村井嘉浩の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(村井嘉浩君) 宮城県知事の村井でございます。本日は、参考人としてお声を掛けていただきまして、誠にありがとうございました。
 私は、水道法の改正に賛成の立場で意見を申し上げたいというふうに思います。皆様のお手元にこの冊子が行っているかと思いますので、これを見ながらお話をさせていただきたいと思います。
 一ページ目を御覧ください。
 賛成をされている委員の先生方にお話をするのではなくて、どちらかというと反対をされている先生方にお話をさせていただきたいと思います。
 水道法を改正していただくといろいろ心配事があるということで、一番から八番まで書かせていただいておりますが、宮城県にお任せをいただきますと大丈夫ですというお話をさせていただきます。
 二ページ目を御覧ください。
 みやぎ型管理運営方式の内容について簡単にお話をいたします。
 宮城県は、上水を二事業、工業用水を三事業、そして流域下水道を全部で七事業やってございますが、そのうち、流域下水道の下、三事業を除くこの全部で九事業を宮城県としては上工下一体のみやぎ管理運営方式としてコンセッションを考えております。地図にいたしますと、左側の赤枠でくくっている部分ということでございます。三か所外れておりますのは、上水と下水が別々に運営しているということで外させていただいたということでございます。
 次、三ページ目を御覧ください。
 具体的な内容でございますが、期間は二十年間。そして、今回、水道法が改正されますと、県が水道用水供給事業者として認可をいただき、そして民間事業者に運営を委託するということでございます。
 いろんな施設をこれから維持管理、建設をしてまいりますが、分かりやすく言うと、地面から下の部分、管路の部分については県が責任を持って建設、維持管理をすると、そして、地面から上の部分、水処理施設、こういったようなものについては民間にお任せをするということでございます。そして、浄水場及び下水処理場の運転及び維持管理は全て民間にお任せをいたします。
 料金については、役割ごと、県と民間で分割してお金を集めるということになります。これも水道法の改正が必要でございます。ただし、県が全部、県民からは県が代行して収受をいたしまして、市町村を通じて収受をいたしまして、民間に配分をいたします。資産の所有は全て県です。そして、モニタリングは県と民間がそれぞれ責任に応じて行うということになります。
 次、四ページを飛ばして五ページを見てください。
 それでは、心配事の説明をさせていただきたいと思います。
 まず、よく言われることが、民間に任せますと官の責任がなくなって民間にいいようにやられると、水道料金がどんどん上がってしまうのではないかということでございます。
 現在の法律ではそういうことは可能かと思います。つまり、現在の法律は、民間も認可を持つことができる、そして認可を持っている事業者に料金収入が入るということでございますので、つまり、今の法律では完全民営化か完全公営化しか選択肢がないということでございます。
 今回はそういうことではなくて、県に認可をもらって民間に運営委託できる、そして水道料金を別々に収入を分けることができるという法律改正でございますので、そうしていただきますと、下に書いてございますように、宮城県の考え、行政が最後まで責任を負いますので、宮城県が責任を負いますと。そして、料金については五年ごと県議会の議決を受けて決定をいたしますので、民間が自由に料金を上げることはできません。
 そして、その前のページの四ページを御覧いただきたいと思いますが、みやぎ型の場合は、料金は県議会の議決を得て宮城県で決めます。そして、管路の部分、必要な部分をまず県が取って、残りの部分を民間にお渡しをするということでございますので、その中で経営努力をして利益を生み出していただくようになるということでございます。
 じゃ、どうやって利益を生み出すかということでございますが、右下の黄色の吹き出しの部分ですが、このような努力を民間がすることによって、民間の努力で独自に利益を生み出す努力をしていただくと、そして厳しい競争をしていただくということでございます。
 次に、六ページ目を御覧ください。
 三つ目、いざというときの危機管理ができないのではないかということでございますが、先ほど申し上げたとおり、全ての施設は宮城県が所有いたします。仮に民間が新たに施設を建設したとしても、所有は宮城県という仕組みになります。したがって、下の囲みでございます、災害時は今と同じように、宮城県の所有物でございますので、国の支援、各種団体の支援を受けながら、現在のやり方にのっとって復旧復興をいたしますので、災害時の対応は現行と変わらないということで、県民に御迷惑をお掛けすることはございません。
 次に、七ページ目を御覧ください。
 民間だと撤退するリスクがあるんじゃないかということですが、それにつきましては、下の箱囲みにありますように、いろんな形で担保する形で契約をしようと考えてございます。
 下の米印、二つ書いてございますが、そもそも現在の指定管理者制度でも民間に事業をお任せしているわけですから、同様のリスクは存在をしているということ、また、業者選定は単なる価格競争ではなくてプロポーザル方式によって行います。したがって、国内外の信頼の置ける業者を選定をするということになりますので、経営状況を見たり、あるいは実績をしっかり見た上で業者を選定いたしますので、そういった撤退するリスクのあるような企業を選ぶことはほとんどないということでございます。
 次に、八ページ目を御覧ください。
 五番目、現在の指定管理者制度で十分じゃないかということでございます。
 左の箱囲みと右の箱囲みを比べていただきたいと思うんですが、現在の指定管理者制度は、一言で言うと仕様発注です。ここに例を書いてございますように、一つ一つ細かい項目を決めて、業者にそれをやっていて、業者は言われたとおりやるというやり方でございます。
 一方、コンセッションになりますと、性能発注でございますので、この性能を守って、約束を守っていただけたらあとは自主裁量の余地でどうぞ御自由にというやり方であるということでありまして、例えば一例を言いますと、九時から十七時働いて幾ら、そして点検は月に何回していただくので幾らというような仕様発注から、民間に、コンセッションにすることによって、ITを活用して自動化を図って少人数で管理できるようにすることによって、同じ性能で相手も利益を生み出し、我々も料金を下げることができるということであります。
 しかも、米印に書いていますように、上水、工業用水、下水一体でスケールメリットを出すことになりますので事業者も参入する意欲を持ってございまして、先般からいろいろの事業所を見学会をしておりますが、約四十社程度の企業が見に来ているということで、非常に関心が強い。恐らく、相当厳しい競争原理が働くのではないかと考えております。
 次、六番。何年も民間に任せていたら、問題をチェックできるような職員、人材がいなくなるのではないかということでございます。これ、現在とみやぎ型管理運営方式、書いてございますが、基本的にはほとんど変わりはございません。県もしっかりとチェックをしますし、受託事業者も、運営権者もセルフモニタリングをやっていただく。
 ただ、経営状況がどうなのかどうかという財務状況をしっかりチェックをしなければなりません。そこで、宮城県は、一番下の箱囲みに書いていますように、経営審査委員会というものをつくります。独立した第三者機関で、モニタリングや経営に関する事項、経営上の課題等をしっかりと民間の目線も入れながらチェックをしていくということになります。
 次、十番目です。
 世界のトレンドは民営化ではなくて公営化ではないかということでございますが、よくパリの例を出されます。そこでフランスを調べてみましたが、フランスの場合でも、上水道の約七割は依然として民営で行っているということでございます。この辺は石井先生が大変詳しいので、詳しくは石井先生の方に聞いていただければというふうに思います。
 次に、十一ページでございます。
 広域連携とコンセッションの関係がよく分からないというようなことを言われます。
 小さな市町村は、これから広域連携を進めていかなければなりません。ポンチ絵描いてございますが、例えば、一番右下のD市、E町、F町、こういったところは広域連携で自分たちでやっていく、これも一つの選択肢でございます。また、左下にありますC市のように、自分は独立でやっていきますと、ただし、宮城県の管理運営方式と連携をいたしまして、宮城県の事業を受託した業者に我々も仕事をお任せして、スケールメリットで少しでも料金を下げるという選択肢もまたこれありです。また、A市、B町のように、水平連携、広域連携をしながら宮城県の管理運営方式と連携を取って、宮城県の頼んだ受託事業者に我々もまた同じようにお願いしますという選択肢もあるということで、非常に、今回の水道法を改正していただくことによって、力のない市町村、自治体も選択肢が広がっていくということでございます。
 十二ページでございます。
 最後に、県民の具体的なメリットでございますけれども、これは関係企業三十五社から聞き取りをした調査結果でございます。左側の黄色、現行モデルでいきますと、今のままだと二十年間で三千六百億円ほどの事業費が掛かりますが、それをコンセッションにすることによってこれぐらい経費を削減できる。コストの削減率は、三百三十五億から五百四十六億円ではないかというふうに見ております。これを現在の価値に合わせ、そして租税、税金を抜き、企業の利益等を抜きまして出したバリュー・フォー・マネー、VFMですが、右側です。大体、百六十六億から三百八十六億、割合にして七・四%から一四・四%程度、VFMが生まれるのではないかと考えてございます。約一割程度ですね。これがまさに県民の利益ということで、このままいくと間違いなく水道料金はずっと右肩上がりで上がっていきます。もう皆さん御承知のとおりですが、それを一割抑えられる可能性があるということでございます。
 最後に、十三ページ目でございます。
 何度も申し上げておりますように、現在の水道法は、完全公営化か完全民営化しかないということでございます。民営化にするとデメリットも当然あろうかと思いますが、民間事業者にとりましても、全て任せられると、宮城県のように大きな災害があるところでは全ての責任を押し付けられるということで、水道事業に参入するということが難しくなりますので、長い目で考えますと、私は、宮城県のやるようなことを実現できるような法改正が必要ではないかと考えているということでございますので、是非とも委員の先生方におかれましては賛成に回っていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。

発言情報

speech_id: 119714260X00620181129_003

発言者: 村井嘉浩

speaker_id: 887

日付: 2018-11-29

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会