泉英二の発言 (農林水産委員会)
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○参考人(泉英二君) 総論ではなくて各論として、この国有林における木材生産のありようと、多面的機能の中に実は木材生産も入っちゃいますので、これを公益的機能と申し上げますと、これが全くバランスが欠けているということは、これは先ほど御説明しましたように、木材生産に関してはただ借金返済という全然別論理で動いているだけなんです。ノルマが課されています、それをただ果たすだけという。このときに、じゃ、これはもう効率を考えて、いかに小面積のところでお金をたくさん上げて債務返済の方へ回していくかという。それに対して、国有林については公益機能重視でいきますということは、一九九八年以来現在に至るまで、木材生産は重視しませんという、建前上はこれは今でも貫かれています。これは、同じ一つの国有林という制度の中に全くベクトルが違うエネルギー、要するに動力が違うのが二つやっていて、それがもうがしゃがしゃに矛盾し合っている、干渉し合っているというのが現状だという。
ですから、そういう意味では、ここはもう国有林の赤字問題、累積債務問題、一兆三千億円あるわけですけれども、この問題をどうするんだというのはこれも全く別途、極めて重要な課題になっていくという、木材生産一般論ではなくてと。
ちょっと話を変えさせていただきます。本来は、林学、私ども学んだ林学というところは、林業、木材生産がいい形でできていけば、そうするとそれは必然的に公益的機能も非常に高いレベルで発揮されるという。要するに、林業生産と公益的機能は幸せなカップリングしているんだというのが私ども林学のもの。日本の森林法制は、森林・林業基本法も森林法もこの幸せなカップリングということに基づいて法体系が組み立てられている。ですから、林野庁さんもこの法体系に基づく政策しかできない。そうすると、林業を振興すれば環境機能も、森林の環境機能も良くなるという全ての前提条件が成り立っているという、で、林業振興、林業振興という産業政策でいくわけです。
恐らく、このやり方自身も現在全面的に限界に来ていると。ということは、結局、日本の森林法制自身も、森林・林業基本法を含めまして限界に来ている。だから、国有林野の問題も、先ほどの累積債務一兆三千億円問題含めまして、もう手の付けようのない状況の中にあるというところで、是非、これはもう国会であり国民でありということが徹底して、もうこの機会に、このコンセッション方式がどうかという議論だけではなくて、そういうふうな意味では、今後の日本の森林、国有林をどう持っていくのかということについては、議論を是非開始していただきたいと思う次第でございます。