鳥井一平の発言 (法務委員会)

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○鳥井参考人 どうもありがとうございます。
 御指摘のとおりといいますか、実は私は、長い間、たくさんの社長さんたちと会ってきたんですね。あるいは農家の方々とも会ってきました。ほとんど普通の方です。技能実習制度の中で受け入れられている方々に、いわゆるやくざ、暴力団という類いはほとんどいないんですよ。どうしようもないなという方は、かえって、地元のいわゆる議員経験者だとかそういう方はちょっといらっしゃるんですけれども、地域のですね。でも、ほとんど、ある意味じゃ善良な方と言ってもいいんじゃないでしょうか。地域の自治会、町会を担っているような、面倒見のいい、社長さんたちとか農家のおやじさんたちです。
 その人たちが何でこんなことをするんだろうと。先ほど申し上げました時給三百円なんて、誰が考えてもおかしいわけですね。会ってお話しすると、社長、これはおかしいでしょうと言うと、いや、おかしいよねと。日本人にこういうことをしますかと言うと、いや、わしはしないな、あるいは、いや、私はおかしいと思うんだけれども、自分のところだけ給料を上げると叱られるんだ、監理団体に、こういう話になるわけですよ。
 それで、先ほど来、技能実習制度が長い間、送り出し国に対するいわば貢献をしている、これも事実なんですよ。それはなぜかというと、技能実習制度固有の役割を果たしているのではなくて、出稼ぎ労働の役割、価値として、出稼ぎ労働をすると、帰ってからそれが必ず地域の産業やそういうものに役立っているんです。
 これは、韓国の産業研修制度でも、帰ってどういう役に立っているかというと、ベトナムの韓国企業、ベトナムは日本よりも韓国が先に結構出ていましたから、韓国企業の不動産会社の通訳として働くとか、そういうことで役立っている。あるいは、日本の場合でも、日本企業で働くということで役に立つ。これは、だから、実は出稼ぎ労働として役に立っているわけです。しかしながら、開発途上国の技術移転の目的としての技能実習制度としては、固有の役割ではないんです。
 先ほど私、百害あって一利なしと申し上げたのは、日本の社会において、社長さんたちが勘違いをしてしまうわけですよ。この勘違いというのは怖いんですね。
 つまり、労働者の受入れということで初めから考えている、出稼ぎ労働として考えているのならいいんですけれども、なまじっか開発途上国の技術移転なんということがあるものですから、そのことで、よく使われる言葉が、この子、この子と言います。労働者ということじゃなくて、うちの子とか、この子、この子と言うんですよ。このことが、つまり、技能実習生だとか留学生ということで、その入り口しかないものですから、そういう誤った感覚をつくってしまう。
 初め面倒見のいい社長さんたちが、先ほど女性の話が出ましたけれども、女性の技能実習生というのは、大小、強弱ありますけれども、みんなセクハラの経験をしています。これは、社長さんたち、初めはいい社長さんたちなんですけれども、ちょっと口答えすると、入管を呼ぶぞとか、あるいは帰らすぞと言うと、どきっとしちゃうわけですね。
 先ほど申し上げましたけれども、三年間働いて元が取れるんですよ。そうでなくて途中で帰らされると、借金を抱えることになるわけです。保証金でなくても費用はかかっているんです。この費用を取り戻すためには、やはり三年間働かないとだめなんですよね。そうすると、びくっとしちゃう。それを見ていて、人のいい、普通の善良な社長さんたちが変わってしまうんですね。これが怖いんです、この制度は。ですから、善良な社長さんを善良たらしめない、普通の人を普通たらしめないというこの制度の怖さというのがあるということなんですね。
 ですから、やはり、労働者を労働者として受け入れる、そして労使関係の緊張感の中で社長さんたちがこの労働者に報いていくということがあれば、そういうことが少しでも、一つでも二つでもなくなっていく。
 つまり、この制度の適正化というのは、ちゃんとした賃金を払う、あるいはちゃんとした寮に住まわせるということでは適正化になっていないんですね。この制度の適正化というのは、開発途上国の技術移転を目的意識的に社長さんたちがやるということでなければおかしいわけですから、どう見てもこれはやられていないんです。
 ですから、今度、特定技能を中間的な位置づけにするとおっしゃるのであれば、そういう一番最初の入り口の段階での在留資格も、あるいはつくってもいいのかもしれません。それは技能実習制度ではないんです。技能実習制度はとっとと廃止をして、先ほどのレロンソン参考人が活躍できるような新しい制度をぜひともつくっていただいた方がいいのかなというふうに思います。

発言情報

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発言者: 鳥井一平

speaker_id: 269

日付: 2018-11-22

院: 衆議院

会議名: 法務委員会