自見はなこの発言 (厚生労働委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○自見はなこ君 是非よろしくお願いいたします。
 昨年十二月に、残念ながらお亡くなりになられましたけれども、北九州市立八幡病院で病院長も務められ、長年、小児救急から虐待にも関わってこられた市川光太郎先生がおられました。市川光太郎先生は、私たちの領域、小児科の領域では精神的にも柱となってくれるような、本当に尊敬すべき立派な先生でありました。市川先生は、日本小児救急医学会の理事長、そして日本乳幼児突然死予防学会の理事長、そして日本子ども虐待医学会理事長等も務めておられましたけれども、先生の志を継いで、現在も多くの小児科医並びに関係者が活動をしております。
 その中でも比較的若い学会であります子ども虐待医学会というのがございますけれども、これの香川県の学会に私も去年参加をしてまいりました。医療関係者、司法関係者、日頃また児童相談所等で働いている方々などが一堂にそろっておられ、大変熱心なケースカンファレンスや勉強会というものを行っておりました。
 そこで私が小児科医として感じたのは、我々の医療サイドにいる人間は、虐待に関しましての身体的な特徴や、あるいはそれに関する精神医学的な両親の反応、こういったものに関しての所見というものは分かるんでありますけれども、一方で、司法に関する知識というものを正直なところ全く持ち合わせていないということがあるがために、いわゆる適切な言語に物事を置き換えることもできないというような状態であるんだなというふうにも思いました。
 そして、我々医療サイドももっと世の中の仕組みを勉強する必要性というものも痛感しましたし、同時に、児童相談所には、それぞれの専門家が児童相談所の中に配置される重要性、特に弁護士さん、医師、この必置というのは本当に有り難いというふうに思っております。是非、これを実現するための予算措置について、年末にかけて我々も当然ながら応援したいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 また、これは追加の要望というふうになりますけれども、今年三月末の第百四十四回の日本医師会の代議員会が行われました。その中で、秋田県医師会の小泉代議員、そして埼玉県医師会の利根川代議員からの質問で、児童虐待についての質問がございました。虐待や虐待が疑われる事例での医師の関わり方や、医師と医師会、教育現場、警察、児相、児童相談所などとの連携体制についての日本医師会の方針に関する質問でございました。
 これに対しての日本医師会の道永常任理事からの答弁といたしましては、児童虐待の予防や早期発見、早期対応のためには、医師や医師会の積極的な関与が非常に重要であるということを改めて強調された上で、今後は、日常的に医師が関与し、対応できるような体制整備や、医師の権限も含めた役割の明確化が必要になるんではないかというような見解を示されています。
 その際でありますけれども、加えて、児童相談所又は市町村等が設置しているいわゆる要対協がございますが、これの設置・運営方針には、構成要員として医師、医師会、警察、児童相談所、学校等が挙げられ、児童福祉法の中にも構成機関は連携を図ることというふうに示されているにもかかわらず、要対協に医師会が参画していない場合もあるということで、自治体を通じて構成機関となるよう働きかけてほしいというふうな要望もされております。是非、政府からも、地域の要対協に関しましては、医師、医師会の関与に関しまして、より積極的に行っていただけますようお願いを申し上げたいと思います。
 さて、次の質問に移ります。
 北九州市の条例でも、コンビニやタクシーなどの事業者に対して、徘回している子供には声掛けを行うことや、虐待を受けたと思われる子供を発見した場合には通告することというものを定めております。この事業者に関する責務を盛り込んだというのは大変大きなことだなというふうに感じています。
 そこで大切になりますのが、虐待というものはいわゆるどういう状態なのか、あるいは何をサインとして虐待として捉えていいのかというような啓発活動が非常に重要になってくるかと思います。
 先ほど御紹介をした日本子ども虐待医学会では、BEAMSと言われる、これは医療関係向けなんですけれども、虐待対応プログラムを実施しています。ステージ1は、虐待の早期発見と通告の意義を理解し、医療機関での見張り番としての適切な行動が取れるようにするというのが目標、いわゆる入門部門であります。ステージ2というのは何かといいますと、被虐待児の安全を担保し地域へつなげ、医学診断をネットワーク的に的確に提供できるようにすることが目的。そしてステージ3は、それらのマネジメントとしてリーダーシップが発揮できるようにという、こういう段階的なプログラムが設定をされています。
 このBEAMS自体は医療関係者が対象でございましたが、この度、このような虐待の事件が続くということ、そして子供たちを守るということから、広く子供たちを守りたいという観点から、日本小児科学会が動きを起こしてくださいました。
 この度、日本子ども虐待医学会との連携の下で、日本小児科学会が広く一般国民に虐待の早期発見と通告につながるような啓発のホームページを作成をいたしました。それが本日皆様のお手元に配付をしてあります資料一でございます。
 これ、日本小児科学会のホームページの「一般の皆さまへ」のところをクリックしていただきますと、「気付いて寄り添ってつなげよう!」というところ、ここをクリックしていただきますと、十五分弱の動画がここにあります。これを見ていただきますと、これ、一般のどなたでも見ていただけますので、ああ、こういうことで虐待のサインなんだとか、どうやったら私たちは通告していいのかなみたいなところ、分からないことたくさんあると思うんですが、我々小児科医が日頃見ている所見もちょっと写真等でも御紹介をしながら、こういったものをやっておりますので、是非皆様に御承知おきいただければというふうに思います。
 そこで質問に移りますけれども、このような児童虐待への対応力というものを社会全体で向上させるというのが必要であると思っております。こういうのは、専門医のみならず、全ての皆様というのも今申し上げたところであります。地域レベルでの医師等に対する研修の実施体制を引き続き整え、そして推進していくことも同時に重要と考えておりますが、厚生労働省としては、このようないわゆる医療関係者、そして一般の皆様に対する啓発活動について、どのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。

発言情報

speech_id: 119814260X01620190611_015

発言者: 自見はなこ

speaker_id: 2033

日付: 2019-06-11

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会