野瀬豊の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○野瀬参考人 御紹介いただきました高浜町長の野瀬でございます。
きょうは、こういった機会を与えていただきまして、感謝申し上げたいと思います。
当委員会は原子力規制のあり方を主に審議されるということですが、立地の首長であるということもありますので、それ以外の、立地の現状も含めて、ちょっとお話をさせていただければと思います。
お手元の方にちょっと配付資料を、A4の縦型の二ページ物を御用意させていただいておりますが、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。
まず、立地地域、立地自治体で気になっていることの一つ目が、原子力政策の明確化でございます。
現在のエネ基には、重要なベースロード電源という位置づけがなされていますが、いわゆる新増設、リプレースについては書き込まれていないということで、このままフェードアウトするのかどうなのかという部分が、立地の今後の地域振興、また産業をどうするのかということと直結しますので、こういった中長期ビジョンを描く上で、次期の見直しのときには、ある程度、進むのかどうするのかということを明確にしていただきたいというのは共通の思いでございます。
また、政策といいますか、規制の方になるんですが、現在の規制委員会の審査、進んではいるんですが、高浜町においては、一号機から四号機まで全て審査終了で、一応合格ということにはなっております。
ただ、対策工事等々で、一、二号に関しましては、まだ稼働する状況にはもちろんなっていないわけでございますが、この長期化の中で、これも共通して、再稼働を今かかろうとしている自治体の共通の思いなんですが、四十年あるいは最長で六十年というカウントの仕方の問題が、これほど審査に時間がかかってきますと、それもその中に数えられるわけでございまして、また、図らずも、昨日、規制委員会の方で特重の設置期間の延長を認めないというような決定がなされたという報道がございましたが、そうなってきますと、またこれも長引くということで、実際、四十年といいながら、実際の稼働は四十年もないのではないか、六十年といいながらも、ないのではないかということで、非常にそういった部分の、もう少し現実的な、これはとまっている間は劣化はしないと私は基本的には思っていますので、もう少し現実といいますか、理にかなった、そういった弾力的な期間の見直しをしていただきたいという思いがございます。
それと、次に、人的なリソースの問題がございます。
高浜町におきましては、先ほど申し上げましたように、四基とも審査合格ということで、今二基稼働中でございますが、ある程度、中期的にはこういった産業で商売ができるといいますか、ということもあって、地元に若干の明るさは出ておりますが、そうでない地区、立地におきましては、非常に先行きが不透明で、いつまでもこれを待っていてもしようがないということで、やはり人材が流出する。そもそも、今、原子力産業に限らず人手不足でございますので、そこにもってきて、ずっとこういった見通せない位置づけが続きますと、ますます人が確保できなくなるということで、他産業へのシフトが他の立地地域ではもう既に顕在化しているという現状がございます。
こういったことが原子力政策の中において課題であろうかなと思いますし、先ほど申しましたように、規制の方の、規制委員会の毅然とした姿勢は大事なんですが、毅然とした姿勢イコールかたくなな姿勢というふうにもちょっと感じられるところがありますので、何も安全性をないがしろにしていただくようなことは立地にとっても困るんですが、やはりそこは弾力的な考え方、対応でしていただければなというふうに思っております。
二点目が、バックエンド対策の課題でございます。
高浜におきましても、今二基稼働しておりますが、焦眉の急は中間貯蔵施設の問題でございます。
いわゆる貯蔵プールが、高浜発電所、稼働を続けますと六年ぐらいでいっぱいになると。使用済み燃料を入れるプールがいっぱいになってしまいますと、事実上、そこから燃料を搬出しない限り、発電所をとめざるを得ないという、何ともこれもナンセンスといいますか、硬直したことになってしまいます。いわゆる乾式貯蔵とのハイブリッド化、あるいは中間貯蔵をどこに求めるのかということをもう少し現実的な視点で考えていく必要があろうかなと思っております。
あくまで個人的な見解でございますが、バックエンドの課題を県外で担っていただく、こういった負担をシェアするという考え方は、基本としてはいいんですが、現実論としてはなかなか難しいかと思いますので、立地の方である程度こういった部分も、つなぎ措置であれ、立地がある程度はやはり担わなくてはならないのかなというような現実的な考え方も持っておりますので、そういった点も踏まえて、余りこだわった考えに終始しているとこれも非常にナンセンスな停止状態を招くというようなことになろうかと思いますので、立地の方の気持ちも、そういった部分は考えているということをちょっとお伝えしたいと思います。
めくっていただきまして、次は、道路等のインフラ整備の問題でございます。
原子力災害に備えまして、今、避難道路等の多重化を進めております。高浜におきましては、発電所付近の県道が二本あるんですが、それの新しいトンネルですとか、バイパスですとか、そういったことで非常に改善をされておりますが、町道ですね、幹線でない部分の町道のボトルネック部分も実は結構ございます。こういった部分も、今、町道整備として地方単独事業で行っている路線ももう既にございます。
ただ、こういった部分の財源を交付金等々でこれまでは進めてきたわけでございますが、次に交付金に関することということでも述べさせていただきますが、交付金の原資である電促税が、やはり、電力需要が少しずつ減っているというような現状もありますし、福島の方の復興に年間五百五十億ほど、当然これは充てなくてはならないということで、向こう三十年ですか、そういった部分を福島の復興にも充てなくてはなりませんので、なかなか新たな財源を確保するのが、どういうふうにするかという部分は今後の課題であろうかと思いますが、この財源についての造成方法、確保の仕方、これは国が主体的に考えていただきたいというふうに思っております。
やはり、地域の住民の皆さんに理解いただこうと思いますと、こういった道路整備というものが一番心理的に、万が一のときの心理的な不安解消には非常に有効といいますか、皆さんが一番安心される項目でございますので、そういったことをまた先生方には御認識いただければというふうに思います。
最後、交付金のことでございます。
これは書きっぷりがちょっと間違っていますので、ここで言い直させていただきますが、先ほど言いました、交付金の原資は電促税でございますが、現状におきまして福島の復興財源の一部としても充てられておるという、全額充てられているわけじゃないんですが、一部として充てられておりますので、大体年間五百五十億程度と聞いておりますので、経産省分のいわゆるエネルギー特会の電促税配分が恐らく二千億程度かと思いますので、四分の一程度はやはり福島の復興に今後も継続的に当然投入されるべきだと思っております。
しかしながら、廃炉の交付金でありますとか、さまざまな新しい現状を受けた中での交付金、また、当町のように、稼働したところはもちろんまたそういった交付金を受けるわけでございますけれども、こういった交付金の全体の需要と制度の設計が、やはりちょっと変えなくてはならない時期を迎えておるかと思いますし、廃炉交付金なんかは、福井県内でも、高浜町以外は、四つの立地があるわけでございますが、敦賀、おおい、美浜と、全て廃炉決定プラントがございます。こういったところが、向こう十年間の時限措置の交付金で新しい産業をつくりなさいというのも、これもなかなか現実には無理かと思います。こういった部分をもう少し長期で見ていただく必要もあろうかというふうに思っております。
こういったことを立地自治体としっかり協議をして、立地がある程度安心できるといいますか、そういった解を見出していきたいなと思いますので、ぜひそういった対応をお願いしたいというふうに思っております。
ただ、こういった交付金の需要が、さまざま廃炉のことも含めて新しい需要が出てきますので、稼働している、ありていに言いますと、高浜町のように当面は稼働している自治体の交付金というのも影響を受けるわけで、そっちを手厚くすれば、当然、稼働している方が手薄になるといいますか、少なくなるわけでございますが、やはりパイは決まっておりますので、そういった中で、例えば、固定資産税、大規模償却資産税が自治体には自主財源として入ります。対策工事等々で資産価値が上がりまして、税額が上がっているわけですが、地方税法でも、これは法律で決まっているのでいかんともしがたいところがあるんですが、アッパーが決まっていまして、計算上はこの金額になっていますので、アッパーを超えた分は都道府県の方に、都道府県が課税をするということで、そういったたてつけになっています。
これは、国から求めるものではなしに、あくまで事業者が納める税金でございますので、国の負担はないかと思いますので、こういった新しい財政需要が生まれている原子力立地地域自治体においての大規模償却資産税の課税のあり方、そういったことも、なかなか法改正となると大変かと思うんですが、何かしら、法改正ができないのであれば、代替措置といいますか、何かそういった部分を考えていただければ、先ほど申しました道路等も、国の方でなかなか捻出が難しければ、自主財源で対応するということも可能になってくるのかなというふうに思いますので、そういったことも一つ課題としてあるということを御認識いただければというふうに思います。
以上、大きく四点、立地地域の課題について発言をさせていただきました。
きのうの規制委員会の判断も、非常に、今、立地においては衝撃といいますか、走っておりますし、やはり規制のあり方というものを、緩くしていただく必要はないんですが、安全にかかわらない部分のことに対する毅然さとかというのは余り必要ではないんじゃないかという気がしますので、安全以外のことは弾力的に考えていただくということが必要かと思いますので、ぜひそのようなことも先生方でまた働きかけをしていただければというふうに思います。
以上でございます。(拍手)