山本和嘉子の発言 (本会議)

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○山本和嘉子君 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの山本和嘉子です。
 私は、共同会派を代表して、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、そして加えて、英語民間試験に対する政府対応の問題、また、共通テストに記述式を導入することに関して、萩生田文部科学大臣に質問をいたします。(拍手)
 質問に先立ち、今般の台風十五号、十九号、豪雨災害によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災されている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 立憲民主党、国民民主党を始めとする野党は、約二年にわたって文部科学委員会で、英語民間試験導入に対して地道に質疑を重ねてまいりました。採点の公正性や地域間格差、経済格差の問題、実施団体の利益相反の疑いも含めて、さまざまな問題点を指摘してまいりました。
 このように長期間議論され、制度上に不備があるにもかかわらず、学生や私たちの声に耳を傾けず、一方的に実施団体側の意向を真に受けて、制度設計を見直すことを怠り、強行しようとしたことが今の大問題を引き起こしているのです。
 あげくに、萩生田大臣の身の丈発言は、英語民間試験制度が経済格差や地域格差を内包していることを容認する発言です。本来、文部科学大臣は教育の機会均等を実現するのがその大きな役割ですが、身の丈発言はそれとは真逆の、まさに萩生田大臣の本音が出たものと言わざるを得ません。貧しい家庭で育った高校生もいます。大学受験にそんなにお金をかけられない高校生が、身の丈に合わせてと言われてどれだけ傷ついたか。いえ、それ以上に、そういった高校生を育ててきたお父さん、お母さんも親として傷ついています。
 教育はひとしく平等に受けられるものです。そのように憲法第二十六条に書かれています。大臣、あなたは高校生から、憲法を読めと言われているのです。
 最も公平であるべき受験がゆがめられたことは、文部行政への不信感を増幅させているのです。文部行政を所管する最高責任者の文部科学大臣の辞任に値します。大臣の見解を伺います。
 さらに、国語と数学の記述式の入試問題についてもお聞きします。
 昨日お渡しした国語の記述式のプレテストは、大臣、ごらんになりましたでしょうか。そして、解けましたでしょうか。ごらんいただいたと思いますが、解答率〇・七%のとても難解な問題もあり、多くの生徒が戸惑っています。さらに、自己採点が難しいことから、二次の出願ができないと不安の声も上がっています。記述式試験の問題を解いた御感想をお聞かせください。
 一昨日、衆議院文部科学委員会参考人質疑の際、ベネッセコーポレーションの参考人が、アルバイトでの採点をお認めになりました。大臣、考えてみてください。もし御自身が受験生で記述式の入試問題を受けるとして、教員や専門家でないアルバイトに採点されて不安な気持ちになりませんか。
 ところで、どんな研修を受けたアルバイトが採点するのですか。およそ一万人が必要とされている採点者のうち、アルバイトはどれくらいの人数なのか、大量のアルバイトの研修がそもそもできるのでしょうか。あわせてお答えください。
 今、英語の次は、国語と数学の記述式の中止という声が高校生から上がっています。難解な記述式の試験の採点をアルバイトにさせることに高校生が不安に思っています。このまま強行するのでしょうか。
 昨日の夕方、高校生が、記述式の入試の中止を求める四万人の署名を提出いたしました。大臣は高校生に会いもしませんでした。加計学園の皆さんに対しては官邸までお招きされたにもかかわりませず、悲痛な思いで全国の仲間の思いを背負った高校生にお会いにならないとは、血も涙もありません。高校生の気持ちを、大臣、どう思いますか。本来ならば、署名を集めた高校生に会って話を聞くべきではないでしょうか。
 高校生にとってこれからの人生を左右する大学入試に公平公正な採点ができないような問題を採用することは、絶対に中止するべきです。こんなまじやばい入試制度、まじやばいは高校生や受験生の間で言われておりますけれども、もっと現場の声、高校生の声に耳を傾け、抜本的な制度設計の見直しが不可欠です。声を聞かないまま、不公平な制度をこのまま強行することに強く反対します。
 そもそも、萩生田大臣は官房副長官時代、加計学園獣医学部設置認可をわざわざ期限を区切って決定に結びつけたという疑惑はいまだ解消されていません。大臣は落選中に加計学園が運営する大学で客員教授を務めており、その御恩返しというべき配慮だったのではないでしょうか。
 加計学園からどれぐらいの期間、どれくらいの報酬をもらっておられたのでしょうか。また、獣医学部設置認可に当たって、萩生田大臣は、安倍総理のお友達の加計理事長のために尽力した、その見返りによって文部科学大臣に就任されたとしか思えません。とんでもないことです。即刻、大臣をおやめいただきたい。
 この英語民間試験の問題により、安倍政権は、経済的に厳しい高校生や地方の高校生のことなど全く考えていないということが明確になりました。安倍政権は高校生や受験生の敵です。高校生の人生よりも一部の民間企業の利益を優先させる、森友、加計問題、今回の英語民間試験問題、全て教育利権を優先させる、そんな安倍政権にこの国の教育を任せておくわけにはいきません。
 引き続き、給特法の質疑に入ります。
 本法律案の主な改正内容は、一年単位の変形労働時間制を地方公共団体の判断により導入できるようにするとともに、文部科学大臣が、教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針を策定し、公表するということですが、その内容については、既に多くの反対意見や懸念の声が上がっています。
 学校の働き方改革において最も重要なことは、教員の労働環境の改善、大幅な増員、そして業務量の削減であります。しかし、今回の法律案は、その大事な部分にどのような効果があるのか、全く見えてきません。
 教員の働き方改革については、大臣自身も先日の文部科学委員会における所信的発言で、「学校における働き方改革は特効薬のない総力戦である」と述べているように、一筋縄ではいかない問題です。現場の声を聞き、議論を積み重ね、さまざまな角度から判断していくことが必要です。
 そもそも、教員の長時間勤務が常態化している要因を分析せずに、その改善策を講ずることはできないのです。本法律案による教員の長時間勤務の縮減見込みはあるのでしょうか。文部科学省は、この制度の導入は教員の長時間勤務の縮減につながらないと説明しています。そうであるならば、なぜこの制度を導入しなければならないのでしょうか。長時間勤務が減らないのなら、全く意味はありません。この変形労働時間制の導入自体が、逆に勤務時間を増幅させていると言われていますが、文部科学大臣の御所見を伺います。
 さらに、本法律案では長時間労働の是正策の多くが地方公共団体の判断に任されているということですが、全く無責任です。文部科学省は傍観せず、その役割を果たすべきです。休日のまとめどり期間中には部活動を行わないこと、繁忙期として長い勤務時間を設定した期間には時間外勤務を行わないことなど、地方公共団体において適切な運用がなされるよう、制度の趣旨を踏まえた厳しいルールを策定すべきではないでしょうか。策定しなければ、自治体に丸投げで、実効性がないのと同じです。文部科学大臣の御見解をお伺いいたします。
 教員の過労死は、御遺族にとっても学校にとっても大変不幸なことであり、絶対に回避しなければなりません。一年単位の変形労働時間制に関しては、御遺族の方から、夏休み等の長期休業期間に休みのまとめどりを予定したとしても、今の教員の労働環境では夏休みまでもたないのではないかという懸念が示されています。
 神奈川県過労死家族会の工藤祥子さん、きょうも工藤祥子さんや中野さん、山口さんがわざわざ傍聴に来ていただいておりますが、工藤祥子さんは、二〇〇七年に当時中学校の体育教師だった御主人を過労死で亡くされました。工藤さんの御主人は、六月に行われた修学旅行から帰ってきて十日後に亡くなられたとのこと。四月の新学期以降、主に新しい環境下で行事の多い五月から七月の過労死事案も多いということでございます。
 文部科学省として、教員の過労死事案の発生時期について把握しているのでしょうか。また、一年単位の変形労働時間制を採用した場合に過労死事案が増加することを懸念する声について、文部科学大臣のお考えをお伺いいたします。
 本法律案において、一年単位の変形労働時間制の導入のほかに、文部科学省において教員の業務量の適切な管理等に関する指針を策定すると内容に盛り込んでおります。これは、平成三十一年一月に文部科学省が策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインに法的な根拠を与えるものと文科省は説明しています。
 上限ガイドラインでは、原則として月四十五時間、年三百六十時間といった時間外勤務の上限の目安が示されておりますが、そうした上限が、その時間までは勤務することが許される、頑張るべきであるといった意識となってしまう可能性は高いと思います。中教審の答申にも、そうした事態は避けなければならないと述べられていますが、具体的な対策については何ら触れられておりません。
 文部科学大臣が定める指針に沿った勤務時間の管理は、最終的に誰の責任で実施されるのでしょうか。指針の内容を教員に適用するために、都道府県や市町村の議会での議論を経て条例や規則が定められることになりますが、文部科学省は、各地方公共団体における条例等の整備の進捗状況を確認、把握する予定がありますか。また、その結果について、一覧表をつくって結果を公表するなどのお考えをお持ちかどうかも伺います。
 教員が子供たちに対して効果的な教育を行うことができるようになることが学校の働き方改革であるならば、今回の給特法の改正内容は、その目的にどの程度資するものなのでしょうか。現在、関係者から多くの懸念が示されている状況であり、文部科学省は、国会審議を通してしっかりと説明するべきです。
 また、学校における働き方改革を推進するためには、給特法の趣旨や教員の勤務のあり方について議論することが重要です。不安や疑問点などの懸念を抱かせている時点で、大学入試における英語民間試験の導入と同じように信頼を失う行為だと言わざるを得ません。
 せざるを得ない残業は残業と認めてください。残業には残業代等の対価を支払ってください。
 不払い残業を合法化している給特法の廃止を含めた抜本的な見直しが急務と考えます。文部科学省は給特法の見直しを三年後に行うと言っておりますが、本当にそのおつもりがあるのか、明確にお答えください。
 本法律案については、逆に長時間労働や過労死をふやすという危惧があるため、十分かつ慎重な審議が求められること、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣萩生田光一君登壇〕

発言情報

speech_id: 120005254X00520191107_031

発言者: 山本和嘉子

speaker_id: 106

日付: 2019-11-07

院: 衆議院

会議名: 本会議