予算委員会公聴会
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会
会議録情報#0
平成三十一年三月十二日(火曜日)
午前九時開会
─────────────
委員の異動
三月八日
辞任 補欠選任
武田 良介君 井上 哲士君
三月十一日
辞任 補欠選任
太田 房江君 松川 るい君
中西 健治君 滝沢 求君
中野 正志君 宮本 周司君
元榮太一郎君 堀井 巌君
和田 政宗君 小川 克巳君
古賀 之士君 徳永 エリ君
田名部匡代君 浜口 誠君
伊藤 孝江君 高瀬 弘美君
片山 大介君 高木かおり君
山口 和之君 藤巻 健史君
三月十二日
辞任 補欠選任
宇都 隆史君 今井絵理子君
進藤金日子君 佐藤 啓君
中西 哲君 小野田紀美君
堀井 巌君 元榮太一郎君
宮島 喜文君 江島 潔君
宮本 周司君 自見はなこ君
岩渕 友君 吉良よし子君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 金子原二郎君
理 事
石井 準一君
高橋 克法君
二之湯武史君
長谷川 岳君
山下 雄平君
蓮 舫君
森 ゆうこ君
谷合 正明君
辰巳孝太郎君
委 員
青山 繁晴君
朝日健太郎君
井原 巧君
今井絵理子君
宇都 隆史君
江島 潔君
小川 克巳君
小野田紀美君
大野 泰正君
こやり隆史君
佐藤 啓君
自見はなこ君
進藤金日子君
滝沢 求君
中西 哲君
長峯 誠君
堀井 巌君
松川 るい君
丸川 珠代君
三木 亨君
宮島 喜文君
宮本 周司君
元榮太一郎君
石橋 通宏君
小西 洋之君
杉尾 秀哉君
青木 愛君
大島九州男君
大野 元裕君
徳永 エリ君
浜口 誠君
高瀬 弘美君
平木 大作君
三浦 信祐君
宮崎 勝君
浅田 均君
高木かおり君
藤巻 健史君
井上 哲士君
岩渕 友君
吉良よし子君
薬師寺みちよ君
事務局側
常任委員会専門
員 藤井 亮二君
公述人
東京大学大学院
経済学研究科教
授 川口 大司君
株式会社日本総
合研究所調査部
上席主任研究員 河村小百合君
兵庫県立大学理
事長
公益財団法人ひ
ょうご震災記念
21世紀研究機構
理事長 五百旗頭真君
沖縄国際大学大
学院教授 前泊 博盛君
公益財団法人あ
すのば代表理事 小河 光治君
みらい子育て全
国ネットワーク
代表
合同会社リスペ
クトイーチアザ
ー代表 天野 妙君
─────────────
本日の会議に付した案件
○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成三十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成三十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前九時開会
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委員の異動
三月八日
辞任 補欠選任
武田 良介君 井上 哲士君
三月十一日
辞任 補欠選任
太田 房江君 松川 るい君
中西 健治君 滝沢 求君
中野 正志君 宮本 周司君
元榮太一郎君 堀井 巌君
和田 政宗君 小川 克巳君
古賀 之士君 徳永 エリ君
田名部匡代君 浜口 誠君
伊藤 孝江君 高瀬 弘美君
片山 大介君 高木かおり君
山口 和之君 藤巻 健史君
三月十二日
辞任 補欠選任
宇都 隆史君 今井絵理子君
進藤金日子君 佐藤 啓君
中西 哲君 小野田紀美君
堀井 巌君 元榮太一郎君
宮島 喜文君 江島 潔君
宮本 周司君 自見はなこ君
岩渕 友君 吉良よし子君
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出席者は左のとおり。
委員長 金子原二郎君
理 事
石井 準一君
高橋 克法君
二之湯武史君
長谷川 岳君
山下 雄平君
蓮 舫君
森 ゆうこ君
谷合 正明君
辰巳孝太郎君
委 員
青山 繁晴君
朝日健太郎君
井原 巧君
今井絵理子君
宇都 隆史君
江島 潔君
小川 克巳君
小野田紀美君
大野 泰正君
こやり隆史君
佐藤 啓君
自見はなこ君
進藤金日子君
滝沢 求君
中西 哲君
長峯 誠君
堀井 巌君
松川 るい君
丸川 珠代君
三木 亨君
宮島 喜文君
宮本 周司君
元榮太一郎君
石橋 通宏君
小西 洋之君
杉尾 秀哉君
青木 愛君
大島九州男君
大野 元裕君
徳永 エリ君
浜口 誠君
高瀬 弘美君
平木 大作君
三浦 信祐君
宮崎 勝君
浅田 均君
高木かおり君
藤巻 健史君
井上 哲士君
岩渕 友君
吉良よし子君
薬師寺みちよ君
事務局側
常任委員会専門
員 藤井 亮二君
公述人
東京大学大学院
経済学研究科教
授 川口 大司君
株式会社日本総
合研究所調査部
上席主任研究員 河村小百合君
兵庫県立大学理
事長
公益財団法人ひ
ょうご震災記念
21世紀研究機構
理事長 五百旗頭真君
沖縄国際大学大
学院教授 前泊 博盛君
公益財団法人あ
すのば代表理事 小河 光治君
みらい子育て全
国ネットワーク
代表
合同会社リスペ
クトイーチアザ
ー代表 天野 妙君
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本日の会議に付した案件
○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成三十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
院送付)
○平成三十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
衆議院送付)
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金
金子原二郎#1
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会公聴会を開会いたします。
本日は、平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算及び平成三十一年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いしたいと存じます。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
本日は、平成三十一年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構です。
それでは、経済・財政について、公述人東京大学大学院経済学研究科教授川口大司君及び株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員河村小百合君から順次御意見を伺います。
まず、川口公述人にお願いいたします。川口公述人。
この発言だけを見る →本日は、平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算及び平成三十一年度政府関係機関予算につきまして、六名の公述人の方々から順次項目別に御意見をお伺いしたいと存じます。
この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
本日は、平成三十一年度総予算三案につきまして皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、会議の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、御発言は着席のままで結構です。
それでは、経済・財政について、公述人東京大学大学院経済学研究科教授川口大司君及び株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員河村小百合君から順次御意見を伺います。
まず、川口公述人にお願いいたします。川口公述人。
川
川口大司#2
○公述人(川口大司君) 東京大学の川口と申します。
今日は、経済財政全般の話というよりも、今話題になっております実質賃金変化の統計的把握についてのお話をさせていただければと思います。
私自身は、労働経済学の実証研究を専門にしておりまして、ちょっと毎月勤労統計の個票という生のデータを使った分析をしたことはないんですけれども、私が把握している範囲でこの問題についての意見を述べさせていただければと思います。
まず、毎月勤労統計の名目賃金の変化ですね、これ、共通事業所というのを使って名目賃金を、変化がどうなっているかというのを調べるということが今話題になっていると思うんですけれども、これについては検討会が厚生労働省の方で立ち上がっておりまして、今議論が進んでいるところということもまず指摘したいというふうに思います。
それで、毎月勤労統計なんですけれども、皆さん御存じのとおり、賃金変化捉えるというときに、どういうふうにそのデータが構成されているかという話があるわけですけれども、事業所単位の賃金支払総額というのが分かっておりまして、かつ総労働時間というのが事業所の単位で分かっていると。そうしますと、事業所の単位で時間当たりの賃金というものが分かるという形になっております。これの、その毎月毎月の平均賃金が事業所ごとに分かるわけですけれども、これの平均値を計算するということができて、これの変化というのがいわゆる本系列の変化ということになります。それで、毎月勤労統計なんですけれども、大規模事業所を除いては抽出調査という形になっておりまして、この調査対象になる事業所が毎月毎月変わっていくというような形になっております。
それで、今問題になっているサンプリングの変更に関してなんですけれども、以前のサンプリングというのは、この名簿替えのタイミングですね、元々、その調査の対象になる事業所を選ぶときの台帳を入れ替えたときにはもうその調査対象になる事業所を丸ごと入れ替えてしまうという形の方法が取られていました。こういうサンプリングの仕方の問題としては、その調査対象ががらっと変わってしまいますので、その平均値などを見たときに断層が発生してしまうという問題がございます。
それで、今新しく取り入れられた方法は、いわゆるローテーティングサンプルと呼ばれる方法で、その一定の期間同じ事業所を調べるんですけれども、その期間がたった後は落ちる事業所があるんだけれども、それを入れ替えると、一遍には入れ替えないで順番に入れ替えていくというような方法を取っています。
例えば、これ適切な例かどうかは分からないですけれども、焼き鳥屋さんのたれをちょっとずつ使った分をつぎ足していくような、そういう方法がローテーティングサンプルという形になっていて、味が安定するというような、そういったことが利点としては挙げられるということかと思います。
それと、共通事業所のこの賃金変化なんですけれども、連続して調査されている、こういう事業所の賃金変化だけを見てみたらどうかということが話題になっています。このときに問題になり得るのは、一年後、今年調査されてまた一年後にも調査される事業所というのは、基本的にその事業を継続している事業所ということになりますので、ここに母集団からずれというものが発生することになります。
それで、一年目に調査対象になったところで、二年目にその調査対象になったところと二年目には消えてしまったところの賃金の比較というのをその検討会では行っているんですけれども、その結果を見てみると、二年目に残っている事業所の方が一年目時点での平均賃金が高いというようなことが分かっています。で、全体を代表するようなサンプルというのを共通事業所から取ることが難しい部分もあるということが分かっています。分からないのは、共通事業所の賃金の伸びが全体の伸びと比べて高いか低いかというのが、二年目の賃金水準が分からないわけですから分からないというような問題がございます。ですので、過去の賃金の伸びと、例えば事業所のサバイバル確率の検証といったようなことが必要になってくるのかなというふうに思います。
それで、今までの話が名目の話なんですけれども、実質化の話もございまして、実質化というのは、基本的には簡単な話で、名目賃金の伸びから物価水準の伸びを引いたものが実質ということになります。
もっとも、皆さん御存じのことかとも思うんですけれども、消費者物価指数というのは、基本的に、ある種のバスケットを購入するのに幾ら掛かりますかという、そういう指標なんですけれども、例えばうどんとそばというものだけで構成されているようなバスケットを買いますと、それで、半分半分で消費している人がいて、うどんの値段が二倍になると、うどんの消費量というのは下がるわけですよね。こういった商品の代替というのが起こりますので、どうしても、固定されたバスケットの下で物価水準の変化というのを調べると、上方にぶれが出てくるという問題が知られています。
これについて、どれぐらいの大きさなのかというのを評価した研究というのがあるんですけれども、一つの例を挙げると、〇・五%ポイント毎年ずれますと。インフレが一%、二%というこの範囲のところで議論しているときに、〇・五%ポイントの上方のずれというのは結構大きなずれということになりますので、そうすると、物価水準が上振れすると実質賃金の伸びというのは下振れするわけですね、こういった特性があるということは踏まえた上で議論をしていく必要があろうかというふうに思います。
ここまでが事業所単位の平均賃金の話でした。我々がもっと関心あるのは、個人のレベルで賃金がどういうふうに変化しているかということなんですけれども、これについて、私自身、試論レベルなんですけれども少し研究をしたことがございますので、それについて報告をさせていただければと思います。
この紙の、二枚目の方の紙を御覧いただきますと、表が出ているんですけれども、その個人レベルの賃金変化というのを知ろうと思うと、各個人の賃金を追ったようないわゆるパネルデータというものが必要になります。リクルートワークス研究所がそういったパネル調査というのを行っているわけですけれども、これを見てみますと、二〇一六年の時間当たりの賃金と二〇一七年の時間当たりの賃金というのを計算をしてみました。この三万人をちょっと超えるようなサンプルの中で、二〇一六年の賃金が手に入るのは六六%、二〇一七年の時間当たり賃金が手に入るのは六七%、で、両方の年で賃金が分かる人というのは六〇%しかいないんですね。ですので、片方の年で賃金が分かる人と比べると一〇%ぐらいの人が落ちてしまうと。共通事業所の話と同じなんですけど、個人レベルでこういうことが起こっていると。
二〇一六年の平均賃金、これ全体の、賃金が手に入る人に関して全員の平均賃金を見てみると千七百十八円と、二〇一七年の平均賃金を見てみると千七百四十七円というのが分かって、平均賃金の伸びが一・七%という形になります。じゃ、その二年分ですね、賃金が分かる人に関して計算をしてみると、二年間観察される人というのは賃金が高いんですね、千七百四十二円と千七百八十四円と。ですので、賃金が高いタイプの人の方が二年間連続して働いている可能性が高いのでこういうことが起こると。この人たちに関して平均賃金の伸びというのを計算すると、二・四%になります。
これは日本でだけ観察される現象ではなくて、景気回復局面において、統計上、賃金が上昇していないように見えるという問題は世界各国で報告されておりまして、それはなぜかというと、景気が回復していく局面で失業率が下がります。この中で、今まで失業していた人たちが働くようになるんですけれども、どちらかというと賃金が低い方が多いですので、平均賃金がなかなか上がっていかないというようなことがあります。日本でもそのことが観察されたという面があります。
あともう一つ、最後なんですけれども、これ平均賃金の伸びの話をしているんですね。これと個々人の賃金の伸びの平均値というのはずれるんですね。この個々人の賃金の伸び率の平均値というのを計算してみますと、実を言うと六・〇%というのが出てきまして、かなり大きなずれというものがあると。
ちょっと、ポイントとして四点まとめさせていただいたんですけれども、二年連続で働いていて賃金が観察できる個人というのは高賃金の方が多いと、これサバイバルバイアスなどというふうに呼びますけれども、まずこれが観察できたと。それで、いわゆる、働いている人の構成が変わっていくので賃金が上がっていないように見えるという構成バイアスというのを取り除くと、平均賃金の増加率は一・七%から二・四%に上がりましたと。平均賃金の伸びではなくて、成長率の、賃金増加率の平均値というのを見てみると、平均賃金の増加率は二・四%なんですけれども、済みません、増加率の平均値というのを見てみると六・〇%だと。ですので、平均の増加率と増加率の平均というのはずれているということがございます。
何が起こっているのかというのを考えてみますと、恐らくこういうことだというのは、賃金の低い人々の賃金増加率が高いと。元々賃金水準が低い人の賃金が伸びても平均賃金を押し上げる効果というのは限定的ですので、それですので、増加率の平均値を計算すると高い数字が出てくるんだけれども、その人たちの、賃金が低い人の賃金の伸びというのは平均賃金の増加にそれほど影響しないので、平均値の伸びというのを計算するとかなり低い水準のものが出てくるというようなことがございます。
最後にまとめさせていただくと、なかなか、賃金が伸びているかどうかということを計算するのは技術的にいろんな難しい問題があって、一つこの数字で賃金の伸びが表現されているんですよということはなかなか難しいと。どういうことが必要かというと、この生のデータに恐らく立ち戻って、いろんな計算の仕方があるので、それぞれの仮定に基づいた計算の仕方の数字というのを出して、どの数字が望ましい数字なのかということを議論していくということが、迂遠ですけれども、必要なのではないかなというふうに思っております。
以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、経済財政全般の話というよりも、今話題になっております実質賃金変化の統計的把握についてのお話をさせていただければと思います。
私自身は、労働経済学の実証研究を専門にしておりまして、ちょっと毎月勤労統計の個票という生のデータを使った分析をしたことはないんですけれども、私が把握している範囲でこの問題についての意見を述べさせていただければと思います。
まず、毎月勤労統計の名目賃金の変化ですね、これ、共通事業所というのを使って名目賃金を、変化がどうなっているかというのを調べるということが今話題になっていると思うんですけれども、これについては検討会が厚生労働省の方で立ち上がっておりまして、今議論が進んでいるところということもまず指摘したいというふうに思います。
それで、毎月勤労統計なんですけれども、皆さん御存じのとおり、賃金変化捉えるというときに、どういうふうにそのデータが構成されているかという話があるわけですけれども、事業所単位の賃金支払総額というのが分かっておりまして、かつ総労働時間というのが事業所の単位で分かっていると。そうしますと、事業所の単位で時間当たりの賃金というものが分かるという形になっております。これの、その毎月毎月の平均賃金が事業所ごとに分かるわけですけれども、これの平均値を計算するということができて、これの変化というのがいわゆる本系列の変化ということになります。それで、毎月勤労統計なんですけれども、大規模事業所を除いては抽出調査という形になっておりまして、この調査対象になる事業所が毎月毎月変わっていくというような形になっております。
それで、今問題になっているサンプリングの変更に関してなんですけれども、以前のサンプリングというのは、この名簿替えのタイミングですね、元々、その調査の対象になる事業所を選ぶときの台帳を入れ替えたときにはもうその調査対象になる事業所を丸ごと入れ替えてしまうという形の方法が取られていました。こういうサンプリングの仕方の問題としては、その調査対象ががらっと変わってしまいますので、その平均値などを見たときに断層が発生してしまうという問題がございます。
それで、今新しく取り入れられた方法は、いわゆるローテーティングサンプルと呼ばれる方法で、その一定の期間同じ事業所を調べるんですけれども、その期間がたった後は落ちる事業所があるんだけれども、それを入れ替えると、一遍には入れ替えないで順番に入れ替えていくというような方法を取っています。
例えば、これ適切な例かどうかは分からないですけれども、焼き鳥屋さんのたれをちょっとずつ使った分をつぎ足していくような、そういう方法がローテーティングサンプルという形になっていて、味が安定するというような、そういったことが利点としては挙げられるということかと思います。
それと、共通事業所のこの賃金変化なんですけれども、連続して調査されている、こういう事業所の賃金変化だけを見てみたらどうかということが話題になっています。このときに問題になり得るのは、一年後、今年調査されてまた一年後にも調査される事業所というのは、基本的にその事業を継続している事業所ということになりますので、ここに母集団からずれというものが発生することになります。
それで、一年目に調査対象になったところで、二年目にその調査対象になったところと二年目には消えてしまったところの賃金の比較というのをその検討会では行っているんですけれども、その結果を見てみると、二年目に残っている事業所の方が一年目時点での平均賃金が高いというようなことが分かっています。で、全体を代表するようなサンプルというのを共通事業所から取ることが難しい部分もあるということが分かっています。分からないのは、共通事業所の賃金の伸びが全体の伸びと比べて高いか低いかというのが、二年目の賃金水準が分からないわけですから分からないというような問題がございます。ですので、過去の賃金の伸びと、例えば事業所のサバイバル確率の検証といったようなことが必要になってくるのかなというふうに思います。
それで、今までの話が名目の話なんですけれども、実質化の話もございまして、実質化というのは、基本的には簡単な話で、名目賃金の伸びから物価水準の伸びを引いたものが実質ということになります。
もっとも、皆さん御存じのことかとも思うんですけれども、消費者物価指数というのは、基本的に、ある種のバスケットを購入するのに幾ら掛かりますかという、そういう指標なんですけれども、例えばうどんとそばというものだけで構成されているようなバスケットを買いますと、それで、半分半分で消費している人がいて、うどんの値段が二倍になると、うどんの消費量というのは下がるわけですよね。こういった商品の代替というのが起こりますので、どうしても、固定されたバスケットの下で物価水準の変化というのを調べると、上方にぶれが出てくるという問題が知られています。
これについて、どれぐらいの大きさなのかというのを評価した研究というのがあるんですけれども、一つの例を挙げると、〇・五%ポイント毎年ずれますと。インフレが一%、二%というこの範囲のところで議論しているときに、〇・五%ポイントの上方のずれというのは結構大きなずれということになりますので、そうすると、物価水準が上振れすると実質賃金の伸びというのは下振れするわけですね、こういった特性があるということは踏まえた上で議論をしていく必要があろうかというふうに思います。
ここまでが事業所単位の平均賃金の話でした。我々がもっと関心あるのは、個人のレベルで賃金がどういうふうに変化しているかということなんですけれども、これについて、私自身、試論レベルなんですけれども少し研究をしたことがございますので、それについて報告をさせていただければと思います。
この紙の、二枚目の方の紙を御覧いただきますと、表が出ているんですけれども、その個人レベルの賃金変化というのを知ろうと思うと、各個人の賃金を追ったようないわゆるパネルデータというものが必要になります。リクルートワークス研究所がそういったパネル調査というのを行っているわけですけれども、これを見てみますと、二〇一六年の時間当たりの賃金と二〇一七年の時間当たりの賃金というのを計算をしてみました。この三万人をちょっと超えるようなサンプルの中で、二〇一六年の賃金が手に入るのは六六%、二〇一七年の時間当たり賃金が手に入るのは六七%、で、両方の年で賃金が分かる人というのは六〇%しかいないんですね。ですので、片方の年で賃金が分かる人と比べると一〇%ぐらいの人が落ちてしまうと。共通事業所の話と同じなんですけど、個人レベルでこういうことが起こっていると。
二〇一六年の平均賃金、これ全体の、賃金が手に入る人に関して全員の平均賃金を見てみると千七百十八円と、二〇一七年の平均賃金を見てみると千七百四十七円というのが分かって、平均賃金の伸びが一・七%という形になります。じゃ、その二年分ですね、賃金が分かる人に関して計算をしてみると、二年間観察される人というのは賃金が高いんですね、千七百四十二円と千七百八十四円と。ですので、賃金が高いタイプの人の方が二年間連続して働いている可能性が高いのでこういうことが起こると。この人たちに関して平均賃金の伸びというのを計算すると、二・四%になります。
これは日本でだけ観察される現象ではなくて、景気回復局面において、統計上、賃金が上昇していないように見えるという問題は世界各国で報告されておりまして、それはなぜかというと、景気が回復していく局面で失業率が下がります。この中で、今まで失業していた人たちが働くようになるんですけれども、どちらかというと賃金が低い方が多いですので、平均賃金がなかなか上がっていかないというようなことがあります。日本でもそのことが観察されたという面があります。
あともう一つ、最後なんですけれども、これ平均賃金の伸びの話をしているんですね。これと個々人の賃金の伸びの平均値というのはずれるんですね。この個々人の賃金の伸び率の平均値というのを計算してみますと、実を言うと六・〇%というのが出てきまして、かなり大きなずれというものがあると。
ちょっと、ポイントとして四点まとめさせていただいたんですけれども、二年連続で働いていて賃金が観察できる個人というのは高賃金の方が多いと、これサバイバルバイアスなどというふうに呼びますけれども、まずこれが観察できたと。それで、いわゆる、働いている人の構成が変わっていくので賃金が上がっていないように見えるという構成バイアスというのを取り除くと、平均賃金の増加率は一・七%から二・四%に上がりましたと。平均賃金の伸びではなくて、成長率の、賃金増加率の平均値というのを見てみると、平均賃金の増加率は二・四%なんですけれども、済みません、増加率の平均値というのを見てみると六・〇%だと。ですので、平均の増加率と増加率の平均というのはずれているということがございます。
何が起こっているのかというのを考えてみますと、恐らくこういうことだというのは、賃金の低い人々の賃金増加率が高いと。元々賃金水準が低い人の賃金が伸びても平均賃金を押し上げる効果というのは限定的ですので、それですので、増加率の平均値を計算すると高い数字が出てくるんだけれども、その人たちの、賃金が低い人の賃金の伸びというのは平均賃金の増加にそれほど影響しないので、平均値の伸びというのを計算するとかなり低い水準のものが出てくるというようなことがございます。
最後にまとめさせていただくと、なかなか、賃金が伸びているかどうかということを計算するのは技術的にいろんな難しい問題があって、一つこの数字で賃金の伸びが表現されているんですよということはなかなか難しいと。どういうことが必要かというと、この生のデータに恐らく立ち戻って、いろんな計算の仕方があるので、それぞれの仮定に基づいた計算の仕方の数字というのを出して、どの数字が望ましい数字なのかということを議論していくということが、迂遠ですけれども、必要なのではないかなというふうに思っております。
以上です。ありがとうございました。
金
河
河村小百合#4
○公述人(河村小百合君) 日本総合研究所の河村と申します。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、我が国の経済財政運営の課題ということで、今年、消費税率の引上げ、予定されておりますけれども、この国の厳しい財政事情に鑑みて、どの程度の財政再建が本当は必要なのか、そして今、財政運営に非常に深く事実上関わっております日銀が抱える深刻な問題についてお話ししたいというふうに思います。資料、いろいろグラフを御用意しておりますので、資料を併せて御覧ください。
まず、二ページのところを御覧ください。
これまでの財政運営を御覧になりますと、これ、我が国の財政と経済の推移をお示ししたものでございますけれども、後ろにあります赤い棒グラフが国の公債残高、そして水色の棒グラフが名目GDP。御覧いただきますと、二〇〇五年のところで逆転している状態であります。一国、国全体として国民全部で稼ぎ出されるGDPを超えるような形で公債の残高が上がってきていると。
足下、この税収、それから一般会計の歳出等を折れ線でお示ししていますけれど、税収がアベノミクスになって上がってきたこと、非常に良かったと思います。もちろん、前回の消費税率引上げ、これも大変大きく効いているというふうに思います。ただ、それででき上がった姿を見るとどうなのか。まだ新規国債の発行額というのが三十兆円ぐらいある。
次の三ページのところを御覧ください。
今、国会でかかっている来年度の予算、政府案で見て、ざっと大きく数字を取ったものがこちらの数字なんですけれども、歳入の方を御覧いただくと、公債金三十二・七兆円、これ新発国債ですね。右側の歳出のところで、債務償還費、これ既に出した国債を返している分十四・七兆円。これ差し引きますと、まだ十八兆円近い新たな負担のツケ回し、後の世代への新たな負担のツケ回しですよ。過去にツケ回した分というのもたくさんあるんですよ。それに更に上乗せする形でやってしまっているということだというふうに思います。何でこんな財政運営が続いているのか。もう要するに利払い費が少なくて済んでいるからですね。
次の四ページのところを御覧ください。
消費税率の引上げ、予定されております。どの程度財政運営が改善するのか。これは、二〇一二年の三党合意の段階では、この八%から一〇%に上げるときに、大ざっぱな数字で申し上げると五兆円ぐらい増収になるだろうと、そのうち四兆円は後の世代への先送りを少しでも減らそう、そういう話になっていました。ところが、これ使途変更になっちゃいましたよね。後の世代への先送りの軽減幅、大体でいうと半分ぐらいになってしまっていると思います。じゃ、残りの二兆円分どこから出してくるか、そういう議論あったんでしょうか。そういう議論、是非していただきたいと思います。
加えて、いろいろ景気対策、増税対策されるということが出ていますけれども、もちろんいろんな経済状態の方がいらっしゃるので配慮は必要だと思います。だけれども、今講じられている増税対策って一体誰が得するんですか。ポイント云々。何か青天井でお金が掛かるんじゃないかなんという話が出ていたりもしますし、やっぱり本当に真に必要な方のためだけの増税対策になっているのか。もうこんなことになっちゃったら、一体何のための消費増税なのかしらということを思います。
次の五ページを御覧ください。
何でこれまでうまく財政運営回ってきたのか。これ、財務省が出している数字を基に、利払い費、折れ線です、後ろに公債残高出ておりますが、御覧いただきますと、足下の利払い費、十兆円も行かないんですよね。これ御覧になると、一九九〇年頃、あの頃よりも利払い費少ないですよね、借金の残高ずっと上がっているのに。これ、なぜかと。もちろん金利の影響なんですよね。
次の六ページのところを御覧ください。
これ、日銀の金融政策運営ももちろん関係しております。金利は別に金融政策だけで決まるものでもないんですけれども、やはり日本経済、バブル崩壊があって、不良債権の問題があって、ゼロ金利やり、量的緩和をやり、その後もまたリーマン・ショックがあり、震災があり、いろいろ包括緩和をやって、そして黒田総裁になられて異次元緩和をやっていらっしゃる。もうべたっと張り付いている状態だと思います。
次の七ページ、御覧ください。
そうやって、日銀が、ある意味無理やりというか力ずくで今金利を抑え込んでいるんですけれども、国債の保有、誰が持っているのかというのを御覧いただいたグラフが七ページです。中央銀行がぐぐぐぐぐぐっと上がってきていること、御覧いただけるというふうに思います。
次の八ページ、御覧ください。
今、日銀が買い入れている国債のシェア、一番直近で分かる数字が一月末でございます。実に四八・一%です。もうちょっとで五割に手が届きそうなところ。年限別に御覧になると、もう本当に背筋が寒くなりますね、五年債なんてもう七割超えていますよ。十年債はもうとっくに五割超えているんです。こういう状況です。
これは、この後御説明いたしますけれども、日銀はあくまで二%の物価の目標達成を目指して金融政策やっているんだから財政と別じゃないかというふうにもしかしたらお考えの方がいらっしゃるかもしれません。私はそうではないと思います。こういうような無理やり、無理やりのその金融政策運営、金利を押し付け、国債を本当に買い占め、そういうことによって、今、日銀に非常に大きなリスクが蓄積されています。今後の経済政策運営に大きな影響が出る。私たち国民一人一人の生活と人生に大きな影響が出かねないと私は真剣に心配しております。
順に御説明してまいります。
九ページを御覧ください。
何でこの国の借金がこんなに積み上がってしまったのかですね。これは、財務省の理財局が出している債務管理リポートの方から取ったグラフです。
どちらが増えたか。まあ建設国債よりも赤字国債の方だろうなというふうに先生方は御覧になるんじゃないですか。もちろんそのとおりで、この棒グラフですね、一番下の水色の折れ線が建設国債ですね、四条債です。その上、赤いのがありますね、これが特例債です。もちろん建設国債より特例債が多い。だけど、それよりもっと多いのがこのオレンジです、借換債です。
この国って、まあ国債、いろんな年限で出すんですけれど、十年債を十年物で出して十年たった、全額返しますかといったら、返さないんです。それが実はこんなに借金が増えてしまう原因になっています。
次の十ページのところを御覧ください。
もう先生方はよく御案内だと思いますけれども、この国の償還は、財政法に規定があって、六十年償還ルールということでやっています。これ財務省の絵を持ってまいりました。ですから、例えばこの国債ですね、建設国債も、今特例国債も一緒になっていますが、例えばこの六百、金額で六百を出したとすると、十年後に返すのは百だけ、五百は借換え、で、また十年たったら返すのは百だけ、また借換え。要するに、きれいに返し切るまで六十年掛かる。
もうこれ、私もいろいろ調べていますので、いろんな各国の国債管理当局に問合せをするんですね。ちゃんと答えが来ますよ、ちゃんと来ます。こういう六十年償還ルールをやっている国ありません。主要国でありません。どの国も借換債は出しますよ、出さないわけじゃないんです。だけど、やっぱりそんなものをどんどんどんどん出していたら本当に借金が積み上がっちゃうから、借換債はもう本当に必要最小限に収めようということでやっているという答えが返ってきます。
じゃ、国債をこの国どうやって返しているのか。
十一ページ、御覧ください。
これも先生方よく御案内だと思いますけれども、国債の償還原資の捻出方法は三つございます。定率繰入れ、国債の残高に応じて、六十年償還ルールに基づく、ですから六十年で返すということは一・六%なんですけど、一般会計で要するに償還の原資を出す。もう一つは剰余金繰入れ、例の決算をやったときに剰余金が出る年と出ない年がありますけれども、それの半分は基本的に債務償還に入れましょうねという話になっている。そして、三番として、それ以外の予算繰入れというのがあるということです。
次の十二ページ、御覧ください。
剰余金繰入れ、まあこれ結構いろんな事情があって、これ、剰余金繰入れ、剰余金が出た額がこの棒グラフでお示ししておりまして、紺色で塗り分けているところが公債の償還、借金の返済に充てたもの、赤いところが一般財源に充てて使っちゃったものということなんですね。これで見ると、剰余金が元々ない年もありますけれど、まあ一応規定どおりにはやってきている。ただ、この純剰余金をいかに繰り入れるとしても、本当に剰余金出たとしても多くて二兆円ぐらいですよね。一七年度だってやっぱり一兆円をちょっと切るぐらいだというふうに思います。
それをじゃ半分だけ繰入れ、半分じゃなくて全額繰り入れたこともあるんですよね、小泉政権時代とかあるんですけど、それやったとしたって、過去二十年全部遡って私足し算したことありますけど、二十三兆円としかならないんですよ。だから、剰余金繰入れをどんだけ真面目にやったって全然、これだけ、本当に千兆の借金抱えている国、焼け石に水なんですよね。
次の十三ページ、御覧ください。
借換債が多過ぎると申しました。これがどういう意味を持つのか、よその国と比較したのがこちらの絵であります。
今IMFも非常に、ヨーロッパの債務危機とかを経てこういうところ、非常に気にしております。この表の中にありますグロス所要資金調達額というのが、その国が財政運営を続けるために毎年一体幾らの国債を調達しなきゃいけないのかというのを名目GDP比で示したものです。
満期負債というのが、要するに借換債です。財政収支赤字幅というのが、まあ大ざっぱに言えば新発国債というふうにお考えください。これ御覧いただくと、日本ですね、満期負債がよその国と比べて異様に多いじゃないですか。GDP比四割の金額の国債を調達している国なんてないんですよね。これを、まあ四〇%って、見てもぴんとなかなかこられないかもしれないので、実額で御覧いただいたのが次の十四ページです。
今年の予算、政府案での理財局が示している国債発行予定額、これ御覧いただくと、国債って新発国債だけじゃないんです。借換債がたくさんあるんです。両方合わせて、理財局、毎年百五十兆円も国債を調達している。これが円滑に調達できなかったらデフォルトですよ。大変なことになりますよ、資金ショートになったら。そういうことです。
というのは、要するに、この国はこれだけ毎年自転車操業で国債出して財政運営を回しているということは、ちょっとでも金利が動いたりとかして国債がはけなくなれば、財政運営たちまち大変なことになるということだと思います。
じゃ次、中央銀行の問題に行きたいというふうに思います。
十五ページのところを御覧ください。
これは、主要な中央銀行の資産規模の名目GDP比のグラフです。よく新聞等でも先生方御覧になられると思います。日銀、断トツですよね。GDP比一〇〇%に行っちゃった。ほかの国というのは、まあ確かにリーマン・ショックの後、増やしたけれども、せいぜい二割とか三割ぐらい。ECBも一番ピークで四割まで持っていって、もうやめましたよね。止めているんです。なぜか。
次の十六ページのところを御覧ください。
これですね、よその国がなぜしないかということと裏腹なんですけれども、これだけのバランスシートを抱えてしまうと、中央銀行としての金融政策運営、財務運営に非常に大きな問題が出るということです。
次の十七ページのところに、日銀のバランスシートの変化を大まかに描いた図をお付けいたしました。
御覧いただきますと、かつてに比べて、二〇〇〇年代の量的緩和の時期なんかに比べて、ちょっとこれグラフの比例での大きくしている度合いが少なくて、本当はもっと長くなるはずなんですけど、こんなに大きくなっています。こんなにたくさん当座預金が増えている。これ、もう要するに、多額の国債を買い入れる見返りで供給した過剰流動性なんです。今は余りお金の使い道ないから、銀行みんな日銀に預けています。だけど、これはいつ何どき出ていってもおかしくない。
今アメリカが正常化でやっているように、金利を、市場金利が上がってきたら、徐々に中央銀行もこの当座預金に付ける金利を上げていかなければ、このお金どんどん出ていくことになったら、もしかしたら、海外に出ていけば為替、円安で大変なことになるかもしれません。インフレになっちゃうかもしれない、そういうこともあるというふうに思います。
ですので、やっぱりこれだけ大きくなったということは、日銀がこの当座預金に付利しなきゃいけない、なのに日銀が持っている国債って、異様に付いている金利低いんですよね。加重平均で一%もないんですね。本当にもう〇・五%もないんです。ということは、短期金利を〇・五%に上げるだけで日銀は逆ざや、しかもこれだけバランスシートが大きいですから、一%逆ざやになるだけで毎年四兆円が飛んでいくという恐ろしい状況にあります。
ここでは大きく図で描いていませんけれども、ETFも買っていますね。衆議院の方でも質問が出たようですけれども、結構日銀、最近、高値つかみしていますので、株式市場だってやっぱりずっと一本調子で上がっていくというのはなかなか考えにくい。じゃ、そのときどうか。黒田総裁、TOPIXで一三五〇ぐらいで損益分岐点なんということをおっしゃった。
ですから、こういうことを考えると、非常に恐ろしいリスクの固まり、金融政策が制御不能にならないか非常に心配だと思います。
じゃ、よその国の中央銀行がどうやっているのか。
十八ページのところを御覧ください。
よその国の中央銀行、まずアメリカですけど、どの国でもいずれ正常化させることが大前提です。FEDの場合は、バーナンキ元議長がFEDのボスは議会だということをはっきり言っています。ボスは国民なんです。だから丁寧に説明する、量的緩和をやった、FEDだって金融情勢によったら危なかったんですよ。
ここにお示ししているのは、二〇一三年の時点で、もしかしたら納付金がゼロになっちゃうかもしれない。同じような、さっき御説明したのと同じ理由で財務が悪化するかもしれない、こういうのをきちんと正直に示して、そうならないように早めに手じまう、正常化をできるうちにできるだけ進めるというふうにやってきたので、実際には十九ページのような形で赤字にはならないで済みそうです。
次の二十ページのところを御覧ください。
イングランド銀行です。こちらも量的緩和をリーマン・ショックの後にやりました。だけど、この国、賢いのは、こんな中央銀行が国債をたくさん買う、いずれ正常化する段階で損失が出るのは当然だろうということが最初から分かっている、だからBOEのオンバランスではやらない、別勘定でやる。そして、もっとすごいのは、必ず損失が出るから、それは財務省が補償すると言いました。はっきり財務大臣と中央銀行総裁とのやり取りのレターで明らかにしています。
そして、もっとすごいのは、量的緩和をやって、国債をたくさん買って持っている、最初持っている間は中央銀行もうかるんですね。そのもうかった利益をイングランド銀行は財務省に、国庫に納付します。納付すると、それをイギリスの財務省は景気対策とかに使わないんです。それはあくまで国債発行残高の減額に充てると。要するに、いずれ正常化する段階で損失補填をしなきゃいけなくなったときに、増税ということはなかなか言いにくいですよね。ですから、そうやって温存しておいた国債の発行余力を使って対応しようということをしています。
二十一ページのところ、中央銀行が赤字に転落するのをどう考えるか。
日本の当局者の中には、一部の方にはいろんなことを言っていらっしゃる方がいますね。民間銀行と違うから全然平気だと言っていらっしゃる方もいます。だけど、そういう方は海外の当局にはいません。これ、イングランド銀行とかイギリスの財務省、どう言っているかというと、財務省がAPFに対して、これは量的緩和をやる勘定に対して損が出れば損失補償を必ず行わざるを得ない。
次の二十二ページ、二十三ページ、御覧ください。
キング総裁もはっきり言っています。やっぱりきちんと政府に、いずれ損が出ることによって損失補償をしてもらえないと金融政策はきちんと行えない、現在のカーニー総裁もそういうふうに言っています。
この量的緩和の損失、どれぐらい大きいかと、黒田総裁は、金融状況は、金融情勢によっていろいろ決め切れないので数字は言えないというふうにおっしゃいますけど、イングランド銀行は、二十四ページにあるところのように、きちんと国民がこのシナリオを選んで、きちんと損失を把握できるような、そういうシートも提供しています。民主主義下の中央銀行、本当はこういうふうにあるべきなんじゃないかなというふうに思います。
じゃ、最後まとめます。
安定継続のための課題なんですが、二十六ページ以降です。二%の物価の達成の見通しがなかなか立たないですよね。そうなるのかどうかも分からない。だけども、よその国を見ると、二十九ページにありますように、FEDだって二%になるまで待っているわけでは決してないんです。やっぱり抱えるリスクが大きいんです。
ですから、最後のところ、三十ページですけれども、私が思いますのは、やっぱりこの国の経済財政運営、安定的に継続させていくためには、やっぱり日銀による事実上の財政ファイナンス、非常に大きなリスクをこの国にとってもたらすものです。やはりこれをできるだけ収束の方向に向かってやっていかなきゃいけないんじゃないか。そして、財政再建に、毎年度のフローベース、ストックベースの両面できちんと取り組んでいくことが必要なんじゃないのかなというふうに思います。
財政再建の目標って、二〇二五年プライマリーバランス黒字化でいいんですか。何か、この国全体として、過去に借りた借金はもうそのままでいいと、一回借りたらもういい、そんなことないんじゃないですか。日銀が崩れたら、もう一気に来ますよ、危機が来ますよ。それじゃまずい。やっぱり財政収支を目標にすべきなんじゃないか。そして、先ほどもちょっと申し上げた六十年ルール、償還ルールというのはきちんと見直すべき、特に特例公債見直す方向で考えていくべきなんじゃないかと思います。
最後に、三十一ページ、日本の経常収支のグラフを御覧ください。
経常収支、黒字のうちは大丈夫というふうによく言われますけれども、これ内訳別に御覧になると、貿易収支、かつてこれが稼ぎ頭でしたね。今もう本当に風前のともしびなんです。第一次所得収支が本当に大きいですよね。
これ、何ですか。企業みんな結構何かもう冷静なんですよね。こんな政策運営していてこの国続くかという話を、実際に私が伺うこともあります。海外にどんどん移転しちゃっているんです。今はまだ本社が日本にあるから、収益を日本に持ってくるから第一次所得収支が膨らむ。個人の方で海外の金融資産に投資している方もいらっしゃるでしょうね。そういう結果がこう出ています。これって、いざ危ないとなれば、本当にこれ資金流出が起こる予備軍じゃないかなというふうに思っています。やっぱりそれぐらい危ない上にこの国の経済財政運営やっているということがあるんじゃないかなというふうに思いますので、何としても、子供たちのためにも安定的な経済運営、財政運営ができるような、そういった議論をお願いしたいというふうに思います。
済みません、オーバーしてしまって申し訳ございません。以上でございます。
この発言だけを見る →私の方からは、我が国の経済財政運営の課題ということで、今年、消費税率の引上げ、予定されておりますけれども、この国の厳しい財政事情に鑑みて、どの程度の財政再建が本当は必要なのか、そして今、財政運営に非常に深く事実上関わっております日銀が抱える深刻な問題についてお話ししたいというふうに思います。資料、いろいろグラフを御用意しておりますので、資料を併せて御覧ください。
まず、二ページのところを御覧ください。
これまでの財政運営を御覧になりますと、これ、我が国の財政と経済の推移をお示ししたものでございますけれども、後ろにあります赤い棒グラフが国の公債残高、そして水色の棒グラフが名目GDP。御覧いただきますと、二〇〇五年のところで逆転している状態であります。一国、国全体として国民全部で稼ぎ出されるGDPを超えるような形で公債の残高が上がってきていると。
足下、この税収、それから一般会計の歳出等を折れ線でお示ししていますけれど、税収がアベノミクスになって上がってきたこと、非常に良かったと思います。もちろん、前回の消費税率引上げ、これも大変大きく効いているというふうに思います。ただ、それででき上がった姿を見るとどうなのか。まだ新規国債の発行額というのが三十兆円ぐらいある。
次の三ページのところを御覧ください。
今、国会でかかっている来年度の予算、政府案で見て、ざっと大きく数字を取ったものがこちらの数字なんですけれども、歳入の方を御覧いただくと、公債金三十二・七兆円、これ新発国債ですね。右側の歳出のところで、債務償還費、これ既に出した国債を返している分十四・七兆円。これ差し引きますと、まだ十八兆円近い新たな負担のツケ回し、後の世代への新たな負担のツケ回しですよ。過去にツケ回した分というのもたくさんあるんですよ。それに更に上乗せする形でやってしまっているということだというふうに思います。何でこんな財政運営が続いているのか。もう要するに利払い費が少なくて済んでいるからですね。
次の四ページのところを御覧ください。
消費税率の引上げ、予定されております。どの程度財政運営が改善するのか。これは、二〇一二年の三党合意の段階では、この八%から一〇%に上げるときに、大ざっぱな数字で申し上げると五兆円ぐらい増収になるだろうと、そのうち四兆円は後の世代への先送りを少しでも減らそう、そういう話になっていました。ところが、これ使途変更になっちゃいましたよね。後の世代への先送りの軽減幅、大体でいうと半分ぐらいになってしまっていると思います。じゃ、残りの二兆円分どこから出してくるか、そういう議論あったんでしょうか。そういう議論、是非していただきたいと思います。
加えて、いろいろ景気対策、増税対策されるということが出ていますけれども、もちろんいろんな経済状態の方がいらっしゃるので配慮は必要だと思います。だけれども、今講じられている増税対策って一体誰が得するんですか。ポイント云々。何か青天井でお金が掛かるんじゃないかなんという話が出ていたりもしますし、やっぱり本当に真に必要な方のためだけの増税対策になっているのか。もうこんなことになっちゃったら、一体何のための消費増税なのかしらということを思います。
次の五ページを御覧ください。
何でこれまでうまく財政運営回ってきたのか。これ、財務省が出している数字を基に、利払い費、折れ線です、後ろに公債残高出ておりますが、御覧いただきますと、足下の利払い費、十兆円も行かないんですよね。これ御覧になると、一九九〇年頃、あの頃よりも利払い費少ないですよね、借金の残高ずっと上がっているのに。これ、なぜかと。もちろん金利の影響なんですよね。
次の六ページのところを御覧ください。
これ、日銀の金融政策運営ももちろん関係しております。金利は別に金融政策だけで決まるものでもないんですけれども、やはり日本経済、バブル崩壊があって、不良債権の問題があって、ゼロ金利やり、量的緩和をやり、その後もまたリーマン・ショックがあり、震災があり、いろいろ包括緩和をやって、そして黒田総裁になられて異次元緩和をやっていらっしゃる。もうべたっと張り付いている状態だと思います。
次の七ページ、御覧ください。
そうやって、日銀が、ある意味無理やりというか力ずくで今金利を抑え込んでいるんですけれども、国債の保有、誰が持っているのかというのを御覧いただいたグラフが七ページです。中央銀行がぐぐぐぐぐぐっと上がってきていること、御覧いただけるというふうに思います。
次の八ページ、御覧ください。
今、日銀が買い入れている国債のシェア、一番直近で分かる数字が一月末でございます。実に四八・一%です。もうちょっとで五割に手が届きそうなところ。年限別に御覧になると、もう本当に背筋が寒くなりますね、五年債なんてもう七割超えていますよ。十年債はもうとっくに五割超えているんです。こういう状況です。
これは、この後御説明いたしますけれども、日銀はあくまで二%の物価の目標達成を目指して金融政策やっているんだから財政と別じゃないかというふうにもしかしたらお考えの方がいらっしゃるかもしれません。私はそうではないと思います。こういうような無理やり、無理やりのその金融政策運営、金利を押し付け、国債を本当に買い占め、そういうことによって、今、日銀に非常に大きなリスクが蓄積されています。今後の経済政策運営に大きな影響が出る。私たち国民一人一人の生活と人生に大きな影響が出かねないと私は真剣に心配しております。
順に御説明してまいります。
九ページを御覧ください。
何でこの国の借金がこんなに積み上がってしまったのかですね。これは、財務省の理財局が出している債務管理リポートの方から取ったグラフです。
どちらが増えたか。まあ建設国債よりも赤字国債の方だろうなというふうに先生方は御覧になるんじゃないですか。もちろんそのとおりで、この棒グラフですね、一番下の水色の折れ線が建設国債ですね、四条債です。その上、赤いのがありますね、これが特例債です。もちろん建設国債より特例債が多い。だけど、それよりもっと多いのがこのオレンジです、借換債です。
この国って、まあ国債、いろんな年限で出すんですけれど、十年債を十年物で出して十年たった、全額返しますかといったら、返さないんです。それが実はこんなに借金が増えてしまう原因になっています。
次の十ページのところを御覧ください。
もう先生方はよく御案内だと思いますけれども、この国の償還は、財政法に規定があって、六十年償還ルールということでやっています。これ財務省の絵を持ってまいりました。ですから、例えばこの国債ですね、建設国債も、今特例国債も一緒になっていますが、例えばこの六百、金額で六百を出したとすると、十年後に返すのは百だけ、五百は借換え、で、また十年たったら返すのは百だけ、また借換え。要するに、きれいに返し切るまで六十年掛かる。
もうこれ、私もいろいろ調べていますので、いろんな各国の国債管理当局に問合せをするんですね。ちゃんと答えが来ますよ、ちゃんと来ます。こういう六十年償還ルールをやっている国ありません。主要国でありません。どの国も借換債は出しますよ、出さないわけじゃないんです。だけど、やっぱりそんなものをどんどんどんどん出していたら本当に借金が積み上がっちゃうから、借換債はもう本当に必要最小限に収めようということでやっているという答えが返ってきます。
じゃ、国債をこの国どうやって返しているのか。
十一ページ、御覧ください。
これも先生方よく御案内だと思いますけれども、国債の償還原資の捻出方法は三つございます。定率繰入れ、国債の残高に応じて、六十年償還ルールに基づく、ですから六十年で返すということは一・六%なんですけど、一般会計で要するに償還の原資を出す。もう一つは剰余金繰入れ、例の決算をやったときに剰余金が出る年と出ない年がありますけれども、それの半分は基本的に債務償還に入れましょうねという話になっている。そして、三番として、それ以外の予算繰入れというのがあるということです。
次の十二ページ、御覧ください。
剰余金繰入れ、まあこれ結構いろんな事情があって、これ、剰余金繰入れ、剰余金が出た額がこの棒グラフでお示ししておりまして、紺色で塗り分けているところが公債の償還、借金の返済に充てたもの、赤いところが一般財源に充てて使っちゃったものということなんですね。これで見ると、剰余金が元々ない年もありますけれど、まあ一応規定どおりにはやってきている。ただ、この純剰余金をいかに繰り入れるとしても、本当に剰余金出たとしても多くて二兆円ぐらいですよね。一七年度だってやっぱり一兆円をちょっと切るぐらいだというふうに思います。
それをじゃ半分だけ繰入れ、半分じゃなくて全額繰り入れたこともあるんですよね、小泉政権時代とかあるんですけど、それやったとしたって、過去二十年全部遡って私足し算したことありますけど、二十三兆円としかならないんですよ。だから、剰余金繰入れをどんだけ真面目にやったって全然、これだけ、本当に千兆の借金抱えている国、焼け石に水なんですよね。
次の十三ページ、御覧ください。
借換債が多過ぎると申しました。これがどういう意味を持つのか、よその国と比較したのがこちらの絵であります。
今IMFも非常に、ヨーロッパの債務危機とかを経てこういうところ、非常に気にしております。この表の中にありますグロス所要資金調達額というのが、その国が財政運営を続けるために毎年一体幾らの国債を調達しなきゃいけないのかというのを名目GDP比で示したものです。
満期負債というのが、要するに借換債です。財政収支赤字幅というのが、まあ大ざっぱに言えば新発国債というふうにお考えください。これ御覧いただくと、日本ですね、満期負債がよその国と比べて異様に多いじゃないですか。GDP比四割の金額の国債を調達している国なんてないんですよね。これを、まあ四〇%って、見てもぴんとなかなかこられないかもしれないので、実額で御覧いただいたのが次の十四ページです。
今年の予算、政府案での理財局が示している国債発行予定額、これ御覧いただくと、国債って新発国債だけじゃないんです。借換債がたくさんあるんです。両方合わせて、理財局、毎年百五十兆円も国債を調達している。これが円滑に調達できなかったらデフォルトですよ。大変なことになりますよ、資金ショートになったら。そういうことです。
というのは、要するに、この国はこれだけ毎年自転車操業で国債出して財政運営を回しているということは、ちょっとでも金利が動いたりとかして国債がはけなくなれば、財政運営たちまち大変なことになるということだと思います。
じゃ次、中央銀行の問題に行きたいというふうに思います。
十五ページのところを御覧ください。
これは、主要な中央銀行の資産規模の名目GDP比のグラフです。よく新聞等でも先生方御覧になられると思います。日銀、断トツですよね。GDP比一〇〇%に行っちゃった。ほかの国というのは、まあ確かにリーマン・ショックの後、増やしたけれども、せいぜい二割とか三割ぐらい。ECBも一番ピークで四割まで持っていって、もうやめましたよね。止めているんです。なぜか。
次の十六ページのところを御覧ください。
これですね、よその国がなぜしないかということと裏腹なんですけれども、これだけのバランスシートを抱えてしまうと、中央銀行としての金融政策運営、財務運営に非常に大きな問題が出るということです。
次の十七ページのところに、日銀のバランスシートの変化を大まかに描いた図をお付けいたしました。
御覧いただきますと、かつてに比べて、二〇〇〇年代の量的緩和の時期なんかに比べて、ちょっとこれグラフの比例での大きくしている度合いが少なくて、本当はもっと長くなるはずなんですけど、こんなに大きくなっています。こんなにたくさん当座預金が増えている。これ、もう要するに、多額の国債を買い入れる見返りで供給した過剰流動性なんです。今は余りお金の使い道ないから、銀行みんな日銀に預けています。だけど、これはいつ何どき出ていってもおかしくない。
今アメリカが正常化でやっているように、金利を、市場金利が上がってきたら、徐々に中央銀行もこの当座預金に付ける金利を上げていかなければ、このお金どんどん出ていくことになったら、もしかしたら、海外に出ていけば為替、円安で大変なことになるかもしれません。インフレになっちゃうかもしれない、そういうこともあるというふうに思います。
ですので、やっぱりこれだけ大きくなったということは、日銀がこの当座預金に付利しなきゃいけない、なのに日銀が持っている国債って、異様に付いている金利低いんですよね。加重平均で一%もないんですね。本当にもう〇・五%もないんです。ということは、短期金利を〇・五%に上げるだけで日銀は逆ざや、しかもこれだけバランスシートが大きいですから、一%逆ざやになるだけで毎年四兆円が飛んでいくという恐ろしい状況にあります。
ここでは大きく図で描いていませんけれども、ETFも買っていますね。衆議院の方でも質問が出たようですけれども、結構日銀、最近、高値つかみしていますので、株式市場だってやっぱりずっと一本調子で上がっていくというのはなかなか考えにくい。じゃ、そのときどうか。黒田総裁、TOPIXで一三五〇ぐらいで損益分岐点なんということをおっしゃった。
ですから、こういうことを考えると、非常に恐ろしいリスクの固まり、金融政策が制御不能にならないか非常に心配だと思います。
じゃ、よその国の中央銀行がどうやっているのか。
十八ページのところを御覧ください。
よその国の中央銀行、まずアメリカですけど、どの国でもいずれ正常化させることが大前提です。FEDの場合は、バーナンキ元議長がFEDのボスは議会だということをはっきり言っています。ボスは国民なんです。だから丁寧に説明する、量的緩和をやった、FEDだって金融情勢によったら危なかったんですよ。
ここにお示ししているのは、二〇一三年の時点で、もしかしたら納付金がゼロになっちゃうかもしれない。同じような、さっき御説明したのと同じ理由で財務が悪化するかもしれない、こういうのをきちんと正直に示して、そうならないように早めに手じまう、正常化をできるうちにできるだけ進めるというふうにやってきたので、実際には十九ページのような形で赤字にはならないで済みそうです。
次の二十ページのところを御覧ください。
イングランド銀行です。こちらも量的緩和をリーマン・ショックの後にやりました。だけど、この国、賢いのは、こんな中央銀行が国債をたくさん買う、いずれ正常化する段階で損失が出るのは当然だろうということが最初から分かっている、だからBOEのオンバランスではやらない、別勘定でやる。そして、もっとすごいのは、必ず損失が出るから、それは財務省が補償すると言いました。はっきり財務大臣と中央銀行総裁とのやり取りのレターで明らかにしています。
そして、もっとすごいのは、量的緩和をやって、国債をたくさん買って持っている、最初持っている間は中央銀行もうかるんですね。そのもうかった利益をイングランド銀行は財務省に、国庫に納付します。納付すると、それをイギリスの財務省は景気対策とかに使わないんです。それはあくまで国債発行残高の減額に充てると。要するに、いずれ正常化する段階で損失補填をしなきゃいけなくなったときに、増税ということはなかなか言いにくいですよね。ですから、そうやって温存しておいた国債の発行余力を使って対応しようということをしています。
二十一ページのところ、中央銀行が赤字に転落するのをどう考えるか。
日本の当局者の中には、一部の方にはいろんなことを言っていらっしゃる方がいますね。民間銀行と違うから全然平気だと言っていらっしゃる方もいます。だけど、そういう方は海外の当局にはいません。これ、イングランド銀行とかイギリスの財務省、どう言っているかというと、財務省がAPFに対して、これは量的緩和をやる勘定に対して損が出れば損失補償を必ず行わざるを得ない。
次の二十二ページ、二十三ページ、御覧ください。
キング総裁もはっきり言っています。やっぱりきちんと政府に、いずれ損が出ることによって損失補償をしてもらえないと金融政策はきちんと行えない、現在のカーニー総裁もそういうふうに言っています。
この量的緩和の損失、どれぐらい大きいかと、黒田総裁は、金融状況は、金融情勢によっていろいろ決め切れないので数字は言えないというふうにおっしゃいますけど、イングランド銀行は、二十四ページにあるところのように、きちんと国民がこのシナリオを選んで、きちんと損失を把握できるような、そういうシートも提供しています。民主主義下の中央銀行、本当はこういうふうにあるべきなんじゃないかなというふうに思います。
じゃ、最後まとめます。
安定継続のための課題なんですが、二十六ページ以降です。二%の物価の達成の見通しがなかなか立たないですよね。そうなるのかどうかも分からない。だけども、よその国を見ると、二十九ページにありますように、FEDだって二%になるまで待っているわけでは決してないんです。やっぱり抱えるリスクが大きいんです。
ですから、最後のところ、三十ページですけれども、私が思いますのは、やっぱりこの国の経済財政運営、安定的に継続させていくためには、やっぱり日銀による事実上の財政ファイナンス、非常に大きなリスクをこの国にとってもたらすものです。やはりこれをできるだけ収束の方向に向かってやっていかなきゃいけないんじゃないか。そして、財政再建に、毎年度のフローベース、ストックベースの両面できちんと取り組んでいくことが必要なんじゃないのかなというふうに思います。
財政再建の目標って、二〇二五年プライマリーバランス黒字化でいいんですか。何か、この国全体として、過去に借りた借金はもうそのままでいいと、一回借りたらもういい、そんなことないんじゃないですか。日銀が崩れたら、もう一気に来ますよ、危機が来ますよ。それじゃまずい。やっぱり財政収支を目標にすべきなんじゃないか。そして、先ほどもちょっと申し上げた六十年ルール、償還ルールというのはきちんと見直すべき、特に特例公債見直す方向で考えていくべきなんじゃないかと思います。
最後に、三十一ページ、日本の経常収支のグラフを御覧ください。
経常収支、黒字のうちは大丈夫というふうによく言われますけれども、これ内訳別に御覧になると、貿易収支、かつてこれが稼ぎ頭でしたね。今もう本当に風前のともしびなんです。第一次所得収支が本当に大きいですよね。
これ、何ですか。企業みんな結構何かもう冷静なんですよね。こんな政策運営していてこの国続くかという話を、実際に私が伺うこともあります。海外にどんどん移転しちゃっているんです。今はまだ本社が日本にあるから、収益を日本に持ってくるから第一次所得収支が膨らむ。個人の方で海外の金融資産に投資している方もいらっしゃるでしょうね。そういう結果がこう出ています。これって、いざ危ないとなれば、本当にこれ資金流出が起こる予備軍じゃないかなというふうに思っています。やっぱりそれぐらい危ない上にこの国の経済財政運営やっているということがあるんじゃないかなというふうに思いますので、何としても、子供たちのためにも安定的な経済運営、財政運営ができるような、そういった議論をお願いしたいというふうに思います。
済みません、オーバーしてしまって申し訳ございません。以上でございます。
金
金子原二郎#5
○委員長(金子原二郎君) ありがとうございました。
以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。
それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
二
二之湯武史#6
○二之湯武史君 自民党の二之湯武史と申します。
今日は、お二人の公述人、大変お忙しい中、貴重な公述をいただきまして、どうもありがとうございます。
まず、川口先生にお伺いいたしたいと思いますが、今の実質賃金の統計の問題、いろんな論点があろうかというふうに思いますけれども、今日は先生は、そうしたそもそものその統計、実質賃金の統計を出すことに非常にいろんな構造的な課題、問題があるということで、本当に、何といいますか、フラットな数字を取るのは非常に難しいんだというようなお話でございましたけれども。
特に、ポイントにございますように、四つございますよね。要は、事業所も個人も、二年続いているということは、その事業がうまくいっている、継続しているということだから、どうしても数字が高く出がちだとか、個人においてもそういうことがあるということなんですが、そもそも、国の経済政策における、要は賃金というもののデータの重要性といいますか、そういうものについてまず改めてお話をお聞きしたいと思いますけれども。
この発言だけを見る →今日は、お二人の公述人、大変お忙しい中、貴重な公述をいただきまして、どうもありがとうございます。
まず、川口先生にお伺いいたしたいと思いますが、今の実質賃金の統計の問題、いろんな論点があろうかというふうに思いますけれども、今日は先生は、そうしたそもそものその統計、実質賃金の統計を出すことに非常にいろんな構造的な課題、問題があるということで、本当に、何といいますか、フラットな数字を取るのは非常に難しいんだというようなお話でございましたけれども。
特に、ポイントにございますように、四つございますよね。要は、事業所も個人も、二年続いているということは、その事業がうまくいっている、継続しているということだから、どうしても数字が高く出がちだとか、個人においてもそういうことがあるということなんですが、そもそも、国の経済政策における、要は賃金というもののデータの重要性といいますか、そういうものについてまず改めてお話をお聞きしたいと思いますけれども。
川
川口大司#7
○公述人(川口大司君) 御質問ありがとうございます。
賃金の統計の重要性ですけれども、金融政策、財政政策考えるに当たって、金融面と実物面と両方見ていく必要があると思うんですけれども、賃金統計というのはその実物面を把握していく上で重要な指標の一つだというふうに考えております。
この発言だけを見る →賃金の統計の重要性ですけれども、金融政策、財政政策考えるに当たって、金融面と実物面と両方見ていく必要があると思うんですけれども、賃金統計というのはその実物面を把握していく上で重要な指標の一つだというふうに考えております。
二
二之湯武史#8
○二之湯武史君 その上で、そうした賃金のデータをしっかりと得ていく上で、現在の、今回の例えば統計も全数から抽出へと、ローテーションサンプリングへということなんですけれども、ここについて改めて、そのデータに対する公平性といいますか、そういうことについての課題、問題というのはどのようにお考えなんでしょうか。
この発言だけを見る →川
川口大司#9
○公述人(川口大司君) その全数調査というのは、やはりコストも掛かりますし、どうしても抽出調査にせざるを得ないということだと思います。
それで、これは全数であろうと抽出であろうと両方で発生する問題なんですけれども、一〇〇%の方に協力していただけないという回収率の問題がございまして、なかなか全体的な姿がどういうふうになっているのかということを知る部分が難しいという、そういった部分というのはあると思います。
ですので、これ、抽出にしたから駄目だという話ではなくて、抽出にしても皆さんが同じように回収に協力してくださるようであれば正しい数字は捉えられると思うんですけれども、そこの部分についてまだ改善の余地があるのかなというふうには思います。
この発言だけを見る →それで、これは全数であろうと抽出であろうと両方で発生する問題なんですけれども、一〇〇%の方に協力していただけないという回収率の問題がございまして、なかなか全体的な姿がどういうふうになっているのかということを知る部分が難しいという、そういった部分というのはあると思います。
ですので、これ、抽出にしたから駄目だという話ではなくて、抽出にしても皆さんが同じように回収に協力してくださるようであれば正しい数字は捉えられると思うんですけれども、そこの部分についてまだ改善の余地があるのかなというふうには思います。
二
川
二
二之湯武史#12
○二之湯武史君 例えば、データの取り方が、今のように紙ベースであったりとか人が人を訪ねてというようなアンケートでありますとか、そういうような方法論においては改善の余地というのはないんですかね、この現代において。
この発言だけを見る →川
川口大司#13
○公述人(川口大司君) 全くおっしゃるとおりで、今、ある程度以上の規模の事業所というのは賃金や労働時間を全て電子的に管理していると、一部ではクラウドで管理しているような企業もあるというふうに聞いています。
それを、今、例えば賃金構造基本統計調査というのは、その賃金台帳から労働者を抜き出して回答してもらうという形になっているんですけれども、これは紙ベースで提出していただくことになっているんですね。恐らく、これを厚生労働省ではもう一度電子化しているということになってしまっていますので、電子的な回収、これが必要だと思います。
それで、回収率が下がってきてしまう一つの理由は、やっぱり回答者の負担という問題があって、企業にはたくさんの調査がやってきて、それに答えるのが負担になってしまっていると、どうしても回収率が落ちていってしまうと。その回答者の負担を減らすという意味でも電子化というのを加速していくということが必要だというふうに考えております。
この発言だけを見る →それを、今、例えば賃金構造基本統計調査というのは、その賃金台帳から労働者を抜き出して回答してもらうという形になっているんですけれども、これは紙ベースで提出していただくことになっているんですね。恐らく、これを厚生労働省ではもう一度電子化しているということになってしまっていますので、電子的な回収、これが必要だと思います。
それで、回収率が下がってきてしまう一つの理由は、やっぱり回答者の負担という問題があって、企業にはたくさんの調査がやってきて、それに答えるのが負担になってしまっていると、どうしても回収率が落ちていってしまうと。その回答者の負担を減らすという意味でも電子化というのを加速していくということが必要だというふうに考えております。
二
二之湯武史#14
○二之湯武史君 今おっしゃるように、もう、何といいますか、市民感覚でいえば普通の感覚だと思うんですけどね。なかなかそういうところが進まずに、こうした今回のような問題も発生する余地も出てきますし、やっぱりそういう調査方法、本当にこの現代のライフスタイルに合わせたものにすることによって、相当程度バイアスも、また生データに近づきますし、そうした余地も残らないのかなというふうに今お聞きして思っておりました。どうもありがとうございます。
河村先生にもお伺いをしたいと思います。
今日の資料でしていただいたプレゼン、非常に市民権のある、社会的認知のあるプレゼンといいますか、こうしたことも大変よく私も理解できるわけでありまして、特に政府債務残高が日銀に相当よっているということと、あとその額が国のGDPの一〇〇%を超えていると、そうした規模の問題も言うふうにあると思うんですけれども、最終的に、三十ページで、まあ言わば堅実にフローベース、ストックベース両面で財政再建に取り組んでいく必要があると、これはまさにそのとおりだと思いますし、プライマリーバランスの黒字化も二〇年から二五年と、五年後ろにはずれましたが、そうした目標を今政府が掲げて財政再建を取り組んでいるわけですけれども、一方で、経済成長なくして財政再建なしということで、今の政権もその方針を掲げてやっております。
そうした財政再建に対して、対してといいますか、財政再建をするためには当然、今でいえば緊縮財政というのをしかないと駄目になります。そうした際の経済に対するこの影響、これもよくある議論ではありますけれども、まずその辺について、河村公述人の御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →河村先生にもお伺いをしたいと思います。
今日の資料でしていただいたプレゼン、非常に市民権のある、社会的認知のあるプレゼンといいますか、こうしたことも大変よく私も理解できるわけでありまして、特に政府債務残高が日銀に相当よっているということと、あとその額が国のGDPの一〇〇%を超えていると、そうした規模の問題も言うふうにあると思うんですけれども、最終的に、三十ページで、まあ言わば堅実にフローベース、ストックベース両面で財政再建に取り組んでいく必要があると、これはまさにそのとおりだと思いますし、プライマリーバランスの黒字化も二〇年から二五年と、五年後ろにはずれましたが、そうした目標を今政府が掲げて財政再建を取り組んでいるわけですけれども、一方で、経済成長なくして財政再建なしということで、今の政権もその方針を掲げてやっております。
そうした財政再建に対して、対してといいますか、財政再建をするためには当然、今でいえば緊縮財政というのをしかないと駄目になります。そうした際の経済に対するこの影響、これもよくある議論ではありますけれども、まずその辺について、河村公述人の御意見をお伺いしたいと思います。
河
河村小百合#15
○公述人(河村小百合君) ありがとうございます。
経済成長、もちろん大事でありまして、とにかく潜在成長率を上げることが大事なんじゃないかなというふうに思っています。
私は、これは、個人的には、日銀がたくさん国債を買って上がるものでは決してないと思います。取り組むべき課題はかなり多い。ですので、私自身もいろんな仕事をさせていただいておりますけれども、例えば大学改革、高等教育が本当に国民一人一人の力を引き出すものになっているのかどうかということ、それからあと政策金融の改革なんかもありますね。昔から言われていることがありますけれども、金融のいい機能、いろんな産業を、資源を再配分しながら成長させていく機能というのが効いていないんじゃないかといったところ、そういったところをきちんと取り組んで、やはりきちんと潜在成長率を上げていくということが大事なんじゃないのかなというふうに思います。
この発言だけを見る →経済成長、もちろん大事でありまして、とにかく潜在成長率を上げることが大事なんじゃないかなというふうに思っています。
私は、これは、個人的には、日銀がたくさん国債を買って上がるものでは決してないと思います。取り組むべき課題はかなり多い。ですので、私自身もいろんな仕事をさせていただいておりますけれども、例えば大学改革、高等教育が本当に国民一人一人の力を引き出すものになっているのかどうかということ、それからあと政策金融の改革なんかもありますね。昔から言われていることがありますけれども、金融のいい機能、いろんな産業を、資源を再配分しながら成長させていく機能というのが効いていないんじゃないかといったところ、そういったところをきちんと取り組んで、やはりきちんと潜在成長率を上げていくということが大事なんじゃないのかなというふうに思います。
二
二之湯武史#16
○二之湯武史君 三十一ページに、先ほど、我が国の経常収支の構造が大分変化をしていると、つまり貿易収支で稼げなくなって、所得収支という形で海外に対する投資から国が稼いでいるという、そういう構図になっていると。
全く私、同じ問題意識を持っていまして、ですので、やはり日本の稼ぐ力というか、要はこれから日本の飯の種が何なのかというところに関して、やはり中長期的な、もう一度その成長戦略をしき直すべきだと思っていまして、特に今のような、大学に関しても全く同じ問題意識なんですけれども、要は、これまでの大学教育というのは、非常にペーパーテストに偏った、つまり社会に出てイノベーションを起こしたり、起業をしたり、要は新しい価値を生むというところよりは、まあ日本独特のペーパーテストにかなりの比重を置いた偏差値エリートを輩出し、そこがある種ゴールのようなものになってしまって、稼ぐ力が非常に弱くなっているというようなことも思います。
もう一度お伺いをしたいんですけれども、もう一つ、財政再建に取り組んでいくには、要は、簡単に言えば政府の入りを増やす、若しくはその出を量るということに尽きるんだと思うんですけれども、日本の国民というのはやはり税に対して非常に敏感だというふうに思うんですね。消費税についても、一%、二%の増税が非常に消費に影響を与えるという、まずそういうふうな議論の場がもう用意されていますので、そうした痛税感といいますか、というものは諸外国の国民に比べて非常に敏感だというふうに思うんですけど、その辺についてはどうですか。
この発言だけを見る →全く私、同じ問題意識を持っていまして、ですので、やはり日本の稼ぐ力というか、要はこれから日本の飯の種が何なのかというところに関して、やはり中長期的な、もう一度その成長戦略をしき直すべきだと思っていまして、特に今のような、大学に関しても全く同じ問題意識なんですけれども、要は、これまでの大学教育というのは、非常にペーパーテストに偏った、つまり社会に出てイノベーションを起こしたり、起業をしたり、要は新しい価値を生むというところよりは、まあ日本独特のペーパーテストにかなりの比重を置いた偏差値エリートを輩出し、そこがある種ゴールのようなものになってしまって、稼ぐ力が非常に弱くなっているというようなことも思います。
もう一度お伺いをしたいんですけれども、もう一つ、財政再建に取り組んでいくには、要は、簡単に言えば政府の入りを増やす、若しくはその出を量るということに尽きるんだと思うんですけれども、日本の国民というのはやはり税に対して非常に敏感だというふうに思うんですね。消費税についても、一%、二%の増税が非常に消費に影響を与えるという、まずそういうふうな議論の場がもう用意されていますので、そうした痛税感といいますか、というものは諸外国の国民に比べて非常に敏感だというふうに思うんですけど、その辺についてはどうですか。
河
河村小百合#17
○公述人(河村小百合君) 先生おっしゃるとおりだと思います。
税に対するすごくネガティブなイメージがこの国の国民、強過ぎるんじゃないのかなというふうに思いますね。でも、自分は給付を受けたい、税金を納めたくない。じゃ、社会を支えるのは一体誰なんですか。
じゃ、誰がどれぐらいずつ負担するのが公平かということをいろいろ議論していくのが、それこそまさにそれが政治のお仕事なんじゃないかなというふうに思うんですけれども。もちろん、お金持ちの方にはそれなりに負担していただき、経済的に少し弱い方でもやっぱり少しは、ちゃんといろいろそれに応じたぐらいは負担しましょうねということで、どういうふうにやっていくのが公平かということをやはりもっときちんと議論をしていただきたい、そこができていないんじゃないか。
社会の構成とかも大分いろいろ変わってきているんじゃないかと思いますね。それに応じたような税制というのがきちんとできて、つくれているのかどうかといったところもやはりちょっと問題があるんじゃないのか。そこの議論をしないがために、面倒くさいから、もういいや、もう今年は、またいいや、これは国債出しておしまいにしようということの繰り返しをやってきたのがこの姿なんじゃないのかなというふうに思います。
ですから、やはりそういった議論を是非ともお願いしたいということと、あともう一つは、是非言っていただきたいのは、シチズンシップですね。国民というと何となく政府に対する国民みたいな感じでちょっと嫌だなという感じがするんですけど、市民という言い方がいいんじゃないかなと私は思います。
社会を一体誰が支えるのか。税を納められるというのは仕事もあって幸せなことですよね。社会を、自分のもらっているお給料に見合っている分だけですけれども支えられるというのは誇らしいことでもある、そういう議論というのをもっと国全体でやっていくようにすべきなんじゃないかなというふうに思います。
この発言だけを見る →税に対するすごくネガティブなイメージがこの国の国民、強過ぎるんじゃないのかなというふうに思いますね。でも、自分は給付を受けたい、税金を納めたくない。じゃ、社会を支えるのは一体誰なんですか。
じゃ、誰がどれぐらいずつ負担するのが公平かということをいろいろ議論していくのが、それこそまさにそれが政治のお仕事なんじゃないかなというふうに思うんですけれども。もちろん、お金持ちの方にはそれなりに負担していただき、経済的に少し弱い方でもやっぱり少しは、ちゃんといろいろそれに応じたぐらいは負担しましょうねということで、どういうふうにやっていくのが公平かということをやはりもっときちんと議論をしていただきたい、そこができていないんじゃないか。
社会の構成とかも大分いろいろ変わってきているんじゃないかと思いますね。それに応じたような税制というのがきちんとできて、つくれているのかどうかといったところもやはりちょっと問題があるんじゃないのか。そこの議論をしないがために、面倒くさいから、もういいや、もう今年は、またいいや、これは国債出しておしまいにしようということの繰り返しをやってきたのがこの姿なんじゃないのかなというふうに思います。
ですから、やはりそういった議論を是非ともお願いしたいということと、あともう一つは、是非言っていただきたいのは、シチズンシップですね。国民というと何となく政府に対する国民みたいな感じでちょっと嫌だなという感じがするんですけど、市民という言い方がいいんじゃないかなと私は思います。
社会を一体誰が支えるのか。税を納められるというのは仕事もあって幸せなことですよね。社会を、自分のもらっているお給料に見合っている分だけですけれども支えられるというのは誇らしいことでもある、そういう議論というのをもっと国全体でやっていくようにすべきなんじゃないかなというふうに思います。
二
二之湯武史#18
○二之湯武史君 私もおっしゃるとおりであって、まあ三十年ほど前から、要は、日本は単年度の、フローベースの、要は債務収入がないともう成り立たない財政構造になっていると。しかし、やはり必要な税負担を国民に対してしっかりと説明をして納得をして共感をしてもらって、その税の負担をお願いするという、そうした政治家の一番基本的な、国民を説得する、納得してもらうという機能をやや放棄をして、知らない間に債務が積み上がってしまっていると。こうなってしまうと、やはりこれから更に税負担お願いするのも大変難しいし、保険料を含めて、そうした国民負担をお願いするというのはどんどんどんどんハードルが上がっていく一方だと思うんですよね。
なので、やっぱりそうした説明責任と同時に、今おっしゃったような稼ぐ力によってやっぱり税収を増やしていくと、この両輪で財政再建を果たしていかなきゃいけない。リスクは今日おっしゃったとおりだと思いますので、そうしたことを踏まえてこれからの政治活動に取り組んでいきたいなと改めて思いました。
時間が大変短いのでこの程度で終わらせていただきますが、改めて、今日はどうもお二人の公述人、どうもありがとうございました。
終わります。
この発言だけを見る →なので、やっぱりそうした説明責任と同時に、今おっしゃったような稼ぐ力によってやっぱり税収を増やしていくと、この両輪で財政再建を果たしていかなきゃいけない。リスクは今日おっしゃったとおりだと思いますので、そうしたことを踏まえてこれからの政治活動に取り組んでいきたいなと改めて思いました。
時間が大変短いのでこの程度で終わらせていただきますが、改めて、今日はどうもお二人の公述人、どうもありがとうございました。
終わります。
杉
杉尾秀哉#19
○杉尾秀哉君 お二人の先生方には、御多忙の中お越しいただきまして、そして丁寧な御説明、大変ありがとうございます。
私から、まず河村公述人に伺いたいんですけれども、先ほどのお話の中で、現在の財政、そして金融政策、事実上の日銀による財政ファイナンス、真剣に心配していると、こういうお話がございました。それに対するイングランド銀行、そしてFRBの取組、駆け足で御説明いただいたわけですけれども、黒田総裁のこれまでの出口戦略を含めた説明について河村公述人はどういうふうに御覧になっているか、お聞かせいただけますか。
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河
河村小百合#20
○公述人(河村小百合君) 極めて不十分だというふうに思っております。
先ほども申し上げましたが、アメリカであれば、バーナンキ議長が、自分たちのボスは議会だということを言って、みんながこれだけネガティブなことがあるということが分かる前に、御自分たちの口の方から、いいことばっかりじゃないんですよ、量的緩和、後々こうやって大変なことがあるんですよということを誠実におっしゃった。
日銀は御自分からおっしゃることなかったですよね。付利でもう財務運営がかさんで逆ざやになるなんて御自分たちの口からおっしゃったことは全然ないんじゃないか、バランスシートの絵を自分たちで描いて御説明されていることはないんじゃないか、非常に問題なんじゃないかなというふうに思います。
金融機関のバランスシートがどうだ、中央銀行のバランスシートがどうだ、国民が分かんないのは当然ですよ。アメリカだってそうですよ。FEDのホームページ見ると、一般の国民なんて分からないから、それをいかに一生懸命分かってもらおうかと、いろんな資料が載っています、いろんな絵が付いた資料が載っています。私、それこそがやっぱり民主主義国家における国民に対して誠実に責任を果たす中央銀行の姿なんじゃないのかなというふうに思っています。
残念なことに、日銀の姿というのはもうそれから余りにも懸け離れた、まあ、だから、最初に説明する機会を逃されたんでしょうね。最初から説明しなきゃいけなかったのに、外から言われちゃう形になって否定もできなくなったから認めてはいらっしゃるけれども、御自分たちから説明することがなかったから、だから、こうやってずるずる続けられているんじゃないかなというふうに思います。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたが、アメリカであれば、バーナンキ議長が、自分たちのボスは議会だということを言って、みんながこれだけネガティブなことがあるということが分かる前に、御自分たちの口の方から、いいことばっかりじゃないんですよ、量的緩和、後々こうやって大変なことがあるんですよということを誠実におっしゃった。
日銀は御自分からおっしゃることなかったですよね。付利でもう財務運営がかさんで逆ざやになるなんて御自分たちの口からおっしゃったことは全然ないんじゃないか、バランスシートの絵を自分たちで描いて御説明されていることはないんじゃないか、非常に問題なんじゃないかなというふうに思います。
金融機関のバランスシートがどうだ、中央銀行のバランスシートがどうだ、国民が分かんないのは当然ですよ。アメリカだってそうですよ。FEDのホームページ見ると、一般の国民なんて分からないから、それをいかに一生懸命分かってもらおうかと、いろんな資料が載っています、いろんな絵が付いた資料が載っています。私、それこそがやっぱり民主主義国家における国民に対して誠実に責任を果たす中央銀行の姿なんじゃないのかなというふうに思っています。
残念なことに、日銀の姿というのはもうそれから余りにも懸け離れた、まあ、だから、最初に説明する機会を逃されたんでしょうね。最初から説明しなきゃいけなかったのに、外から言われちゃう形になって否定もできなくなったから認めてはいらっしゃるけれども、御自分たちから説明することがなかったから、だから、こうやってずるずる続けられているんじゃないかなというふうに思います。
杉
杉尾秀哉#21
○杉尾秀哉君 その延長線上に伺いたいんですけれども、果たして日銀に出口戦略はあるのか。
そして、これまでの説明ですと、基本的に日本の公債、国債も国内で基本的には消化されているわけだからまだまだ大丈夫と、こういう意見はいろんなところでありますけれども、それに対する御意見はいかがでしょうか。
この発言だけを見る →そして、これまでの説明ですと、基本的に日本の公債、国債も国内で基本的には消化されているわけだからまだまだ大丈夫と、こういう意見はいろんなところでありますけれども、それに対する御意見はいかがでしょうか。
河
河村小百合#22
○公述人(河村小百合君) 出口戦略があるのかどうか、それは日銀に聞いていただきたい。私は存じ上げません、知らないんですけれども。
でも、はたから見ていて思うのは、出口に行くのは、今日御説明したように、そのときに相当なやっぱり負荷が掛かりますよね。国民も相当覚悟を決めなきゃいけないところがある。そこに行くのがもしかしたら嫌でいらっしゃるのかな。このままずるずるずるずるマイナス金利も続けて、国債の買入れも何かまだ年間四十兆ぐらい買っているし、ETFも六兆ぐらい買っているし、買いっ放しでやっていけばぼろは出ないですよ。何かちょっとうがった見方かもしれませんけど、私にはそういうふうに見えてしまいます。
それは、正直言って、中央銀行として国民に対して責任ある政策運営の態度では私はないんじゃないかなというふうに思います。
あと二点目、御質問くださった国内で持っているから大丈夫じゃないかというのは、よく経常収支のISバランスの議論というのは、それこそ異次元緩和になる前は私たちエコノミスト業界でもやっていたんですね。
ただ、やっぱりこれだけ中央銀行が買い占めてしまうことになるとかなり状況が違っていて、国内で消化しているからといっても、こうやってかなり無理な量を日銀が持ってしまっているわけですので、このままじゃ危ないというのは、先ほどちょっと経常収支の内訳でもお示ししましたけど、あれもう、第一次所得収支のあの大きさ、資金流出の予備軍というふうに認識した方がいいと思います。それぐらい危険な状態じゃないかなというふうに私は思っております。
この発言だけを見る →でも、はたから見ていて思うのは、出口に行くのは、今日御説明したように、そのときに相当なやっぱり負荷が掛かりますよね。国民も相当覚悟を決めなきゃいけないところがある。そこに行くのがもしかしたら嫌でいらっしゃるのかな。このままずるずるずるずるマイナス金利も続けて、国債の買入れも何かまだ年間四十兆ぐらい買っているし、ETFも六兆ぐらい買っているし、買いっ放しでやっていけばぼろは出ないですよ。何かちょっとうがった見方かもしれませんけど、私にはそういうふうに見えてしまいます。
それは、正直言って、中央銀行として国民に対して責任ある政策運営の態度では私はないんじゃないかなというふうに思います。
あと二点目、御質問くださった国内で持っているから大丈夫じゃないかというのは、よく経常収支のISバランスの議論というのは、それこそ異次元緩和になる前は私たちエコノミスト業界でもやっていたんですね。
ただ、やっぱりこれだけ中央銀行が買い占めてしまうことになるとかなり状況が違っていて、国内で消化しているからといっても、こうやってかなり無理な量を日銀が持ってしまっているわけですので、このままじゃ危ないというのは、先ほどちょっと経常収支の内訳でもお示ししましたけど、あれもう、第一次所得収支のあの大きさ、資金流出の予備軍というふうに認識した方がいいと思います。それぐらい危険な状態じゃないかなというふうに私は思っております。
杉
杉尾秀哉#23
○杉尾秀哉君 川口公述人は先ほど賃金のお話を中心にされたんですけれども、東京大学の高名な御先生でもございますので、河村公述人が今お話しされたこと、今の日本の経済財政政策について、川口公述人がもし御意見がありましたらお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →川
川口大司#24
○公述人(川口大司君) 機会をいただきましてありがとうございます。
まず、金融政策の出口戦略なんですけれども、いつか考えなければいけない問題だと。いつ行うかという景気の判断において、やはり賃金上昇をどういうふうに捉えるかという問題は非常に大きな判断材料だと思いますので、今問題になっている実質賃金の上昇、ここのところをどういうふうに捉えるかというのはまず大事な問題なのかなというふうに思います。
それと、あともう一つ、財政再建に関してなんですけれども、やはり実質的な意味での経済成長を実現して税収を増やしていくということが本質的には重要だと考えておりまして、私の同僚で北尾早霧という者がいるんですけれども、彼女がシミュレーションをやっておりまして、日本がどういうふうにすれば財政再建できるかと、三つ条件を挙げているんですね。
一つは高齢者の就業を上げるということでございまして、もう一つは女性の就業を上げる。で、就業率を上げるだけではなくて、質的にも男性と同じような賃金が稼げるような環境を整えるということが大事だと。で、三番目に消費税率を上げるということ。この三つが同時に実現されて初めて財政再建は可能なんだというシミュレーションをしています。
ですので、そのような働き方の部分ですね、実を言うと財政再建にも大きく関わっているというふうに認識しております。
この発言だけを見る →まず、金融政策の出口戦略なんですけれども、いつか考えなければいけない問題だと。いつ行うかという景気の判断において、やはり賃金上昇をどういうふうに捉えるかという問題は非常に大きな判断材料だと思いますので、今問題になっている実質賃金の上昇、ここのところをどういうふうに捉えるかというのはまず大事な問題なのかなというふうに思います。
それと、あともう一つ、財政再建に関してなんですけれども、やはり実質的な意味での経済成長を実現して税収を増やしていくということが本質的には重要だと考えておりまして、私の同僚で北尾早霧という者がいるんですけれども、彼女がシミュレーションをやっておりまして、日本がどういうふうにすれば財政再建できるかと、三つ条件を挙げているんですね。
一つは高齢者の就業を上げるということでございまして、もう一つは女性の就業を上げる。で、就業率を上げるだけではなくて、質的にも男性と同じような賃金が稼げるような環境を整えるということが大事だと。で、三番目に消費税率を上げるということ。この三つが同時に実現されて初めて財政再建は可能なんだというシミュレーションをしています。
ですので、そのような働き方の部分ですね、実を言うと財政再建にも大きく関わっているというふうに認識しております。
杉
杉尾秀哉#25
○杉尾秀哉君 政府が一月に、戦後最長の景気拡大局面にある可能性があると、こういう発表がありました。そのすぐ後に、今度は一月の景気動向指数、景気は既に後退局面に入った可能性というのがこちらの方では示されておりますけれども、戦後最長かどうかというのは最終的に月例経済報告の判断を待たなければいけないわけですけれども、仮に最長であったとしても伸び率が非常に低いと、最長であっても最弱という言い方をするエコノミストの方もいらっしゃる。
その景気が、やっぱりどうしても上昇傾向が弱いというのは、やっぱり消費が弱いというその一点が大きいのかなというふうに思っておりまして、先ほど来賃金のお話されておりますけれども、実質賃金のいろんな論争もこの国会の中で行われましたが、事実上、やっぱり実質賃金が思うように伸びていない、可処分所得が伸びていない、消費を手控えている状況の中でこういう経済情勢がずっと続いているのかなというふうに思うんですけれども、公述人はどういうふうな御意見をお持ちか、お聞かせいただけますか。
この発言だけを見る →その景気が、やっぱりどうしても上昇傾向が弱いというのは、やっぱり消費が弱いというその一点が大きいのかなというふうに思っておりまして、先ほど来賃金のお話されておりますけれども、実質賃金のいろんな論争もこの国会の中で行われましたが、事実上、やっぱり実質賃金が思うように伸びていない、可処分所得が伸びていない、消費を手控えている状況の中でこういう経済情勢がずっと続いているのかなというふうに思うんですけれども、公述人はどういうふうな御意見をお持ちか、お聞かせいただけますか。
川
川口大司#26
○公述人(川口大司君) 賃金の伸びが低調だということが消費の伸びを抑えるということは御指摘のとおりだと思います。
それで、じゃ、賃金というのが一体何で決まっているのかというのを冷静に見てみますと、やはり労働生産性で決まっているんですね。それで、適切なデフレーターを使って比較してみますと、労働生産性とその実質賃金というのはほぼ比例している、その関係はほとんど変わっていないということが分かっています。ですので、根本的には労働生産性を上げるようなことが必要だと。
ただ、日本が置かれている状況というのは、もう経済が成熟しておりまして、どうしても経済成長率というのはGDPの水準が高くなるに従って下がってくると、これは世界的に観察されている現象でございまして、なかなか厳しい局面にあるというのは、それは短期的な経済財政運営の問題を離れて長期的な問題としてあるんだということで、そこの潜在成長率を何とか厳しい中でも上げていくというようなことが必要で、そのためには労働市場の改革というのが必要だというような話になるんだというふうに考えております。
この発言だけを見る →それで、じゃ、賃金というのが一体何で決まっているのかというのを冷静に見てみますと、やはり労働生産性で決まっているんですね。それで、適切なデフレーターを使って比較してみますと、労働生産性とその実質賃金というのはほぼ比例している、その関係はほとんど変わっていないということが分かっています。ですので、根本的には労働生産性を上げるようなことが必要だと。
ただ、日本が置かれている状況というのは、もう経済が成熟しておりまして、どうしても経済成長率というのはGDPの水準が高くなるに従って下がってくると、これは世界的に観察されている現象でございまして、なかなか厳しい局面にあるというのは、それは短期的な経済財政運営の問題を離れて長期的な問題としてあるんだということで、そこの潜在成長率を何とか厳しい中でも上げていくというようなことが必要で、そのためには労働市場の改革というのが必要だというような話になるんだというふうに考えております。
杉
杉尾秀哉#27
○杉尾秀哉君 今、生産性のお話されましたので、これについても議論はいろいろあると思いますけれども、やっぱり、特に業種で見るとやっぱりサービス産業の労働生産性が日本の場合非常に低いと、こういうふうによく言われます。
とりわけサービス産業を中心とした生産性を上げるために、今、労働市場改革という話されましたけれども、具体的に先生、お考えあったらお聞かせください。川口公述人、お願いします。
この発言だけを見る →とりわけサービス産業を中心とした生産性を上げるために、今、労働市場改革という話されましたけれども、具体的に先生、お考えあったらお聞かせください。川口公述人、お願いします。
川
川口大司#28
○公述人(川口大司君) 実証研究を見ますと、生産性の決定要因として大切なのは資源の配分だということも分かっています。ですので、生産性が低い事業所から高い事業所に労働を移動するあるいは資本を移動するといった、こういう措置というものが日本全体の生産性を上げる上では重要だというふうに考えております。
そのためには、例えば労働市場の解雇規制ですね、こういったものに関して労働移動をスムーズにするような考え方というのも必要なのかなというふうに個人的には思っております。
この発言だけを見る →そのためには、例えば労働市場の解雇規制ですね、こういったものに関して労働移動をスムーズにするような考え方というのも必要なのかなというふうに個人的には思っております。
杉
杉尾秀哉#29
○杉尾秀哉君 今度は、じゃ、河村公述人に伺いますけれども、今、戦後最長か否かと、こういうお話をさせていただきましたが、河村公述人の目下の景気認識。そして、予定どおりですとこの十月に消費増税が八%から一〇%、軽減税率の導入も含めて行われるということにはなっておりますけれども、景気後退局面で消費増税をしてよいのかと、こういう議論もありますけれども、河村先生はどういう御意見をお持ちでしょうか。
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