益田直子の発言 (原子力問題調査特別委員会)

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○益田参考人 益田直子と申します。
 本日は、発言の機会をいただきましたことを関係者の皆様に感謝申し上げます。
 改めて、立法府による行政監視機能の重要性についてお話しすることを求められていると理解しております。本委員会において三回目の報告となりますので、前回までにお話をさせていただいた内容は簡潔に、そして最後に、少し新たなお話を加えて終えたいと考えております。
 私は、御存じのとおり、これまで、日本とアメリカの大学院で評価の影響の研究をしてまいりました。その際、ガバメント・アカウンタビリティー・オフィス、通称GAOと呼ばれる、独立した立場から政府活動の評価を行うと同時に、立法府の補佐を担うという組織の役割に関心を持ちました。
 そうした評価活動によって行政を監視する機能がアメリカの統治機構においてどのように誕生したのかという研究から明らかになった事項や、また、立法府及び行政府の評価活動に関する他国との比較研究などを踏まえて、今、日本の立法府の役割として期待される事項についてお話をしたいと考えています。
 特に、次の二点についてお話をします。
 一点目は、GAOの事例からわかる、立法府、つまり議会が、独立性の高い組織に行政活動の評価を依頼し、その結果の報告を受けるとともに、評価組織は、評価結果に基づく勧告事項が行政府によって執行されている状況をフォローアップし、公開している点についてです。
 二点目は、国際比較の視点から、日本は、評価政策については高く評価されていますが、評価文化の成熟度については課題があるという調査結果から明らかになる事項です。評価文化の成熟度をはかる測定指標は九つありますが、そのうち、他国と比べて最も評価が低いのが、議会における評価の実施と結果の利用に向けた制度化の程度です。つまり、評価の実施と結果の利用における国会の役割に大いに課題があるという結果が出ています。そして、この傾向が、国会事故調の報告書の結果の利用という側面でもあらわれていると考えられる点です。
 スライドを次にお願いします。
 まず初めに、一点目について、こちらの図は、GAOが立法府との関係と機能をともに変化させてきたということを示しています。具体的には、GAOは、行政府から立法府に近づくとともに、財務的検査から政策の効果の検査、つまり評価を行う組織に変わっていきました。
 なお、二〇一九年度のみの勧告数は千六百七件です。二〇一五年度勧告のうち四年間で執行された率は七七%です。また、未執行の勧告はデータベース化されて公開されています。
 次にスライドをお願いします。
 そして、次の二点目についてですけれども、こちらの表は、二〇一五年のジェイコブという研究者らによる評価文化の成熟度に関する調査において対象となったOECD諸国のうち十九カ国の間での日本の順位を示しています。日本は、この表においては下から六番目に位置しています。また、評価政策について、公式化されているとともに十分に確立した国、これは、一番右端の列の「評価政策 評定結果」というところで、「十分に確立した」という文字が並んでおりますけれども、その文字が並んでいる中の国の一番下、最下位に日本は成熟度では位置しております。
 評価を下げている最大の原因は、数値からも明らかなとおり、六の項目の、議会における評価の実施と結果の利用に向けた制度化の程度です。なお、点数の配点は、最も評価が低いものが〇点、高いものが二点と、〇から二の点数の幅で分析がなされておりまして、この六の項目については、〇・三という数値が当てられております。ちなみに、政府の方は二・〇となっています。ただし、参考としている論文において、日本の評価の低さの理由について明確な説明はありません。
 スライドを次にお願いします。
 しかし、他国の議会の中には、次のような三つの場合、つまり、一、議会みずからが評価を行う場合や、二、独立性の高い機関が評価を行うことを議会が求め、そのために議会が法律の策定や修正を行う場合、そして三、議会における予算審議の中で行政機関が行った評価情報を利用する場合などがあることを説明しています。ここから、日本はこれらに該当しないと判断されたと推測できます。
 では、次にお願いします。
 以上のとおり、議会における評価の実施と結果の利用に向けた制度化の程度が日本は諸外国と比べて低いという傾向は、評価制度においてのみならず、国会事故調の調査結果を国会において利用するという側面でもあらわれているように思います。
 具体的には、まず、政府は、国会事故調と政府事故調の報告書における提言に対するフォローアップ報告書を、平成二十四年度から三十年度まで毎年公表しています。
 一方、国会は、次の二点の取組はこれからという状況にあります。
 一つ目は、先ほどの石橋先生の御報告にもありましたように、国会は、国会事故調の報告書の提言一の3)において、「今回の事故検証で発見された多くの問題に関し、その実施・改善状況について、継続的な監視活動を行う」とありますが、その具体的事項である「付録二 国会による継続監視が必要な事項」に関するフォローアップはこれからです。
 そして二つ目は、国会は、国会事故調の報告書の提言一の4)において、「この事故調査報告について、今後の政府による履行状況を監視し、定期的に報告を求める。」とありますが、過去の本委員会の会議録を検索する限りにおきましては、政府によるフォローアップ報告書に関する報告を政府に求め、審議をしたという記録を見つけることはできませんでした。つまり、国会事故調の報告書の提言の実効性を高める取組はこれからと思われます。
 最後になりますが、先ほどの、他国の議会による評価活動への三つの取組のうち、スライド四だったかと思いますけれども、そのうち、本事故調査におきましては、二つ目の取組について、つまり、国会は、国会事故調を誕生させ、調査を依頼したことにより着手したと言えると思います。そうであるからこそ、国会の場でその結果を利用するということも可能なのではないかと期待せざるを得ません。
 以上となります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 益田直子

speaker_id: 14106

日付: 2019-12-05

院: 衆議院

会議名: 原子力問題調査特別委員会