泉田裕彦の発言 (内閣委員会)

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○泉田委員 それでは次に、健康・医療戦略についてお伺いをしたいと思います。
 今からもう二十年、二十数年、三十年近く前になると思いますが、一九九〇年、アメリカにおきまして、三十億ドル、今のレートで換算して三千三百億円という予算を計上して、ヒトゲノム計画、これがスタートをしております。ヒトの全ゲノムを解析しようという大変野心的な計画で、十五年ぐらい解析にかかるんじゃないか、それもヒト一人分で三千億を超えるという金額が予想されていたわけですけれども、近年、次世代シーケンサーの技術が進歩して、何と、ヒトゲノムの解析をするのに、三日間程度で、かつ十五万円程度の費用でできるようになってきている。まさに時代が革命的に変わろうというときに我々が今生きているのかなというふうに思っております。
 そして、ゲノムは大きく二種類に分かれると言われています。これは、たんぱく質へ翻訳をされる部分、すなわちゲノム情報でたんぱく質がどう組成されるかという部分と、それ以外の部分に分かれるということになりますが、遺伝病やがんの多くはこのたんぱく質をどう翻訳するかのときのエラーで起きるというふうに言われております。
 この遺伝子解析がこれぐらい安い金額でできるということになると、今まで、当たるも八卦当たらぬも八卦と言ったら言い過ぎかもしれませんが、標準療法で、例えばがんの治療をするときに放射線を使うのか、抗がん剤を使うのか、それとも別な、免疫抑制でいくのかということが、やってみないとわからないという時代から、患者さん一人一人に適切な治療法というのが事前にわかるようになってくるということかというふうに思います。
 テーラーメードの医療ができる可能性が増しているときに、残念ながら、我が国はどうなんだろうかというと、欧米と中国に立ちおくれているというのが医療界の共通認識ということではないかと思っています。
 特に、進め方、いきなりがんに行くということではなくて、難病の遺伝子。がんの遺伝子は変遷していますので、自分の体の細胞の中でも変わっているわけですけれども、難病の場合は同じ遺伝子で、どこの部位にどういう問題があるとどういう症状になるのかというのがわかる。それをまたがん治療に移植をしていくことによって、テーラーメード医療ができるようになってくるというようなことも言われているわけであります。
 創薬に関して言っても、我が国は世界第二位の実力を持っているというふうに言われていたのが、高分子薬を中心としたゲノム医療の、ゲノム創薬の部分で少しおくれをとっているのかなと、大変残念に思っているところでございます。
 もう一つ大きな変化は、世界でAIが進んでいます。最小自乗法を多段階に適用して、真ん中はブラックボックスだけれども、どういうものがあると結果がどうなるのかというのが人よりも正確に分析できるようになってきている、こういう時代が来ているわけです。
 今まで、薬をつくるときには、治験ということで、ほかの条件を統一して、そして一定の条件だけ変遷させて薬の有効性を確認するということをやっていたんですが、AI技術が進歩してくると、要は、一般のカルテデータ、リアルワールドデータを用いてAI解析をすることによって、何が問題なのか、どういう改善が可能なのかということがわかるようになってくる。これもまさに歴史的な転換点に来ているのかなというふうに思っています。
 創薬の研究開発費も、日本が三兆円で、ここ数年というか、しばらく、近年横ばいということですけれども、米国では十七兆円、中国でも十三兆円、毎年投資をしているという状況です。このままでは、日本は欧米、中国におくれをとってしまうのではないかと大変な危機感を持っているわけでございます。
 日本の医療、創薬の優位性を失わしめることなく、これは人の命にかかわることです。助けられるかもしれない病気が日本では助けられない、また、研究開発の最先端で、恐らく今後世界じゅうのデータベースをつないでいくというときに、日本は相手にされないというような事態、これは避けなければいけないということだと思います。
 無論、我が国においても、次世代医療基盤法によって、あらかじめ患者本人に通知をし、患者本人が拒否しなければ、オプトアウトということですけれども、医療情報を第三者に提供できるようにはなりました。もちろん、複数機関の大量の医療情報を収集するということになりますので、匿名加工を行う認定事業者にしか認められないという条件がついているわけです。しかし、いまだに認定事業者が存在しないという状況が続いています。欧米や中国に対して出おくれ感がやはり否めないというふうに感じているんですけれども、政府にお伺いをしたいと思います。
 我が国においても、次世代医療基盤法の整備法を制定し、昨年五月に施行されておりますが、現在の進捗状況についてお伺いをしたいと思います。

発言情報

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発言者: 泉田裕彦

speaker_id: 24899

日付: 2019-03-13

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会