山尾志桜里の発言 (法務委員会)

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○山尾委員 立憲民主党の山尾志桜里です。
 五十九分の時間を、二つのテーマ、一つがGDPRの問題、もう一つが、私、ちょっと来週の恐らく政省令の質疑でどこまで時間がとれるかわからないので、時間がある限り政省令の方も少し触れていきたいと思っておりますが、まずは前半の方でしっかり議論をさせていただきたいと思います。
 今、松平議員は、インターネットの悪用による人権侵害ということで、これは先日の山下大臣の所信表明でも、インターネットを悪用した名誉毀損、プライバシーの侵害を解消するため、個別法規も駆使しながら、丁寧に取り組んでいきますと。こういう問題意識を共有していると思うんですけれども、インターネットの悪用による人権侵害を抑制するということ、それは、悪用というのがルール違反だとしたら、そもそも、まず、じゃ、インターネット上のルール、個人情報の扱い、それをやはりしっかりつくっていかなきゃいけないという時代に来ていることは間違いないんだと思います。
 なので、私は、松平議員と問題意識は同じなんですけれども、ちょっとその前提としてのルールづくりの話、あるいは運用の話をしていきたいと思うんです。
 皆様のお手元に資料がありますけれども、ちょっと前後のテーマが逆になっておりますので、まず、資料十一を見ていただきたいんです。後半の方、右下に振ってありますが、資料十一、これはきのうの日経新聞なんですね。カラー刷りの、今、平沢筆頭が見ている、この資料になります。これは非常にわかりやすい記事だなと思って、法務委員みんなで共有をしたいなとまず思いました。
 これは、まず右上を見ていただくと、このGDPRをめぐる情勢についてコンパクトに書かれています。二〇一八年五月にEUが施行した一般データ保護規則、これがGDPR、が世界に波紋を広げていると。「個人データの保護を厳しく企業に求めており、大量のデータを握る米IT大手への攻勢を強めている。GDPRを契機として、データの自由な流通圏の構築を目指す日米欧と、国家主導のデータ管理を目指す中国との間でデータエコノミーを巡る覇権争いも激しくなってきた。」
 厳しいとありますので、EUのルールがどれぐらい厳しいかというと、その下に「GDPRって何?」とありまして、最後の文章二行を見ていただくと、「違反企業には、最大で全世界の年間売上高の四%か二千万ユーロ(約二十五億円)の高い方の制裁金が科される」、これだけ厳しいんだということであります。
 左側、山本竜彦慶応大教授の取材記事もあるんですけれども、これもちょっと順を追って見ていただくと、覇権争いなるものの内情がわかりやすく書いてあるかなと思います。
 まず、一番上の段で、なぜEUですごくこんなに厳しいルールをつくったんでしょうという歴史的背景について、山本教授が、欧州には、ナチス・ドイツが国民の個人情報を集積してユダヤ人の選別や徴兵に活用したという負の歴史がある、こういう自分のデータが国とか企業に勝手に使われることに対する懸念が欧州の人には強いというような、背景としての分析を述べています。
 その後、今度は、安倍晋三首相がデータ流通圏を提唱していますと。データ流通圏というのは、いわばEUも、中心としたとまで言っていいかわかりませんけれども、EUを中心とした、共通のルールに基づいた一定程度の自由度を認めたデータ流通ということだと思いますが、これについて、日本はこうやってEUと足並みをそろえて、安倍総理がデータ流通圏を提唱していますねと。
 アメリカはどうなんでしょうというような質問に対して、四段目ぐらいを見ていただくと、フェイスブックの個人情報の流出問題で潮目が変わったんじゃないか、アメリカでもやはりデータ保護ということを規制していこう、ルールをつくっていこうというふうになってきて、日本、EU、アメリカと足並みがそろってきたんじゃないか、こういう分析をされています。
 これがいわゆる、さっきの覇権争いでいう、データの自由な流通圏の構築を目指す日米欧のコンパクトな状況をあらわしている。
 一方ということで、その同じ四パラグラフ目のところで中国のことがあります。中国との亀裂はどうなんでしょう、データの囲い込みとはちょっと対立するんじゃないですかと。
 中国について、山本教授がおっしゃっているのは、監視カメラと信用スコアを一体運用して、そのシステムを東南アジアやアフリカに提供をしているのではないか。つまり、国の統治には、データを国がどんどんどんどん食べて吸収して、それを統治に使っていく、あるいは経済効率をよくしていく、あるいは犯罪抑止に使っていく、これにはやはり、統治には効率的だ、データをどんどん一元化していくということは。したがって、民主主義が根づいていない国は導入に前向きだと。これはおもしろい指摘だけれども、なるほどなと思うわけですね。政治体制の違いにより、対抗関係はできてしまう。できてしまうのがいいかどうかは別として、できてしまうと。
 経済効率性とか犯罪抑止とか治安のことを考えると、それは、データを国がどんどん食べていく、あるいは大きな企業が食べていくということはいい面がある、効率いいんだけれども、何が起きるかということが最後のパラに書いてあります。
 例えば、経済効率性だけを求めれば、それはどんどんどんどん、Tカードのポイントもそうでしたけれども、とにかくプライバシーと引きかえにデータを集積していくようなことをしていけば、それは企業の経済効率性は上がっていくよね。でも、それと引きかえに、私たちは、プライバシーや個人情報をコントロールする権利を失っていきますよね。
 あるいは、一方で、犯罪予測のことがあるんですけれども、米国の幾つかの州では、警察のAIによる犯罪予測で人種のウエートを引き下げたと。
 これはどういうことを言っているかというと、今まで起きてきた犯罪をデータで取り込んで、そこに人種という要素を加えれば、これからの犯罪予測とか、この人は再犯を起こすのかとか、そういうことをAIに予測させるに当たって、それはやはり精度は上がるわけですね、いろいろな要素を組み込んでいった方が。でも、それと引きかえに、結局、人種によって差別をされたり評価をされたりしていくということがAIを通じてどんどんどんどん再生産をされていく。それで、アメリカの幾つかの州では、このバランスを考えたときに、AIの正確性、精度を下げてもやはり人種という要素はセグメントから外そう、こういう判断をしている州もあるということであります。
 でも、とにかく犯罪を抑止した方がいいんだ、とにかく犯人を捕まえた方がいいんだ、こういう立場に立てば、人種でも性別でも何でもやはり入れた方が、それはより捕まえやすいわけです。
 今、私たちは、やはりこういうすごく難しいバランスを両方考えていかなきゃいけないという立場にある。押さえておきたいのは、しかも、今のことを前提にすれば、日本は、今どうなっているか別として、民主主義が根づいている国として、国の統治の効率性とか経済効率性とかだけに偏らず、やはりこういう人権のことをしっかり考えていく、そういう流通圏に入っていきましょうとやっているわけです。このことは、そんなに考えに、政党を超えて、あるいは政府や国会を超えて、違いはないというふうに思っています。
 その上で、ちょっと導入が長いんですけれども、なかなか新しい話ですので、ちょっと一つ一つ勉強していきたいんですけれども、もう一個、次の資料を見てください、資料十二です。
 これは、ことしの一月十四日の東京新聞なんですけれども、日本はやはり日米欧のデータ流通圏に参画していく、かなり安倍総理も所信表明なんかでも一生懸命おっしゃっていました。その前提だとすると、この主導的なルールを担っているGDPRというEUのルールに参画していこう、仲間だというふうに認めてもらおうということを、法務大臣を恐らく筆頭に政府を挙げて、去年も含めていろいろやってきて、ことしの一月二十三日に、じゃ、GDPRの仲間ですね、個人情報をきちっと守っていくルールを持っている国としてあなたの国日本は十分ですというふうに認定いたしますという認定が出たわけです。
 それについて、水を差すわけではないんですけれども、ちょっと問題提起をしているのがこの記事です。
 赤線なんですけれども、これは、やはり日本は、特に令状なしの警察機関、捜査機関への個人情報の提供について、ちょっとやはりEUから懸念を持たれていたんですね、大丈夫なんですかと。それに対して、法務大臣の署名を筆頭に、EUに対して大丈夫ですという説明文書を出したわけです、去年。
 この説明文書の問題点として、この赤線ですけれども、いわゆる令状なしで照会で情報提供がされているということについて、外部からの監督が十分に機能している、プライバシー意識の高まりで、企業は余り照会に応じない、こういう説明文書になっていて、政府関係者は、その場しのぎの言いわけだったと批判されても仕方ない、十分性認定が更新される二年後が不安だと焦るというふうに書いてあります。
 じゃあということで、本当にこういうのを書いてあるのかなということで、次の資料をあけていただきたいと思います。
 資料の十三の一、これは、当時の上川陽子大臣の署名のもとで実際にこういう文書が、EU、これはベラ・ヨウロバーEUの委員に宛てられているということが出ています。去年の九月十四日ですね。
 ぺらりぺらりとめくっていただいて、十三の四、下に黄色い下線が二行引いてある資料がわかりますでしょうか。ここから質問になりますので、次、警察の方に聞きます。
 書いてありました、やっぱり。「プライバシー権や、かかる照会による負担への個人の意識の高まりを背景に、事業者において、かかる照会への回答がより慎重になされる傾向が顕著となっている。」というふうに書いてありました。EUへの政府の説明文書。
 そうなのかな、どうなのかなと思ったものですから、改めて、警察庁から来ていますよね、長官官房審議官に伺います。この根拠は何ですか。

発言情報

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発言者: 山尾志桜里

speaker_id: 12435

日付: 2019-03-08

院: 衆議院

会議名: 法務委員会