初鹿明博の発言 (文部科学委員会)

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○初鹿委員 三ページ目にその調達基準をつけさせていただきましたが、2の「サプライヤーは、」という項目の4に、「快適性に配慮した家畜の飼養管理のため、畜産物の生産に当たり、アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置が講じられていること。」という項目がちゃんと調達基準に入っております。それは事実です。
 ところが、じゃ、この飼養管理指針というのが十分なのかということになるんですが、ここで注が幾つかあって、JGAP又はグローバルGAPの認証を受けて生産された畜産物はいいですよとか、その下に、GAP取得チャレンジシステムにのっとって生産されたものはいいですよということなんですが、実は、ちょっと一枚戻っていただいて、二ページ目の下の表というか、見ていただきたいんですが、グローバルGAPは比較的、この五つの自由の中の四つの自由までを守るような、真ん中のOIE、国際獣疫事務局のOIEコードに大体該当するような水準になっているんですが、残念ながら、日本の飼養管理指針というのはそのレベルには至っていないわけであります。ですから、JGAPやGAP取得チャレンジシステムで生産されたものでは不十分だという指摘がされているということです。
 めくっていただいて、新聞の記事、報道を二つほど載せさせていただいておりますが、まずは、「五輪の畜産物、「調達基準甘い」 メダリストら訴え」という記事を載せさせていただいております。
 もう一枚めくっていただいて、小池百合子都知事と組織委員会宛ての手紙をつけさせていただきましたが、これは、ドッチィ・バウシュさんというロンドン・オリンピックの自転車の銀メダリストの方を始めとする十人のオリンピアン、メダリストの方々が、まさに日本の選手村で提供される食べ物がこのままじゃ心配だという手紙を都知事宛てにしているんですよ。
 読ませていただきますよ。
 「オリンピックメダリストから食品の生産のために狭い場所に閉じ込められ、残酷な扱いを受けている畜産動物についてと、残酷な扱いが食品に与える影響についてご説明するお手紙が届き、驚かれていることでしょう。」というところから始まります。
 そして、「動物の扱いを懸念すると同時に、私は、人間のこと、人間の健康、栄養のことも懸念しています。アスリート人生の最高の舞台であるオリンピックには、世界からトップクラスの選手が集まるので、高品質の栄養素が求められるのは当然です。 選手の食べるものが、競技の結果に直結します。最高品質の栄養が、最高の結果をもたらします。飼育過程にストレスが含まれたグレードの低い栄養では、それなりの結果しか出せません。非常に明確です。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでは、選手村で、最高品質の食材を提供することが重要となります。」。こう書かれているわけですね。
 次のパラグラフを見ますと、どういうことが書いてあるかというと、ロンドン・オリンピックやリオ・オリンピックに比べて、このままだと、日本の東京オリンピックは、このアニマルウエルフェアという考え方からすると、非常に後退をすることになるんじゃないか。
 その例として二つ挙げているんですが、一つは卵です。卵。
 今、ヨーロッパの国では、卵を産む鶏を、日本で言うバタリーケージというケージで飼うことが、二〇一二年から禁止されました。ですから、ケージで飼われていない卵、ケージフリーの卵を一〇〇%使ってくださいということを、一つ求めています。
 もう一つは、豚さんの方ですね。
 豚が妊娠をすると、妊娠ストールというものに入れられて日本では飼育がされるわけですが、これは二〇一三年からEUでは禁止をされております。この妊娠ストールも使わない豚を使ってくださいということを求めているわけです。
 この手紙、ちょっとめくっていただいて、ちょっと写真をつけさせていただきました、どういうものか。
 鶏の写真。バタリーケージ。日本では九五%が実はケージ飼育で育てられた鶏の卵なんですね。見てください。こうやって、皆さんも多分イメージが湧くと思います、ケージの方は。狭いところにたくさんずらっと並んで、顔だけ出して餌をつついて、後ろから卵を産んでいるという、日本ではこういう状態が当たり前です。
 一方、世界の潮流は、その下にあるようにケージフリーです。平飼い。ケージに入らないで放し飼いになっているか、放鳥といって屋外で育てているか。これが鶏の場合です。
 後ろ、めくっていただいて、今度、豚の場合は、妊娠ストールというのは、こういうおりのようなところに入れられるんですね。
 ウィキペディアからちょっと妊娠ストールとはというところを抜粋させていただきましたが、子取り用、子をとる用の母豚を妊娠期間中、約百十四日間に単頭飼育する個別のおりのことです。ふん尿を処理しやすいように、排せつを定位置でさせる、スペースの削減という理由から、個々の飼育スペースは母豚のサイズと同程度で転回できないようになっている。頭部に餌おけと飲水設備が設置され、尻部は、床はすのこ状になっており、ふん尿が下に落ちる仕組みになっている。EU、スイス、アメリカの九つの州、ニュージーランド、カナダは禁止をしているけれども、日本では八八%の養豚場がこれを使っているということなんですね。
 皆さん、考えてみてください。妊娠したら、百十四日間、体の向きを変えることもできない状態で、ずっと豚は、目の前にある餌を食べる以外のことをせずに、百十四日間、子供を産むまでいさせられるんですよ。
 女性の皆さん、自分が妊娠して子供を産むまでそんな状態でずっといて、生まれた子供が健康な子供になると想像できますか。恐らく、人間だったらそんなことはあり得ない。あり得ないんですけれども。健康な子供が生まれるんだろうかという疑問を持つと思いますが、残念ながら、日本の豚さんはそうやって子供が生まれて、それを我々は食しているという状態なんですよ。これはもう世界ではどんどんどんどん禁止していこうという流れになっているわけです。
 もう一枚めくっていただいて、ロンドン大会、リオ大会、東京大会で、鶏卵と豚肉がどうなったのかという資料もつけさせていただきました。
 鶏卵については、ロンドン大会では放牧や平飼い、ケージフリーのものだった。リオ大会でもケージフリーだった。バタリーケージという、日本がやっているような身動きがとれないような状態ではないということでありました。
 豚肉についても、ロンドン大会では妊娠ストールは禁止をしておりました。リオ大会では、これは禁止は明示していなかったんですが、大手企業が自主的に廃止をしていって、妊娠ストールで生まれた豚はほぼ使われていなかったということであります。
 こういう世界の状況や実態を考えたときに、今の日本のJGAPやGAP取得チャレンジシステムですか、それでいいのかということに、私は真剣に考えなきゃいけないと思うんですね。
 飼養管理指針を見てみたんですけれども、ちょっと時間がないので卵だけ紹介しますけれども、これは、これに基づいていればいいですよということなんですよ、日本の場合。
 ここに何と書いてあるかというと、卵の場合、飼養方式のところに、いろいろ書いてあるんですよね、ケージ方式、平飼い方式、放し飼い方式など選択肢があるとは書いてあるんですけれども、各飼養方式の特徴を以下に記すが、ケージ方式以外の飼養方式に関する知識が少ないこと、我が国の飼養方式は現時点ではケージ方式が主流であること等から、本指針では構造及び飼養スペースについてはケージ方式を基本に記述をするということで、ケージ方式が基本になっちゃっているんですよ。
 それで、この飼養指針に、最後にチェックリストというのがあって、しかも、びっくりするんですけれども、JGAPが認証されるのは、このチェックリストをチェックをして確認をしていれば、それがちゃんと行われているか行われていないかを問わず、チェックをしているだけで認証されるということになっているということで、これではなかなかケージフリーにはなっていかない。つまりは、アニマルウエルフェアが重視されることにはならないというふうに感じるわけです。
 そこで、大臣、まず、今私がるる述べたことを聞いて、選手村で提供される食材、今のまま、JGAPやGAP取得システムだけをクリアしていればよくて、ケージフリーの卵や妊娠ストールの禁止をするということまでする必要がないというふうに思いますか、それとも、ちょっとこれは考えた方がいいんじゃないかというふうに思いますか、どちらでしょうか。
    〔馳委員長代理退席、委員長着席〕

発言情報

speech_id: 119805124X00220190313_219

発言者: 初鹿明博

speaker_id: 16301

日付: 2019-03-13

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会