磯崎仁彦の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○副大臣(磯崎仁彦君) 経済産業副大臣の磯崎仁彦でございます。
経済産業省より資料について御説明をさせていただきたいと思います。
それでは、恐縮でございますが、着座にて説明をさせていただきます。
調査会より御指示をいただきました項目に沿って資料を準備をさせていただきました。ただ、四十三ページという非常に大部でございまして、ですので、参考と書いておりますページにつきましては省略をさせていただいて、後ほど参考にしていただければというふうに思っております。
それでは、順次説明をさせていただきます。
まず、三ページ目でございますが、昨年七月に閣議決定をいたしました第五次エネルギー基本計画の概要について記載をさせていただいております。3EプラスSを基本として、二〇三〇年及び二〇五〇年に向けた対応を策定をいたしております。
二〇三〇年に向けましては、エネルギーミックスの確実な実現ということを記載をさせていただいておりまして、再エネにつきましては、主力電源化に向けましてコスト低減の取組強化、系統制約の克服、調整力の確保等に取り組み、原子力につきましては、依存度を可能な限り低減していく方針の下で、安全最優先の再稼働や使用済燃料対策などの必要な対策を着実に進めていく、また化石燃料につきましては、自主開発の促進や高効率火力の有効活用等に取り組むこととさせていただいております。
また、二〇五〇年に向けましては、右側でございますけれども、パリ協定を踏まえまして、エネルギー転換、脱炭素化に向けまして、再エネ、原子力、水素や蓄電池などのあらゆる選択肢の可能性を追求していくということとしております。
続きまして、四ページ目でございます。二〇三〇年のエネルギーミックスの概要についてでございます。
右下の電源構成につきましては、具体的な姿としまして、再エネの比率につきましては二二から二四%とし、原子力の比率につきましては二二%から二〇%の水準ということにしております。
続きまして、五ページ目でございます。エネルギーミックス策定後の進捗状況についてでございます。
足下ではいずれの指標につきましても着実な進展が見られているところではございますけれども、ミックスの達成につきましてはいまだ道半ばという状況にございます。したがいまして、必要な対策を深掘りをしながら、確実にミックスを達成する必要がある、そのように考えております。
続きまして、六ページ目、七ページ目でございます。このページでは、各電源のコストに関する内容を記載をさせていただいております。
エネルギーミックスを検討するに際しまして各電源の発電コストを比較をするために、OECDのような国際機関において採用されております方式、方法、一般的にモデルプラント方式というふうに言われておりますが、これを用いてコスト試算を行っているところでございます。
また、本調査会の質疑におきまして、再稼働するという前提でのコストに関して御指摘をいただいておりますが、それについては七ページ目に記載をさせていただいております。それぞれのサイトによって諸条件が異なっている中で他の電源と比較するには、一定の共通条件下でのコストを比較することが必要であるというふうに考えております。
なお、電力会社がそれぞれの経営判断におきまして総合的に検討した上でこれまで九基の再稼働が実現をしているわけでございますが、関西電力は一昨年及び昨年、九州電力は本年、これに伴いまして電気料金の引下げを実施をしているところでございます。また、その一方で、福島原子力発電所の事故後、十七基が廃炉決定をされてきているところでございます。
続きまして、九ページ目を御覧いただきたいと思います。ここは、脱炭素化に向けましたイノベーションの例について記載をさせていただいております。
二〇五〇年までに八〇%という大幅な排出削減をしていくためには、従来の取組の延長では実現が困難ということでございます。抜本的な排出削減を可能とする非連続的なイノベーションに挑戦をしながら、あらゆる選択肢を追求していきたいというふうに考えております。
幾つか例を申し上げたいと思います。例えば、自動運転の実現でございますけれども、これによりまして、より安全かつ円滑な道路交通などを可能にし、CO2の排出量の低減につながるというふうに考えております。当省としましては、公道の実証等を通じて制度整備の促進に取り組んでいるところでございます。
また、右側の一番最後でございますが、系統、蓄電分野におきましては、AI等のデジタル技術が進化をし、分散型の再エネの導入も進展する中で、電気の流れの双方向化などの環境変化に新たな技術を用いて対応するとともに、新たなビジネスの活性化にもつなげていくことが重要であるというふうに考えております。
続きまして、再生可能エネルギーについて御説明をさせていただきます。資料は十四ページ以下でございます。
再エネにつきましては、国民負担を抑制しながら最大限の導入を進めていくことが政府の基本方針でございます。第五次エネルギー基本計画におきまして、初めて再エネを主力電源化していくものと位置付けております。
十五ページを御覧いただきたいと思います。再エネ政策の全体像を整理をさせていただいております。
コスト低減の取組を強化をしながら長期安定的な事業運営を確保し、あわせて系統制約等の克服や調整力の確保を進めるなど、総合的な施策を講ずる必要があると考えております。
以降のページで、各論点の課題とともに、それに応じた取組について順次説明をさせていただきたいと思います。
十六ページ目、十七ページ目につきましては、コストダウンの加速化とFITからの自立化ということでございます。
海外と比べて日本の再エネコストがいまだ高い中で、二〇一九年度には、十六ページ目の上側の部分でございますけれども、国民負担、ここでは賦課金総額というふうに記載をさせていただいておりますが、二・四兆円に達する見込みでございまして、再エネの大量導入に向けまして国民負担の抑制が喫緊の課題になっているところでございます。
十七ページ目、御覧いただきたいと思います。
日本の将来の価格低減見通し、あるいは現在のトップランナーの事業実施状況を踏まえまして中期的な価格目標の前倒しを行うとともに、入札制度につきましては、コストダウンの加速化のために対象範囲の拡大を進めてまいります。
続きまして、長期安定的な事業運営の確保についてでございます。十八ページ目を御覧いただきたいと思います。
再エネが責任ある長期安定的な電源として社会に安定的に定着していくためには、地域との共生に向けた課題にしっかりと対応していくことが不可欠でございます。また、洋上風力等の立地制約のある電源につきましても、今後、導入拡大を進めていくことが必要でございます。
十九ページ目の取組を御覧いただきたいと思います。
安全保安面での対策の強化、地域との調整円滑化、太陽光発電設備の廃棄対策といった取組によりまして、事業規律の強化を図ってまいります。
二十ページ目でございます。
我が国にとりまして、非常に大きな導入ポテンシャルとコスト競争力を併せ持つ洋上風力発電につきましては、昨年の第百九十七回国会において成立をいたしました再エネ海域利用法の概要をまとめておるところでございます。本法の適切な運用を通じまして、洋上風力発電の導入促進を図ってまいります。
二十一ページ目からは、系統制約の克服と調整力の確保について記載をさせていただいております。
まず、再エネ導入拡大に伴いまして系統制約が顕在化をするとともに、需給変動に応じて調整力が必要となる段階に来ております。今後も更に再エネを導入していくためには、再エネの地域偏在化、二十一ページ目の右側見ていただきますと、九州、北海道で再エネの導入が進展をしているということでございますが、こういった再エネの地域偏在性も踏まえた対応が不可欠でございます。
二十二ページ目を御覧ください。
系統制約の克服に向けましては、送電線を補強するためには一定の時間と費用を要すると、そのために、まずは既存の系統を最大限活用すべく日本型コネクト・アンド・マネージを導入をしており、順次効果が現れてきているところでございます。
続きまして、二十三ページ目でございます。
昨年の十月、九州本土で初めて再エネの出力制限が実施をされました。太陽光などの変動再エネによりまして地域内の発電量が需要量を上回る、こういった場合におきましては、電気の安定供給を維持するために発電量の制御が必要となります。
二十四ページ目を御覧いただきたいと思います。
地域間の連系線につきましては、再エネ導入や安定供給の確保といった観点から重要でございます。電力の広域機関によりまして費用対効果があると確認された地域間連系線の増強を進めてまいります。
以上のように、再エネの日本のエネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源にしていくため、必要な取組を一つ一つ進めてまいりたいというふうに思っております。
続きまして、火力発電の現状について御説明をさせていただきたいと思います。
少し飛びますが、二十八ページ目を御覧いただきたいと思います。
二〇三〇年のエネルギーミックス及びCO2削減目標の実現のためには、石炭火力、LNG火力を含めた火力発電全体の高効率化が必要でございます。政府としましても、省エネ法で火力発電の高効率化を求めるとともに、高度化法におきましては非化石電源の調達を求めるなどの施策を講じているところでございます。
こうした規制的な措置を通じまして、効率の悪い発電設備の稼働を抑制をし、高効率な設備の導入を促進をしているところでございます。
次のページ、二十九ページ目を御覧いただきたいと思います。
火力発電の高効率化に向けまして、次世代火力発電に係る技術ロードマップを踏まえまして、今後も、高効率化、CO2排出削減に向けた技術開発を進めてまいりたいと思っております。
三十ページ目でございます。ここでは、高効率化にとどまらずに化石燃料を脱炭素化するという非連続なカーボンサイクルについてお示しをさせていただいております。
世界のエネルギーアクセス改善と地球温暖化対策の両立に向けまして、CO2を資源として再利用する観点から、イノベーションの力で世界に貢献をしてまいりたいと思っております。技術ロードマップを作成をしましてG20で各国と共有化するほか、この秋には産官学の国際会議を開催をする予定でおります。
最後の項目でございますが、エネルギーをめぐる国際情勢と我が国のエネルギーの安定確保に向けた取組について御説明をさせていただきます。
三十二ページ目でございます。世界の化石燃料需要の長期的な見通しを示しております。
世界の化石燃料の需要でございますが、アジアを中心に今後も増加をしていくことが見込まれるところでございます。国際エネルギー機関によるシナリオ分析、これ一番右側がサステーナブル・ディベロップメント・シナリオでございますが、再エネが最大限導入されたこのケースにおきましても、当面のエネルギーの中心は化石燃料ということでございます。
今後、国際的な資源獲得競争が激化する中で、そのほぼ全量を海外から輸入に頼っております我が国にとりまして、資源の安定かつ低廉な調達は引き続き重要な課題であるというふうに思っております。
続きまして、三十三ページ目、三十四ページ目でございます。ここでは、原油と天然ガスの価格動向を示しています。
原油価格につきましては、直近の五年間、中国の需要の増加、主要産油国におけます協調減産、あるいはイランやベネズエラをめぐる不安定な情勢などの上昇要因がある一方で、米国のシェールオイルの増産、米中の貿易摩擦といった下落の要因もあり、大きく変動しております。今後も国際市場の動向につきましては注視をしていかなければいけない、そのように考えております。
天然ガスにつきましては、我が国やアジアのLNGの輸入価格が原油価格とリンクをしております。三十四ページ目でございますが、上の二つがLNGと原油価格でございますが、ほぼ価格がリンクをしているというところでございます。他方で、パイプラインが発達をしてガス独自の市場が確立をしている米国、欧州との間では価格差が生じております。将来的な油価上昇のリスクに備えまして、ガスの需給動向を適切に反映をします透明性の高い国際LNG市場の確立が必要であるというふうに考えております。
続きまして、三十五ページ目でございます。昨今の国際エネルギー市場におきます中国とインドの存在感の高まりを示したところでございます。
続きまして、三十六ページ目、三十七ページ目でございます。米国のシェールオイル及びシェールガスの動向を示しております。
米国は、シェール革命以降、毎年原油生産が拡大をしており、現在では世界最大の産油国になっております。これに伴いまして輸出量も増加をしており、我が国でも米国からの輸入が増加をしているところでございます。シェールガスにつきましては、三十七ページ目でございますが、アジアのLNG市場拡大を見込んで液化設備の建設が進んでいるところでございます。
続きまして、三十八ページ目は、国内の資源開発についてお示しをさせていただいております。
国産の資源は地政学リスクに左右されない安定的な資源であるために、エネルギーの安全保障の観点からは非常に重要であると考えております。本年の二月、今後五年間の海洋資源の開発方針を示します海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を策定をいたしました。これに基づいて、計画性を持った開発を進めてまいりたいというふうに思っております。また、今後、石油、天然ガスにつきましては、我が国周辺海域の探査実績の少ない海域におきまして、機動的な探査や試掘を実施をしてまいります。
メタンハイドレートにつきましては、商業化に向けた技術開発を推進をしてまいります。砂層型は、長期生産技術の開発などを実施をしてまいります。表層型は、調査段階から技術開発段階へ移行するとともに、メタンプルームを含む海洋調査などを実施をしてまいりたい、そのように考えております。
四十ページ目でございます。これは主な資源外交の取組をまとめたものでございます。
新興国の台頭に伴いまして、我が国の交渉力の低下、あるいは国際需要の不安定化が顕在化する中で、我が国としましては、上流権益の獲得による自主開発比率の向上、あるいは資源の調達先の多角化などに向けて対策を講じているところでございます。
具体的には、昨年二月に世界有数の埋蔵量を誇る油田の権益を再獲得したUAE、あるいは、昨年の七月に日本企業が主導する初の大型LNGプロジェクトでありますイクシスLNGが生産を開始をしました豪州のほか、シェールガスの輸出が増加をする米国、北極圏に豊富な資源のポテンシャルを有するロシアなどと戦略的な取組を推進をしているところでございます。
最後、四十一ページ目、四十二ページ目でございますが、我が国の鉱物資源政策をお示しをさせていただいております。
鉱物資源は、我が国の製造業にとりまして競争力の源泉である一方で、供給のほとんどを海外に依存をしているところでございます。安定供給を確保するために、供給源の多角化に向けた海外資源確保の推進に加え、供給が途絶をした場合に備えた備蓄体制の整備、あるいは省資源、代替材料の開発、使用済燃料からのリサイクル、海洋鉱物資源開発を総合的に実施をしてまいりたいというふうに思っております。
最後のページ、四十三ページ目でございますが、海底熱水鉱床などの海洋鉱物資源開発につきましては、国際資源としての活用を目指して資源量の調査や技術開発等を推進をしてまいりたい、そのように考えております。
以上が経産省からの説明になります。
ありがとうございました。