前泊博盛の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(前泊博盛君) 皆さん、おはようございます。
今日、私の方からは、沖縄が問う平時の安保、有事の安保ということで、資料を準備させていただいています。十五分という非常に短い時間ではありますけれども、沖縄が今抱えている問題が、日本のいわゆる主権といった問題、それから民主主義といった問題、そういったものとの関わり、それから安全保障の問題も含めまして、関わる問題が非常に多岐にわたりますので御紹介をしたいと思っています。
一枚、紙を準備させていただきましたけれども、それに関連するデータ、資料をファイルでお届けをしてありますので、御参考にしていただければと思っています。
まず、五つのポイント整理をしました。
せんだって、沖縄では県民投票というのが行われました。県民投票というのがなぜ行われたかというと、選挙で示された民意が尊重されないという、そのために、選挙で示されたものは、残念ながら、辺野古のあるいは新基地建設のノーという意見ではないということをこの安倍政権が言うものですから、県民はしようがなくそれを改めてワンイシューで問うということで動いた経緯がありました。
示された結果については、もう御紹介してありますけど、この資料に入れてありますけれども、投票が五二・四八%、そして、その中で反対が七二%という数字になっています。この七二%の中には、実は自民党を支持している人たちですら反対という意見が出ていると、これが四割ほどを占めているということが出口調査でも出ています。
そういう意味では、示された民意が今回、じゃ生かされるのかと思ったら、またこの結果についても無視をするということになってしまっています。ある意味では、この国は本当に民主主義国家なのか、我々、県民あるいは国民の一人として、主権者として投票する瞬間までが主権者であって、投票した後は皆さんのような、国会に送り出した皆さんがむしろそれを体現をしていただけなければ、この国の民主主義はもう既に崩壊しているということになってしまうというふうに思っています。
それから、安保の呪縛で失う主権ということを書きました。これは昨年の十二月ですけれども、プーチン大統領がこんな発言をしています。これは資料の中にも入れましたけれども、辺野古の基地建設を見れば日本の主権がどの程度か分かるという話です。これは北方領土問題に関わって出ています資料の七ページに入れましたけれども、地位協定上、第二条で施設・区域の提供義務があると日本は言っています。七ページの一番上に入れました。
その北方領土についても、二島返還が議論をされましたけれども、これが棚上げにされた経緯というのは、実は北方領土を返した場合に米軍基地が置かれるかどうかという可能性について日本側に問うたところ、それは約束できないと、置かれないという約束はできないという発言がありました。これは地位協定の考え方という外務省の機密文書の中にも出ていますけれども、いわゆるそれがこの文章です。一般的に日本が置かないというようなことを約束することはできないということを書かれています。
これに対してプーチン大統領が取り上げています。日本が決められるか、日本がどの程度主権を持っているかが分からない状況の中で、辺野古を見れば分かる、知事が基地拡大に反対をしているが、日本政府は何もできないと、人々が撤去を求めているのに基地が強化される、みんなが反対しているのに計画が進んでいるというふうに言っています。
ロシアですら、まあクリミア半島の話を抜きにしてプーチン大統領にこういう発言されるのもしゃくではありますけれども、こういう発言があるということを踏まえると、辺野古というのは、まさに日本のこの国の民主主義そして主権の問題を問うている問題だというふうに思っています。安全保障上も非常に大きな課題を抱えていると思っています。
それから、二番目の返らない普天間基地。私も新聞記者としてもこの間ずっと取材をしてきましたけれども、残念ながら、もう二十年前に約束をされたSACO合意、これ実現の可能性はないというふうに私は見ています。この辺野古について、返せるかどうかということを、返す自信のある国会議員がいたら手を挙げてほしいと思います。そして、それを本当にアメリカと交渉して返すだけの力を持っている議員の皆さん、残念ながら、私が見る限りではこの国には存在していないと思っています。
それが理由としては、SACO合意を勝ち取ったのはあの橋本総理でした。橋本総理はそのときに、沖縄県が要求した基地の整理縮小、そして全基地返還計画をもって揺さぶりを掛けられて、そのことに対して十一施設の返還をクリントン大統領と交渉して勝ち取ってきています。その後の内閣は、その橋本さんが残した約束すら、財産すら実現できないまま現在に至っています。そして、SACO2、SACO3という形で沖縄の負担軽減に動くような、あるいは日本の主権を取り戻すような、あるいは在日米軍基地を減らすような行動を何もしていないということになります。与えられた宿題すらクリアできないような政権しかこれまで続いていないということになります。
ある意味では、県民からは、政府のやるやる詐欺だと、返還詐欺だという指摘まで出ていますね。日米合意といったものが決められても実現されないという一つの象徴的なこととしてSACO合意があるというふうに思っています。一部は若干返還はされてきていますけれども、それを評価するとしても、その象徴である普天間については返す返すといいながら返されていない。
これは二番目にも書きましたけれども、二十年間返還ができず、五年前に仲井眞知事と現安倍政権が約束をしてくれました。世界一最も危険な普天間基地については五年以内に閉鎖しましょうと。その言葉を真に受けて、知事はそのときに辺野古の環境アセスについてゴーサインを出しています。五年たって昨年、まあ今年の二月がその期限になっていました、期限を迎えたときに、本当に返せるのか、閉鎖状態になるのかという、そういう疑問に対して現防衛大臣は何と言ったか。沖縄県民が協力をしないので実現が難しくなっているという発言をしています。
そもそもが、五年前にこの約束をした段階で、アメリカ側からは、建設に十三年も掛かるのに五年で返せるんだったら普天間は要らないということになるじゃないかと、そういう矛盾を指摘していました。その後は、その問題についてはペンディングにされたままずるずると来て、そして五年たったら県民が協力しないという話になっています。
こういう、県民のせいにして約束をほごにしているような状況があります。政権を担う側としては、しっかりと約束を守るという姿勢を示していただかないことには、そしてこの後の普天間が本当に返せるという道筋がしっかりと示せるかどうかというところであります。これを示されずに新しい基地を造るとどうなるかというところをしっかりと見てほしいというふうに思っています。
それから、資料にも入れましたけれども、これは安倍政権が何回も、この普天間基地については世界一危険な基地というふうに発言をしています。そして、繰り返しその危険性を強調することによって、それをどけなければならないと、これ、三ページの方に資料を入れてあります。普天間は世界一危険というふうにおっしゃっていますけれども、今日は蓮舫さんもいらっしゃっていますけれども、なぜ一番なのか、二番ではいけないのかということを問うてほしいと何度もお願いをしましたけれども、普天間基地が世界一危険な基地だとする根拠が何なのかですね、根拠がないままに一番になって、そしてその危険性の除去は辺野古ができなければ無理だというふうに言っています、唯一の解決策。
しかし、この数字を見る限り、これ、三ページの下の方に付けました。復帰後、一九七二年から二〇一七年までの間の数字ですけれども、沖縄で起こっている米軍機の事故は七百三十八件あります。そのうち普天間基地の中で起こっているのは十七件です。そして、もう一つ大きな嘉手納基地では五百八件も起こっています。この数字をもって、普天間が世界一というふうには言えないのではないかと。沖縄では皮肉にも、じゃ、嘉手納は世界一ではなくて宇宙一危険なのかという話が出ています。
こういう疑問に対してしっかりと数字をもって世界一の理由を示さなければ、じゃ、世界で二番目はどこが危険なのか、三番目はどこなのかという議論もしないままに世界一の座を与えて、そして危険な基地だということを印象操作をしているような気がします。そうではなくて、辺野古が本当に必要かどうかという議論も含めて改めて問う必要があるのではないかというふうに思っています。
そして、嘉手納についてはこれほど危険だと。あの宮森小の墜落事故で子供たちがたくさん犠牲になりました。たくさんの事故が起こって最も危険な基地であるはずなのに、それについては議論しない理由は何なのか。この国においては、解決できない問題については先送りをするという、これ、森友学園、加計学園の問題でもありました。我々、国会を見ている限り、この国の政治は、できないことは先送りをする、そしてそれでも解決できないときはなかったことにするというこの国のおきてがあるような気がします。沖縄から見ている限り、そういう国会でいいのかという思いが非常に強くあります。
米軍にとって最も危険な基地、それは恐らく普天間基地、それは万が一何かが起こったときに沖縄の基地返還全体につながりかねないという危険性があるから。しかし、日本や沖縄にとって最も危険な基地は残念ながら嘉手納基地です。その嘉手納の問題に触れないようにしているのは何なのか。日米安保といったもののくびきがそういう問題を回避させているような気がします。
それから、不可能な辺野古の新基地建設ですけれども、これ、県民投票の段階でいろんな話が出てきました。何のための基地建設か。これは、保守の、沖縄の保守政治家が言います、米軍の名を借りた自衛隊基地の建設ではないかと。あるいは、せんだって沖縄の県民投票の際にお呼びしました小川和久さん、軍事アナリストです、日本を代表する軍事アナリストですけれども、彼は、普天間の代替機能が欠落している、辺野古を造っても有事の際に五百機の駐機場すらないじゃないか、あんなところは使えない、そういう基地を造っても米軍は受け取らない可能性もあると。じゃ、なぜ強行して造るんだと。これはもう企業と約束をしたので造らざるを得ないんだと、汚職であるとまでストレートに言っています。この根拠が示されないということで報道はされていませんけれども、そういうことも検証する必要があるのではないかというふうに思っています。
それから、辺野古基地そのものの建設の困難さというものも明らかになってきています。
六つほど挙げましたけれども、まず軟弱地盤の問題。これも国会で何度も議論されていますけれども、七万七千本の砂ぐいを水深九十メートルの段階まで打ち込まなければならない、それができるのかという。実際に、日本企業の実績としては七十メートルまであると国会でも言っています。しかし、実績は六十五メートルという話もあります。我々が議論しているのは九十メートルであるにもかかわらず、その話は出てこないんですね。
それから、地盤沈下の可能性についても、これもう政府も認めていますけれども、造った後も地盤沈下がするかもしれないような地域の場所に造られたものをアメリカ軍が引き取って運用するかどうか、これも確認をしておく必要があると思います。
それから、活断層の問題。これ、五百旗頭先生からも指摘がありました。沖縄にも活断層があります。そして、辺野古にも間違いなく活断層があるということを専門家が指摘しているのに、この問題について国会で全く議論されていない。本当に危険なところに基地を造ることが必要なのかどうかというこの辺りもしっかりと議論してほしいと思います。
それから、莫大な建設費が掛かります。砂ぐいも含めて、沖縄県の試算だと二兆五千五百億円です。こんな莫大な金を使う余裕が日本のこの国にもうあるのかという話です。せめて半分でも、あるいは八割でも、アメリカ軍に負担させることができるのかどうか、そういう議論も必要ではないかというふうに思っています。
そして、防衛大臣はこの数字は大げさだと言っていますけれども、安倍首相は答弁の中で、幾ら掛かるかということについては詳細を示すことはできないと答弁をしています。お金が幾ら掛かるかも分からないような基地をどんどん建設をしてこれ国税を使っていくという、税金を払う側からすればふざけるなという話になります。こういった問題もしっかりと議論をしてほしいと思います。
航空法上、周辺の基地ができた場合に高さ制限に引っかかるところはたくさんあります。辺野古弾薬庫ですら、アメリカ軍の施設ですら、弾薬庫、引っかかってきます。それから、近くにできた国立高専も高さ制限に引っかかってきます。この制限に対して何と言っているかと。航空法を地位協定上免除するから大丈夫だという防衛大臣の発言です。国民の安全を守るために作られた航空法を免除することによってしかクリアできないような基地を造ること自体、非常識な話です。何から何を守るための安全保障なのか、国防とは何なのかを問い直してほしいというふうに思っています。
長過ぎる建設期間というのもあります。十三年間掛かります。沖縄県の試算でもこの国の政府の試算でも十年以上掛かります。その間、世界一危険だと言っている、政府が言っている普天間は放置されます。二十年放置された上に、あと十三年間は放置する。
そして、その放置される危険性がどれだけ大変なことかというのがあります。これ、資料をお付けしましたけれども、八ページにあります。米軍普天間飛行場を飛び立ったCH53ヘリコプターが窓枠を小学校のグラウンドに落下させています。これを落下させたときに、危ないからこの上空を飛ばないでくれと日本政府はお願いをしました、米軍に対して。しかし、米軍は聞いてくれませんでした。日本政府ができたのは、この中段にありますシェルターを造ってあげました、学校の中に。二つ造りました。そして、ヘリコプターがお願いをしたのに学校の上を飛ぶときには、退避ということで係員を置いて子供たちを避難させるんです。こんな国がほかにあると思いますか。小学校の子供たちを守るために、米軍ヘリが飛ぶたびに退避をさせて、九百回も退避をさせている、こういう状況を放置している実態を皆さんが本当に御存じなのかどうか、それが放置されることの危険性をしっかりと把握してほしいというふうに思っております。
このほかにも、環境破壊の問題あります、サンゴですね。サンゴは、安倍総理はこの埋立てを進めているところのサンゴは移植をした上で埋め立てているとおっしゃっていましたけれども、それは一群落にすぎないと。むしろ埋立てをしているところは移植はしていないということで、沖縄県が抗議をしています。一群落をある意味では移植したどうこうという話をしていますけれども、いや、九群落は移設をしたという話をしていますけれども、その場所には七万四千群落のサンゴ群があります。このサンゴを埋め立ててまで造る必要があるのかどうかも含めて議論をしていただかなければならない問題だというふうに思っています。
是非、大所高所からの、外交、安全の問題に加えて、沖縄が抱えている問題を踏まえて、日本の安全保障の在り方について抜本的な問題解決をしていただきたいというふうに思っています。
ありがとうございました。