中西哲の発言 (外交防衛委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○中西哲君 外務大臣、今までもこの委員会でもそういう趣旨の発言をされましたし、衆参の本会議でも安倍総理も同様な趣旨の答弁を行っております。一方で、安倍総理も菅官房長官も、四島の帰属問題を解決して平和条約交渉を進めると、平和条約を締結するという基本方針に変わりはないということを繰り返し発言されておられます。今回の外交青書の記述変更も、私は一連のロシアとの北方領土返還交渉におけるロシアに対する配慮であろうと思っております。
 一方で、ロシア国内におけるプーチン大統領、ラブロフ外相の発言は日本政府の思惑とは違っておりまして、日本に対する強硬な発言が続いております。日本政府のロシアに対する思いやりが功を奏しているとは思えません。これまで我が国が北方四島は日本固有の領土だと主張してきたことから後退したと受け止められかねないと危惧するものであります。
 私は、北方領土の問題は、主権の侵害に対して日本がどう対応するかの問題だと考えております。
 一九五六年の日ソ共同宣言、これは平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すというものでした。私は、平和条約というのが戦後処理が最終的に終わったということを意味する以上、平和条約締結後に残り九三%の島の継続協議というのは事実上あり得ない話だと考えております。
 プーチン大統領も、二〇一二年に日本や欧州の重立ったメディアの代表と会合を行い、そこでは、五六年宣言には二島を引き渡した後主権がどちらの国のものになるかについては書いていないとか、歯舞、色丹、それ以外は一切問題外であると、そういう発言をしております。
 そして、一九九三年、細川首相の時代の東京宣言は、四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するというものでした。ただ、これは必ずしも四島の返還という意味ではなく、帰属先が一切述べられておりません。私は、これが日本の対ロ外交の基本方針だと思っております。東京宣言によって初めて四島の帰属問題が決定していないということ、つまり、北方領土問題とは四島の問題だということをロシア側も認めたことは重要であります。
 そして、小渕首相の時代の一九九八年の日ロ間でのモスクワ宣言、このときに国境画定委員会というものをつくっております。つまり、国境はまだ決まっていないということをロシア側も認めておりました。
 ところが、プーチン大統領は、二〇〇五年九月、平和条約問題に関連して、第二次大戦の結果、南クリル、これ北方四島のことですが、ロシア領となった、国際的な諸文書、国際法でも認められていると初めて語りました。それまでは四島の帰属問題は決まっていないということをプーチン自身が認めていたので、これは歴史の修正だと思います。
 昨年、二〇一八年十一月の首脳会談の合意には、日ソ共同宣言を基礎にして交渉を加速するという形で、東京宣言を抜いてしまいました。それまでは、二〇〇一年のイルクーツク声明でも二〇〇三年の日ロ行動計画でも、プーチンがサインしたものには基本的な合意として平和条約交渉のための東京宣言を掲げておりましたのに、それを外したということは日本政府の譲歩と受け取られたのではないかと危惧しております。
 最近、ラブロフ外相は、第二次大戦の結果を認めることがこれからのあらゆる交渉の前提であるという言い方をしきりにしております。第二次大戦の結果四島がロシア領になったという前提は、ロシアも、プーチン大統領自身も以前は認めておりませんでした。四島はいまだ未解決な問題だと認めていたわけですから、その前提そのものが間違っておると私は考えております。
 河野外務大臣は、本年二月、ドイツのミュンヘンにおけるロシアのラブロフ外相との会談後の記者会見で、平和条約交渉は七十年掛けてやってきている、一朝一夕に解決することはないが、二人三脚でゴールにたどり着けるようにしたいと発言したと報道されております。
 私は、北方領土交渉は、香港の返還交渉のように長い期間を掛けて慎重に交渉を続けることを要望いたします。この答弁は求めません。
 次に、F35A戦闘機の墜落事故について、岩屋防衛大臣にお聞きいたします。
 F35A戦闘機が青森県沖で墜落してからちょうど一か月になります。五月七日の防衛大臣の記者会見で、五月三日以降、フライト・データ・レコーダーの一部を含むF35Aの部品を確認し、一部は揚収したとの報道がありました。この件について詳しい説明を求めます。

発言情報

speech_id: 119813950X01220190509_009

発言者: 中西哲

speaker_id: 17937

日付: 2019-05-09

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会