山田美樹の発言 (財務金融委員会)
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○山田(美)委員 自由民主党の山田美樹と申します。
本日は、一般質疑のお時間をいただきまして、ありがとうございます。短い時間ですが、未来の税制について問題提起をさせていただければと思います。
世の中の最近の動きは非常に速くて、一年一年のインクリメンタルな改正では追いつかないという気がしております。例えば、働き方の多様化とともに現行の複雑な所得税控除の仕組みは意味がなくなるのではないだろうか、人工知能や物のインターネットによって無人の事業体ができたらどのように法人税を課すのか、カーシェアが進むと車の保有に偏った車体課税制度では税収が確保できなくなるのではないか、自動運転が普及して路線価の概念が薄れると固定資産税は何を根拠に決まるのかなどなど、さまざまな論点が考えられます。
十年後、二十年後の税制のあるべき姿を見据えた上で、そこからバックキャストして今ある税制を軌道修正していくべきだと思いますが、現在の税制改正の議論には、残念ながらそうした未来予測と中長期ビジョンが余り感じられないですし、そもそも、十年、二十年のスパンで税制を考える議論の場がないというのが私の問題意識でございます。
既に顕在化しておりますのが、シェアリングサービスに物や労働力などを提供するネットワーカーの所得への課税の問題です。
一昨年の暮れに政府税調で論点整理を行っていただいて、海外主要国における対応も整理いただきましたけれども、税務当局がプラットフォーマーに対して必要に応じて不特定の納税者の情報提供を要請する仕組みというのが今年度の税制改正で非常に限定的に導入をされましたが、所得把握のためというよりは、不正防止を目的とした措置だと思われます。そもそも、ネットワーカーの所得が事業所得なのか雑所得なのかというところについても、わかりやすいガイドラインを示す必要があるのではないかと思っております。
そこで、きょうまず最初に主税局長にお伺いをしたいのは、財務省において政府税調の問題提起をどのように受けとめ、今後どのように施策を進めていくのか、あるいはもう既に進めているのかという問いでございます。
近い将来には、国境を越えて所得の把握が大きな論点になることが予想されます。近年、デジタルノマドという言葉をよく耳にしますけれども、IT人材の遊牧民化という意味ですけれども、人工知能の普及などでさらなるデジタル化が進むと、ノートパソコンさえあれば世界のどこにいても同じ仕事ができるため、自分の好きな国を選んで働くことができる。そうすると、必然的に居住費や税金が安い場所に人材が集まることになります。そうすると、人と所得が国にひもづけられなくなって、国にとっては所得税を徴収できなくなるということも考えられます。逆に、外国人に仮想居住権を与えて国内での法人設立を優遇するエストニアのような国もあって、国境を越えた人材獲得競争が既に始まっているという認識です。
こうした国境を越えたノマドワーカーと所得税の問題というのは、今まさにG20に向けても議論になっておりますデジタルプラットフォーマーに対する法人税課税と同じように、いずれ国際的な論議となることが予想されますけれども、海外当局との金融口座情報の交換など課税情報確保のための取組を進めない限り、個人所得税の機能を維持していくというのは難しくなろうかと思います。
現在そういった国際租税をめぐる多数国間の議論の中で既に検討が始まっているのか、もしももう日本政府の中でお考えがあればお聞かせいただければと思います。