安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 白眞勲議員の御質問にお答えをいたします。
多数の御質問をいただきましたが、答弁漏れのないようにしっかりとお答えをさせていただきたいと思います。
イージス・アショアについてお尋ねがありました。
イージス・アショアの配備候補地の地元の皆様が様々な御不安や御懸念を持っていることは防衛省から報告を受けており、真摯に受け止めております。山口県のむつみ演習場に係る各種調査の一環として、防衛省・自衛隊の所管外の国有地について、配備候補地となり得るものがあるか検討していますが、その検討に用いるデータに誤りはないとの報告を受けています。
自衛隊のサイバー防衛能力の抜本的強化についてお尋ねがありました。
自衛隊のサイバー関連部隊等については、五年後を目途に、全体として千数百名の規模まで拡充するよう努めてまいります。また、組織の拡充に加え、有事において相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力の保有など、様々な取組を通じて自衛隊のサイバー防衛能力の抜本的強化を図ってまいります。
なお、諸外国の軍のサイバー部隊については、具体的な任務や能力など、その詳細が必ずしも明らかでないため、一概に比較することはできないものと考えています。
補正予算に関するお尋ねがありました。
補正予算における防衛費の計上については、財政法第二十九条を始めとする我が国の予算制度に従い、当初予算成立後も刻々と変化する安全保障環境や自然災害への対応等のため、緊要性のある経費を計上してきているものであり、適正なものと考えています。当初予算で手当てすべきものを補正予算で計上しているとの御指摘は当たりません。
北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身が金正恩委員長と向き合うとの決意を私は従来から述べてきました。条件を付けずに向き合うとは、そのことをより明確な形で述べたものです。向き合うとは、金委員長と会い、率直に、また虚心坦懐に話し合うということです。当然、最重要課題である拉致問題についても話し合います。
これまでも申し上げているとおり、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す考えであり、この方針に変わりはありません。
三回目の米朝首脳会談や日米朝首脳会談については、予断を持ってお答えをすることは差し控えます。G20大阪サミットの際のトランプ大統領との会談については調整中ですが、トランプ大統領とは、先般の日米首脳会談を始め、北朝鮮問題に関して方針を綿密にすり合わせてきており、引き続き、日米で、拉致、核、ミサイル問題の解決に向け、緊密に連携してまいります。
特に、我が国にとって最も重要な拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要です。日朝首脳会談について、現時点でめどが立っているわけではありませんが、御家族も御高齢となる中で、一日も早い解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していきます。
戦没者の遺骨収集についてお尋ねがありました。
現在、私たちが享受している平和と繁栄は、祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に倒れ、あるいは、戦後、遠い異郷の地で亡くなられた戦没者の尊い犠牲の上に築かれたものであると認識しております。
政府としては、御遺骨が一日も早くふるさとにお戻りになるよう全力を尽くしているところであり、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に基づき、遺骨収集に必要な予算を確保してきております。御指摘の予算額については、資料収集、分析に要する経費について、平成二十九年度に集中的な取組期間が終了したため、昨年度及び今年度は減額となっておりますが、遺骨収集自体に要する経費については毎年増額しているところです。
また、収容した戦没者の御遺骨のDNA鑑定については、現在、国内の十一の大学等と契約し、必要な費用を支出した上で鑑定を実施していただいております。
なお、今後のDNA鑑定の在り方につきましては、厚生労働省において、有識者で構成される戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議を開催して議論していただいていると承知しており、その結果も踏まえ、必要な検討を行うこととしております。
いわゆる攻撃型空母に関するお尋ねがありました。
政府としては、従来から、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器については、自衛のための必要最小限度を超えるため、保持することが許されないと考えており、その例として攻撃型空母を挙げているところです。また、政府としては、かつて、核攻撃が可能な航空機を搭載した米国の空母を攻撃型空母の例として示したことがあります。
二月七日の防衛大臣の答弁は、従来の政府の見解を述べる上で、このようなかつての経緯も踏まえ、分かりやすい一つの例をお示しをし、できるだけ具体的に説明したいとの趣旨で述べたものと承知しております。
いずれにせよ、政府として、憲法上保持し得ない装備品に関する従来の政府見解については、何らの変更もありません。
STOVL機の機種選定についてお尋ねがありました。
昨年十二月にF35Aの追加調達を閣議了解しており、これを踏まえれば、我が国は米国に次ぐF35Aの保有国となる見込みです。一方、このうちの一部はSTOVL機に替え得るものとされていますが、現時点では具体的な機種は決定していません。
今後、我が国の防衛に必要な能力を有する機種を決定する予定であり、いずれにせよ、トランプ大統領との間で特定の機種の購入を約束しているとの事実はありません。
FMS調達の改善とF35の安全性、新規取得の中断と戦闘機体系についてお尋ねがありました。
FMS調達については、防衛省において、米国と協力し、改善に取り組んでいるところです。装備品の効果的、効率的な調達は極めて重要であり、今後とも様々な方策を幅広く検討してまいります。
米国会計検査院のF35に関する指摘については、その内容を米国政府に確認しており、我が国が導入しているF35Aについては飛行の安全に影響する問題はないことを確認しています。
今般のF35の事故については、防衛省において事故原因等について調査を進めているところです。このため、現時点でF35に係る今後の方針について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
その上で申し上げれば、我が国の将来の戦闘機体系は、F35の導入だけでなく、F15についても能力向上を図るなど、バランスの取れたものとする計画であり、現時点でこれを見直すことは考えていません。
他国の領域における弾道ミサイルの迎撃についてお尋ねがありました。
御指摘の岩屋防衛大臣の答弁は、純粋に法理上の観点からいえば、他国の領域における武力行動で武力行使の三要件に該当するものがあるとすれば、他国の領域における武力の行使が憲法上許されないわけではないとの従来からの一貫した政府の立場を述べたものであると承知しています。
他方、新たな防衛大綱の下では、他国の領域におけるブースト段階での迎撃を行う装備の導入は検討しておらず、また、他国の領域における迎撃に関する具体的な憲法上の評価についても検討していないため、現時点で御指摘のような仮定のケースについてお答えすることは困難です。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣岩屋毅君登壇、拍手〕