見交換も行わせていただいております。
さて、本法案について述べていきます。限られた時間での陳述ですから、どの程度、私の考え、三十年間の思いを伝えられるのか不安ですが、述べていきます。
まず最初に、ゆがんだ移民政策についてです。
本法案審議は、直接的には本年二月のタスクフォース設置からスタートしているわけですが、移民かどうか、移民政策というのか否かなどの非論理的議論があったことにまず強い違和感を抱きます。
既にこの日本社会には、多くの外国籍住民、そして移民が存在しています。移民の存在や活躍を無視した、移民政策ではないと強弁することは、今この社会にいる移民の人権、人格権、生活権を顧みない、あるいは否定を宣言しているようなものです。今社会問題となっているヘイトスピーチの原因の一つも、移民の存在を否定する政治的リーダーシップにあると考えます。
この約三十年をとってみても、移民政策がないのではなく、ゆがんだ移民政策をこの社会はとってきたのです。
受入れ政策でいうと、まず、一九八〇年代後半から、バブル経済を背景にオーバーステイ容認政策をとりました。一九九三年には三十万人を超える非正規滞在者が働いていたことは、容認政策という以外に説明がつきません。
次に、一九九〇年からの日系ビザの導入政策です。主に中南米に出稼ぎに行った移民に帰ってきてもらえばいいという安直な政策で、来てみたら外国人だったという愚かな政策です。
そして、一九九三年からひたひたと拡大させてきた外国人研修・技能実習制度です。二〇一〇年には、国際社会からの奴隷労働、人身売買との批判をかわす意味も含めて、研修制度を分離し、労働者受入れ制度として、外国人技能実習制度を活用することに大きくかじを切りました。さらに、留学制度を悪用した労働者受入れも拡大させてきました。
お手元の絵解きをごらんください。パワーポイントの絵解きになっておりますけれども、この絵解きの中で数字としてあらわれています。めくって、二ページ、三ページになりますけれども。
労働者としての在留資格で入国し働いている外国人労働者が、外国人労働者全体で一九%しかいません。働くことを目的としないはずの技能実習生と留学生で四〇%を超えています。これを、おかしい、ゆがんでいるとなぜ言えない、言わないのでしょうか。農業では外国人労働者のうち七九・二%が、そして建設では六六・三%が技能実習生です。おかしいのです。留学では、在留数との単純比較で八三%の留学生が働いていることになります。
こんな国は、世界じゅう探してもどこにも見当たらないでしょう。おかしいのです。ゆがんでいるのです。目的外の在留資格に偽装しているのは、外国人労働者ではなく、私たちの社会であること、私たちが偽装しているのです。
かつて、興業問題で、興業名目でシンガーやダンサーとして、実際には性関連産業、風俗業で働かせていたという厳しい国際社会からの批判がありました。それは、絵解きの三ページの下に、興業のビザがこれだけ減じたことにあらわれています。
また、その上のところでは、研修から技能実習に転じた途端に、研修が、JITCO関連の研修だけでも七万から六百六十九に減ったという、一%も本当の研修生はいなかったということになるわけです。こんなことを私たちの社会はやっているわけですね。
ゆがんだ移民政策、受入れ政策は、人権侵害、労働基準崩壊をもたらし、民主主義を壊しています。その象徴的なゆがみが外国人技能実習制度です。奴隷労働構造のもとに、これは絵解きの真ん中あたり、六ページの上の絵解きですけれども、外国人労働者を置いています。開発途上国への技術移転など、みじんのかけらもありません。今なお続く時給三百円や強制帰国など劣悪な労働条件、人権侵害にも、残念ながら、私たちの社会は、私たち自身はなかなか、おかしい、ゆがんでいると言わずに来ました。
残念なことに、まずおかしいと声を上げたのは国際社会でした。二〇〇七年のアメリカ国務省の人身売買年次報告書での指摘に始まり、国連などから厳しい改善の勧告が重ねられてきました。
この技能実習制度については、後ほど詳しく述べられる参考人もおられるようですので、それに譲ることにしますが、百害あって一利なしの技能実習制度の速やかなる廃止を強く求めます。
お手元のニュースには、直近のいろいろな事件についても記載されております。
昨日の審議を見ていますと、昨年十一月以降の旧と新の間で何か違いがあるかのように審議がありましたが、全く変わっておりません。いまだに時給三百円、パスポートの取上げというのが起きています。そのことは改めて強調しておきたいと思います。
さて、移住連としての本案に対する基本的な考え方です。お手元にあります意見は後ほど御参照ください。
新たな外国人材の受入れについて。
まず申し上げたいのは、外国人材ではないということです。おかしいことの一つが、いつの間にか、外国人労働者が外国人材に単語として置きかえられてきたことです。第二次安倍内閣の発足以降、外国人材という表現が政府内で用いられるようになりました。このことは、労働力を商品として捉え、その有用性のみを活用しようとする姿勢を端的にあらわしています。労働者、生活者としての権利を保障し、同じ社会でともに生きる人間として迎え入れるという大前提のもと、外国人材という用語の使用はやめるべきです。
これは、こぼれ話として言いますけれども、私、長く政府との意見交換をやってきておりますけれども、それまでずっと外国人労働者と言っていた官僚が、突然外国人材と言い出しました。ですから、当初は、外国人労と言いかけて、外国人労、あっ、人材と言い直すような、こんなことが起きてきたわけです。
次に、外国人労働者に家族帯同の権利の付与を求めます。
法案では、深刻な労働力不足に対応し、日本社会の経済社会基盤の持続可能性に寄与するために、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動、つまり特定技能一号ですけれども、家族帯同が認められていませんが、最長五年間家族が離れ離れになる可能性があることは、人道的に極めて問題です。また、担い手を求める善良な経営者たちからも、安定的に働いてもらうには家族帯同をとの声があることに傾聴すべきです。見直しを強く求めます。
技能実習制度の廃止を。
法案には明記されていませんが、既に公然と、技能実習制度において技能実習二号修了者が特定技能一号へ無試験で移行することが可能とされています。こんなおかしな話はありません。技能実習制度は、開発途上国への技能等を移転することを本来の目的としてきましたが、実際には人手不足対策に利用され、さまざまな人権侵害を引き起こしてきたことは既に述べてきました。
私たちの批判に対して、厚労省や法務省は、開発途上国に移転をするという目的を盾に詭弁を弄してきましたが、技能実習から特定技能への移行は、建前、看板を放り投げ、技能実習制度が労働力補充システムであることを認めたことを意味します。技能実習制度は直ちに廃止されるべきです。
雇用の調整弁として外国人労働者を活用すべきではありません。
新たに受け入れる外国人労働者の雇用形態について、法案には明記されておりませんが、政府基本方針骨子案では、原則として直接雇用としながらも、分野の特性に応じて派遣形態も可能としています。
外国人雇用状況の届出によれば、外国人労働者の二一・四%が間接雇用であり、日本の労働者全体の三%程度と比較して間接雇用比率が高くなっております。そのことが、外国人労働者の就労の不安定さの原因にもなっています。新制度における受入れは直接雇用に限るべきです。
さらに、法案では、特定産業分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときには、一時的に受入れ停止措置をとることとされています。これは、新たに受け入れる外国人労働者を雇用の調整弁として利用することを容認するものです。見直しを強く求めます。
外国人労働者への支援は国や地方自治体が行うべきです。
受入れ機関や登録支援機関に、新たに受け入れる外国人労働者に対する一次的な支援を担わせるべきではありません。
受入れ機関と登録支援機関の役割は、技能実習制度における企業単独型の実習実施者及び団体監理型の監理団体のものに類似しています。技能実習制度において見られたように、支援の名をかりたブローカーの介在を許してはなりません。支援は支援として国と地方自治体が行うべきです。新たに受け入れる外国人労働者に対する生活のための日本語習得の支援についても、受入れ機関や登録支援機関に任せるのではなく、国や自治体など公的機関が責任を持って行うべきで、そのために必要な予算措置を講じるべきです。
悪質な紹介業者の介在を排除する仕組みの構築をしてほしい。
悪質な仲介業者等の介在の防止策は、法案には明記されていません。技能実習制度の経験、教訓が示すように、民間の送り出し機関に頼っていては、悪質な紹介業者を実質的に排除することは不可能です。新たな外国人労働者の権利を保障するためには、技能実習生や留学生の送り出しと切り離し、公的な送り出し機関と国レベルで契約することが求められます。
ブローカーというのは、ブローカーの顔をして登場しないんです。支援としてブローカーが登場し、そこに入り込んでくるという、この三十年間の実態にぜひ目を向けていただきたいと思います。
法務省には司令塔的役割を果たすことはできません。
骨太の方針には、外国人の受入れ環境の整備は、法務省が総合的調整機能を持つ司令塔的役割を果たすとありますが、法務省設置法の改定案では、法務省の任務は、「出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ること」とされています。そして、当該任務を担うことを目的として、法務省の外局として出入国在留管理庁が設置されることで、管理強化のみが進行することが懸念されます。
実際、既に、事実に反したデマの健康保険ただ乗り論で、医療現場、自治体窓口での入管との連携による外国人管理が強化されようとしています。
この際、はっきり申し上げますが、この三十年を限って言っても、外国人労働者が税金や社会保険料、労働保険料を払いっ放しです。見合った行政サービスを受けていません。また、外国人労働者を社会保険加入させない派遣会社など、事業主の問題がずっと続いています。外国人労働者は社会保険に加入したいんです。
外国人労働者の新たな受入れに当たっては、管理よりも支援や共生が優先されるべきであることから、総合的調整機能を持つ司令塔的役割は、既存の省庁においては内閣府が担うべきです。内閣府において対応が難しい場合には、専門的省庁が別途設置されるべきです。
外国人労働者とその家族は、既にこの社会において、事業の担い手、産業の担い手、地域の担い手として活躍しています。この事実を直視した移民政策こそが求められています。
外国人労働者の受入れとは、人間の受入れです。移住者とその家族を始め日本社会に生きる全ての人々が対等な立場で社会に参加し、主体的に議論することで、真っ当な移民政策を確立していかなければなりません。
そのためには、出入国管理及び難民認定法だけでは不十分であることは、少なくとも、この三十年間に引き起こされた外国人労働者とその家族の人権問題、労働問題の事実からも明らかです。これらを教訓とし、よりよい多民族・多文化共生社会に向けた包括的な移民基本法と、実質的な差別解消を担保する差別禁止法を制定することを改めて提言したいと考えます。
最後に。
私は、一九九三年三月八日の外国人春闘以降、毎年、各省庁と交渉、意見交換を行ってきました。ことしで二十六回目になっています。一九九八年には、千葉県銚子事件で外国人研修・技能実習制度に出会い、二〇〇五年に時給三百円の実態を知らされ、強制帰国にも遭遇しました。この約三十年、現場でさまざまな事件と向き合ってきました。
百の相談に百の物語がありました。労働問題だけではありません。生活全般にわたる事件です。子供の教育、差別に苦しむ子供たち、恋愛や結婚、妊娠や出産、病気、交通事故、住宅ローンやクレジットカードなど、日々の生活にかかわるさまざまな事柄です。さきにも述べましたが、この社会の一員としての見合った行政サービスや、参加する権利が保障されていません。
ただ、もう一方で、外国人労働者とその家族こそが、私たちのこの社会の労働基準、福祉、行政、教育などの課題を顕在化させたことも事実です。外国人労働者問題は、外国人が引き起こす問題ではなく、顕在化させたこの社会の問題、課題なのです。二十五年間の省庁交渉で、この社会の課題は明らかとなっています。この二十五年間ずっと、毎回、社会保険加入を求めてきています。
外国籍住民や家族への人権侵害の一番の大きな原因が、移民がいないこととしている政治的リーダーシップにあります。そして、外国人労働者を労働者として正面から受け入れないことにあります。この社会の一人一人に多民族・多文化共生社会の意識を醸成させていない要因です。
外国人労働者を使い捨ての即戦力でなく、この社会、産業の担い手として、働く仲間、同僚、地域の一員、隣人として受け入れることが求められます。
民主主義社会を深化させるのか否か。奴隷労働と対決、決別するのか否か。まやかしの外国人技能実習制度を温存し活用したゆがんだ受入れを続けるのか否か。労働者を名実ともに労働者としてこの社会に受け入れる、真っ当な移民政策こそが求められています。
戦争という大きな失敗を教訓化してきた七十年がある私たち、この三十年の外国人労働者とその家族による活躍と顕在化した課題を知っている私たちにこそ、地球的規模、共通課題である移民政策を正面から議論し、労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会、つまり民主主義社会の深化が実現できるはずです。
今、私たちはチャンスです。人手不足、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に実現するべきは、民主主義の深化のはずです。ここ二、三年あるいは五年先の社会を考えるのではなくて、五十年、百年を見据えた議論が求められています。
多民族・多文化共生社会は既に始まっています。移民は既にこの社会で活躍しています。違いを尊重し合う労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会は必ず実現できます。まずは、労働者を労働者として受け入れる制度設計です。
この委員会に出席されている皆さん、あるいは国会におられる議員の皆さん、政治的リーダーの決断で必ず実現できます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私、実は、きょうこうやってお呼びいただくのは非常にありがたく思っております。
私は移住連の代表理事を務めております。移住連といいますのは、正式名称は特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク、略称移住連といっています。この略称移住連、市民社会からの発言としてきょうこのような場で発言させていただくことに、重ねて、冒頭感謝を申し上げます。
実は私は、この法務委員会で意見陳述をさせていただくのは四回目となります。二〇〇九年の入管法改正、そして二〇一四年、二〇一六年の技能実習法審議、そして今回となるわけですね。ただ、この中で、これまでの三回に比べて、国会での審議がほとんど重ねられないうちにお呼びいただいたかなというのが実感です。このことが、法案審議の問題を象徴している一つでもあるのではないかというふうに憂慮しています。
さて、私たちの移住連は、一九八〇年代からこの日本の労働市場の求めによって急増した移住労働者とその家族、ニューカマーの人々に対する差別、人権侵害や労働問題を取り組んできた全国各地のNGOや団体によって一九九七年につくられた全国ネットワークで、二〇一五年にNPO法人として再スタートしています。現在、全国の百以上の団体と、多くの研究者、弁護士、地域の活動家などの個人会員に参加していただいております。
また、私自身は、個人加盟の労働組合、全統一労働組合の特別執行委員であり、バブル経済下のニューカマーの外国人労働者とのかかわりは三十年を超えています。直接的に労働問題に取り組んだのは一九九〇年からです。
ここでちょっと、申しわけありません、急遽つくったものですから、誤字脱字、てにをはが少し間違っているところがありますから、御容赦ください。申しわけありません。
そして同時に、外国人技能実習生権利ネットワークの運営委員をスタート当初から務めており、人身売買禁止全国ネットワーク、JNATIPの共同代表として、政府の人身取引対策に関する関係省庁連絡会議との情報提供、意見交換も行わせていただいております。
さて、本法案について述べていきます。限られた時間での陳述ですから、どの程度、私の考え、三十年間の思いを伝えられるのか不安ですが、述べていきます。
まず最初に、ゆがんだ移民政策についてです。
本法案審議は、直接的には本年二月のタスクフォース設置からスタートしているわけですが、移民かどうか、移民政策というのか否かなどの非論理的議論があったことにまず強い違和感を抱きます。
既にこの日本社会には、多くの外国籍住民、そして移民が存在しています。移民の存在や活躍を無視した、移民政策ではないと強弁することは、今この社会にいる移民の人権、人格権、生活権を顧みない、あるいは否定を宣言しているようなものです。今社会問題となっているヘイトスピーチの原因の一つも、移民の存在を否定する政治的リーダーシップにあると考えます。
この約三十年をとってみても、移民政策がないのではなく、ゆがんだ移民政策をこの社会はとってきたのです。
受入れ政策でいうと、まず、一九八〇年代後半から、バブル経済を背景にオーバーステイ容認政策をとりました。一九九三年には三十万人を超える非正規滞在者が働いていたことは、容認政策という以外に説明がつきません。
次に、一九九〇年からの日系ビザの導入政策です。主に中南米に出稼ぎに行った移民に帰ってきてもらえばいいという安直な政策で、来てみたら外国人だったという愚かな政策です。
そして、一九九三年からひたひたと拡大させてきた外国人研修・技能実習制度です。二〇一〇年には、国際社会からの奴隷労働、人身売買との批判をかわす意味も含めて、研修制度を分離し、労働者受入れ制度として、外国人技能実習制度を活用することに大きくかじを切りました。さらに、留学制度を悪用した労働者受入れも拡大させてきました。
お手元の絵解きをごらんください。パワーポイントの絵解きになっておりますけれども、この絵解きの中で数字としてあらわれています。めくって、二ページ、三ページになりますけれども。
労働者としての在留資格で入国し働いている外国人労働者が、外国人労働者全体で一九%しかいません。働くことを目的としないはずの技能実習生と留学生で四〇%を超えています。これを、おかしい、ゆがんでいるとなぜ言えない、言わないのでしょうか。農業では外国人労働者のうち七九・二%が、そして建設では六六・三%が技能実習生です。おかしいのです。留学では、在留数との単純比較で八三%の留学生が働いていることになります。
こんな国は、世界じゅう探してもどこにも見当たらないでしょう。おかしいのです。ゆがんでいるのです。目的外の在留資格に偽装しているのは、外国人労働者ではなく、私たちの社会であること、私たちが偽装しているのです。
かつて、興業問題で、興業名目でシンガーやダンサーとして、実際には性関連産業、風俗業で働かせていたという厳しい国際社会からの批判がありました。それは、絵解きの三ページの下に、興業のビザがこれだけ減じたことにあらわれています。
また、その上のところでは、研修から技能実習に転じた途端に、研修が、JITCO関連の研修だけでも七万から六百六十九に減ったという、一%も本当の研修生はいなかったということになるわけです。こんなことを私たちの社会はやっているわけですね。
ゆがんだ移民政策、受入れ政策は、人権侵害、労働基準崩壊をもたらし、民主主義を壊しています。その象徴的なゆがみが外国人技能実習制度です。奴隷労働構造のもとに、これは絵解きの真ん中あたり、六ページの上の絵解きですけれども、外国人労働者を置いています。開発途上国への技術移転など、みじんのかけらもありません。今なお続く時給三百円や強制帰国など劣悪な労働条件、人権侵害にも、残念ながら、私たちの社会は、私たち自身はなかなか、おかしい、ゆがんでいると言わずに来ました。
残念なことに、まずおかしいと声を上げたのは国際社会でした。二〇〇七年のアメリカ国務省の人身売買年次報告書での指摘に始まり、国連などから厳しい改善の勧告が重ねられてきました。
この技能実習制度については、後ほど詳しく述べられる参考人もおられるようですので、それに譲ることにしますが、百害あって一利なしの技能実習制度の速やかなる廃止を強く求めます。
お手元のニュースには、直近のいろいろな事件についても記載されております。
昨日の審議を見ていますと、昨年十一月以降の旧と新の間で何か違いがあるかのように審議がありましたが、全く変わっておりません。いまだに時給三百円、パスポートの取上げというのが起きています。そのことは改めて強調しておきたいと思います。
さて、移住連としての本案に対する基本的な考え方です。お手元にあります意見は後ほど御参照ください。
新たな外国人材の受入れについて。
まず申し上げたいのは、外国人材ではないということです。おかしいことの一つが、いつの間にか、外国人労働者が外国人材に単語として置きかえられてきたことです。第二次安倍内閣の発足以降、外国人材という表現が政府内で用いられるようになりました。このことは、労働力を商品として捉え、その有用性のみを活用しようとする姿勢を端的にあらわしています。労働者、生活者としての権利を保障し、同じ社会でともに生きる人間として迎え入れるという大前提のもと、外国人材という用語の使用はやめるべきです。
これは、こぼれ話として言いますけれども、私、長く政府との意見交換をやってきておりますけれども、それまでずっと外国人労働者と言っていた官僚が、突然外国人材と言い出しました。ですから、当初は、外国人労と言いかけて、外国人労、あっ、人材と言い直すような、こんなことが起きてきたわけです。
次に、外国人労働者に家族帯同の権利の付与を求めます。
法案では、深刻な労働力不足に対応し、日本社会の経済社会基盤の持続可能性に寄与するために、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動、つまり特定技能一号ですけれども、家族帯同が認められていませんが、最長五年間家族が離れ離れになる可能性があることは、人道的に極めて問題です。また、担い手を求める善良な経営者たちからも、安定的に働いてもらうには家族帯同をとの声があることに傾聴すべきです。見直しを強く求めます。
技能実習制度の廃止を。
法案には明記されていませんが、既に公然と、技能実習制度において技能実習二号修了者が特定技能一号へ無試験で移行することが可能とされています。こんなおかしな話はありません。技能実習制度は、開発途上国への技能等を移転することを本来の目的としてきましたが、実際には人手不足対策に利用され、さまざまな人権侵害を引き起こしてきたことは既に述べてきました。
私たちの批判に対して、厚労省や法務省は、開発途上国に移転をするという目的を盾に詭弁を弄してきましたが、技能実習から特定技能への移行は、建前、看板を放り投げ、技能実習制度が労働力補充システムであることを認めたことを意味します。技能実習制度は直ちに廃止されるべきです。
雇用の調整弁として外国人労働者を活用すべきではありません。
新たに受け入れる外国人労働者の雇用形態について、法案には明記されておりませんが、政府基本方針骨子案では、原則として直接雇用としながらも、分野の特性に応じて派遣形態も可能としています。
外国人雇用状況の届出によれば、外国人労働者の二一・四%が間接雇用であり、日本の労働者全体の三%程度と比較して間接雇用比率が高くなっております。そのことが、外国人労働者の就労の不安定さの原因にもなっています。新制度における受入れは直接雇用に限るべきです。
さらに、法案では、特定産業分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときには、一時的に受入れ停止措置をとることとされています。これは、新たに受け入れる外国人労働者を雇用の調整弁として利用することを容認するものです。見直しを強く求めます。
外国人労働者への支援は国や地方自治体が行うべきです。
受入れ機関や登録支援機関に、新たに受け入れる外国人労働者に対する一次的な支援を担わせるべきではありません。
受入れ機関と登録支援機関の役割は、技能実習制度における企業単独型の実習実施者及び団体監理型の監理団体のものに類似しています。技能実習制度において見られたように、支援の名をかりたブローカーの介在を許してはなりません。支援は支援として国と地方自治体が行うべきです。新たに受け入れる外国人労働者に対する生活のための日本語習得の支援についても、受入れ機関や登録支援機関に任せるのではなく、国や自治体など公的機関が責任を持って行うべきで、そのために必要な予算措置を講じるべきです。
悪質な紹介業者の介在を排除する仕組みの構築をしてほしい。
悪質な仲介業者等の介在の防止策は、法案には明記されていません。技能実習制度の経験、教訓が示すように、民間の送り出し機関に頼っていては、悪質な紹介業者を実質的に排除することは不可能です。新たな外国人労働者の権利を保障するためには、技能実習生や留学生の送り出しと切り離し、公的な送り出し機関と国レベルで契約することが求められます。
ブローカーというのは、ブローカーの顔をして登場しないんです。支援としてブローカーが登場し、そこに入り込んでくるという、この三十年間の実態にぜひ目を向けていただきたいと思います。
法務省には司令塔的役割を果たすことはできません。
骨太の方針には、外国人の受入れ環境の整備は、法務省が総合的調整機能を持つ司令塔的役割を果たすとありますが、法務省設置法の改定案では、法務省の任務は、「出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ること」とされています。そして、当該任務を担うことを目的として、法務省の外局として出入国在留管理庁が設置されることで、管理強化のみが進行することが懸念されます。
実際、既に、事実に反したデマの健康保険ただ乗り論で、医療現場、自治体窓口での入管との連携による外国人管理が強化されようとしています。
この際、はっきり申し上げますが、この三十年を限って言っても、外国人労働者が税金や社会保険料、労働保険料を払いっ放しです。見合った行政サービスを受けていません。また、外国人労働者を社会保険加入させない派遣会社など、事業主の問題がずっと続いています。外国人労働者は社会保険に加入したいんです。
外国人労働者の新たな受入れに当たっては、管理よりも支援や共生が優先されるべきであることから、総合的調整機能を持つ司令塔的役割は、既存の省庁においては内閣府が担うべきです。内閣府において対応が難しい場合には、専門的省庁が別途設置されるべきです。
外国人労働者とその家族は、既にこの社会において、事業の担い手、産業の担い手、地域の担い手として活躍しています。この事実を直視した移民政策こそが求められています。
外国人労働者の受入れとは、人間の受入れです。移住者とその家族を始め日本社会に生きる全ての人々が対等な立場で社会に参加し、主体的に議論することで、真っ当な移民政策を確立していかなければなりません。
そのためには、出入国管理及び難民認定法だけでは不十分であることは、少なくとも、この三十年間に引き起こされた外国人労働者とその家族の人権問題、労働問題の事実からも明らかです。これらを教訓とし、よりよい多民族・多文化共生社会に向けた包括的な移民基本法と、実質的な差別解消を担保する差別禁止法を制定することを改めて提言したいと考えます。
最後に。
私は、一九九三年三月八日の外国人春闘以降、毎年、各省庁と交渉、意見交換を行ってきました。ことしで二十六回目になっています。一九九八年には、千葉県銚子事件で外国人研修・技能実習制度に出会い、二〇〇五年に時給三百円の実態を知らされ、強制帰国にも遭遇しました。この約三十年、現場でさまざまな事件と向き合ってきました。
百の相談に百の物語がありました。労働問題だけではありません。生活全般にわたる事件です。子供の教育、差別に苦しむ子供たち、恋愛や結婚、妊娠や出産、病気、交通事故、住宅ローンやクレジットカードなど、日々の生活にかかわるさまざまな事柄です。さきにも述べましたが、この社会の一員としての見合った行政サービスや、参加する権利が保障されていません。
ただ、もう一方で、外国人労働者とその家族こそが、私たちのこの社会の労働基準、福祉、行政、教育などの課題を顕在化させたことも事実です。外国人労働者問題は、外国人が引き起こす問題ではなく、顕在化させたこの社会の問題、課題なのです。二十五年間の省庁交渉で、この社会の課題は明らかとなっています。この二十五年間ずっと、毎回、社会保険加入を求めてきています。
外国籍住民や家族への人権侵害の一番の大きな原因が、移民がいないこととしている政治的リーダーシップにあります。そして、外国人労働者を労働者として正面から受け入れないことにあります。この社会の一人一人に多民族・多文化共生社会の意識を醸成させていない要因です。
外国人労働者を使い捨ての即戦力でなく、この社会、産業の担い手として、働く仲間、同僚、地域の一員、隣人として受け入れることが求められます。
民主主義社会を深化させるのか否か。奴隷労働と対決、決別するのか否か。まやかしの外国人技能実習制度を温存し活用したゆがんだ受入れを続けるのか否か。労働者を名実ともに労働者としてこの社会に受け入れる、真っ当な移民政策こそが求められています。
戦争という大きな失敗を教訓化してきた七十年がある私たち、この三十年の外国人労働者とその家族による活躍と顕在化した課題を知っている私たちにこそ、地球的規模、共通課題である移民政策を正面から議論し、労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会、つまり民主主義社会の深化が実現できるはずです。
今、私たちはチャンスです。人手不足、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に実現するべきは、民主主義の深化のはずです。ここ二、三年あるいは五年先の社会を考えるのではなくて、五十年、百年を見据えた議論が求められています。
多民族・多文化共生社会は既に始まっています。移民は既にこの社会で活躍しています。違いを尊重し合う労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会は必ず実現できます。まずは、労働者を労働者として受け入れる制度設計です。
この委員会に出席されている皆さん、あるいは国会におられる議員の皆さん、政治的リーダーの決断で必ず実現できます。
御清聴ありがとうございました。拍手